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ショーン・ペンとミシェル・ファイファーによる役者として脂の乗った演技が見ものの、ユーモラスで心温まるストーリー。知的障害のある父親がやり手女弁護士の力を借りて、娘の養育権を自分の手に取り戻そうと奮闘する。オールスター級の共演陣と豪華なサントラが盛り立てる、人生と愛、そして笑いに溢れた、心にしみる感動の物語!
先日、mixiの「ラヴァデス」コミュニティで泣ける映画というのが話題になりました。その中であげられていて、
「ああ、そうだ」
と、もう一度見直しました。
やっぱり、良い作品だなと思います。この作品の公開前、TVではおすぎを始め、絶賛していたのに、映画評論家なる人たちの批評はボロクソ。
「ホントはどっちなの?」
と思いながら鑑賞して、心地よい涙を流したことを思い出しました。確かに批評家先生達がおっしゃるようにありがちな設定、ドラマ、ストーリーで予定調和的なハッピーエンドではありますが、感動するときは素直に感動した方が、自分にとって良いなと思いますね。
サムを演じるショーン・ペン、ルーシーを演じるダコタ・ファニング、リタを演じるミシェル・ファイファー。皆、素晴らしい演技で(ミシェルは弁護士としては有能に見えなかったけど)その演技力によって、ありきたりのストーリーでも充分、人を感動させる映画になっています。
最初は、
「え?これ、ホントにショーン・ペン?」
と思うくらいでした。
ダコタ・ファニングは最近もよく出ていますが、空恐ろしい才能ですね。このとき6才でしょ。どんな女優になるのでしょう。案外、「20才過ぎればただの人」だったりしてね。
監督・脚本のジェシー・ネルソンは舞台女優出身で、あまり映画は作ってないですね。「コリーナ・コリーナ」くらいですか・・。家族愛というようなテーマが得意なんでしょうね。泣かせようと言う意図がありありと見えながらも、
「その思惑に乗ってみよう」
と思わせるさりげなさというか、あまり奇をてらっていない演出が、この作品の場合は、功を奏していると思います。たとえば、パパが近くにいることを知って、ルーシーが毎夜パパを訪ねるシーンなんかでも、ルーシーにとっては様々な葛藤があるのだろうと推測されるわけですよ。前出の評論家先生の一人によれば、そういった掘り下げ方が足りないというのですが、ルーシーがこっそりパパを訪ねると言う事実で観客は、その心情を思んばがるのです。その葛藤まで表現してしまうとコテコテの愛情劇になってしまうと思うのです。
映像表現にしても、余計な手法を多用しない。映像職人のケチケチさんが、なかなか秀逸であると評価するほど、必要最小限で十分な程度にとどめているのだと思います。
役者が素晴らしい演技を披露するのであれば、美術、撮影、その他の演出はそれをサポートすればよいのであって、決して出過ぎない。そういう印象を受けました。
DISCASのレビューを読んでも、ほとんどのレビュアーさんは、素晴らしいとおっしゃっています。どうして、評論家の方たちは素直に評価しないのでしょう。自分たちと一般の観客との温度差に気付かないのか、あえて、
「素人にはわからんだろうが・・・」
的な批評をして、自分たちがいかに高尚であるかと言うことをおっしゃりたいのか・・・。
感想や思い入れは人ぞれぞれでかまわないと思いますが、良いものは良いと素直に言えばいいのですよね。
現実的に7才の知能しかないサムが子供を養育していくことは、果てしなく大変なことなのだと思います。でも、この作品で感じさせられるのは、できるかできないかではなく、(障害者であろうがなかろうが)親子の間になくてはならない「絶対的な愛」についてなのです。
昨今、「赤ちゃんポスト」もそうですが、親子の関係が希薄になりすぎていて、それが異常な社会にもつながっているのだと思うのです。
ちなみに、私は障害者ではありませんが、子供を男で一つで育てると言うことを一時経験しました。
結構大変なんですよ。
そんな思い入れもあり、この作品は好きな映画の一つです。
(クレイマー・クレイマーよりは少し落ちますけど)
一言でこの映画を表すのならば
「レインマン」+「クレイマー・クレイマー」÷2
という印象です。
どちらもダスティン・ホフマン主演のヒューマンドラマで彼の演技がすばらしかったですが、この映画でショーン・ペンもその演技に匹敵する技量を発揮してます。
正直これまでショーン・ペンは私の中でダーティーなイメージがあってあまり好きではなかったのですが、この映画でかなり印象が変わりました。
心がささくれ立った時や人が信用できなくなった時にご覧ください。純粋なサムにきっと救われると思います。