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舞台は、テロの脅威に晒される現代のローマ郊外。裏街道を歩く孤独なチンピラ、エンツォはふとしたきっかけで超人的なパワーを得てしまう。始めは私利私欲のためにその力を使っていたエンツォだったが、世話になっていた“オヤジ”を闇取引の最中に殺され、遺された娘アレッシアの面倒を見る羽目になったことから、彼女を守るために正義に目覚めていくことになる。アレッシアはアニメ「鋼鉄ジーグ」のDVDを片時も離さない熱狂的なファン。怪力を得たエンツォを、アニメの主人公、司馬宙(シバヒロシ)と同一視して慕う。そんな二人の前に、悪の組織のリーダー、ジンガロが立ち塞がる・・・。
謎の廃棄物を浴びたチンピラが怪力を手に入れて世のため人のためにその力を使おうと決心する話。
スケールも大きくなくかといって安っぽさもなく小さな世界感のスーパーヒーローもので楽しむことができました。怪力を手に入れた男が最初はATMを盗んだり私利私欲のために動いていたのが、ヒロインと出会ってしだいに変化していく姿が描けていたと思います。
ただ主人公よりもこの映画はカタキ役の方が魅力的で、ユーチューブで目立ちたいという理由で主人公に嫉妬したり、犯罪組織だけど下部組織で上からの締め付けがきつくてしだいに追い詰められていくけれど、スーパーパワーを手に入れようとして…という展開が結構カタルシスを覚えるキャラクターでよかったです。
クライマックスは爆弾を持っての追いかけっこというのがちょっと地味で盛り上がらなかったですが、日本のアニメにオマージュを捧げているのも好感のもてる1本でした。
日本のコミックスの実写化が軒並み失敗するのは、ある意味必然で、そもそも
二次元で成立してしまった世界観を三次元に移す時に生まれる異種感、違和感
は埋めようが無い。漫画世界の中だからこそ成立している設定や展開は、実写
にそぐわないのだ(とか、あったりまえの事書くなよ)
実写化するにあたっての「変換作業」は、簡単なようで一筋縄では行かない。
その点、アメコミは元から実写に成りうる手法で描かれていて、そのハードル
が低い。
ならば、どうすればいいか。この作品は一つの示唆をくれる。
日本人的には「他にも名作があるだろうに」と思う、一連の欧米でヒットした
日本アニメ。『ボルテスV』や『グレンダイザー』が一部の国で爆発的に支持さ
れたことは、少し不思議だったりする。
『グレンダイザー』や『鋼鉄ジーグ』は(リアルタイム世代の感じ方としては)
マジンガーブーム以降、趣向を変え第二次ブームを作ろうとするあまり、どこか
無理やり感を漂わせる作品群だった。凝った設定やデザインの割にそれほど出来
は良くないと思わせる、永井豪・ダイナミックプロが坂道を登りきった後の作品
という感想。
だが『グレンダイザー』こと『Goldorak』はフランスで最高視聴率100%を叩
き出し『鋼鉄ジーグ』はイタリアにおいて、その世代の人々の「血肉」となって
しまうまでにヒットした。
この作品がコシャクなのは、『鋼鉄ジーグ』へのリスペクト感だけを漂わせ
ドラマはドラマで別に独立させたこと。この距離感の取り方は巧いし、B級
ノワールのシリアスな雰囲気に溶け込ませていて、違和感も無い。
連想するのは初期の三池崇史作品。(で、生意気承知で言わせてもらうなら
ここの所の『テラフォ』や『無限』での冒険心の無さで失望させる三池氏には
この作品の精神を参考にして欲しいな)
主人公エンツォは司馬宙とはまるで共通点の無い男で、ジーグ自体も知らない。
それに絡む女アレッシアは少し頭が弱く、現実とジーグの世界を混同している。
ハリウッドヒーロー物のような明朗さは無く、ただただ陰鬱にドラマは進む、
この割り切り方がいい。「ジーグ」はマクガフィンに過ぎず、観ている間は
意識もされない。それでいてラスト、エンツィオがジーグとなるのは「必然」
であって、エンドロールも黄色に緑のジーグ・カラー。
イタリアの作り手が日本のアニメをこんな形で愛してくれ、表現してくれた
ことは、なんだか嬉しい。
今となっては、永井豪は日本の誇りである。
その昔、お母さんの目を恐れつつ、コソコソ永井豪を読みふけり、永井豪が好きな私は異常なんだろうか?妄想がボム・ボム膨らむのは病気なんだろうかと不安になりつつ、ケケケと笑っていたような気がする。
そんな事はどうでも良いのだが、この「鋼鉄ジーグ」は、少年時代から日本アニメの大ファンだったというガブリエーレ・マイネッティ監督が手がけた。
始めはちょっと暗い。(なにせイタリ・・あ、なぜかはわからん。)
主役エンツォ(クラウデォ・サンタマリア)は、どこにでもいそうな小太りのオッチャンだ。
ある時、追われて汚い河に飛び込んだら、放射能廃棄物の影響により超人的な腕力を得た。
河から上って自分でも驚く。9階から落ちても平気。戸棚を指先で軽くぶっ飛ばす、暖房機を折りたたんでペチャンコに。
──そして、すげ、ATMコブシで壊した。すげ、そのATMをそのまま持ち去った。
(やってみてぇ~!)
そして、買ってきたのが、大量のエロビデオ・・・。ホントにもう、男って。
ヒロイン、というのも褒めすぎで、あまり可愛くないんだけど(少し、アレなのね)そのヒロインが「鋼鉄ジーグ」の大ファンで、出会った主人公エンツォをいつしか司馬宙(シバヒロシ)と同一視するようになる。
彼女一人を観覧車に乗せて、エンツォ自力で回転させる。(すごい!私もやってほしい!)
ま、なんやかやあって。(そこをレビューせんか!)前半は意外と地味なんですよ、おっちゃんだし。
でも、後半はテンポも良くなるし、見せ場もあって感動しました。エキサイトしました。
ぜひ、アナタもこの感動を味わってください。
適役・ジンガロの夢は「俺もYOU/TUBEに残る大仕事する。」だそうで。(笑)