サムライ / アラン・ドロン
サムライ
/ジャン・ピエール・メルヴィル
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(8)
解説・ストーリー
寒々としたアパートで、たった一羽の小鳥とともに暮らす孤独な殺し屋。が、あるピアノ弾きの女と関わった事から警察にマークされた彼は、やがて自ら死地に赴いていく……。仏フィルム・ノワールの巨匠J=P・メルヴィル監督の傑作で、徹底した硬質な画面構成と氷のような色調が鮮やかな印象を残した。他人を一切寄せつけず、己のスタイルを貫き通して死んでいく殺し屋を、日本の侍のイメージとダブらせた演出は今なお語り草で、ファンの多い作品である。 JAN:4988111749789
寒々としたアパートで、たった一羽の小鳥とともに暮らす孤独な殺し屋。が、あるピアノ弾きの女と関わった事から警察にマークされた彼は、やがて自ら死地に赴いていく……。仏フィルム・ノワールの巨匠J=P・メルヴィル監督の傑作で、徹底した硬質な画面構成と氷のような色調が鮮やかな印象を残した。他人を一切寄せつけず、己のスタイルを貫き通して死んでいく殺し屋を、日本の侍のイメージとダブらせた演出は今なお語り草で、ファンの多い作品である。 JAN:4988111749789
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「サムライ」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
寒々としたアパートで、たった一羽の小鳥とともに暮らす孤独な殺し屋。が、あるピアノ弾きの女と関わった事から警察にマークされた彼は、やがて自ら死地に赴いていく……。仏フィルム・ノワールの巨匠J=P・メルヴィル監督の傑作で、徹底した硬質な画面構成と氷のような色調が鮮やかな印象を残した。他人を一切寄せつけず、己のスタイルを貫き通して死んでいく殺し屋を、日本の侍のイメージとダブらせた演出は今なお語り草で、ファンの多い作品である。 JAN:4988111749789
「サムライ」 の作品情報
「サムライ」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
サムライの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
107分 |
日 |
仏:モノラル、日:モノラル |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DABR4978 |
2016年11月04日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
10枚
|
0人
|
0人
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サムライの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
107分 |
日 |
仏:モノラル、日:モノラル |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DABR4978 |
2016年11月04日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
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10枚
|
0人
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ユーザーレビュー:8件
覚悟の死へ、鋭く孤独な歩み
「モラン神父」1961年「サムライ」1967年「仁義」1970年を観て思った。
私は、ジャン・ピエール・メルヴィル監督が好きかもと。
活字の多い本を急いでめくるより、空白の目立つ本をゆっくりと楽しむ歓び。
青っぽい海の色のようなパリのアパルトマン。
始まってもセリフが出てこない数分間、何だ何だ、この人はどんな人で何をやらかすんだ?
与えられる情報だけではない、こちらが考える時間、咀嚼する楽しみがある。
どれだけのイマジネーションがあるか試されているとさえ思う。
ジェフ・コステロ(アラン・ドロン)は一匹狼の殺し屋だ。
アリバイも完璧に用意し、ある殺人を実行したところ、退出する通路で、まともに顔を見られてしまった。
このナイトクラブのピアニスト、ヴァレリー(カティ・ロジェ)だった。
さらにバーテンダーなど数人に、トレンチコートにソフト帽の姿を見られた。
すぐさま、主任警部役(フランソワ・ペリエ)のもと該当者が集められ、面通しとなる。
だが、バーテンダーは「はっきりしない」と言い、ヴァレリーは「この人じゃない」と
否定する。
アリバイを頼んだジャーヌ(ナタリー・ドロン)も、偽証罪でぶちこむぞという警部の脅しには屈せず、ジェフは釈放された。
しかし、警部の直感だろうか、「犯人はジェフに違いない」という執念のもと、この後
部屋に盗聴器を仕掛けられたり、警察を総動員してパリの網の目のようなメトロを追跡、
殺し屋対警察という息詰まる捜査が続くのである。
ジェフはプロなので地下鉄での逃亡は実に見事だ。
普通のおばさんがガムをクチャクチャさせながら尾行するのをジェフは婦警だと見抜き
エスカレーターをジャンプして走り去る。
電車のドアが開閉する瞬間に乗降するのも、他の映画でもよく見るが
もしかしてこちらが元祖だろうか?
この辺のアクションや、盗んだ車のプレート交換シーンも暗黒の気配で見どころではあるが、
『静』の象徴として、アパルトマンに飼っている小鳥の存在、
そして、ヴァレリーの瞳のゆらぎを、私は書かずに居られない。
小鳥はジェフに危険を教える。鳴き声で、また、激しく消耗したその姿で・・・。
小鳥はジェフを助けたのに、ジェフは最後に一瞥をくれたまま、置き去りにするのだ。
だが、ジェフの深い色の瞳には、冷たくも諦観した慈しみの感情が宿る。
ピアニスト、ヴァレリーの存在は本作において大きい。
大きく輝く瞳には、言葉に出来ない感情がその都度溢れ出る。
ジェフは(当時妻だったナタリー・ドロンより)ヴァレリーを見つめる瞳に意味深げな
視線を込めるのだ。
もしやそれが『愛』であるにしても、殺し屋に打ち明けられるはずもない。
そうと知ればこそ、この先は「死」しかないという覚悟の道。
(裏切っても、裏切られてもだ)
殺し屋にはいつも冷徹な判断と孤独を受容する覚悟があった。
「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」『葉隠』の一説である。
アラン・ドロンの「ジャングルに生きるトラ」そのものの強く美しい眼光が忘れがたい。
このレビューは気に入りましたか?
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殺し屋の美学・・完璧な美しさのアラン・ドロン
投稿日:2022/03/04
レビュアー:アーモンド
1967年(仏/伊)監督:ジャン=ピエール・メルヴィル
孤独な殺し屋のアラン・ドロン。
ソフト帽にベージュのトレンチコート。
着こなしが完璧な上にその姿・お顔の美しいこと。
アラン・ドロンを堪能する映画でした。
ジェフ・コステロ(アラン・ドロン)は金で人殺しを請け負う孤独な殺し屋。
題名は「サムライ」ですが、誤解が海外にはあるようです。
サムライ(武士)は組織(主君とか藩に属する職業で、大義のためには命を捨てて戦うけれど、
殺し屋ではない。特に孤独な訳でもない・・・)
ジェフはナイトクラブで《殺しの仕事》を果たして部屋を出る時、黒人のピアニストに
顔を目撃されてしまいます。
面通しでピアニスト(カティ・ロジェ)は嘘をつき、ジェフをかばう。
事前にコールガールのジャーヌ(ナタリー・ドロン)に、アリバイ工作を頼んでいたジェフ。
一旦釈放されたものの。
主任警部(フランソワ・ペリエ)は、犯人はジェフに違いないと確信して、
包囲網を引いて行く。
メトロの追っかけっこ=逃亡劇は、スリルがあります。
マンツーマンで警察官がマークする中、彼らを巻くジェフのカッコ良さ!!
ジェフが車を盗む手口。
鍵束がネックレスのようです。
一個一個試して即、エンジンが掛かりスタート!!
盗んだ車を仲間のアジトに持ち込んでプレートを変えて、ついでに銃を受け取る。
と、かなり周到な仕事ぶり。
孤独なサムライの心を慰めてくれるのは毛色の悪い、声も悪いカナリアだけ。
この映画、カラーなのにほとんど色味がないです。
肌の色と車のライトが目立つくらいで、ほぼ無彩色。
会話も少なく、心の繋がりを断つジェフだけがポッカリと浮かび上がります。
しかし殺し屋の嗅覚は鋭い。
部屋に押し入ってきた殺し屋。
ジェフの首に銃を押しつける。
ジェフの目つきが瞬時に殺気立ちます。
目の前に肉塊をぶら下げられたドーベルマンのように、素早く襲いかかるジェフ。
流石の凄腕だ!
この暴力=心底プロの殺し屋だと知ります。
ラストの展開は、覚悟を決めたのでしょうか?
孤独な男は最後まで、1人ぽっち・・・でした。
このレビューは気に入りましたか?
6人の会員が気に入ったと投稿しています
詩的な味わいのある名作
投稿日:2016/11/06
レビュアー:趣味は洋画
...サムライの孤独ほど深いものはない...さらに深い孤独があるとすれば、ジャングルに生きるトラのそれだけだ...《武士道より》
冒頭流れる字幕テロップのこの文言は、実はメルヴィル監督が創作した言葉だといわれている。
アラン・ドロンが、その孤独感をひしひしと漂わせながら登場する。
スーツの上にトレンチコートを着込み、ベルトを定位置できっちり締めている。
つばのある山高帽風の帽子を目深にかぶり、鏡の前で、そのつばを左右になぞる。
小雨の街へ出る。コートの肩が小雨で濡れている。
横顔をとらえたドロンの冷たい表情....もうこれ以上ない彼のカッコよさにシビれる。
誰のものとも分からぬ、アンロックの駐車中のシトロエンに乗り、ポケットからキーの束を取り出し、エンジンのかかるキーをみつける。
そして郊外の廃屋のようなガレージに車を入れ、むさくるしい親爺が車のプレートを交換する。
約束ごとのように、その手間賃としてドロンは金を親爺に渡し、銃も要求する。
しょうがなさそうに銃を渡す親爺(その渡し方が独特で、そのスジの者のよう)、さらに金を渡すドロン...映画が始まってから、ここまで一切のセリフはない。
この時点で、画面には‘孤独感’を冷たく張り付けているかのようだ。
ドロンはプロの殺し屋らしく、ターゲットは一発で仕留めるが、その男が何者なのか、なぜ殺されるのか、そういった説明は一切ない。
だが、それをセリフで語る(表現する)必要はまったく感じない。
そのほうが余計にリアルで、この映画の雰囲気にあっている。
見せ場の実に多い映画だ。
ドロンが「仕事」を済ませた後、クラブの廊下で黒人の女性ピアニスト(カティ・ロジェ)と出くわす。そのときの両者の微妙な表情。
警察署で面通しを行う、主任警部(フランソワ・ペリエ)の手際よさ。
金髪の殺し屋(ジャック・ルロワ)が待つ陸橋の上に、ドロンが颯爽と向かうシーン。
地下鉄を舞台にした、ドロンの逃走と警察側の追跡シーン。
パリの暗黒街の表情と、極力、音楽を排したことによる画面の緊張感。
(無論、サビの部分ではフランソワ・ド・ルーベの音楽が効果をあげている)
元々、ジャン・ピエール・メルヴィル監督は、暗黒街の臭いを濃厚にさせることに秀でた手腕を発揮する人で、美しさと色気を兼ね備えたドロンは、その起用と期待に応えている。
そのことは2人が組むこととなる、70年「仁義」、72年「リスボン特急」でもみてとれる。
ナタリー・ドロンとの共演がなにかと話題をさらった映画でもあるが、個人的には、「ドロンを庇う謎のピアニスト、ヴァレリー」を演じたカティ・ロジェが良かった。
最初の登場シーンは、表情豊かにピアノを演奏しながら歌い、その後のシーンは、常に意味深な表情でドロンをみつめる眼が印象的だった。
詩的な味わいのある名作だ。
このレビューは気に入りましたか?
6人の会員が気に入ったと投稿しています
メルヴィル ドロン 檻のなかの鳥
「サムライ」(1967年、フランス/イタリア、カラー、105分)。
アラン・ドロン(1935生)の代表作。かつ、ジャン・ピエール・メルヴィル監督(1917〜1973)の傑作。
長く封印されてきた映画。やっと、DVDレンタル開始です。
自分の手元には、銃のように、三つの「サムライ」があります。VHSが二挺(アミューズ、ポニー・キャニオン)、DVDが一丁。
DVDは、パイオニアLDCが2001年に発売したものが唯一でした。
それを、当時、5600円で買ったのですが、あまり画質は良くないものでした。
ヤフーのオークションで、30000円で落札されたことがありました。
早く売り払っておけばよかったのです。
2016年5月に、国内ブルーレイ・DVDが、「IMAGICA/ kADOKAWA」から発売され、LDC版のDVDの価値は暴落しました、
即、購入しました。画質は、非常に向上しています。暗い室内の細部が鮮明に見える。
ディスカスでレンタル開始。つまり、セミ・パブリック(半公共化)されるのです。
この映画のことに入ります。
ドロンの代表作。孤独な殺し屋が、かれに向いています。
冒頭。二つの窓が見える暗い部屋。鳥が鳴いています。外は冬の雨。鳥は「ひく、ひい」と求めるように啼きつづけています。
フランソワ・ド・ルーペの音楽は、雨垂れのように、弦を爪弾かせます。
鳥の檻は大きい。殺し屋ジェフ(ドロン)は、鳥の動きを見て、焼いた紙片の残りで籠を撫でる。この場面だけで、男の虚無が分かる。
帽子。殺しに行く前に、かれは部屋で、身支度を調える。トレンチコートの後ろ襟を立て、かぶった帽子の「つば」を左手の指で二回左右になでる。
ここで、「サムライ」の「ドロン」の「ジェフ」像が定まる。この映画の前半の核心。ナルシストなのだ。
格好は良いが、おそらく「死」に向かっていくことを意識している。
かれは、まず、殺しに成功するが、ピアニスト(カティ・ロジェ)に顔を見られる。
2回目の殺しのときに、かれはピアニストを撃てない。弾倉を空にしている。死に場所を探していたのだろう。
ドロン = 籠のなかの鳥 = 殺し屋 = 虚無 = 帽子の鍔 = 死 という連鎖は、この映画特有のものだ。
メルヴィル監督、ドロン主演の映画は、この作品のあとの「仁義」(1970)、「リスボン特急」(1972、監督の遺作)で、全三作。
この監督は、「海の沈黙」 (1947)、「影の軍隊」(1969)など、レジスタンス(抵抗)の骨太い映画を作ったが、
「サムライ」だけは、特異だ。
ひとりの男が、自分の分身であるもうひとりの男の弱さを撮ることに、意味があった。
監督のホモセクシュアル傾向を、ドロンが誘発したように思える。
でないと、ドロンをこんなふうに美しく描けないだろう。
「サムライ」は、「心中」映画なのだろうと、僕は思っている。
当時のドロンの妻:ナタリーが出演している。驚くほど、アランとナタリーの顔が似ている。
ナタリーは、この映画に出演したあと、女優としての次のステップを目指す。
しかし、うまくいかなかった。彼女は、この映画の時空から弾き出されたのだ。
この映画については、年寄りの自分のなかで、愛憎が交差している。
もっと若い人に、見てほしい。こんな映画から、どんな感想が出てくるか。少し怖いし、わくわくする。
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4人の会員が気に入ったと投稿しています
アラン・ドロンを堪能する映画
題名が無理矢理つけたように見えるが。
非情な殺し屋としてのドロンがぴったり。
一番の見所は警察との息詰まる様な追いつ追われつの丁々発止。
特に有名な複雑なパリの地下鉄を使った映画はこれ以外には無い。
フランスの警察は昔から緻密な捜査で有名で眼をつけられたならば逃げおおせはしない。
この尾行を如何にして振り切るかがこの映画の見所。
ドロン以外に日本で有名な人はいないがそれが逆に惹きつけられる。
ドロンのスキのないファッションを観るだけでも価値がある。
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2人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
覚悟の死へ、鋭く孤独な歩み
投稿日
2021/10/18
レビュアー
くまげらの森
「モラン神父」1961年「サムライ」1967年「仁義」1970年を観て思った。
私は、ジャン・ピエール・メルヴィル監督が好きかもと。
活字の多い本を急いでめくるより、空白の目立つ本をゆっくりと楽しむ歓び。
青っぽい海の色のようなパリのアパルトマン。
始まってもセリフが出てこない数分間、何だ何だ、この人はどんな人で何をやらかすんだ?
与えられる情報だけではない、こちらが考える時間、咀嚼する楽しみがある。
どれだけのイマジネーションがあるか試されているとさえ思う。
ジェフ・コステロ(アラン・ドロン)は一匹狼の殺し屋だ。
アリバイも完璧に用意し、ある殺人を実行したところ、退出する通路で、まともに顔を見られてしまった。
このナイトクラブのピアニスト、ヴァレリー(カティ・ロジェ)だった。
さらにバーテンダーなど数人に、トレンチコートにソフト帽の姿を見られた。
すぐさま、主任警部役(フランソワ・ペリエ)のもと該当者が集められ、面通しとなる。
だが、バーテンダーは「はっきりしない」と言い、ヴァレリーは「この人じゃない」と
否定する。
アリバイを頼んだジャーヌ(ナタリー・ドロン)も、偽証罪でぶちこむぞという警部の脅しには屈せず、ジェフは釈放された。
しかし、警部の直感だろうか、「犯人はジェフに違いない」という執念のもと、この後
部屋に盗聴器を仕掛けられたり、警察を総動員してパリの網の目のようなメトロを追跡、
殺し屋対警察という息詰まる捜査が続くのである。
ジェフはプロなので地下鉄での逃亡は実に見事だ。
普通のおばさんがガムをクチャクチャさせながら尾行するのをジェフは婦警だと見抜き
エスカレーターをジャンプして走り去る。
電車のドアが開閉する瞬間に乗降するのも、他の映画でもよく見るが
もしかしてこちらが元祖だろうか?
この辺のアクションや、盗んだ車のプレート交換シーンも暗黒の気配で見どころではあるが、
『静』の象徴として、アパルトマンに飼っている小鳥の存在、
そして、ヴァレリーの瞳のゆらぎを、私は書かずに居られない。
小鳥はジェフに危険を教える。鳴き声で、また、激しく消耗したその姿で・・・。
小鳥はジェフを助けたのに、ジェフは最後に一瞥をくれたまま、置き去りにするのだ。
だが、ジェフの深い色の瞳には、冷たくも諦観した慈しみの感情が宿る。
ピアニスト、ヴァレリーの存在は本作において大きい。
大きく輝く瞳には、言葉に出来ない感情がその都度溢れ出る。
ジェフは(当時妻だったナタリー・ドロンより)ヴァレリーを見つめる瞳に意味深げな
視線を込めるのだ。
もしやそれが『愛』であるにしても、殺し屋に打ち明けられるはずもない。
そうと知ればこそ、この先は「死」しかないという覚悟の道。
(裏切っても、裏切られてもだ)
殺し屋にはいつも冷徹な判断と孤独を受容する覚悟があった。
「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」『葉隠』の一説である。
アラン・ドロンの「ジャングルに生きるトラ」そのものの強く美しい眼光が忘れがたい。
殺し屋の美学・・完璧な美しさのアラン・ドロン
投稿日
2022/03/04
レビュアー
アーモンド
1967年(仏/伊)監督:ジャン=ピエール・メルヴィル
孤独な殺し屋のアラン・ドロン。
ソフト帽にベージュのトレンチコート。
着こなしが完璧な上にその姿・お顔の美しいこと。
アラン・ドロンを堪能する映画でした。
ジェフ・コステロ(アラン・ドロン)は金で人殺しを請け負う孤独な殺し屋。
題名は「サムライ」ですが、誤解が海外にはあるようです。
サムライ(武士)は組織(主君とか藩に属する職業で、大義のためには命を捨てて戦うけれど、
殺し屋ではない。特に孤独な訳でもない・・・)
ジェフはナイトクラブで《殺しの仕事》を果たして部屋を出る時、黒人のピアニストに
顔を目撃されてしまいます。
面通しでピアニスト(カティ・ロジェ)は嘘をつき、ジェフをかばう。
事前にコールガールのジャーヌ(ナタリー・ドロン)に、アリバイ工作を頼んでいたジェフ。
一旦釈放されたものの。
主任警部(フランソワ・ペリエ)は、犯人はジェフに違いないと確信して、
包囲網を引いて行く。
メトロの追っかけっこ=逃亡劇は、スリルがあります。
マンツーマンで警察官がマークする中、彼らを巻くジェフのカッコ良さ!!
ジェフが車を盗む手口。
鍵束がネックレスのようです。
一個一個試して即、エンジンが掛かりスタート!!
盗んだ車を仲間のアジトに持ち込んでプレートを変えて、ついでに銃を受け取る。
と、かなり周到な仕事ぶり。
孤独なサムライの心を慰めてくれるのは毛色の悪い、声も悪いカナリアだけ。
この映画、カラーなのにほとんど色味がないです。
肌の色と車のライトが目立つくらいで、ほぼ無彩色。
会話も少なく、心の繋がりを断つジェフだけがポッカリと浮かび上がります。
しかし殺し屋の嗅覚は鋭い。
部屋に押し入ってきた殺し屋。
ジェフの首に銃を押しつける。
ジェフの目つきが瞬時に殺気立ちます。
目の前に肉塊をぶら下げられたドーベルマンのように、素早く襲いかかるジェフ。
流石の凄腕だ!
この暴力=心底プロの殺し屋だと知ります。
ラストの展開は、覚悟を決めたのでしょうか?
孤独な男は最後まで、1人ぽっち・・・でした。
詩的な味わいのある名作
投稿日
2016/11/06
レビュアー
趣味は洋画
...サムライの孤独ほど深いものはない...さらに深い孤独があるとすれば、ジャングルに生きるトラのそれだけだ...《武士道より》
冒頭流れる字幕テロップのこの文言は、実はメルヴィル監督が創作した言葉だといわれている。
アラン・ドロンが、その孤独感をひしひしと漂わせながら登場する。
スーツの上にトレンチコートを着込み、ベルトを定位置できっちり締めている。
つばのある山高帽風の帽子を目深にかぶり、鏡の前で、そのつばを左右になぞる。
小雨の街へ出る。コートの肩が小雨で濡れている。
横顔をとらえたドロンの冷たい表情....もうこれ以上ない彼のカッコよさにシビれる。
誰のものとも分からぬ、アンロックの駐車中のシトロエンに乗り、ポケットからキーの束を取り出し、エンジンのかかるキーをみつける。
そして郊外の廃屋のようなガレージに車を入れ、むさくるしい親爺が車のプレートを交換する。
約束ごとのように、その手間賃としてドロンは金を親爺に渡し、銃も要求する。
しょうがなさそうに銃を渡す親爺(その渡し方が独特で、そのスジの者のよう)、さらに金を渡すドロン...映画が始まってから、ここまで一切のセリフはない。
この時点で、画面には‘孤独感’を冷たく張り付けているかのようだ。
ドロンはプロの殺し屋らしく、ターゲットは一発で仕留めるが、その男が何者なのか、なぜ殺されるのか、そういった説明は一切ない。
だが、それをセリフで語る(表現する)必要はまったく感じない。
そのほうが余計にリアルで、この映画の雰囲気にあっている。
見せ場の実に多い映画だ。
ドロンが「仕事」を済ませた後、クラブの廊下で黒人の女性ピアニスト(カティ・ロジェ)と出くわす。そのときの両者の微妙な表情。
警察署で面通しを行う、主任警部(フランソワ・ペリエ)の手際よさ。
金髪の殺し屋(ジャック・ルロワ)が待つ陸橋の上に、ドロンが颯爽と向かうシーン。
地下鉄を舞台にした、ドロンの逃走と警察側の追跡シーン。
パリの暗黒街の表情と、極力、音楽を排したことによる画面の緊張感。
(無論、サビの部分ではフランソワ・ド・ルーベの音楽が効果をあげている)
元々、ジャン・ピエール・メルヴィル監督は、暗黒街の臭いを濃厚にさせることに秀でた手腕を発揮する人で、美しさと色気を兼ね備えたドロンは、その起用と期待に応えている。
そのことは2人が組むこととなる、70年「仁義」、72年「リスボン特急」でもみてとれる。
ナタリー・ドロンとの共演がなにかと話題をさらった映画でもあるが、個人的には、「ドロンを庇う謎のピアニスト、ヴァレリー」を演じたカティ・ロジェが良かった。
最初の登場シーンは、表情豊かにピアノを演奏しながら歌い、その後のシーンは、常に意味深な表情でドロンをみつめる眼が印象的だった。
詩的な味わいのある名作だ。
メルヴィル ドロン 檻のなかの鳥
投稿日
2016/10/22
レビュアー
ちゅく
「サムライ」(1967年、フランス/イタリア、カラー、105分)。
アラン・ドロン(1935生)の代表作。かつ、ジャン・ピエール・メルヴィル監督(1917〜1973)の傑作。
長く封印されてきた映画。やっと、DVDレンタル開始です。
自分の手元には、銃のように、三つの「サムライ」があります。VHSが二挺(アミューズ、ポニー・キャニオン)、DVDが一丁。
DVDは、パイオニアLDCが2001年に発売したものが唯一でした。
それを、当時、5600円で買ったのですが、あまり画質は良くないものでした。
ヤフーのオークションで、30000円で落札されたことがありました。
早く売り払っておけばよかったのです。
2016年5月に、国内ブルーレイ・DVDが、「IMAGICA/ kADOKAWA」から発売され、LDC版のDVDの価値は暴落しました、
即、購入しました。画質は、非常に向上しています。暗い室内の細部が鮮明に見える。
ディスカスでレンタル開始。つまり、セミ・パブリック(半公共化)されるのです。
この映画のことに入ります。
ドロンの代表作。孤独な殺し屋が、かれに向いています。
冒頭。二つの窓が見える暗い部屋。鳥が鳴いています。外は冬の雨。鳥は「ひく、ひい」と求めるように啼きつづけています。
フランソワ・ド・ルーペの音楽は、雨垂れのように、弦を爪弾かせます。
鳥の檻は大きい。殺し屋ジェフ(ドロン)は、鳥の動きを見て、焼いた紙片の残りで籠を撫でる。この場面だけで、男の虚無が分かる。
帽子。殺しに行く前に、かれは部屋で、身支度を調える。トレンチコートの後ろ襟を立て、かぶった帽子の「つば」を左手の指で二回左右になでる。
ここで、「サムライ」の「ドロン」の「ジェフ」像が定まる。この映画の前半の核心。ナルシストなのだ。
格好は良いが、おそらく「死」に向かっていくことを意識している。
かれは、まず、殺しに成功するが、ピアニスト(カティ・ロジェ)に顔を見られる。
2回目の殺しのときに、かれはピアニストを撃てない。弾倉を空にしている。死に場所を探していたのだろう。
ドロン = 籠のなかの鳥 = 殺し屋 = 虚無 = 帽子の鍔 = 死 という連鎖は、この映画特有のものだ。
メルヴィル監督、ドロン主演の映画は、この作品のあとの「仁義」(1970)、「リスボン特急」(1972、監督の遺作)で、全三作。
この監督は、「海の沈黙」 (1947)、「影の軍隊」(1969)など、レジスタンス(抵抗)の骨太い映画を作ったが、
「サムライ」だけは、特異だ。
ひとりの男が、自分の分身であるもうひとりの男の弱さを撮ることに、意味があった。
監督のホモセクシュアル傾向を、ドロンが誘発したように思える。
でないと、ドロンをこんなふうに美しく描けないだろう。
「サムライ」は、「心中」映画なのだろうと、僕は思っている。
当時のドロンの妻:ナタリーが出演している。驚くほど、アランとナタリーの顔が似ている。
ナタリーは、この映画に出演したあと、女優としての次のステップを目指す。
しかし、うまくいかなかった。彼女は、この映画の時空から弾き出されたのだ。
この映画については、年寄りの自分のなかで、愛憎が交差している。
もっと若い人に、見てほしい。こんな映画から、どんな感想が出てくるか。少し怖いし、わくわくする。
アラン・ドロンを堪能する映画
投稿日
2022/05/24
レビュアー
スピカ
題名が無理矢理つけたように見えるが。
非情な殺し屋としてのドロンがぴったり。
一番の見所は警察との息詰まる様な追いつ追われつの丁々発止。
特に有名な複雑なパリの地下鉄を使った映画はこれ以外には無い。
フランスの警察は昔から緻密な捜査で有名で眼をつけられたならば逃げおおせはしない。
この尾行を如何にして振り切るかがこの映画の見所。
ドロン以外に日本で有名な人はいないがそれが逆に惹きつけられる。
ドロンのスキのないファッションを観るだけでも価値がある。
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サムライ