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本屋大賞に輝く湊かなえのベストセラー小説を、独創的な映像感覚と確かな演出力を持つ天才・中島哲也監督が映画化。「生徒に娘を殺された」という女教師の告白からはじまり、殺人事件に関わった登場人物たちの独白形式で構成される物語は、虚実入り混じり、驚愕・戦慄・唖然の連続。そのショッキングすぎる内容から賛否両論、話題騒然となった衝撃作。
私は原作が嫌いでした。
教師が教え子に復讐を仕掛ける。牛乳に血液を混入する。HIV、殺人、爆弾。大変刺激的な内容だけど、それらを物語を引っ張るための道具としか考えていないような印象を受けたからです。
さて、映画。
「娘は殺されたのです。そしてその犯人はこのクラスにいます。」
という女教師を始め、登場人物の「告白」が続いてゆく原作を、上手く再構成していると思います。
たとえば、女教師の告白の途中に、クラスのリアクションなどをうまく挿入しているので、原作よりも格段にストーリーに入りやすくなっていると思います。
中島監督のこれまでの作品とは違い、色調をかなり押さえた暗めの映像なのですが、その分牛乳パックの赤、血の色、バラの花の赤が際立っています。垂れ込めた雲を映した空のカットも、効果的だと思います。
そしてラストの爆発のシーンの映像もおもしろかった。犯人である生徒が作った「逆回転の時計」をうまく使っていると思いました。
けれども、私はやっぱりこの話は嫌い。
とても不穏で殺伐とした気分になってしまいます。
2度は観たくない映画です。
終業式を迎えたある中学校の1年B組の教室。担任の森口先生(松たか子)は生徒に「警察に事故死と判断された私の娘・愛美が、このクラスの生徒に殺されたのです」と告白します。衝撃的な話に教室内は騒然となります。
愛娘を殺した犯人に復讐する主人公役の松たか子が、一人語りというスタイルで、視線一つ換えず感情を殺した口調によって、彼女の復讐心の強さが伝わって来ます。
本作は、犯人探しの映画ではありません。少年法に守られた犯人がどんな思いを抱えていたか、そして森口の仕掛けた復讐の罠がどんな風に犯人を追い詰めるのかを描く心理劇にぐいぐい引き込まれます。
彼女が担任を勤めていたクラスは、すでに学級崩壊をしているクラスで、秩序がありません。しかし、集団心理だけは強く、犯人と判明した修哉へのいじめ、牙をむいた群集心理が恐ろしいです。
学級崩壊、イジメ、家庭内暴力、溺愛する息子を信ずる過保護な親、自己中な熱血教師、心の無いティーンエイジャーの慢性疾患を復讐というテーマで見事106分に詰め込んでいると思います。
現実的であって、まるで現実感がない世界。
殺人がいとも簡単に、悩みもせずに行われてしまうのは、あかかもゲームであるかのような錯覚。
それがとても軽やかに、現実感が希薄に行われたところは、びっくりです。いつでも、クリアできるかの如く、切実さが感じられません。だからそこに「取り返しのつかないことをしてしまった」という切実な悔恨が生じようもなく、それゆえに赦しも生まれないのかもしれません。
復讐の結果が、明らかに教師の森口の立場と逆転するあたりが、彼女自身も底知れない悲しみに沈むことは、覚悟の上だと思いますが、哀しくなるほど後味が悪かったです。
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劇場鑑賞時のレビュー
凄い映画だ。 下妻からパコまで、どれも大変気に入っていたが、全てを「どっか~ん」とぶっ飛ばすほど、この作品はいい! いままでが予行練習だったかのような、色、動き、話、演技。1シーンに入ってる情報量が多くて、途中、時計を見て1時間経ってないのにびっくり、これはつまらなくて長く感じたのではなく、これだけの時間でこれだけ表現してるのかという事に驚愕した。 教室で蠢く悪魔のようなガキ共、バカ熱血教師、子供を制御できないアホ親、そして教師森口。当然私の立ち位置は森口講師側に居る訳だし現代の子供達の現実をメディアでしか知らない私は少なからずこのような生き物であろうと思ってもいる。 R−15などと言わずに子供達に見てほしい、こんな風に思われていることを。実際高校生風の2,3人が数組観ていたが、皆、押し黙って映画館を後にしていた。 100分ちょっとでこの満足感、すばらしい!