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第二次大戦終戦直後、GHQに占領された日本において、GHQと互角に渡り合った二人の男がいた。その名は、白洲次郎(浅野忠信)と吉田茂(小林薫)。終戦の年の晩秋、外務大臣になって間もない吉田は、24歳年下の白洲に、GHQとの交渉役を委ねた。海外を飛び回る実業の第一線を退いて郊外で農業に専念していた白洲は、妻・正子(宮沢りえ)の後押しもあり、吉田の力になることを決意する。米国主導で早急に憲法改正を推し進めようとするGHQに抵抗し、熾烈な交渉の場に臨む二人。彼らの心にあったものは、一刻も早い日本の独立への思いだった。本音で激論を交わすことをいとわない、親子ほども年の違う二人の絆、そして日本の未来を見据えた熱い思いと覚悟を描く、人間ドラマが幕を開ける。
出演者が豪華で驚きました。憲法の作成がこんな形で出来た事を知れて良かったです。この映画を見てる時に父から日本の戦争の話の本を借りて読んでいたのですごい色々と考えさせられました。
吉田茂役の小林薫さんがすごく似ていて驚きました。
ちょうど見ている時にウクライナとロシアの戦争が始まって戦争は過去のことだと思っていたら現実世界で起きてることに悲しくなり、日本もまたこの時代のようになってしまうのではないかと思うと恐怖を感じました。
日本国憲法の制定過程を、日米関係者のエピソードを中心に大まかに描いたものだが、これはちょっと軽い出来かなぁ...
キャストが全体的にライト級だし、白洲次郎・正子夫妻を進行の軸に置いてるんだけど、二人のドラマ部分も希薄で全体の完成度がどうかなぁと。この脚本なら、タイトルは「茂と次郎の戦後」くらいで十分。
戦後初期の憲法改正から独立までを扱った映像作品というと、映画なら『小説吉田学校』(1983)や『東京裁判』(1983)、テレビ番組だとNHKのドラマ『憲法はまだか』(1996)ほか関連のドキュメンタリー作品などをこれまで見てきた。それらと比較するのは酷かもしれないが、この大テーマを扱うならもっと重厚な製作を心掛けてほしかった。小林薫さん演じる吉田茂の特殊メイクや当時のモノクロ映像と本作撮影映像との合成など技術面での精工さばかりが目立って、憲法改正における日米間の限界の駆け引きの感じがあまり伝わってこない。大島ミチルさんの手掛けた楽曲が大仰に聞こえてしまうほどなのだ。
と、不満ばかり書いてしまったが、日本国憲法制定の経緯をまったく知らない人なら見て損はないと思う。ただ、史実をすべて正確に再現したものではないはずだし、日米双方に難しい立場があり、実際にはもっといろいろな交渉、折衝があったのだと思う。
この作品では、いわゆる“押し付け憲法論”を意識し、非武装による交戦権の否定や天皇の地位に関する部分などをとくに強調している。アメリカが日本の新憲法制定に強く関与しこだわったのは、ドイツの事があったからではないか。第1次大戦で破綻したドイツ国はナチス政権によって再興・再軍備し、リベンジのため第2次大戦を引き起こした。アメリカ政府は3回目の大戦を防ぐことを最も重視したのだと思う。
伊藤俊也監督作というと『ロストクライム−閃光−』(2010)を覚えている。「三億円事件」を扱った作品だが、これもどうもパッとしない内容だった。自身の思い入れ、こだわりがチグハグに出てしまっている感じで、やはり全体の完成度がもう一つの印象なんだよな。脚本を専門家に任せたらどうかね。