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重力が地球の6000倍の黒色妖星ゴラスが地球に接近し、地球と衝突するまであと2年。ゴラスの軌道を変えるか、地球が逃げるか。人類は後者の道をとり、南極に巨大なジェット噴射口を作って地球を40万キロ移動させようとする。果たして人類は未曾有の危機をどう乗り越えるのか。壮大なストーリーを映画化した近未来SFドラマ。
天体衝突SF映画自体は,そんなにめずらしくはありませんが,天体を攻撃して壊すとか,一部の選ばれた人だけ宇宙に逃げるとかいうのではなく,地球ごとみんなで逃げちゃいましょうという発想が驚天動地で,実にユニークです。そして,このユニークな発想が,大まじめに映像化されているのにはただただ感心させられます。冒頭いきなり白川由美と水野久美が,服を脱いで泳ごうとしたり,水野久美の入浴シーンがあったりと,お父さんのためのサービスもちゃんと忘れないのもえらい。ただ,東宝ですから,とても上品です。一癖ある役をやることの多い水野久美が,最初から最後まで,ほんとうにかわいらしいお嬢さんを演じているのも見所ですね。
すばらしかった!
そう若くもない僕でさえリアルタイムでは観ていません。一度だけTVで放映されたのを子供の頃に観て、かなり強烈に覚えてていつか機会があればもう一度観たいと思っていた作品です。
この手の作品は、荒唐無稽さとチープ感を味わうのがひとつの楽しみ方ですけど、俳優陣も一流ドコロがそろっていて、全体的に妙な高級感が出ています。半世紀近く前に制作されたことを考えると、さらに味わいのある作品だと思いました。「空想科学特撮映画」なんて響きがぴったり来る、そして、当時のファッションセンス、酒場でフォークダンス的に踊るシーン(しかも音楽は”♪うちゅう~の~パイロット、ヘイ!”みたいな・・)、何もかもがスタイリッシュで驚きの連続でした。
ひとつだけ、僕が子供時代に見たときに勘違いして覚えていたことがあって、田沢博士を演じたのが船越英二さんだと今日の今日まで思っていました。実際には池部良さんだったんですね。これもやれやれと思いながらも子供の頃の記憶って面白いなぁと妙に感慨に耽ったりしました。
万人にウケるかどうかお約束はできないですけど、僕にとっては思い出深いすばらしい作品として楽しめました。
この作品の制作された1962年の世相は
ケネディ米大統領が、ソ連のキューバにミサイル発射基地を建設中と発表したのに対し、キューバ海上封鎖を声明。所謂、キューバ危機が起こった年で、前年には、東西ベルリン間に壁が設けられ、東西の冷戦が深刻さを増すと同時に、ベトナム戦争も泥沼化の様相を呈し、米国内外で反戦活動が活発になり始めた年です。
その他、
マリリン・モンローが死亡し、
「アラビアのロレンス」「007は殺しの番号(DR. NO)」「史上最大の作戦」などが、上映され、
国内では、植木等・クレージー・キャットが大活躍。
「キューポラのある街」「椿三十郎」「座頭市物語」前年には「モスラ」が出現し、この年、ゴジラが復活しキングコングを招き「キングコング対ゴジラ」が制作された。
日本は、二年後の東京オリンピック景気に沸き、東京都の推計人口が1,000万人を突破した。
前年には、ソ連が世界初の有人宇宙船を打ち上げに成功。
この「妖星ゴラス」は、そう言った世相をバックに、東宝特撮映画が油に乗り切った時代の傑作と言えます。
なんたって、スケールがソンジョそこいらの話と違います。
冷戦もなんのその、世界は一つ。みんなで力を合わせて、地球の軌道を変えましょうや。って話。
土星探査船・隼の隊員は、最後まで、仕事を全うし、日本の政府・学者は、ソ連・アメリカを説得。南極で、ぐっすり眠っていたところを今回の騒動で無理やりたたき起こされた、爬虫セイウチ「マグマ」も簡単に一蹴してしまいます。
最後、池部良扮する田沢博士のお言葉
「しかし、推力機関は南極より北極の方が設置はやっかいなんだぜ。足元は海なんだからな。」
ム~~ン ヤッパ、北極の方が大変なんだ!