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人類VS.バグズの戦争は一進一退を繰り返し長期に及んでいた。次々と新種を生み出しながら、無限に繁殖し猛攻を仕掛けてくるバグズ。対する地球連邦軍も戦力を増強し、最終局面の第二次バグズ大戦に挑む。1作目の主人公ジョニー・リコをカムバックさせ、刺激的且つ風刺の効いたシリーズの原点に立ち返ると共に、前2作で実現出来なかったパワード・スーツ“マローダー”も遂に映像化。新種大型バグと新型のメカニック群との戦いを壮大に描いた人気SFアクション・シリーズ第3弾!
全くもって馬鹿馬鹿しくて面白い。
作品の出来はともかくとして、総司令官オーマ・アノーキの歌う「今日は死に日和(It's a good day to die)」には今年の最高金賞をあげたいくらいだ。(彼のミュージッククリップが収録されているという理由だけでセルDVDを買ってしまった私はアホだろうか。)
言わずと知れたヴァーホーベン監督の衝撃の1作目が公開されたのはすでに11年も昔の話。でもあのシャープな映像はいつまでも頭に焼き付いて離れない。その後製作された2は低予算のTV向け作品だった。そして前宣伝によると本作の製作費は「前作の3倍!」…ってTV作品の3倍じゃ全然大したことないぞ。
本作は「ヴァーホーベン総指揮」とクレジットされてるけど、どの程度かかわったのかは怪しいところ。1作目のジョニー・リコが復活したのはうれしかったけど、肝心のバグたちは低予算のためか、11年前より劣るヨタヨタした哀しい動き。予算節減のためアフリカでロケしたり地元の俳優を使ったりCGではなく「特撮」を駆使したりと涙ぐましい努力があったらしい。売りのはずの「パワードスーツ」の出来も推して知るべし、といったところか。
冷静に評価すれば、1作目を10とすれば、本作はせいぜい3か4くらいの出来かもしれない。でも下手にいろんなものを盛り込まず、原点に戻って全体主義国家を馬鹿馬鹿しく描くことだけに徹した手法は正解だったと思う。何はなくとも総司令官の大ヒット曲を聴けるだけで市民としては幸せになれるはずだ。グッズもあるぞ。
さあ迷ってるそこの君、今すぐ入隊しよう!合言葉は「勇気!義務!尊敬!」だっ Would you like to know more?
スターシップトゥルーパーズ(以下ST)シリーズ、僕はこの作品が何故かお気に入りだ。その理由は今でもわからない。自分でもなんでか正確にわからないのだ(^^;)。たぶん、その漫画チックな作風がとても気に入っているのだと思う。だからこのSTシリーズ3作品ある中で僕は2作目だけ嫌いなのだ。2作目はどうしてもSTシリーズとは思えず、ただのSFスプラッターホラー作品としてしか受け入れることができなかったのだ。その認識は今でも変わっていない。念のため、この作品を見る前に2作目を見直したのだが、やっぱり思いは変わらなかった。そしてこの3作目を見たとき、僕は喜びを感じた。何故なら1作目のあの漫画チックさが復活し、英雄リコが再登場したからに他ならない。つまり、1作目の続編と言っても過言ではないと僕は思うのだ。明らかに2作目はその作風が変わっていた。どこかおどけた漫画チックさが消え、正統派SFホラー作品(出来映えは度外視)になっていたため、物語の設定は踏襲していたが全くの別作品のように思えてならなかったのだ。この3作目には1作目を監督したポール・ヴァーホーベンが製作総指揮として参加している。その結果、1作目の作風が復活したのかもしれない。監督は別の人がやっているみたいだが、とにかく1作目の雰囲気が出ていれば僕にとっては問題ない(笑)。
R−15指定となっているが、相変わらずバグズに殺される兵士の描写が結構えげつないものが少なくない。残酷さは敵であるバグズが昆虫型生命体、つまり感情がないことを意味している。昆虫には感情がないので本能のまま動く。邪魔なものはどんな方法を使っても除くのだ。たとえ殺してでも。だからこそ必然的に殺戮描写が残酷になるのだ。2作目ではそれが違う方向へ向けられスプラッターホラーに途中からなってしまったが、今作はそんなことはないようだ。今作では総司令官と提督との権力争いかと思いきや、その裏にある真実が暴かれ、リコが新兵器マローダーを使って敵を駆逐するという話で予告編では完結と言う言葉が使われていたがバグズとの戦いに決着がつかずに終わってしまうので、ひょっとすると4作目もあるかもしれない。今のままでは中途半端なので是非バグズとの戦いに終止符をキッチリうって欲しいものだ。
作品の内容に関しては、この手の作品が好きな人にはなんら問題なく受け入れられると思う。特にB級作品が好きな人ならまず問題なく受け入れられるはずだ(笑)。難しいことを考えずにただ単純に作品を楽しむことができるなら問題ないはず。作品レベルとしては1作目とたいして変わっていないから1作目を楽しめた人も問題はないだろう。ま、作品が作品なだけに堅苦しく見る必要はない作品であることは1作目から何ら変わっていない。
今作の見所としてはリコの活躍とローラの活躍、そしてマローダーと呼ばれる新兵器を使った戦闘シーンぐらいだろうか。物語としては先ほども書いたが権力争いに見せかけた真実が見えてくるまで、はSFサスペンス風で描かれ、真実が見えリコがローラを助けるシーンはアクション映画となっている。前半サスペンス、後半アクションといった感じだ(笑)。ただやはり、完成度から言えば1作目からは遠く及ばないのはハッキリしている。バグズとの戦闘シーンがとてもちゃちぃのだ(^^;)。CGレベルは1作目から大して変わっていないと思うが、予算が少ないせいかバグズの登場シーン、戦闘シーンは思いの外少なかったのはとても残念だった。ただ今作では今までになかった宗教というファクターが登場する。相変わらず軍部の統制下に置かれた世界は1作目のままだが、言論の自由が結構制限されているというか統制されている。また信仰の自由も認められていない様子で神を信仰すると驚かれるような世界になっている。そしてバグズの最高の武器が宗教となっているのはかなりの驚きだった(笑)。これによって地球連邦軍はたった一人の人間によって窮地に陥ってしまうのだ。この辺はとてもおもしろく見させてもらったが、脚本にひねりがないため物足りなさを感じたのはとても残念だった。しかし、この作品がB級作品として見た場合にはそれほど大きな問題にはならないだろう(笑)。
これは個人的な感想だが、新兵器マローダーのデザインがとてもアメコミっぽくて受け入れられなかった(^^;)。ただし、かなりの性能でバグズに対してかなりの殺傷能力があるので今まで思ってきた、「もっと強力な武器はないのかよ!?」という不満はある程度解消された(笑)。このマローダーが戦うシーンは最後の方にちょっとだけ描かれるのでもう少し見たかったと言う不満も残った。もし、4作目ができるならこのマローダーをもっと登場させて欲しいものだ。
もうね、とっても涙ぐましいんです。いかに予算を掛けないかという努力。
バグの質感もテカテカ、CGと着ぐるみを使い分けているんですが、着ぐるみは昔のウルトラマンの怪獣並み。
極力戦闘シーンを見せないという脚本。砂漠のシーンをなるべく引っ張って見ました(笑)。
見せ場のマローダー登場。あれっ「古くさい」。こんなロボットって何かのレトロSFで出てきませんでしたっけ。
でも好きです、この映画。このチープさがたまらなくキュートです。馬鹿馬鹿しいし。宗教をパロっている辺りやラストでマローダーという偶像を「神」に見立てて、祈りのシーンとオーバーラップするなんていう皮肉さはフェデリコ・フェリーニに通じるものがあったりして(比べるのはもちろんナンセンスですけど)。ブラックジョークだけを取り上げると1よりもバージョンアップしているかも。
全くくだらない映画ですが、自爆覚悟でご覧下さい。「It's a good day to die.」とこの映画のなかで司令官も唄っております。
このグダグタのチープさがが愉しいという私のような自虐的な楽しみの出来る方には強くお勧めします。まあ基本的には観る人を選ぶ映画です。