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迷える脚本家が巡り会う、6人の美しい女たち。彼女たちが導く先にあるものとは──?舞台はハリウッドとラスベガスで繰り広げられる、煌びやかなセレブリティの世界。脚本家として成功への階段を駆け上がったリックは、業界の有力者の豪邸で開かれるパーティーに頻繁に招かれ、金と欲望にまみれた享楽的な日々に溺れていく。一方で、崩壊した家族の絆を取り戻そうと奔走し、富と引き換えに自分を見失っていく人生に漠然とした不安を抱いていた。やがて、“ここにはない何か”を探してさまよい始めたリックは、6人の美女たちと巡り会う。彼には、女たちは自分が知るよりも多くのことを知っているように思えた。彼女たちに導かれ、リックは自らが探し求めていたものへと近づいて行く──。
映像は確かに美しいが、やたら気取っている。いわゆる女性遍歴の話なのに、大仰でもったいぶった始まり方。聖杯の騎士になぞらえるなんて、とんでもない。
各パートに、タロットカードに因んだ6つの小見出しがつけられているので、タロットカードをモチーフにしているのかもしれないが、同じような構図が繰り返されるだけで、何がしたいのかよく分からない。会話らしい会話はなく、ほとんどモノローグ。王の息子気取りの自己中男性による自分語りにしか思えない。
視点を変えれば高尚な映画なのかもしれないけれど、かなりの忍耐を必要とします。
これほど台詞が意味をなさない映画も珍しい。
予告編のナレーションの言っている言葉が、
無理矢理、映画を説明したに過ぎず、
美しい女優たち(ケイト・ブランシェットやナタリー・ポートマン、
そしてイモージェン・ブーツ)もひとりづつ登場して、交差しないので、
まるでカタログを見ているようだ。
撮影は3年連続オスカー受賞のエマニュエル・レベツキ。
テレンス・マリック監督とは4度目のコラボだとのこと。
風景(水辺、水際、プールと水へのこだわりが凄い)
女性、
交差する高速道路、
無機質な建築物、室内。
美しいのだが、美しいだけでは物語は紡げないことが分かる。
監督の思考が、焦点が定まらない上に求心力がないので、
どこまでも空疎だ。
1人の男の愛の彷徨・・・愛は私にはどこにも見当たらなかった。
ひたすら映像に浸るしかない。
ただ一つ収穫は、主演のクリスチャン・ベールが自然体で、
リラックスして美しいのだけが良かった。
映像が美しい。
今まで観た中でおそらく、一番美しいと思う。
海、波、水、空
高速道路、高層ビル、美術館、室内、
神の作ったものと人間の作ったものの、それぞれの美。
素材そのものの美しさと構図(カメラワーク)の美しさがある。
大型の絵画集でもめくっているような気もしたが、
女性が空中で回転する動き、魚が向きを変える動きさえ、素晴らしいのだ。
しかし、話はまったくわからない。
そもそも話などあったのか?
ささやく男の声で、
「なくした真珠を探せ」「愛の旅に出ろ」
・・・・すまん、リタイヤします。
ひょっとして、話の理解を放棄したからこそ、
これほどまで映像に目と心を奪われたのだろうか?
監督はテレンス・マリック
撮影監督・エマニュエル・ルベッキ
プロダクションデザイン・ジャック・フィスク
2015年製作・アメリカ