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昆虫型エイリアン=バグズと人類の戦いが激化する近未来。パグズが支配する辺境の惑星で激しく交戦を続けていたシェパード将軍率いる地球連邦軍中隊は、敵の猛攻に遭い退却を余儀なくされる。すでに廃虚と化した前哨基地へ命からがら逃げ込んだ彼らは、そこで想像を絶する恐怖にさらされる・・・。『ジュラシック・パーク』でアカデミー賞(R)視覚効果賞に輝いた映像の魔術師フィル・ティペット初監督作品。
『スターシップ・トゥルーパーズ2』(フィル・ティペット)[2003年]
最近公開された『インビジブル2』や『氷の微笑』もどうやらそうなのだが(私自身は一作目も含めいずれも未見)、ヴァーホーヴェンは二作目の評判が著しく悪いようで、『スターシップ・トゥルーパーズ2』もDISCASのレビューにおいても評価は散々だ。でも、少なくとも『スターシップ・トゥルーパーズ2』においては、それは一作目の良くも悪くもお祭り騒ぎ的なものを二作目にも求めたが故の結果であり、設定だけが同じの別な作品(事実、両作品は物語的には直接的な繋がりが無いため、そう観るべきなのだが)として接すればもっと適切な評価ができると思うし、ボク個人は好みという点においても、作品の出来という点からも二作目の方が優れているように感じた。
出来については一作目は一作目で確信犯的な要素があるため一概に二作目が優れているとは言い切れない部分はあるが、二作目がホラー的な要素を多分に漂わせたサスペンスSFとして観るならなかなかの良作ではないかと思う。一人また一人と敵陣に組み込まれて様はジョン・カーペンターの『遊星からの物体X』にも似たなかなかサスペンサブルな展開だったと思うし、人間ドラマを前面に押し出してはいないものの個々人のキャラクターの描き方は一作目のマンガ・キャラよりは面白味も深みもあったように思う。また、深みを感じさせるショットも時折垣間見せてくれるため、ことムードという点に関して言えば本作の方が優れていると言えるだろう。
CGによるBUGの大騒ぎが観たい方には、あるいはそれを期待された方にはフラストレーションが感じられるかもしれないが、一作目ほどではないにせよ最低限のお約束は果たしていると思うので、一作目の続編という考えを捨て去って「もう一つのスターシップ・トゥルーパーズ」として接すれば充分以上に楽しい作品として観ることができると思う。
お恥ずかしながら十夢さんのレビューを読むまで、フィル・ティペットが監督だとはしらなんだ。十夢さんには外れだったみたいだけど、でもティペットだよな、SFわかってるよなぁ・・・ それに十夢さんとアチキ、好みがちがうところもあるし(実はアチキ、「ジュラシックパーク3」は大好きなんです。それはまた別の話し、べつの機会に)。
っで、観た。ハズレた。ただし十夢さんとはべつのところで、だけど。(と言うわけで以下ネタバレです)
巻頭は毎度おなじみの「宇宙の戦士リクルート」コマーシャルですな、そしてすぐにどこかの星の戦闘シーンになる。
これがまた緊張感がまるで無い。「実はコマーシャルの続きでした」といつなるのかと思っていたよ、マジで。
この緊張感の無さはほぼ最後まで続く、これがまず最初にして最大の敗因ですね、人類の。じゃなくてこの映画の。
舞台は打ち捨てられた要塞に移るわけで、これは戦争ホラーの定石ですね、廃墟、謎の城、そこにかけられた呪い・・・ 今回は呪いじゃなくて、寄生型に変異したバグなわけで。
うーん、それにしても軍隊ものとしての味も無い。銃の扱いに慣れてないってのは、まともな役者とミリタリーコンサルタントを雇う金が無かったんだろうから仕方ないが、「規律が緩みきった寄せ集め部隊」だとしても人間関係の緊張感がない。
たとえば「エイリアン」では、高額の給料につられて乗り合わせた乗組員という微妙さが、否応無く危険に巻き込まれると言う緊張感を高めるのに役立っていた。
緊張感が無い、ってのは要するに怖くないということで、これはこの映画の目的に反するわけで。
それでもかろうじて、虫どもが寄生しようとするシーンや、寄生された軍曹が、それでも精神をのっとられないよう必死で戦うところなんぞはそれなりにテンションはあがったが、そこまで。
大体見ていて「あーあ、みんなが寝てる間に寄生しちまうか、せめて縛り上げちまえばいいジャン」と、元も子もないことを思いついてしまう、それだけの余裕をみる者に与えちゃだめでしょ。
ところでこのレビューのタイトル「もったいない」であるが、何がもったいないのか。
それは「寄生するバグども」というアイディアである。
って、そんなのいくらでもあるジャン、と言われそうだが、いや確かに寄生して人類の精神をのっとるエイリアン、ってのは古典的と言っていいアイディアではある。
だが第一作との関連で考えると、このアイディアの面白さが際立ってくる。
寄生が可能ということは、バグどもと人類が比較的近い生化学系を有していることを示唆し、強化防護服はおろか大気に対する防御さえしていない兵士たちという、一作目の致命的な欠点を補いうる。
また、前作では戦闘がバグどもとの唯一の「コミュニケーション」であった。だが、寄生体の出現によって直接のコミュニケーションが可能かもしれない。
しかもその可能性は、バグどもによってもたらされているという皮肉・・・ 敵との対話はできるのか、それとも人類の新たなる進化のステージなのか。バグどもも寄生することで何らかの変化を生じているはず、そして、寄生されることは本当に人類にとって不幸なのか・・・
そう、料理の仕方によってはこの続編はものすごい傑作に化ける可能性があったのだ。うーん、もったいない。
ま、終わってしまったものは仕方ない。それでも、最後はあの寄生された将軍が生きていて、人類の将来危うし! にしてくれたらなぁ。
あ、クローネンバーグの「シーバース」のパクリになっちゃうか(^^ゞ。
1作目に比べて、普通の映画になったなあというのが感想。
1は良くも悪くも「アク」があってインパクトがあったのに・・・。
下の方のレビューにもあるようにいろんな映画をモチーフにしたのかなという感じ。
特に「エイリアン1」や「ソラリス」の匂いを強く感じます。
まあ監督さん、初めての作品ですから今後に期待しましょう。