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「殺す気で突いてみろ!」矢田部研吾は、まだ小学生だった自分に、日本刀を突きつけて剣を教えるような父・将造に育てられた。おかげで剣の道で一目置かれる存在となったが、父とのある一件から、進むべき道を見失い、剣も棄ててしまった。そんな中、研吾のもう一人の師匠である光邑師範が、研吾を立ち直らせようと、一人の少年を送りこむ。彼の名は羽田融、ラップのリリック作りに夢中な今どきの高校生だが、台風の洪水で死にかけたというトラウマを抱えていた。彼こそ、本人も知らない恐るべき剣の才能の持ち主だった。研吾と融、共通点はなかった。互いに死を覗きながら闘うこと以外は──そして、その唯一の断ち斬り難い絆が、二人を台風の夜の決闘へと導いていく──。
バリバリの現代物でした。
予告編を見ててっきり時代物だと誤解してしまいました。
現代の鎌倉を舞台に、剣道の道を外れて、生き方も見失っている
矢田部研吾(綾野剛)が、剣の道を取り戻すまでの、凄まじいまでの葛藤を描きます。
相手役は若い村上虹郎(歌手のUAを母に、俳優の村上淳を父に持つ
サラブレッド・・・剣道経験有り)
ある事件から自暴自棄になり酒に溺れている研吾。
後見人の和尚の光邑は高校生のラッパー羽田融(村上虹郎)の中に
天才剣士の才能を見抜きます。
和尚の指導する高校剣道部で遭遇した研吾と融は互いに「出来る奴」
「叩き潰さねばねばならぬ宿敵」と認識し合うのです。
「殺人剣」を教授した剣吾の父親(小林薫)は人工呼吸器を付けた植物状態です。
息子・研吾とのいわくがありそうです。
人の道を説き、人間修行である「剣道」を、父親から「殺すまで闘え!」と教えられた研吾。
果たして研吾は融との果たし合いを通して「人の道」に戻ることが出来るのか?
10分間の土砂降りの中の「果たし合い」は壮絶でした。
鍛錬を積んだ綾野剛の上半身は見事に割れて、美しさに見惚れました。
(前田敦子は出番がよっぽど削られたようで、クレジットされたものの、
チョイ役で、大変気の毒でした。)
原作は藤沢周、武曲をMUKOKUと読むらしい、映画化された作品ではチト原作の深みやテーマが完全に伝えられていないような気がするのだが。
殺人剣の使い手として知られていた警察官である父親から厳しく幼年時代から鍛えられていた矢田部研吾、父親の指導方法は異常なほどでそこに父親に対する畏怖とそれを越えようとする憎悪が生まれても不思議ではない。
殺す気でかかってこいと言われ続けてきた研吾、ついにその時が来て父親を越えてしまうが、その結果として父親を植物人間しまう。
父親に対して複雑な愛憎感情を抱いたまま、剣の道を捨て酒に溺れる狂気の日々を過ごすようになる。
そんな研吾の前に現れたのがラップに心酔する高校生羽田融、特に剣道を志していたわけではないのだが、隠れた剣の才能を研吾の師匠である和尚に見いだされ研吾と対峙することとなる。
こんな設定にどことなく違和感を覚えてしまうのが映像化の難しいところなのだろう。
父親との事件以来酒浸りの生活を送ってきた研吾、恐らく10年以上の歳月が流れているのにもかかわらずいきなり剣を握れるものなのだろうか。
ラップを愛する融が剣に出会って隠れた才能を突然目覚めさせたのだろうか。
融は研吾の狂気に惹かれ、研吾は過去を振り払うために剣を握ったのかもしれない。
嵐の夜に対峙する二人、果たしてその先にはなにがあるのだろう。
元々、綾野剛さんのファンです。酔っ払いの役から剣豪の役へと顔つきが変わっていきます。役者だなあと思いました。ますますファンになりました。