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もう二度とありえない豪華キャストで、あの“オーシャンズ”が帰ってきた!それは前作をはるかにしのぐ巨大プロジェクト始動の合図。そう、『オーシャンズ11』はただの前哨戦にすぎなかった-!物語は『11』で大金を盗まれたラスベガスのカジノ王、テリー・ベネディクトの復讐から始まる。2週間で1億9千万ドル(約195億円!)を用意しなければ、ダニーら“オーシャンズ”の命はない。しかし、彼らを追うのはベネディクトだけではなかった。より大きな獲物を狙って世界に乗り出したオーシャンズに、ヨーロッパ最高の強盗“ナイト・フォックス”が挑戦状を叩きつける。さらに、ユーロポール(欧州警察機構)の凄腕女捜査官がオーシャンズ逮捕に向けて動き出したのだ。表の世界でも裏社会でも国際指名手配に陥ったオーシャンズに、かつてない最大の危機が訪れる!はたして彼らは全世界をターゲットにした強奪計画を成功させ、その一流の実力を広く知らしめることができるのか。映画史上最大のドリーム・キャスト、地球規模のスケールで展開するストーリー、そして前代未聞の仕掛けを備えた強奪計画。もはやオーシャンズは映画という枠を軽々と超えて、観る者全てを鮮やかに欺く壮大なプロジェクトへと進化した!それは、あなたのハートを盗む、衝撃のプロジェクト-!!(掲載のジャケット写真はDVDのものです)
オーシャンズ13を観る前にと、復習の意味でレンタルしたのですが、前回観たときに、
「つまらん。二度と金を出してこんな作品を観るものか」
と決意したことを思い出し、愕然としました(笑)
「11」が、曲がりなりにもサスペンスとして楽しめる部分があったのですが(シナトラ・ファミリーのオリジナルの方が「かっこいい」し、「Cool」なんですけど)「12」はコメディ映画を作りたかったのか?と思わせる出来です。
じゃあ、コメディとして面白いかというと、それも微妙・・・。シャレた会話がポンポン飛び出してきますけど、ほとんどハズしていて、ある意味失笑ものです。まぁ、軽いノリの犯罪映画を目指しているのかもしれませんけど、それがコメディとして昇華されないのは、演出力の欠如でしょうかねえ。ストーリーは退屈だし、オールスター・キャストなので、そのキャラを生かさざるを得ないので、人物描写もいい加減・・・(ある意味、料理で言うと素材勝負と言うところ。なのに、その素材が生煮えなんだ、これが!)
だいたい、オーシャンズはそれぞれが一流の盗みのプロの集まりであり、皆、自負を持っているはずですから、あんな仲良しクラブであるのがおかしいのです。ライナス(マット・デイモン)は、オーシャンズを組織として考えているから良いとして(まあ、彼は一流のプロという設定ではないし・・・だから、いじられキャラだし・・)ベネディクトに対するスタンスで、一応は共通の目的意識はあるにしても、
「あいつは、いつ裏切るかも知れない」
と思わせる雰囲気を、全員が持っている方がサスペンスタッチになるはずなのです。
ソダーバーグは、何を考えて続編を作ったのだか、よくわからんです。ノリと勢いで作っちゃったんじゃないのと思われてもしょうがないでしょう。普通、同じ様なメンバーを起用して続編を作る場合は、前作をしのぐクォリティのものをと気合いを入れると思うのですが、確信犯的に力を抜いて、グレードダウンさせているんじゃないかと、穿った見方をしてしまいます。
そのゆるゆる感というか、仲良しが集まって和気藹々と作って、自分たちだけが楽しんでいるというムードがそのまま「13」に引き継がれてしまったようです。「11」だけでやめときゃよかったのにと、多くの観客が思っているんじゃないでしょうか・・・。
自分たちが楽しんでいれば、観客も楽しめるだろうと言う勘違い(それも、観客に楽しんでもらうための条件の一つではあるのですが・・・。製作者が嫌々作ったモノが、楽しめる作品であるはずは無いので・・)が甚だしいのでしょう。
これを観ると、さほど良い出来とも思えない「オーシャンズ11」が名作とも思えてしまうのが不思議です(笑)
前回の『オーシャンズ11』を撮ってスタッフ、キャスト一同楽しかったので、また楽しく続編を作ろうよというノリだけで作ってしまったような作品です。与太話から生まれるアイデアをそのまま、無茶苦茶に詰め込んだたらこうなったのでしょうか。
スタッフA:「今回キャサリン・ゼタ=ジョーンズ」の出演決まったからさ、何か彼女ネタで面白いアイデア無い?」。
スタッフB:「そういえばヴァンサン・カッセルが身体やわらかいし、キャサリン主演の『エントラップメント』のパロってみるのどうだろう?あれも泥棒の話しだし。」
スタッフA:「いいねぇ、そのアイデア、頂き!。あと、そうだ、役柄で本人がスターのそっくりさんというアイデアはどうだろう・・・」
といった企画会議が目に浮かぶます。
正直言ってこれだけくだらない映画を、よくもまあ大金をつぎ込んでつくったなぁと半ば呆れながらも感心してしてしまいます。まあ言ってみれば「オールスター新春かくし芸大会」といった趣の映画です。
こうしたおバカさがシンプルで楽しければそれなりに爽快なんでしょうが、話自体はあの名作『スティング』からでもインスパイアを受けたかのようにチョッとした捻りが入っているのですが、編集がフリーズをかましたり小細工が多いグダグダで、時系列も跳んだりするのでとても分かりにくくなっています。しかもそこだけ前作を見ていないとピンと来ないと言うなんとも不親切な脚本です。
出演陣のネームバリューの豪華さだけが取柄の映画。しかも出演者が多いだけで有機的に役柄が絡みあって無いし、冒頭では役柄をおさらいするためのシーンの連続でとても退屈。ということで脚本が全く酷い。これだけの人数を上手く使える脚本が出来ないのならばいっそ『オーシャンズ“3”』くらいにしておけばよいのに・・・。