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地下帝国を支配する狂気の科学者・ドクターヘル。恐るべき機械獣軍団を完成させた彼は、世界征服に乗り出すことを宣言する。だが、野望を阻む邪魔者がいた。日本人の大科学者・兜博士だ。光子力という新エネルギーの抽出に成功した博士は、ドクターヘルの野望と機械獣の秘密を知るただ一人の人間でもあった。そこでドクターヘルは、腹心のあしゅら男爵を呼び寄せ、機械獣を操るバードスの杖を与えて兜博士の抹殺を命令する。海底要塞サルードで日本へ向かったあしゅら男爵は、もくろみ通りに博士が別荘に滞在していることを聞き出す。孫の兜甲児が駆けつけた時は既に遅く、別荘は爆破され、博士は志半ばにして息絶えようとしていた。博士は最後の力を振りしぼり、密かに開発していたマジンガーZを甲児に託す。ドクターヘルの野望を砕くために作られた、光子力で動く巨大ロボットだ。マジンガーZに乗り込んだ甲児は、次々と襲い来る悪の機械獣に敢然と立ち向かってゆく!
「マジンガーZ」は基本的には単純な活劇で、毎回なにかしら主人公の兜甲児が活躍する趣向はあるものの、新しい機械獣が出てきて、Zがこれを倒す、この繰り返しではある。ただ、その中でのZの次第次第の強化策や敵方の新陣営など、わくわくさせるエンタテイメント性が突出していたのだ。この点では、仮面ライダーなどをも凌駕していたはずだ。
そして、アクション主体の中、時折見せたロマン風味がまた意外な感動を伴っていた。これがグレートマジンガーを経て、グレンダイザーでさらに過激になるのだが、マジンガーZ全編の中で、たぶん誰もが印象強く覚えているのが、このミネルバXの物語だろう。
ひとつには、女性ロボットであり、そしてZと同じ超兵器を備えていること。さらには、彼女がZのパートナーとして開発されていて『パートナー回路』を持ち、ギルの笛の音に苦しむ良心回路のキカイダー・ジローさながら、ヘルの支配力とパートナー回路との間で苦悶して涙を流す……オーバーヒートしてオイルがこぼれたのだと説明されるが、確かに、明らかに、これは涙なのだ。
Zに対するなよなよした素振りにはさすがに汗が出るが(笑)、パートナー回路を破壊されてあしゅら男爵の支配下に堕ち、Zと哀しみの戦いをする姿は悲壮そのものだった。さやかが邪魔に見えたくらいだ(^^;)。
このドラマは、マジンガーZとミネルバXの引き裂かれた悲恋の物語だった。Zに心は見えないが、ミネルバには……
世界征服を企むドクターヘルは、あしゅら男爵に機械獣を操るバードスの杖と海底要塞サルードを与え、邪魔者の天才科学者・兜博士の抹殺を命じた。あしゅら男爵はお手伝いのルミから、博士が別荘に滞在していることを聞き出す。博士の孫・甲児が駆けつけた時は既に遅く、別荘はあしゅら男爵によって爆破されていた。瀕死の重傷を負った兜博士は、ドクターヘルに立ち向かうために建造した秘密兵器・マジンガーZを甲児に託す。
ドクターヘルは兜博士の創設した光子力研究所を奪取するため、機械獣ダブラスM2とガラダK7にマジンガーZの破壊を命じた。甲児が操縦に慣れていないにも関わらず、迎え撃ったマジンガーは想像以上の強さを発揮する。二体の機械獣を返り討ちにすると、弓弦之助博士の娘・さやかの操縦する巨大ロボット・アフロダイAを助けて帰投を果たしたのだった。だが、ホッと一息ついたのも束の間、ドクターヘルは新たな動きを見せていた。
甲児とシローの兄弟は、光子力研究所の近くに引っ越してきた。さやかに憧れるボスたちとも知り合い、富士市の生活にも慣れてきた頃、バードス島ではドクターヘルが怒り狂っていた。地下帝国に二度の敗北は許されない。ドクターヘルは雪辱を期し、機械獣・グロマゼンR9を出撃させる。甲児は未だマジンガーZの操縦に慣れていないうえ、練習中に負傷していた。グロマゼンR9接近の報せを受け、さやかがアフロダイAに乗り込んで出撃するが・・・。
機械獣・ガイアQが出現。海底要塞サルードによって研究所の近くに運ばれてきたガイアQは、迎え撃つアフロダイAを簡単に倒してしまう。ウルトラマグネチックパワーという、敵の動きを全て封じてしまう力を備えた機械獣だったのだ。マジンガーZすらガイアQの攻撃には手も足も出ず、ウルトラマグネチックパワーで操られるままサルードに運ばれてしまう。囚われの身となったマジンガーZと甲児の運命は・・・?
あしゅら男爵の甲児暗殺作戦が失敗に終わって間もなく、富士山麓に偽マジンガーZが現れた。甲児がマジンガーZの機密を売ったとデマを流すあしゅら男爵に、身に覚えのない甲児は激怒し、偽マジンガーZを追い回す。実はこの偽マジンガーZ、機械獣・キングダンX10の作り出した幻だった。一連の騒動は、マジンガーZのエネルギーを消耗させ、あらかじめ準備しておいた地雷原に誘い込むための巧妙な作戦だったのだ。
町で暴れる機械獣・ザイラを倒すためにマジンガーZが出撃。ところがその頃、別の機械獣・ダンチェルが富士山麓にかかった霧に隠れて、守備の手薄になった光子力研究所に忍び寄っていた。マジンガーZはザイラのために釘付けにされ、研究所に戻ることが出来ない。さやかがアフロダイAで出撃して必死に守るが、液体酸素を武器とするダンチェルは手強く、防衛チームも歯が立たない。このまま敗北してしまうのかと思われた、その時・・・。
機械獣・オゾネスB3は街を破壊するだけ破壊すると、戦わずして姿を消した。あしゅら男爵は変装して荒れ果てた町に現れると、災難の元凶は光子力研究所であると人々を扇動して弓教授を襲わせる。査問委員会も研究所の閉鎖を要求。理性を失った群衆は甲児の家に押し寄せ、さやかまであきらめて研究所を放棄しようとする。戦う意味を見失った甲児は家に閉じ籠もったまま、機械獣が再び現れても出撃しようとしない・・・。
光子力研究所では、アフロダイAを強化改造するべきか否かを話し合う会議が行われていた。結局、改造計画は多数決によって却下されてしまう。その頃、町では謎の放火事件が続発していた。ボスは、公園のアブドラ大魔神像が怪光線を発射して火を放つのを目撃。大魔神像は機械獣・アブドラU6だったのだ。ボスの報告を聞いたさやかは、アフロダイAの存在感を知らしめて改造計画を実現させるため、一人で出撃してアブドラU6に挑む。
弓教授が科学会議に出席して留守にしている間、のっそり、もりもり、せわしの3博士が共同で所長代理を務めることになった。ドクターヘルは3博士に催眠術をかけると、マジンガーZをあらかじめ格納庫より出させておき、研究所の近くにミサイルを撃ち込む。ミサイルの弾頭には機械獣・ディモスF3が隠れていた。ディモスF3は分散と復元を繰り返しながらマジンガーZの破壊を試み、甲児はなかなかパイルダーオンすることが出来ない。
あしゅら男爵がシローを誘拐。命を助けて欲しければマジンガーZを放棄せよと要求してくる。独自に捜査網を敷いた甲児たちは海底要塞サルードの位置を突き止めるが、シローを人質に取られている限り手出しはできない。さやかの前には機械獣・ダイアンN4が現れ、空飛ぶ腕を使って襲いかかってくる。連絡を受けた甲児はホバーパイルダーに乗り込んで戦おうとするが、あしゅら男爵によってマジンガーZと分離させられてしまう。
小学校の低学年の頃に始まった番組だったか。エンタテイメントとしてよく出来ていて、毎週わくわくしながら観ていられたはず。
先達の鉄人28号などと比べても、その装備した超兵器の数々にまず驚かされた。単に殴ったり蹴ったりのプロレス技やミサイル弾とは次元から違った。
酸を含んだ風を吹きつけて敵ロボットを腐食させてしまうルストハリケーン。熱光線でドロドロに溶解させてしまうブレストファイヤー。特にこの二つの超兵器には度肝を抜かれた。
他にも、ロケットパンチや光子力ビームなど、装備は山ほどあり、しかもホバーパイルダーという魅力的なアイテムで頭部に合体(パイルダーオン!)して直接操縦。こんなワクワクできるロボット・ヒーローは初めてに違いなかった。
さらには次第次第のパワーアップ。鉄人もあとから空を飛ぶようになったが、あの背中に背負ったロケットエンジンと比べて、マジンガーZのジェットスクランダーは、実際に活躍するまでの気の持たせぶりもあり、本当に興奮もののかっこよさだった。
主人公の兜甲児も、演じていた石丸博也の熱血ぶりが堂に入り、すこぶる魅力的なキャラクターだった。のちのグレンダイザーでの3枚目ぶりに憤慨した甲児ファンは山よりも高くいるに違いない。
今でさえ、マジンガーZの勇姿を見ると、心が躍る。さすがに、アニメそのものは面白く見返すのは難しい――だが、幾本かの例外的な佳品と、映画「マジンガーZ対暗黒大将軍」などが、それでもやはり在るのだ。