ミッドサマー

うーん…まず2時間半は長い…意識高い系ホラーって感じですね。
分かりやすくして良い部分を分かりづらくしている。
”昼間のホラー”ってゆーので新しいのと狂気を感じるってところだけが記憶に残るかな。
他は宗教色が強くホラーファンとしては今一つ。見なくてもいい。

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アリ・アスター監督の『ヘレディタリー』が全くわけのわからない内容だったので
今度はどうだろう、またわけわからんのでは？と思いながらも
予告偏が凄く興味をそそられる作りだったので
とうとう見に行ってしまった。
そしてやはりわけわからん映画だった（笑）
なおかつ長い！（なんとディレクターズカット版は１７０分あるらしい）

スウェーデンのボルガという村のコミューンで９０年に一度開かれるという夏至祭。
のどかな風景の中に展開されるこの不思議な儀式と不可解な祭り。
９０年に一度の祭りの割には、どこか皆手馴れているのも変だ。
彼らをこの地に誘った留学生のペレは
初めから彼らを儀式の生贄として捧げるつもりだっただろうか？
人の感情に共鳴するボルガの人々。
悲しみ、苦しみ、そしてセックスの喜びですら共に共鳴していく。
それは不気味で大げさで恐ろしい。

アスター監督は「ダニーは狂気に堕ちた者だけが味わえる喜びに屈した。
ダニーは自己を完全に失い、ついに自由を得た。
それは恐ろしいことでもあり、美しいことでもある」
と脚本に書いていたらしい（ウィキより）
果たしてあれが自由といえるのか？
家族を失うという悲劇を経験したダニーは
確かに精神的に不安定で、その悲しみのトラウマからなかなか逃れられないでいた。
だとしても、あのラストが自由を得たというのなら
自由とは何なのだろう？
唯一の心の拠り所だった恋人クリスチャンへの仕打ちとしては酷い。

うーん、結局何が言いたかったのだろうか。。
私には理解に苦しむ作品だった。
もう一度見たら疑問点が回収されるのかもしれないけど
もう一度見る気にはなれない。
なのに、何故だろう、この映画に心が囚われたようになっている自分がいることも事実なのだ。
ほんと不思議な作品。

「ヘレディタリー」（2018）の監督さんなので、やっぱり画（え）がキレイで
カメラワーク凝ってますね。
アヴァンタイトル（タイトル前のシークエンス）で家族３人が無理心中して
一人ぼっちになるヒロイン・・・という、いきなりインパクト大なプロローグ。
野村尚の『深紅』を思い出す。

このダニーというちょっと情緒不安定な女の子と恋人のクリスチャン、
プラス男友達３人でスウェーデンの夏至祭に参加するオハナシです。

部屋のトイレに入るとそこは飛行機の機内のトイレ、というジャンプカットで
一気に旅が始まり、着陸態勢に入った飛行機がガタガタ揺れ出すと、
またまたジャンプカットで、ダニーたちを乗せて走る車の振動と重なる・・・ってな
小気味よいストーリーテリングに心躍る。

一本道をひた走る車を追うカメラがグイーンと回転して、天地が逆さまになっちゃう画も面白かった。
彼らの常識や価値観を180度ひっくり返すトンデモな世界が、その先に待っているという訳ですね。

到着したホルガという村は、牧歌的でラブ＆ピースな雰囲気。
ウェルカム・ドリンクならぬウェルカム・ドラッグってとこがスウェーデンだわな。(^^;
最初は断っても結局、空気を読んで周りに合わせて、自分もトリップするダニー。
（抗うつ剤常用してるせいか、一人だけ悪酔いしてる）
旅行前にクリスチャンとケンカしてた時も、すぐに自分の言ったことを撤回して
彼の機嫌をとろうとしてた彼女。常に過剰適応して、自分という核がない。

ここで彼らは白夜を体験する。そこは闇のない世界・・・な訳ですが、
白くて明るいコミューンの中で、堂々と行われる奇妙な儀式の数々が、まぁ、恐ろしいと。
思ったけど、闇って人間には必要なんじゃないのかね。
人目には晒さず、そっと隠しておいた方がいいものはありますよ。プライバシーが最たるものか。
ともかく、このコミューンでの常識というか風習のオープンさ加減がハンパなくて度肝を抜かれる。
いろんな奇習が出てくるのですが、この辺りのやりたい放題、一歩間違えば
コントかギャグか？ってな奇行が、モンティ・パイソンのシュールな笑いに通ずる可笑しさ。
人の一生を18年ごとに変化していくサイクルと捉える人生観は
ポール・トゥルニエが人生を春夏秋冬で例えてるのに似てるなぁと思ったり。
色んなものが詰め込まれてて、飽きません。

さて、長閑（のどか）に見えた村が、だんだん理解不能で不気味に思えてきて
ダニーは不安を覚え始めるのですが、クリスチャンたちは論文執筆のために来ているので、
研究対象として冷静に見ている。この辺も、今っぽくて面白い。
似たテイストの「ウィカーマン」（1973）だと、主人公は敬虔なクリスチャンで
一つの世界観しか持っておらず、異教に対しては拒絶反応しか無い。
でも、本作の若者たちは、この世界には自分の知らない、理解のできない文化も存在していて、
それらも尊重されるべきもの、とわきまえている。
そんな訳知り顔の“相対主義”が手痛いしっぺ返しを食らうのは、ドキッとしますね。
哲学者のマルクス・ガブリエルが、世界レベルで共有できるモラルの構築が必要だ、なんて
言うのも分かる気がしてしまう。ポストモダンの時代がいよいよ揺り戻しに入ったのか。

紙数も尽きてきました。そろそろまとめを。

本作は「カルト集団に惨殺される若者」という、ホラーの体裁にはなっているけれども、
スラッシャー描写にはそれほど注力していない感じ。
どっちかと言うとホルガの老人・・・つまりは身内の死に様のほうが残酷でショッキング。
人の生き死にも含めて全て「村の伝統」をなぞって行動するのみ！っていう、この村の狂った有りようを
延々と見せられる、そのトリップ体験を楽しむってことで、良い気がします。

（この先、ラストに触れています。未見の方はお読みにならない方が良いと思います）




気がつきゃダニーちゃんは、村のダンス・コンペ・・・もといダンス・マラソンで優勝して、
村の女王として迎え入れられている。
（このダンスシーン、「ひとりぼっちの青春」（1969）のヘンテコさが頭をよぎりました）

村人全員が、主体性を捨てて、掟（おきて）に従って生きてればオッケー！
みんな家族よ、愛し合い助け合って生きていきましょうね、みたいな世界にダニーはとりこまれちゃう。
自分という核が無かったこの子にとっては「居場所を見つけた」ということだったのか。
めでたし、めでたし・・・？！（ボーゼン）

現在の先端音楽はインダストリアルノイズの様なものから アンビエ
ントフォークっぽいのが増えて来ている 皆んな疲れているのよ
この映画の冒頭からの 疲弊した神経から来るダラダラ会話は
「ホステル」を思い出すわけだが ホラーの雰囲気前触れでは無いね

儀式映画 お膳立ては心の闇 山岸会 オームな世界系か 鬱陶しいが
悪くない面白いよ 如何にもなスウェーデン フリーセックスとかを
ニヤニヤしてと思い出すね アメリカのヒッピー文化とか意外に
今でも良かったと思ってるよ そゆの監督は無意識にも憧れてるん
じゃないかと感じるんだよね 映画の中身とは別にね 退屈でも
見ていられるんだよね

最初の衝撃は それなりに頑張って「楢山節考」と「デインジャラス
プリズン」の合体 ヴィンスボーン出て来い でここで予想しちゃう
結末は大体当たるのだけど まあ 彼女の夢とも取れるのよね
その辺不評だし その事とは別に僕に言わせると 良いショットを
撮ろうとの意志は無いね 広い場所ではピントをボカして謂わゆる
ピント送りをやっていて冴えない それでも僕が評価するのは
フェスティバルスリラーとはよく言ったもので 寓意なき儀式映画
とそての完成を目指したのは 趣味的ながら偉いかも 20年後は
カルト映画となっているでしょうかにゃ

気持ち悪いくそ映画！
期待して見て、大損しました！