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ローサはマニラのスラム街の片隅で小さな雑貨店を家族で営んでいる。家計のため、少量の麻薬も扱っていたが、ある夜、密告からローサたち夫婦は逮捕される。麻薬売人の密告要求、高額な保釈金。警察の要求は恐喝まがいだ。この国では法は誰も守ってくれない。ローサたち家族は、彼ら自身のやり方でしたたかに、汚職にまみれた警察に立ち向かうのだった。
2016年(フィリピン/110分)
2016年カンヌ国際映画祭で主演女優賞をフィリピン初ジャクリン・ホセが獲得しました。
クリステン・スチュワートやシャーリズ・セロンやイザベル・ユペールを抑えて獲得したのが話題となった。
ストーリーは雑貨屋を商う普通の主婦ローサは、4人の子供と生活力のない夫を抱えて奮闘する日々を送っていた。
ある日夕食中に突然警官がなだれ込み、わずかに商う覚醒剤を、
見つけると夫とローサは逮捕されてしまう。
スーパーから仕入れた雑貨や飴を小分けにして売っている粗末な店では、食べていくのも精一杯でついつい麻薬を小分けにして売っているのだ。
夫はヤク中で甲斐性がない。10代半ば以上の娘、息子もローサの指示を仰がないと何も行動出来ない無能な者ばかり。
というよりローサがタフで仕切り屋で働き者なんですね。
そんなローサが逮捕された警察署は腐敗の温床です。
麻薬犯罪は終身刑だから、「見逃すから10万パーツ払え!!」
没収したヤクは横流し、奪った金で宴会です。
なんとか5万パーツに値切っても、払うのはひと仕事です。
子供たちは親戚に借金を頼みに向かい、家電を売り、息子は体を売る。
それでも足りない
でも文句言いつつ工面してくれる親戚や、ローサのために団結する子供達が頼もしかったですね。
手持ちカメラの暗い映像、スコールが降るとグシャグシャの地面。
汚いあばら家、たむろする子供たち。
残りの4000パーツの工面のため、釈放されたローサが、なんとか目安が付いて頬張る串刺しの肉団子。
ローサの頬を伝う涙なのか汗なのか・・・「負けるもんか!!」
そういう不敵な覚悟が見て取れます。
1億人の人口のうち400万人が麻薬中毒者とも言われるフィリピン。
現在の大統領ロドリゴ・ドゥテルテの就任前に制作された映画です。
ドゥテルテは、麻薬犯罪者を見たら警察や自警団がその場で射殺して良い・・・と言って、7000人が射殺されました。
その後のフィリピン麻薬事情は変わったのでしょうか?
それでも主婦ローサは子供や夫、自分のためにしゃにむに働いて、
生きていくのです。
貧困ゆえに麻薬を商わなければ生活できないスラム街の夫婦。みんな自分たちが生きるために密告したり密告されたり。麻薬を押収した警察が権力を笠に着てあまりにも腐りきっている、衝撃を受けた。今フィリピン映画が活況だそうです。他のフィリピン映画も見たくなりました。