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関西電力は、黒部川上流に発電所を建設するため、太田垣社長総指揮の下、社運をかけて黒四ダムの工事を行うことになった。岩岡剛(石原裕次郎)はトンネルを掘るためにどんな犠牲も省みない父に反抗、家を出て設計技師となっていたが、工事の現場を訪れた剛は、責任者の北川(三船敏郎)の熱意にほだされ、体の弱くなった父のかわりにトンネル掘りの指揮を執る。しかし工事が進むにつれて犠牲者は増え、山崩れと大量の水がトンネルを襲い、剛らはダム工事の難しさを痛感する。莫大な資金の投入と技術陣の科学的な処置の甲斐があり難所を突破。剛は北川の娘・由紀(樫山文枝)と結婚。翌年2月、北アルプスを抜いてトンネルが開通。その瞬間を躍り上って喜ぶ労務者たちの中で、北川は由紀の妹、娘・牧子の死を知らせる電報に接し、激しく慟哭した。数年後、完成したダムの堂々たる姿に無限の感動を覚える。
50年近く前に、よくこんな映画をよく撮れたもんだと驚きしかない。
ドラマの内容なんかどうでもいい。
60年も前に行われた途方も無い工事を題材に作られた映画です。
当時の職人の命懸けの執念にも似た情熱で作られたダム、人間模様も必要ないと思うぐらいです。
このような工事がなかったら、日本が高度経済成長を遂げることはなかったのでしょう。
色々な意味で、日本映画の分岐点になった名作。と、かねてから聞いていた。
「ダムを造る話」かと思ったら「トンネルを掘る話」だった。
まぁ、ダムを作るためにトンネルが絶対必要ってことなんだけど・・・
45年も昔の映画だが、その古さを全く感じない。のかと言えばそんなこともない。
こうした作品を観る時に気になるのは「制作当時の時代を、どう感じるか?」だと思う。
本来観る側が、そんなことを気にする必要はないのだろうが、大事なことだ。
当時の技術を駆使して撮影した、本物の黒部の山々は圧巻。
実際に撮影事故となった、崩落現場等のセットもアナログならではの迫力がある。
何より「役者の芝居」に重点を置いたカメラワーク。
細切れのカット割りでつなぎ合わせた芝居ではなく、長回しでじっくり迫る感じ。
「この立ち位置で、こんな回り込みする?」ってのも多い。
ドキュメンタリーではないので、「トンネルが出来るまで」だけでドラマにならない。
さまざまなエピーソドがちりばめられているが、「大きな伏線」というよりも「そんなこともあった」という感じ。
原作の小説を読んだわけではないが、多少ダイジェスト感は否めない。
それでも3時間15分の大長編。じっくり腰を据えて観る作品。
おまけ。
宇野重吉の息子役として、本当の息子・寺尾聡が出ている。
初々しいと言えなくもないが、結構な大根で、セリフも棒読み。
俳優としてデビュー作だったそうで「人って成長するんだなぁ」と実感した。
とにかくザツな映画。冒頭シーンでは、山に登っていた調査隊のひとりが急斜面で滑落していくのだが、これを目撃した三船俊郎はただ眉をしかめるだけ。次のシーンでは何事もなかったがごとく焚き火にあたりながら同僚と別の話をしている。おいおい、さっきの事故で死んだヤツはどうなったの・・? と思うのだが、その件は、それで終わり。ちなみに、その落ち方がまたひどく不自然。滑落する直前の調査隊は全員がロープで繋がっていて、いわゆるアンザイレン状態にあった。なのに落ちていったのはひとだけ。普通なら芋づる式に他の隊員も引っ張り込まれるはずなのだが、他の隊員はとっさにロープを切ったのだろうか・・? この映画は一事が万事この調子。シナリオを書いた者は専門的なことをほとんど勉強してないのではないかと思われる。ちょこちょこと聞きかじった程度の知識で工事の進捗状況をかいつまんで観せただけ。はじめと終わりに朝焼けか夕焼けの太陽が出てくるが、ストーリー上はなんの意味もない。なんで黒部の太陽なのだろう・・? 黒部の月でもよかったのではないかと思う。