オキナワノコワイハナシ　３

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「普天満山神宮寺、二時の霊道」　２０１０年夏放映　監督・新垣拓史

深夜２時、ヨウコ（又吉裕子）と歩いていたひでかず（平安信行）は、神社を抜けて近道をしようと言い出したが、神社に入った途端、ヨウコを残して一人本殿の裏手のトイレに駆け込んだ。
ドアに小さな模様ガラスのはまった一人用のトイレで唸っていると、ノックの音が。
ヨウコかと思って話しかけても無反応。
次第にノックの回数がカウントダウンのように減っていき、ついに１度だけトン、とノックされた途端窓には気味の悪い人影が映り・・・。

普天満山神宮寺って、実際にあるお寺みたいで、しかもこの上映会までやってたいそう盛り上がったらしいですねぇ。
お寺のホームページの内覧図がばっちりドラマどおりで納骨堂の脇にはそのトイレがｗ
ヨウコ役又吉裕子の追い詰められパニくる姿が超リアルな１本です。

「ヘーガサー」　２０１１年夏放映　監督・脚本・高山創一

３人の女子大生（菅原千絵、伊波ひな乃、松田瑠華）が、学内の事務棟前でダンスの練習をしている。
休憩時間、美香が腕に出来た湿疹のことを話すと、別の子が「それは幽霊を見ると出来るヘーガサーというもので、出来ると、それが全身に出来て狂い死にした女に殺されるらしい」と言い出すが、その３人を建物屋上から見下ろしていた女が突然・・・。

休日出勤していた大学職員の桃子（桃原遙）は、３人がいた場所に捧げられた花束に気づき取り上げようとした瞬間、傍らに女性の足を見たような気がして驚いた。
それを見ていた用務員の金城（大嶺淳）は、何かと彼女を気遣うが、彼女の腕にもまた、ヘーガサーが出来ていることに気づき・・・。

ヘーガサーをググると湿疹のようなものとか、頭に出来る湿疹とか、諸説あるようですが、呼び方に関しては鼻に出来るにきびやおできをメンチョとかいうのと似た感じなんですかね。
解呪の方法はドラマをどうぞ。普通なら単なるまじないの感じですが、派手な特撮アクション有りの最凶悪霊が相手の今作ではけっこう痛そうです＾＾；
３人の女子大生はあちらで人気のアイドルらしいです。岩本鈴花というのはもしかして悪霊にしては可愛すぎる彼女？

「ミーガンチョー」　２０１０年夏放映　監督・脚本・高山創一

深夜、若い女が古い自動車修理工場に走りこんでくるなり、床に置いてあったパイプ裁断機に頭を突っ込んで自殺するシーンから物語は始まる。

自動車修理工場の若い修理工マモル（内田周作）が裁断機で作業中、弾けた欠片でメガネのレンズが割れてしまう。
面倒見が良さそうな社長（大嶺淳）は、忘れ物のメガネの中から合うのを選んで使えといい、事務の女の子（桃原遙）と適当なものを選んで使い始める。
いくつか試した中で、一つだけ度が合ったのは、ツルが真ん中から切れている女性物だ。
けれど、ツルをガムテで繋げて使い始めた時から、マモルはいるはずのない人影を見るようになり・・・。

ミーガンチョーとはメガネのことだそうで。
桃原遙と大嶺淳ペアは、シリーズの看板役者さんなんでしょうか？
あちらで人気らしい幸地優美、中座健太もふと立ち寄った修理工場で、恐ろしいものを見てしまうカップルで登場。さすがにいいリアクションです。
キャストに”ノブエ”って一人だけでっかく出るのは誰？あちらの方なら”ノブエ出てたよー”とかウケちゃう符丁なんでしょうかねぇ。

１話目のお寺の副住職さんは、その後ＴＶ出演もされて、怖い話を語られたそうで。
怖いかどうかより、沖縄出身の友人にすんごく面白く地元話を聞かされてるような。
次の話も超楽しみです。マジで沖縄行きたくなって来ましたｗ

グリム童話は、出版されて版を重ねるうちに最適化されて行ったらしい。時代の要請に応えるカタチで取捨選択、改変されたワケだ。シンプルで分かり易く、よりソフトになった。
よく言われるように、恐怖や悪意、性的な表現は薄らいだ。それは当然のようであり、倫理や道徳の面から、社会や家族の根底にある規範が正常に機能していた証左だと思う。

■第１話 普天満山神宮寺、二時の霊道　Soul way of Futenmanzan at 2:00 A.M.(2010年 夏)
深夜、普天満山神宮寺の前を通りかかったカップル。近道をしようと境内に入った２人だったが、そこは彷徨える霊魂が出没する場所だった。
……というお話し。

ストーリーは、ほぼない。(笑)　カップルが霊に襲われるだけ。何の説明台詞もないのだが、衣装などからカップルの背景などが浮かび上がる。“このカップルは同棲している。同棲して長い。夜中、食べ物を買いに出て、コンビニで雑誌を立ち読みしているうちに夜中になってしまった”とか……。なかなか秀逸だ。(苦笑)

■第２話 ヘーガサー　Scab(2011年 夏)
大学の新任職員の桃子は、休日出勤して仕事をしていた。ふと気が付くと、腕に湿疹のようなものが出来ている。
それを見た清掃員の金城は、ただのヘーガサーでないと判断。呪いを解くために、焼いた藁を彼女の腕にこすりつけるが、時既に遅く、金城にも桃子にも魔の手が忍び寄っていた。
……というお話し。

私は肌が弱いので、ちょっと虫に刺されただけで大きく腫れてしまう。植物に触れても、ヘーガサーのような湿疹が出来る。だから、抗生物質を含んだ塗り薬を常備している。
藁を焼いて患部にこすりつけるより、ちゃんとした薬を塗ったら良かったんじゃないか？

■第３話 ミーガンチョー　Glasses(2010年 夏)
自動車修理工場。作業中にメガネを壊したマモルは、忘れ物の中から自分に合ったものを探しだして使い始める。
ところが、視野の片隅に女の影が見え始める。気味が悪くなって女性事務員に相談すると、彼女は、以前、この工場で起きた事故について語り始めた。
……というお話し。

子供の頃から眼鏡のお世話になっているので、何本もスペアを持っている。視力は落ちる一方だから、一度も使わずに役に立たなくなることもある。が、壊れると、どうにもならないので、これは仕方ない。(溜息)
本作品の主人公についても、なんで予備を持っていないのか不思議だった。私には考えられない。ましてや、他人の眼鏡を使うなんて……。面白かったけれど、個人的には説得力がなかったように思う。

思うに、グリム童話を「本当は残酷でコワイお話しだった」とセンセーショナルに謳うのは、現代社会や家庭の根底にある規範が崩れつつあるからではないか。昔は眉をひそめた事柄も、いまはエンターテイメントとして扱われる。
私自身、楽しんでしまう方だから大きなことは言えないが、時折り足が竦むような不安に襲われることがある。
グリム童話が再び残酷な童話として出版され、それがスタンダードになってしまうのではないか、それは、どう考えても宜しくない。童話は童話として、怪談は怪談として息づく社会の方が健全だ。

私も、もう少し全うな生活をしなければと思った次第。(笑)

オススメ！