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手塚治虫の同名人気マンガをモチーフにしながら、しかし原作の設定だけを流用して新たな作品を作り出したオリジナル・ビデオ・アニメーションシリーズですが、どれも原作マンガの各エピソードからインスパイヤされた新しい物語となっています。またキャラクターも手塚治虫の「絵」は使われず、杉野昭夫氏のデザインしたキャラクターが使われています。
カルテ1「流氷、キマイラの男」カルテ2「葬列遊戯」カルテ3「マリア達の勲章」の3話を収録しています。
カルテ1は、キマイラ病に苦しむ金持ちの話。カルテ2は、新種の麻薬を偶然に発見してしまい不幸にあう女子大生の話。カルテ3は、軍事大国に強制連行された将軍の奪還を企てた将軍の娘の話です。
原作の雰囲気をそのままに楽しませてくれます。個人的にはカルテ1が好きです。あのキマイラ病の描写がものすごく衝撃的で「本当にこんな病気あるのか?」と思うぐらい怖かったです。全身を襲う激痛を水を飲むことにより治めるが、飲んだ水は全てからだから吹き出てしまう。これを繰り返すことにより、身体は衰弱し、最後は口から青い火を吐き死に至る。なんという恐ろしい病気なのでしょうか?もうこれだけでもその後のストーリー展開が楽しみになりました。ブラックジャックは結構シビアなストーリーが多いのでいいですね。もちろんカルテ2もカルテ3もいいです。カルテ2ではブラックジャック自身も生命の危機にさらされます。カルテ3ではブラックジャックのメス裁きが光ります。やっぱりいい物はいいんですね(^○^)。
この10月から日テレ系でブラックジャックがシリーズ化され放送が開始されます。今までにも2時間物で4つぐらいのストーリーをまとめて放送していました。このOVAシリーズのように原作の雰囲気を壊さないで欲しいものです。
カルテ4「拒食、ふたりの黒い医者」カルテ5「サンメリーダの鴞」カルテ6「雪の夜ばなし、恋姫」を収録している。
この巻はOVAシリーズの中でも私のお気に入りである。どれもストーリーに意外性があり、視聴者を驚かせるような展開を見せるからである。特にカルテ5は涙なしには見れなかった。最近、テレビシリーズが始まり、毎週ブラックジャックを見る事が出来るが、やはりこちらの方が遙かに作画レベルも高いし、1話が1時間弱と長いので非常に見応えがある。今のテレビシリーズはやはり子供達も見る事を考慮して、ピノコをマスコットキャラクターに設定し、手術内容も血が飛び散らないよう簡潔に描いている。それと30分(実際は24分程度)しか時間がないので丁寧に描く事が出来ていないし、今の所、中身の濃い話は放送されていない。ブラックジャックが海外に行ったという話は未だかつてない。その点を考えるとこの作品こそが本来のブラックジャックの姿に近いと思う。
カルテ4は原因不明の拒食症に悩む女優の物語で、BJのライバルである安楽死を請け負う「Dr.キリコ」も登場する。今回BJは彼に助けられる。とにかく病気の原因が凄い(笑)。カルテ5は私の一番のお気に入りのストーリーである。原因不明の悪夢に遠い昔から悩み続けてきた青年お話である。この原因には悲しい過去が浮かび上がってくるのである。涙なしには見れないこと必死である。カルテ6はBJでは珍しくファンタジー調時代劇である(笑)。ちょっと切ない恋物語。幻想的なしかもあり得なさそうな展開を見せるので諦めず最後まで見て欲しい(^^ゞ。
あぁ~ピノコが歌うサンメリーダの鴞の唄が頭から離れない・・・・(笑)。
原作は『ハリケーン』というタイトルで、孤島に暮らす瀕死の老富豪を看病する若い妻とその秘書が、遺書を書きかえるまで、老富豪を延命させてくれとブラック・ジャックに依頼してくる、という物語でしたが、このアニメ版ではその老富豪がキマイラ病という謎の風土病に冒されていて、ブラック・ジャックは治療法不明のその奇病に立ち向かう、という物語になっています。これは原作マンガではブラック・ジャックと敵対しつづけるドクター・キリコがアフリカで謎の風土病に冒される、というエピソード『99.9パーセントの水』からの引用です。
ブラック・ジャックは北の町で四人の少女と出会う。その数ヵ月後、少女たちのひとりと再会したブラック・ジャックは四人の仲間のうち、二人が死に、さらにひとりが事故で植物人間状態にあると聞かされる。ブラック・ジャックはその友人を回復させるべく手術を申し出るのだが、病院長は頑なにそれを断る。何か少女たちの死と事故の裏には大きな陰謀があるらしいとブラック・ジャックは気づく--。というお話で、これはまったくのオリジナル・ストーリーとなっています。
原作マンガの『約束』というエピソードを元にオリジナルな物語が展開されていきます。原作マンガでは革命家の戦士が難民キャンプに匿われ、ブラック・ジャックはその機材も薬も何もないキャンプの中で革命家に応急処置を施し、いつか必ず完全な治療をしてやる、と約束する。という物語でした。今回のアニメ化では、その革命家を麻薬取引の容疑でユナイツ連邦に逮捕されたオルテガ共和国元首・クルーズ将軍、というふうに変更され、ブラック・ジャックは将軍奪還を目指すオルテガの部下たちとユナイツ連邦の特殊部隊との激しい銃撃戦の中で、将軍を末期癌から救うオペを敢行する、という物語となっています。
原作の『ふたりの黒い医者』と『あるスターの死』にインスパイヤされたオリジナル・ストーリーです。長い下積み時代を経てようやくスターの地位を手に入れたミシェルという女優が初主演映画の撮影中に倒れます。彼女は食べ物をいっさい受け付けない奇病に冒され、やせ細ってゆくのでした。ブラック・ジャックでも治療できないと知り、絶望した彼女は安楽死も医療のひとつのあり方だと主張するドクター・キリコに出会い、そして……。という物語が展開されます。
原作の『過ぎさりし一瞬』からインスパイヤされた物語が展開します。原作ではタクシー運転手の背中に自分以上の腕を持つ外科手術の痕を発見するブラック・ジャックですが、アニメ化された本作ではイギリス人青年の体に、芸術的な手術痕をブラック・ジャックは発見することになります。青年は毎夜、同じ女性が殺される夢を見ています。その夢の正体はなんなのか、そしてその夢と見事なまでの手術の痕とはどういう糸でつながるのか。ブラック・ジャックを凌駕する外科手術の腕を持つものの正体とは?そんな興味で物語が展開されて行きます。
原作にも『雪の夜ばなし』というタイトルのエピソードがありますが、それとは直接関係のないオリジナル・ストーリーが語られます。ブラック・ジャックのもとに二年も前に投函された手紙が届きます。読んでみるとそれには「妻の命が明日をも知れぬ状態です。助けてください」と綴られていました。ブラック・ジャックはその二年前の依頼人の下へと急ぎますが、彼を待ちうけていたのは鎌倉時代の武将の亡霊でした。さて、この奇怪な事件の真相は・・・・・・。
中東で内戦が勃発し、その難民キャンプに逃げ込んだ自分の患者を追って、BJもまた難民たちの中へと危険を覚悟で乗り込んで行った。患者の名はカレン。BJは劣悪な環境の中でカレンを救うために緊急オペを決断する。
その少年のからだは体内から植物の芽をふき、体中が徐々に植物化しはじめていた。弟の奇病に驚いた兄のアンドリューは、どんな病気でも奇跡の腕で治療する、と評判のBJに診察を依頼した。
世界でも有数の財閥、都築グループ当主の座を30代の若さで引き継いだ男・都築耕一郎。彼は幼い頃から、腹部にできた腫瘍によって悩まされていた。その腫瘍の特異な形状は、誰の目にも「人間の顔」にしか見えない、つまり人面瘡なのだ。治療依頼を受けたB・Jは、ピノコを連れて都築家を訪れ、「人面瘡」を切り取が、しかし・・・・・・。
三ヶ月病。それは三ヶ月湾で捕れた魚を食べる近隣の住民たちの体にさまざまな症状が現れる公害病だった。原因は満月川の中流域に工場群が誘致され、その工場廃液が川から海へと流れ込んだのが原因だ。国は三ヶ月病救済委員会を設立する。救済委員会医師グループのフォックスは、ブラック・ジャックに特別ブレーンとして参加を求めた。
KARTE9「人面そう」、KARTE10「しずむ女」の2本立て。このOVAシリーズはストーリー、作画レベルどちらをとっても最高だ。このOVA第4弾にしてもどちらも切なくなるストーリーとなっている。今、放送中のテレビシリーズはこのOVA作品を見てしまうと見れなくなる程、30分枠に入れようと無理に編集していることと、作画レベルが並以下になってしまって見るに耐えない。
KARTE9「人面そう」はとても恐ろしい感じのストーリーだが、厳格な家庭に育ってきた一人の男の切ない話。人面そうと多重人格がクロスし、サスペンスタッチで話が進んでいく。僕はこの人面そうという不思議な病気があることをこのブラックジャックで初めて知り、とても驚いた記憶がある。自分の体にそんなものが出来たらとても怖いと思ったものだ(^^ゞ。
KARTE10「しずむ女」はとても悲しく切ない話。19才ぐらいの女の子の悲しいお話。公害病を取り扱った作品になっている。
テレビシリーズを見てブラックジャックに興味が出てきた人に見て欲しい作品だ。テレビシリーズのような脳天気な雰囲気の作品にはなっていないし、本来のブラックジャックはこの作品のようであって欲しいものだ。