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オードリー(ハル・ベリー)は、地元警察から届けられた知らせに愕然とする。彼女のやさしい夫であり、2人の幼い子供の父親である、ブライアン(デヴィッド・ドゥカヴニー)が事件に巻き込まれて射殺されたというのだ。愛と安らぎに支えられた11年の結婚生活。オードリーはその支えを失う。そんな時突然、オードリーは、ヘロイン中毒に陥っているブライアンの幼馴染、ジェリー(ベニチオ・デル・トロ)を思い出す。オードリーは夫の死による空白を埋めるため藁をもつかむ思いで、ジェリーに、彼女と子供たちの悲しみを癒すための、共同生活を提案をする。ジェリーはドラッグを断ち切ろうと毎日の戦いに直面していた。しかし、オードリーの子供たちの親代わり、そして友人としての役割を果たしていく中で、彼は自身の中に立ち直れる何かを見出していく。悲しみや拒絶の中、2人の壊れやすい絆は絶えず試されるが、2人はお互いが少しずつ前進していく強さに気付き始める。
やっぱりデル・トロは男トツ。
オードリーにやつあたり暴言吐かれた時の表情、
しばらく断薬した後の迷走状態、禁断症状、あのシロ目。
子供を見る時の穏やかな少年の目。
彼の中身は何でできているのだろうと思ってしまいました。
ハル・ベリーは、女性ならではの追い込まれた心の機微の演じ方が、
ほんとに腹が立ってしまったほど上手でした。
そんなデル・トロとハル・ベリー。
ふたりの頑強な俳優が演じるのだから…でなく、
もしかしたら無名の新人ふたりで低予算でも、素晴らしい人間ドラマとなっていたと思います。
スサンネ・ビア監督、繊細で強靭な糸を紡いでさらに織り上げる美しい監督さん。
プールの水の中に入れた手の色と水の波紋が、画面に映し出された瞬間から、
”何か”を確約された安心感に包まれました。
第三者の人物や、慎ましい音楽、スーツや60ドル、指輪、写真…小道具の使い方もうまい。
ただこの邦題…恥ずかしい。
火事で失ったものリストがオードリーの号泣の要。悲しみは乾くものではないです。
濡れたまま、消滅することなくいつも傍に居るもの。
容易であるはずのない再生への過程、時の流れが繊細に逞しく描かれていて、
まだ大丈夫、火の中にいても…そんな気持ちをもらえました。
特典の監督インタビュー、この物語についてのお話し、よかったです。
ジェリーを受け入れた子供達、父親を無くしたからでも、寂しかっただけでもない。
純粋に好きなんだと思う。父親が親友であり続けたのと同じ理由だ。
夫の死を受け入れらないまま身勝手なふるまいをするオードリー。まさに身勝手な
言動行動の連発だが、山あり谷ありでやっと夫の死をうけとめるまでになる。ジェリ
ーにとってもオードリーや子供達との生活は希望であっただろうし親友の家族でも
ある。まわりの人たちの優しさもあり確実に前に歩き出した。この監督のことはよく
知らないのだがバランスが見事。その瞬間は酷すぎる発言だったり、行動も描いて
いるのだが進むにつれ、「わからなくはない。」「その気持ちもわかる」的な解釈が
できるような優しく暖かいもっていきかただ。この辺りがこの監督の凄いところかも。
描かれている人は皆優しい人。よく考えたらこの作品、悪い人(殺した犯人は別に
して)はひとりも出てこないんです。
そもそもジェリーがなぜ麻薬中毒になったのかは全く描かれていないがかなり興
味があるところ。人柄や知的さ子供に接する優しさをみているとかなりの理由があ
るように思うのだが。この作品ではそこは問題ではないのだろうか。
動きのある作品ではないのでデルトロとハル・ベリーというキャスティングもハマっ
ていたと思う。なかなか思いつかないコンビだけど、絶妙かも。見るからにやさしい
モルダー(あっ、デヴィッド・ドゥカブニーだった(笑))もナイス。
「善は受け入れろ」。とても考えさせられた言葉でした。。。
デンマークの女性監督スザンネ・ビアのハリウッド進出作です。
。夫の突然の死を受け入れられない女性が、麻薬中毒者である夫の親友との同居生活の中で、立ち直るきっかけを掴むまでを描いた作品です。
原題は、「Things we lost in the fire」火事で失ったものでしょうか?
人生は、一瞬にして途方もない出来事にも遭遇する。そんな時に人はどう生きるのかを暗示してくれたかのようです。
スザンネ・ビアという人は、「アフターウエディング」「ある愛の風景」でもそうですが、喪失をテーマに描いています。今作では、最愛の人を失った者の心の底にぽっかりと空いた穴の埋まることが来る時を繊細に表現しています。
最初は、それまでの幸せだった日々、夫と親友との関係、そして突然の夫の死を時間軸を変えて描いています。
喪失感ぬぐえないオードリー(ハル・ベリー)は、同様にブライアン(オードリーの夫)の死を引きずる夫の親友ジェリー(デル・トロ)に共感。期限付きで共同生活することを提案し、夫の親友と同居を始める女の物語です。
ジュリーを麻薬から救おうと手を差し伸べ、知らないうちに自分も彼に救済を求めて、夫のいた頃の生活に固執する。
やがてそれはオードリーの誤解だったと気が付き、ジュリーがもがき苦しむ中で、オードリーが夫以外の人との間に築かれた過去の時間を知り、お互いの気持ちの移り変わりや、距離感など微妙な関係をうまく表現していると思います。
ハリウッド映画なら明確なハッピーエンドを迎えるでしょうが、まだ先のことは分からないけれども、暗闇の中に微かに希望の光が感じられて、ちょっとホッとしました。
そして、この曖昧さを丁寧に描いている辺りが秀逸だと思います。