ブラック・スワン

ナタリー・ポートマン、すごいな〜♪
５０代くらいまでの役なら難なくこなせそうな
ある意味、年齢不詳のような魅力が好きです

白の絵の具で黒を表現しろと言われた、一人の芸術家の狂気の運命

ザラついた画面と、粘りっ気のある発色で
なんともいえない狂気の世界に引きずり込まれるわけですが
バレエの世界や、女同士の卑劣な競争の世界を描くというより
一人の女性が、何事にも変えがたい自己を掴み取り
一人の人間として完成形を向かえるというストーリーに、ただ、感動♪

怖い、怖いと聞いて身構えていたので、それは難なくクリアしｗ、素直に没頭できました♪

努力しても掴み取れない才能というものに恵まれていても
人間が持つ本能の、あらゆる側面を表す表現者として
自分が抑え続けてきた（経験した事もない）感情をも表現しなければならない
その最終段階に辿り着いたとき
克服しなければならない一番大きな魔物は・・・
自己を解放するものは・・・

あぁ・・・、かなり見応えありました♪

重圧で周りが見えなくなって、その狂気を振りかざす
そんな自己満足なプリマドンナは此処にはいない
怯え続け、トップであり続けることへの恐怖に駆られるっていうのが
主人公に対する一番の共感ポイント

家族、性など、同じ女性としても・・・

ナタリーがはじめて見せた幸福に満ちた表情
ラストの彼女の演技を観て
これからの女優としての彼女に、怖さを覚えるわたくしでありました♪

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

なぜかホラーと思いこんでいたんですが、
心理ドラマなんですね。

結局彼女はメンタル面において、主役を演じる器ではなかったけれど、
それを超えて演じきるために命を賭けてしまったのだと感じました。
そして、才能と資質は別物だと。
作品としてのテーマが、そこなのか、また別のところなのかは
結局わからずじまいなんですが、
ホラーと思って観たら、ガッカリさせられると思います。

ラストも、あるシーンから自然に予測がついてしまいました。
悲劇的なのになぜか、それでよかったと、安心できたのは、我ながら不思議です。
きっと、彼女が自分で自分を追いつめ続けているさまを、
観続けることが苦しくなっていたんだと思います。

プリマを演じきって、楽になれてよかった
なんてことでは、現実ではいけないのでしょうけれど、
そんなことを言っていたら、映画やドラマなんて作れませんし。

観客として作品世界に浸ることができれば、楽しめる作品だと思います。

地元映画館での　あまりの画面の汚さに　ヴァンさんカッセルが登場したとこで席を立った作品のWOWでの再見　いくらかましだけど室内なんかはやっぱ汚らしいね
照明なんかまるでだめなので　そんな見方は諦めて　いささか自虐演技過剰なナタリー・ポートマンを追っていくことにするとね　カメラもダルデンヌ兄弟みたいに追尾していく

彼女がいかに自らを人生を切り替えるかの瞬間に映画は収斂するのだろう　序盤は舞踏より歩行が勝っているのだが　「セックス・チェック第二の性」のコーチ緒形拳
のようなヴァンサン・カッセルと共に観客は彼女の変貌に立ち会えるのだろうか

しかしやはり心理描写に連動するこのキャメラにはいらいらする　参照したであろうエゲレス映画「赤い靴」はクローズアップと引きの画面のテンポだけで簡潔に心理を語り
しかしながら心理内面などは実はどうでもよく出来ているのに　今見ても驚くのだが

「ブラックスワン」の方が素足をCGで見せ心理描写するに対し　「赤い靴」は靴のフェチにとどめて画面を際立たせる　両作品においてはそれぞれ外部からくるものが
黒と赤に表れされるのだが
それは　いずれにしても白を侵食してゆくように描くべきだろう

もうひとつ　アパートの中の狭い廊下の両側の壁は　ダリオ・アルジェントの「サスペリア２」を当然思わせるのだが　その影響はこの映画を８０分でホラー仕様に変える
母親の存在が「キャリー」のようにリアリズムと神経症を示唆するのだが　アルジェントは悪夢のファンタズムなので心理主義とはやはり遠い　しかしこの逃げはとりあえず正しくて　
舞台が徐々に黒に支配されてゆく緊張感は悪くないだろう　この黒へのナタリーの変身が血の赤で終わるのも納得だ

一人の乙女の悲劇がナタリー・ポートマンによって　ごく自然に納得のいく大団円を迎える普通のエンタメになっているのは及第点だろう　どこか「パーフェクトワールド」の
ケヴィン・コスナーを思い出させる　そのラストはエンドロールとともに悪くない　

私の周りに何か勘違いしてる人が多くて…。
バレリーナが「白鳥の湖」を演じる為に、四苦八苦しながら成長していく青春ドラマと思ってた人や、
バレリーナが黒鳥の霊に取り憑かれてしまうホラー映画と思ってた人(ま、これに関しては大きく間違ってはないんでしょうけど)がいて。
上記の様な勘違いしてた人は、みんな口を揃えて面白くなかった！って言ってました。

んな事はないですよ。白鳥を演じるプレッシャーや、黒鳥を演じるためのスキル取得のために、
何も知らない優等生がもがき苦しみ、やがて狂気に走るといった内容です。
「白鳥の湖」で、白鳥に替えられた姫様が悪魔と取引し黒鳥になってしまう(←ま、その辺の事は曖昧にしか覚えてませんが…)
それを演じるにあたり、演じる本人までもまるで悪魔と取引したかのようになってしまう。みたいな。

あらかじめそれを分かってみると、悪くないですよ。いやいや、個人的にはかなり高評価。
人間が白から黒に染まっていく様。染められているようで、自ら望んで染まっていこうとする様。
人間味溢れるヒューマンドラマ(←それは言いすぎ)。

にしてもナタリー・ポートマンは今回凄かったですよ。
役作りはもちろんのことですが、その悲壮感溢れる演技。
そして体当たりな演技。あのシーンとこのシーンでは、正直少し興奮してしまいまして(照)

パドメを演じたナタリー・ポートマンが、この映画ではダークサイドに堕ちるってのも何か面白い。
(って感じたのは私だけでしょうか…)

この作品で多くの賞を受賞した上に、伴侶と子供までゲットしてしまったナタリー・ポートマン。
この映画の振り付け師だった彼氏を褒めちぎり、膨らんだお腹を誇示する浮かれた姿があまりにも見苦しくて、アカデミー賞くらいはアネット・ベニングにとってほしいもんだと願っていましたが、作品を観てこれは仕方ないなと思いました。とにかくこの役のナタリーのインパクトはすごかったです。

叶えられなかった自分の夢を娘に託す母（バーバラ・ハーシー）。
プリマとして栄華も去り、ただ落ちてゆくだけのベス（ウィノナ・ライダー）。
セクシーで奔放なダンサーのリリー（ミラ・クニス）。

ニナ（ポートマン）をめぐる３人の女性は、どれもニナが「こうありたい」と思う存在であると同時に、「こうはなりたくない」という存在でもある。

鏡、鏡。そして電車の窓。
そこに幾重にも重なる自分の姿の中に、彼女たちの存在がちらつく。
ニナは、時に自分の姿を彼女たちの中に見る。
それは自分なのか？それとも彼女たちの中の誰かなのか？
ニナの中でその境界は曖昧になってゆく。
（電車の中でニナにモーションをかけてくる中年男は、ニナの中にすでにリリーを見ているのですね。）

「ブラックスワン」を踊らなければならない重圧の中で、追い詰められてゆくニナの心理がとてもおもしろかったです。

ただし、バレエシーンはいまいち。上半身だけとか、下半身だけとかが多くて、全身が映ることはほとんどないです。バレエ映画とはいえないという評もうなづけます。

ちなみに、ヴァンサン・カッセルに「ニナと寝たいと思うか？」と聞かれてたダンサーが、くだんの振り付け師の彼氏らしいです。