天井棧敷の人々

当然やけど生まれる前の作品で、マルセル・カルネ監督も名前を聞いたことがあるかな？というレベルなんすけど、映画をスクリーンで観てた時代（スクリーンでしか観れなかった時代）の映画はやっぱスクリーンで観てみないとね！っつーことで、『午前十時の映画祭』で『天井桟敷の人々』を観てきました（°∀°）b

あまり良い席が取れずに、斜め上を見上げる感じやったんすけど、やっぱスクリーン（映画館）で観るって良いっすねー♪（ツタヤのレビューでこんなこと書くのもあれやけど）

映画館で観てると、"斜め上を見上げて観るという行為"もプラスに作用するんやから不思議なもんすよねー（・〜・）

"映画館で映画を観るという行為"も映画の一部になってるんすよね〜（（φ（・д・。）

そして、1945年の映画をスクリーンで観るということは、"映画館で映画を斜め上を見上げて観るという行為"を1945年に観た人々と共有することにもなるんすよねー（」°□°）」<ソチラ（1945年）でも観てはりまっかー？

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映画館で『天井桟敷の人々』を経験してきました♪

その経験は、第1部は楽しくて美しくて大好きで、第2部は辛くて悲しくて大嫌いなものでした（・〜・）

この映画について、自分が細かいことを書くのは野暮やろうから、これだけにしときます（（φ（・д・。）

個人的満足度　７０点！　オススメ度　７５点！

　淀川長治さんと仏文を専攻した知人（フランス語のセリフを突然暗唱する！）が絶賛する映画。私にまったくわからないがたまらなく粋なフランス語なんだそうだ。恋と芝居こそ人生、人と生まれてきたからは愛し楽しみ限りある人生を自由に輝かせよという趣旨は名画の王道のテーマ。おカネはないけど人生を楽しめる人民バンザイ！というメッセージもあるかも。アメリカ映画における「風とともに去りぬ」のような地位にフランスではこの映画があるのかなと思ってみる。たいへんな資金と労力を投入して、しかも戦時中ドイツの占領下で制作されたわけだからフランス人の意地と誇りが詰まっているはずだが、それをストレートに出さない洗練が心憎い。舞台は１９世紀のパリ「犯罪大通り」の雑踏、一人の美女をめぐる四人の男の恋と人生の顛末が美しい織物（ゴブラン織りか西陣織りか）の如く描かれる、あまり好みではないけれど、古式ゆかしい名画であることは確かです。

　誰か既に言っていそうなことだが、このガランスという女性はフランス共和国そのものを象徴しているのではないですか。小娘ではなく、かといってフェロモン匂ういかにもという女盛りでもなく、優雅で神秘的で妖艶な年増美女。男の心を惑わせながら自分はいつも自由、「私は私」と歌う彼女の貫禄、伝統ある文化大国、ヨーロッパの中心、自由の女神が人民を率いた国のイメージにびったり。ガランスに自由の女神の扮装をさせたら似合いそうだ。彼女に恋いこがれる男たちは実は祖国に身を捧げたい愛国者だなんて考えたら野暮かもしれないけれど、極めて洗練されたナショナリズムの片鱗は感じました。恋と芝居の世界に託して精神の自由を唱うことでレジスタンス精神を示しているのかもしれない。美のフランス、恋のフランス、パティストがガランスを追い続けるように、人民が求め続ける永遠のフランス、やっばり愛国映画ですね。

　駄文を投稿して１００回にもなってしまいました。こんなものを読んでくださる方々に改めてお礼を申し上げます。ありがとうございます。

ダンブル通りはいつも。
大道芸人、見世物小屋、三文芝居の一座。
商人と　時を謳歌する人の群れ
そして夢追いびとたち。

そのダンブル通りに始まり　ダンブル通りに終わる愛。
とてもありがちな設定なのに最後まで魅了し続けるのは
透明感のあるバティストの個性と劇中の無言劇と
時代を色濃く映した環境設定のような気がします。

美しく、パワフルな一面を併せ持つメロドラマでした。
私にはちょっと長いかな。

この映画は長らくキネマ旬報系のオールタイムベスト１でしたが、私は高校生のころ、名画座で見て、まったく退屈で途中で寝てしまいました。当時はフランス映画で結構寝たもんです。ゴダールとか、アラン・レネとか。それから再見していない私が言うのも何ですが、それ以来、「昔の映画の方が良かった」などと言う人のことを「天井桟敷の人々」と呼んでおりました。しかし時代は流れるもので、すでに「燃えよドラゴン」や「スター・ウォーズ」に影響を受けた人々も、「天井桟敷の人々」になるのかも知れません。

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　　戦時下のフランスで４年（だったかな?）の長い時間を費やし、何百メートルにも渡る巨大なセットを建てて作られた、フランス映画の傑作であり金字塔といわれる作品です。
この映画、本当に大好きだ〜と改めて実感しました。
観終えた後の胸の高鳴りはなかなか治まりません。

バティストとガランスの深い愛はもちろんのこと、ガランスを愛した男たちやバティストの妻など、皆がみんな、真剣に相手と向き合って、恋したり嫉妬したり求めたりしています。
３時間の長丁場で描かれる人間模様は秀逸で、パリの街並みのなか、登場人物同士の繋がりを詩的な会話で丁寧に綴っていく古典の名作。

純真なパントマイム役者バティスト（ジャン＝ルイ・バロー）と、上手に世をわたっていく術を孤独のうちに身に付けた踊り子ガランス（アルレッティ）。
掛け離れたように映る二人ですが、出逢ってすぐ互いに惹かれ合います。
そして純粋であるがゆえにバティストは、それまでの自分を見失うほど彼女にのめりこんでいくのです...

「恋なんて簡単よ」
世慣れたガランスはバティストにそう言いますが、初めて愛を知った彼はその気持の大きさに戸惑い怖くて、彼女を抱くことができません。
そしてガランスは別の男のものとなってしまうのです。
嫉妬に苛まれながらも無言劇の名演を認められるバティストは、いつまでも彼女の面影を忘れることはなく、また恋多き女ガランスにとっても、孤独な人生のなかで唯一心から愛したのはバティストだけだったのです。。

切ないほど純粋な気持をもってしても叶わない恋…切ないですね〜
ふたりを隔ててしまった５年という歳月はもう戻らず、、
再会を果たしてやっと一夜の甘い時を重ねる二人でしたが、互いに家庭を持つ身。今となっては自由に生きることはできません。

物語は大恋愛劇という感じでシンプルなのですが、やっぱりこれだけ愛されているのは、バティストのパントマイムで魅せる劇中劇の素晴らしさもあるのではないでしょうか。
全身真っ白な物悲しい表情の道化師。
実在の人物であるバティストを演じたジャン＝ルイ・バローが、本当に素晴らしい舞台を見せてくれます。
彼があまりに魅力的なのでこの映画が大好きなんだと、今回は感じました。
舞台劇をやっきたバローの芸に惚れ惚れしてしまいます。