ストレンジャー・ザン・パラダイス

え〜もう３０年も前の映画なのびっくりしたなあ　何回か見直したのすら２０年は前何だなあ　ジョン・ルーリーなんかもう６０以上のおじいちゃんなのかなあ　製作はサラ・ドライバー　あれこの辺からジムに付き合ってたんだ　サラの映画もいいから新作が観たいなあ　まあ傑作ですけど当事「これは落語なんです」って言ったのは俺なのか　ダチなのか　評論家なのかも忘れてしまったな　まあ例の霧の湖なんか笑っちゃったよね　懐かしいな

ジャームッシュ監督の決定的な代表作。今更お勧めも批判も何もありません。公開時の８４年、私はまだ中学生でした。それはそれはショックな映画体験でした。本作がなければ、小津安二郎にもスクリーミン・ジェイ・ホーキンスにも一生出会わなかったかもしれません。その後今日に至るまで、もう何十回観たか分かりません。レコードを摩り切れるまで聞くかのように、本作を繰り返し鑑賞してきました。そしてその行為は、今後も継続されていくでしょう。数多くのフォロワーとアンチ・ジャームッシュを生み出して、今なお「好き派」と「嫌い派」を量産し続けている本作は、評価の賛否によって、作品の鑑賞に対するある種のグループ分けが出来てしまうほどの、独自のスタイルの定義としての影響力を依然と放ち続けているのです。つまり、好きとか嫌いとか分かるとか分からないとか、面白いとかつまらないとか、それら全てを内包して、最早誰もが避けて通れないクラシックであり、スタンダードであり、ひとつのジャンルなのです。

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私にとってのベスト・オブ・ジャームッシュは『ダウン・バイ・ロー』なのですが、メジャーデビュー作である本作『ストレンジャー・ザン・パラダイス』もこれに負けず劣らず大好きな作品です。両作品ともモノクロ・スタンダード、フィックス主体、さらにジョン・ルーリーが両方で主演となっていると言う大きな共通点がありますので、どちらが上か(好きか)と言うのは単なる趣味の問題と言えるでしょう。とは言っても、いわゆるオフ・ビート感覚という共通点を持ちながらも、作品毎に作風や作品へのアプローチ方法が異なっているのがジム・ジャームッシュの特徴でもありますから、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』も『ダウン・バイ・ロー』の単なる前日(後日)譚的な作品ではありません。

一番大きくまたわかりやすい相違点は、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』がワン・ショット・ワン・シークエンスの大原則に徹しており、ショット(シークエンス)間に必ずブラックアウトが挟まれていることです。ワン・ショット・ワン・シークエンスとは言ってもアンゲロプロスのような長回し中心ではなく、むしろ小刻みなカットと積み重ねた印象の方が強い作品ですからワン・ショット・ワン・シークエンスと言う言葉からイメージされる退屈さを感じることは無いと思いますし、ブラックアウトの「幕間」がレゲエにも似たリズムを刻んでいますからその心地よさに身を任せるのがこの作品に最も適した鑑賞方法と言えるのではないでしょうか?

デヴィッド・リンチが『マルホランド・ドライブ』に収録されているインタビューで、「この作品は理屈で捉えるのではなく音楽のように楽しむ作品だ」と言っていますが、どう考えてもここで言われている「音楽」とはせいぜい直線的な論理には収まりきらないということや明示的ではない曖昧な暗示性を言い換えているに過ぎないと思うのです。しかし、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(そして『ダウン・バイ・ロー』)はまさしく音楽的に楽しむ作品であり、退屈と言われかねない物語の筋や、取り立てて見るべきところなどない主人公の心情などはひとまず置き去りにして、他のどんな作品にも似ていないリズムやトーンを「感覚的」に楽しむべきでしょう。

余談になりますが、作中でラジオから流れる競馬の実況中継で読み上げられる出走馬の名前が『東京物語』や『晩春』なのです。もちろんこれらは小津安二郎の作品名からの引用なのですが、小津の再評価がされ始めた80年代の初頭時点で既にここまで赤裸様に小津への敬愛を表現していたジャームッシュに頼もしさと微笑ましさを感じました(本作の中では他にはこのような「オマージュ」は出てきません)。

いろんな監督の作品を　古いほうから観ていることが多い。
だんだんと洗練されていったり　面白くなっていったり。
ところがジャームッシュ作品は　全く当てはまりません。
ダウンバイロウそして本作は　ジャームッシュの最高傑作です。
混じりっけのない純粋なかたち。
この２作を皮切りに他の作品を観ていくとすると
だんだん ふやけていく感じがします。

何が面白いんだろう。淡々と流れているようで
どこかひっかかる異物感とでもいうのかも知れません。

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nekoさん。元気でしょうか。デフォーのお話素敵でした。

雲黒斎さん。のんびりとお待ちしてます。

さて、話変わって、、、先日の「さすらい」のレビューの中に脱字発見。
ギャーと思いつつ　いつも知らん振りするのですが
今回ばかりは意味が通らず　オタエ姉様語録の「訂正してもらう」を
思い出してカスタマーサービスさんに陳情書を出してみました。
オタエ姉さまの「顔パス」かもと思ったのですが　ダメ元で
お願いしたところ　当日のうちに訂正してもらえたんですね。

レンタルには無関係のどうでもいいような用件を
快く聞き入れていただいたDiscasのスタッフ様　
ありがとうございました。

なぜか　「登録」ボタンを押してから気づくミス。
垂れ流しも恥ずかしい。でもあえてDiscasさんに陳情書書くのも
やっぱり恥ずかしい。やっぱり登録する前の入念なチェックが一番ですね。
↑当たり前だ。

え〜、ラヴァース様、驚きました。「初恋」のヘルメットから黒髪が落ちるシーンは本編にはなかったんですか？？てっきり本編にあったものと思ってました。そんなに何度も予告編をみたとも思えないけど、よっぽど印象強かったのね。それにしても思い込みは怖いです。

さてさて、念願のジム・ジャームッシュ第１弾、なんともいえない味のある映画でした。はじめは「なんだこりゃー。」って感じなんだけど、だんだん笑えてくるんです。たぶん２度、３度とみるともっともっと好きになる映画だと思います。
paroleさんのおっしゃっている ワンショット・ワンシーケンスというのも、「ああ、こういうことなのね。」と納得しながらみました。確かに心地よいリズムのある映画でした。
続いて「ダウンバイロー」「パーマネントバケーション」を見る予定です。