1,026円(税込)「動画見放題※1」プランを
SEXを説いてまわるカリスマ青年、余命幾ばくもない人気番組の司会者、ドラッグ中毒の女性に恋してしまった警官・・・。その街に住み、それぞれのアメリカン・ライフを送っている一見何のつながりもないように見える彼ら。そこで起こった偶然と不思議なめぐり合わせ。好むと好まざるとに関わらずやがて彼らは一つになった。その衝撃の出来事によって・・・。「ブギーナイツ」でその名を馳せた若手監督P・T・アンダーソンがメガホンをとった本作は、アカデミー賞(R)ノミネートをはじめ世界中の映画祭で話題沸騰。20世紀を代表するヒューマンエンターテイメントとして、各国マスコミからも喝采を浴びることとなった。
ニュース映像で始まるこの作品は、冒頭に殺人事件が登場し、重要な伏線となっている。そしてタイトルが出た後めまぐるしく切り替わるシークエンスで、登場人物が一人ひとり紹介される。
前作「ブギーナイツ」のオープニング、長廻しの人物紹介はステディカムがうねるように走る一本線のカメラワークだったが、今回はシーンのつなぎ目を横に流す走馬灯のような円環的語りで、出てくるみんなが主人公、逆に言えば主役は誰もいないという構造になっている。
「ブギーナイツ」もそうだったが、この監督、凝りに凝った“語り”でぐいぐい観客を引っ張っていきながら、決してスタイルだけに陥っていない。そこに描かれる人間が本当に生きていて、見るものの心を揺さぶるのだ。
ここに出てくる人たちは皆、それぞれの十字架を背負っている。輝かしい過去だけが支えの冴えない中年男、行きずりの男と寝てはむなしい朝を迎えるジャンキー娘、不治の病に冒されたクイズ番組の司会者、TV番組で見世物にされる天才少年、死にゆく夫を看取る年の離れた後妻、などなど。人生の勝利者のように振舞うセックス教祖のトム・クルーズでさえ、心の奥に憎しみを持っている。
それぞれの人生の局面はさまざまな様相を呈しているが、その悩みや苦しみの源泉をたどっていくと“家族”に行き着く。いつの時代にもいかなる文化においても普遍的に存在する社会集団が“家族”であり、そこは表面的には穏やかな港に見えても水面下では激流が逆巻いている。
この作品では、家族の中で、愛に裏切られ傷ついた人々のココロが一つ、またひとつとさらけ出されていく。そうやって開かれるココロ、その人自身が、花弁を開くマグノリアの花のように気高く美しいと私には思えた。誰もかれもが、けなげでいとおしくて大切な存在。人間とはそういう存在なんだ、とこの作品は訴えていた。
サルトルが言ったように、人は理由なくして偶然に生まれた存在なのか?答えはNO。冒頭に出てくる異様な人の死に様さえ「“偶然”では片付けられない」と言うこの作品は、すべてのことがすべてのことに関係し、意味を持っているんだと力強く語っている。
ポール・トーマス・アンダーソン監督の人間に対するまなざしは、限りなく優しい。
ずーっと気になってはいたが、3時間という長さで敬遠してました。それが!すごくよかった!はっきり言ってこれは傑作です。どうしてもっと早くみなかったのか、悔やみます。DVDも買いました。
トム・クルーズも初めて「この人はすごい」と思える演技。経歴を偽っていたことを、インタビュアーに指摘されたときの顔は忘れられません。
ところで、先日「通販生活」というカタログ雑誌をみていたら、この映画で使われたカエルが売りにでていました。「1匹1匹手作りで1万匹以上作られたが、大半が処分された。製作会社に残っていた約100匹の中から、大小1匹ずつセットにして、5セット限定。」だそうです。欲しい!欲しい!お値段は8万円。買えない値段じゃないところがまた憎い!毎日カタログを眺めています。
シートベルトをお締めになり、
しっかり喰らい付いていきませんと
ストーリーから振り落とされますのでご注意ください。
尚、途中 上映時間による『だるさ』『眠気』
『これ間違えちゃったかな』をもよおすことも御座いますが
くれぐれも
観終わる前の『早送り』『取り出し』及び『返却』
なさいませんようご協力お願いいたします。
最後の20分間で
全ての人が報われ、救われることを願います。
では、良い旅を。