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フリッツ・ラング コレクション 恐怖省
フリッツ・ラング コレクション 恐怖省
フリッツ・ラング コレクション 恐怖省 / レイ・ミランド
フリッツ・ラング コレクション 恐怖省
/フリッツ・ラング
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(5)
解説・ストーリー
グレアム・グリーンのスパイ小説をフリッツ・ラング監督が映画化。精神病院を退院したばかりのニールは、中流婦人たちが催す慈善バザーの会場に入る。そこでケーキの重さを当てるコンテストに優勝したことから、奇妙な事態に巻き込まれ…。
グレアム・グリーンのスパイ小説をフリッツ・ラング監督が映画化。精神病院を退院したばかりのニールは、中流婦人たちが催す慈善バザーの会場に入る。そこでケーキの重さを当てるコンテストに優勝したことから、奇妙な事態に巻き込まれ…。
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「フリッツ・ラング コレクション 恐怖省」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
グレアム・グリーンのスパイ小説をフリッツ・ラング監督が映画化。精神病院を退院したばかりのニールは、中流婦人たちが催す慈善バザーの会場に入る。そこでケーキの重さを当てるコンテストに優勝したことから、奇妙な事態に巻き込まれ…。
「フリッツ・ラング コレクション 恐怖省」 の作品情報
「フリッツ・ラング コレクション 恐怖省」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
フリッツ・ラング生誕120周年記念 アメリカ時代のフリッツ・ラング傑作選 恐怖省の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
85分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
BWD01419R |
2010年10月08日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
7枚
|
0人
|
0人
|
フリッツ・ラング生誕120周年記念 アメリカ時代のフリッツ・ラング傑作選 恐怖省の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
85分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
BWD01419R |
2010年10月08日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
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ユーザーレビュー:5件
混沌として錯綜した迷路のようなスパイサスペンス映画
グレアム・グリーン原作だけあって、緊迫した素晴らしいプロットです。無彩色の濃淡だけで描くモノクロ画面のシンプルさが、むしろ複雑なプロットを際立たせていて、実に効果的。プロットに集中できます。謎が謎を呼び、一体どうやってこの混迷から抜け出すのだろうと思っていると、解決は急転直下、メリハリというか、この潔さが鮮やかで小気味いい。
2年間レンブリッジ精神病院に収容されていた、何やら訳ありの主人公ニール。夕方6時の時報と共に、やっと自由の身になって、ここで噂になったり好奇の目に晒されるのは嫌だと、目立たないだろうロンドンに行こうとする。医師からは身を慎むようにと忠告されていたのに、列車を待つ間に、「自由諸国の母の会」なる団体の主催する夜のバザーに立ち寄ってしまう。賑やかそうだけれどどことなく怪しげな雰囲気。
過去を占うという不可思議な女性の出したヒントのおかげでホールケーキを手に入れるまではよかったのだが、そこから訳の分からない迷路に放り込まれて翻弄されることになる。それでもニールは、自ら果敢に行動し、必死に出口を探し求め、謎を解明しようとするも、そこには恐ろしい陰謀が隠されている。次々と命の危険に晒されながら、スパイの暗躍する治安省の闇にたどり着くのだけれど…。
設定が細やかで、細部に手を抜いていない。80年近く前の古典映画なのに、心理描写が丁寧で鮮やか。ラング監督は、今まで観たどの作品でも、悪女タイプであろうと、善良なタイプであろうと、固定観念やステレオタイプに陥らず、女性を個人として引き立たせるのがとても巧みだと思う。この作品でも、主要な女性は皆自分の意志で行動し、魅力的です。組織に従順で動かされているコスタやカーラの兄とは対照的。85分とは思えない充実した内容で、とても面白く、満足感のある映画です。
このレビューは気に入りましたか?
6人の会員が気に入ったと投稿しています
光と影の映像魔術
投稿日:2014/04/06
レビュアー:趣味は洋画
フリッツ・ラング生誕120周年記念と銘打っての登場に、躊躇なく鑑賞しました。 F・ラングといえば31年「M」がまず浮かびます。彼の初トーキー監督作品で、ペイター・ローレを主役に起用しての‘恐怖映画’は強烈な印象でした。
また、36年「激怒」は彼の渡米初監督作で、アメリカの正義が描かれて好感がもてました。 さらに40年「地獄への逆襲」、43年「死刑執行人もまた死す」、52年「無頼の谷」、53年「復讐は俺に任せろ」等々、本作を鑑賞させる後押しとなった作品は数えきれません。 前触れが長くなりましたが、この作品も期待どおりの展開で、サスペンス映画の面白さが十分楽しめました。
主人公は精神病院を退院したスティーブン・ニール(レイ・ミランド)。 全編を通じて彼の行動が基軸となります。
冒頭のバザー会場での‘ケーキの重さ当て’や、‘占い師に手相をみてもらう場面’など、その後の展開にどう結び付くのか多少の不安感もありますが、ニールが乗った列車に、‘偽の盲目の男’が乗り込んでくるあたりから俄然雰囲気が変わってきます。 この‘偽の盲目の男’の演技は本作の前半の見どころの一つといっていいでしょう。扮した俳優を調べてみると、ノンクレジットで「Eustace Wyatt」という名が記されています。 44年「ガス燈」や同年「ジェーン・エア」にもノンクレジットで出演しているようです。 後半では刑事に扮するパーシー・ワラムの演技が絶品で、寡黙な男の表情が、不安感を募らせるニールをぐいぐい引っ張っていきます。
とりあえずハッピーエンド(?)なラストは、ニールと結婚することになるカーラ(マージョリー・レイノルズ)の台詞‘ケーキ’がオチになっており、ユーモアで終わらせています。
謎が謎を呼ぶ展開に魅了され、F・ラングの光と影の映像魔術に酔う内、背後にあるナチスの恐ろしい陰謀が徐々に表われてくる様、そして、R・ミランドが代表作45年「失われた週末」の直前に、そのエキセントリック演技を披露していた事は、まさに特筆すべきでしょう。
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4人の会員が気に入ったと投稿しています
強迫観念か陰謀か
投稿日:2010/09/20
レビュアー:よふかし
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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ひそかに思っていることなのだが、このフリッツ・ラングの娯楽スパイ映画は(あるいはグレアム・グリーンの原作が)、実は『シャッター・アイランド』の元ネタなのではないだろうか? (もちろん以下で『シャッター・アイランド』のオチには触れないけれど、想像できてしまうかもしれないのでご注意)
第二次大戦下のイギリスで、過去のある男が巻き込まれる陰謀、極秘情報をめぐるスパイ戦。その極秘情報は終盤で例によって●●●情報であることが明かされるが、もちろんこれはマクガフィン。典型的な巻き込まれ型サスペンス映画のパターンで、ヒチコックの『暗殺者の家』などによく似ていて、展開が早く、派手な爆発シーンもあり、見所はたくさんある。
ヒチコック映画はもちろん、この種の映画で陰謀に巻き込まれた主人公はしばしば、「頭がおかしいのでないか」と疑われたり、自分自身を疑って混乱に陥ったりする。しかし大抵、主人公に対する観客の信頼は、それほど揺るがせられない。「いつか無実が明らかになる」と安心していられるようなつくりになっている(たとえばケーリー・グラントも、不吉なものを内側に感じさせはしても、裏切られることはない安心感がある)。
しかしこの『恐怖省』は途中まで、「本当に主人公がおかしいのではないか」と思わせる不安定さで満ちていて、そこが実に魅力的なのだ。ひとつには、主人公(レイ・ミランド)が精神病院を出てきたばかりという設定。彼はその経歴ゆえに、周囲に対する接し方が微妙にズレており、どこか信頼がおけない。また、レイ・ミランド自身が持つ、精神面での脆さを感じさせる雰囲気(本作は『失われた週末』と同時期だ)もある。
さらに、ラングらしい演出で、明暗のコントラストが効いて画面に満ちる陰が濃く、描き出される世界はどこか悪夢的に歪んで見える。たとえば冒頭の慈善バザーの場面では、人々の理由の分からぬ緊張した視線が圧となって、主人公の強迫観念を観客に手に取るように感じさせる(ここはまさに『シャッター・アイランド』的である)。また、その次の場面でカツカツという音とともに列車に乗り込んでくる「盲目の男」の場面の緊迫感の素晴らしいこと。
この映画はワケの分からない事態に負われる切迫感とともに、主人公の表情や行動がどこかズレた浮遊感を漂わせているために、「おかしいのは主人公なのでは?」という疑いを常に観客に与え続けるのである。
しかし――その不穏な魅力は映画の終盤には消えてしまう。爆撃地点に戻った主人公が、問題のケーキを発見して以降は。それでももちろん、ひじょうに面白いスパイ映画であることに違いはないのだけれど。ラストの「ケーキだって?」のワンカットは、当時のハリウッド映画独特のおまけのようなものである。『死刑執行人もまた死す』に並ぶ傑作。80点。
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4人の会員が気に入ったと投稿しています
真っ白な弾痕
洞察力溢れる素晴らしいレビューと一時でも並んでしまうのは非常に心苦しいのですが、敢えて投稿させて頂きます。
この上は一日も早く、次のレビュアーさんに割って入って頂きます事を願いつつ。
男がドアを閉める一瞬、響く銃声と小さな弾痕。
漆黒に真っ白な点のコントラストと、タイミングの鮮やかな事。
モノクロ名画は、まず映像に目を見張ります。
闇が深ければ深いほど際立つ白、光が眩しいほどに極まる黒。
主人公や刑事の背広のくたびれ加減、テーラーの仕立て上がりの高級感。
ご婦人方の象牙の肌に淡い頬紅、深紅(に見える)の口紅、ドレスや帽子のつややかな光沢。
街灯の淡い光、建物の陰、道の向こうの暗がり。
冒頭の時計の針からクライマックスの弾痕まで、全てに見とれてしまいました。
ストーリーもコンパクト(85分)な中に起承転結、盛り沢山の内容が詰め込まれていますがスピーデイーで中だるみ無し、全く飽きるところが有りません。
訳の分からぬ儘に騒動に巻き込まれ、あらぬ疑いをかけられる主人公。
脛に瑕持つ身だけに、派手な動きもままならない。
味方と信じた相手も「実は」の展開ですが、そこを愛の力で切り抜けるのはお約束。
吹き出しそうなラストに繋ぐ無理矢理感は、ちょっと笑える場面かとも思います。
事の発端が「母の会」というのが如何にもで、良識の塊に巣くう闇が皮肉で面白い。
からむ刑事の理論整然ぶりは多少面はゆくはありますが、不要な回り道が無い分テンポが良くて好感が持てます。
あの偽盲人は良かったですね。
目つきだけでくるくる変わる表情は凄い演技力、妙な緊迫感があり、本作の見所のひとつです。
楽しめました。
古い映画と敬遠される向きはあるとは思いますが、他のフィリッツ・ラング作品とも合わせて是非ご覧頂きたい。
私も『死刑執行人もまた死す』に並ぶ傑作だと思います。
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恐怖省 1944
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ユーザーレビュー
混沌として錯綜した迷路のようなスパイサスペンス映画
投稿日
2023/04/27
レビュアー
hinakksk
グレアム・グリーン原作だけあって、緊迫した素晴らしいプロットです。無彩色の濃淡だけで描くモノクロ画面のシンプルさが、むしろ複雑なプロットを際立たせていて、実に効果的。プロットに集中できます。謎が謎を呼び、一体どうやってこの混迷から抜け出すのだろうと思っていると、解決は急転直下、メリハリというか、この潔さが鮮やかで小気味いい。
2年間レンブリッジ精神病院に収容されていた、何やら訳ありの主人公ニール。夕方6時の時報と共に、やっと自由の身になって、ここで噂になったり好奇の目に晒されるのは嫌だと、目立たないだろうロンドンに行こうとする。医師からは身を慎むようにと忠告されていたのに、列車を待つ間に、「自由諸国の母の会」なる団体の主催する夜のバザーに立ち寄ってしまう。賑やかそうだけれどどことなく怪しげな雰囲気。
過去を占うという不可思議な女性の出したヒントのおかげでホールケーキを手に入れるまではよかったのだが、そこから訳の分からない迷路に放り込まれて翻弄されることになる。それでもニールは、自ら果敢に行動し、必死に出口を探し求め、謎を解明しようとするも、そこには恐ろしい陰謀が隠されている。次々と命の危険に晒されながら、スパイの暗躍する治安省の闇にたどり着くのだけれど…。
設定が細やかで、細部に手を抜いていない。80年近く前の古典映画なのに、心理描写が丁寧で鮮やか。ラング監督は、今まで観たどの作品でも、悪女タイプであろうと、善良なタイプであろうと、固定観念やステレオタイプに陥らず、女性を個人として引き立たせるのがとても巧みだと思う。この作品でも、主要な女性は皆自分の意志で行動し、魅力的です。組織に従順で動かされているコスタやカーラの兄とは対照的。85分とは思えない充実した内容で、とても面白く、満足感のある映画です。
光と影の映像魔術
投稿日
2014/04/06
レビュアー
趣味は洋画
フリッツ・ラング生誕120周年記念と銘打っての登場に、躊躇なく鑑賞しました。 F・ラングといえば31年「M」がまず浮かびます。彼の初トーキー監督作品で、ペイター・ローレを主役に起用しての‘恐怖映画’は強烈な印象でした。
また、36年「激怒」は彼の渡米初監督作で、アメリカの正義が描かれて好感がもてました。 さらに40年「地獄への逆襲」、43年「死刑執行人もまた死す」、52年「無頼の谷」、53年「復讐は俺に任せろ」等々、本作を鑑賞させる後押しとなった作品は数えきれません。 前触れが長くなりましたが、この作品も期待どおりの展開で、サスペンス映画の面白さが十分楽しめました。
主人公は精神病院を退院したスティーブン・ニール(レイ・ミランド)。 全編を通じて彼の行動が基軸となります。
冒頭のバザー会場での‘ケーキの重さ当て’や、‘占い師に手相をみてもらう場面’など、その後の展開にどう結び付くのか多少の不安感もありますが、ニールが乗った列車に、‘偽の盲目の男’が乗り込んでくるあたりから俄然雰囲気が変わってきます。 この‘偽の盲目の男’の演技は本作の前半の見どころの一つといっていいでしょう。扮した俳優を調べてみると、ノンクレジットで「Eustace Wyatt」という名が記されています。 44年「ガス燈」や同年「ジェーン・エア」にもノンクレジットで出演しているようです。 後半では刑事に扮するパーシー・ワラムの演技が絶品で、寡黙な男の表情が、不安感を募らせるニールをぐいぐい引っ張っていきます。
とりあえずハッピーエンド(?)なラストは、ニールと結婚することになるカーラ(マージョリー・レイノルズ)の台詞‘ケーキ’がオチになっており、ユーモアで終わらせています。
謎が謎を呼ぶ展開に魅了され、F・ラングの光と影の映像魔術に酔う内、背後にあるナチスの恐ろしい陰謀が徐々に表われてくる様、そして、R・ミランドが代表作45年「失われた週末」の直前に、そのエキセントリック演技を披露していた事は、まさに特筆すべきでしょう。
強迫観念か陰謀か
投稿日
2010/09/20
レビュアー
よふかし
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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ひそかに思っていることなのだが、このフリッツ・ラングの娯楽スパイ映画は(あるいはグレアム・グリーンの原作が)、実は『シャッター・アイランド』の元ネタなのではないだろうか? (もちろん以下で『シャッター・アイランド』のオチには触れないけれど、想像できてしまうかもしれないのでご注意)
第二次大戦下のイギリスで、過去のある男が巻き込まれる陰謀、極秘情報をめぐるスパイ戦。その極秘情報は終盤で例によって●●●情報であることが明かされるが、もちろんこれはマクガフィン。典型的な巻き込まれ型サスペンス映画のパターンで、ヒチコックの『暗殺者の家』などによく似ていて、展開が早く、派手な爆発シーンもあり、見所はたくさんある。
ヒチコック映画はもちろん、この種の映画で陰謀に巻き込まれた主人公はしばしば、「頭がおかしいのでないか」と疑われたり、自分自身を疑って混乱に陥ったりする。しかし大抵、主人公に対する観客の信頼は、それほど揺るがせられない。「いつか無実が明らかになる」と安心していられるようなつくりになっている(たとえばケーリー・グラントも、不吉なものを内側に感じさせはしても、裏切られることはない安心感がある)。
しかしこの『恐怖省』は途中まで、「本当に主人公がおかしいのではないか」と思わせる不安定さで満ちていて、そこが実に魅力的なのだ。ひとつには、主人公(レイ・ミランド)が精神病院を出てきたばかりという設定。彼はその経歴ゆえに、周囲に対する接し方が微妙にズレており、どこか信頼がおけない。また、レイ・ミランド自身が持つ、精神面での脆さを感じさせる雰囲気(本作は『失われた週末』と同時期だ)もある。
さらに、ラングらしい演出で、明暗のコントラストが効いて画面に満ちる陰が濃く、描き出される世界はどこか悪夢的に歪んで見える。たとえば冒頭の慈善バザーの場面では、人々の理由の分からぬ緊張した視線が圧となって、主人公の強迫観念を観客に手に取るように感じさせる(ここはまさに『シャッター・アイランド』的である)。また、その次の場面でカツカツという音とともに列車に乗り込んでくる「盲目の男」の場面の緊迫感の素晴らしいこと。
この映画はワケの分からない事態に負われる切迫感とともに、主人公の表情や行動がどこかズレた浮遊感を漂わせているために、「おかしいのは主人公なのでは?」という疑いを常に観客に与え続けるのである。
しかし――その不穏な魅力は映画の終盤には消えてしまう。爆撃地点に戻った主人公が、問題のケーキを発見して以降は。それでももちろん、ひじょうに面白いスパイ映画であることに違いはないのだけれど。ラストの「ケーキだって?」のワンカットは、当時のハリウッド映画独特のおまけのようなものである。『死刑執行人もまた死す』に並ぶ傑作。80点。
真っ白な弾痕
投稿日
2011/06/11
レビュアー
まりこ
洞察力溢れる素晴らしいレビューと一時でも並んでしまうのは非常に心苦しいのですが、敢えて投稿させて頂きます。
この上は一日も早く、次のレビュアーさんに割って入って頂きます事を願いつつ。
男がドアを閉める一瞬、響く銃声と小さな弾痕。
漆黒に真っ白な点のコントラストと、タイミングの鮮やかな事。
モノクロ名画は、まず映像に目を見張ります。
闇が深ければ深いほど際立つ白、光が眩しいほどに極まる黒。
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街灯の淡い光、建物の陰、道の向こうの暗がり。
冒頭の時計の針からクライマックスの弾痕まで、全てに見とれてしまいました。
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訳の分からぬ儘に騒動に巻き込まれ、あらぬ疑いをかけられる主人公。
脛に瑕持つ身だけに、派手な動きもままならない。
味方と信じた相手も「実は」の展開ですが、そこを愛の力で切り抜けるのはお約束。
吹き出しそうなラストに繋ぐ無理矢理感は、ちょっと笑える場面かとも思います。
事の発端が「母の会」というのが如何にもで、良識の塊に巣くう闇が皮肉で面白い。
からむ刑事の理論整然ぶりは多少面はゆくはありますが、不要な回り道が無い分テンポが良くて好感が持てます。
あの偽盲人は良かったですね。
目つきだけでくるくる変わる表情は凄い演技力、妙な緊迫感があり、本作の見所のひとつです。
楽しめました。
古い映画と敬遠される向きはあるとは思いますが、他のフィリッツ・ラング作品とも合わせて是非ご覧頂きたい。
私も『死刑執行人もまた死す』に並ぶ傑作だと思います。
恐怖省 1944
投稿日
2011/08/28
レビュアー
UPTAILAGEO
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