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世界が泣いた。世界が震えた。国際映画祭・映画賞で25以上もの賞に輝いた、製作・監督・脚本・編集・主演ヤン・イクチュン鮮烈すぎるデビュー!偶然の出会い、それは最低最悪の出会い。しかし、そこから運命が動きはじめた。「家族」という逃れられないしがらみの中で生きてきた愛を知らない男と、愛を夢見た女子高生。引き寄せあう傷ついた二人の魂に涙が堪えきれない。
とても痛々しく、すさまじく、そして力強い映画でした。まさに「息もできない」という感じでした。
主人公のサンフンは、借金の取立屋。
知性のかけらも感じられない汚い言葉と、容赦のない暴力。
暴力に支配された少年時代。父親の暴力によって妹と母親をなくした過去がフラッシュバックで明らかになる。
暴力の連鎖の中で育った人は、結局そこから抜け出すことはできないのか?
ある日サンフンが吐いたつばが、通りかかった女子高校生ヨニのネクタイにかかってしまう。
強面のやくざもののサンフンを怖がりもせず抗議するヨニを、サンフンは殴ってしまうが、一見何の共通点もないこの高校生が、ただ殴られるだけの人間ではないことをサンフンは感じとる。
ヨニも複雑な家庭環境を抱えている。ベトナム帰りの父親は誇大妄想の傾向があり、弟のヨンジェは毎日金をせびり、ヨニを悩ませる。そして、ヨニもまた暴力によって母をなくしているのだ。
自分の素性を決して打ち明けることのない、サンフンとヨニ。
傷ついた魂がふたりを引き寄せるのか、ふたりは徐々に距離をつめてゆく。
夜の漢江の岸にすわり、サンフンがヨニに膝枕をしてもらいながら泣くシーンは、胸が痛かった。
しかしふたりは知らない。皮肉な運命が用意されていることを。
幼い頃に見たのと同じシーン。その真っ只中にいる弟が、ヨニの視線の中でサンフンに変わるラストシーン。このラストシーンをどう理解すればいいのだろう?同情?諦め?それとも愛情?
主演のヤン・イクチュンが監督、脚本、編集すべてを担当。
映画の中でヨニが住んでいる家は、彼の家だったそうですが、それを手放して映画の制作費にあてたというほど熱のこもった映画です。
関東での劇場公開時に『とんでもない映画がある』という噂(?)を聞いてたんで、
大阪で公開したら映画館で観るつもりやったんやけど、どうしても都合がつかずに
観にいけなかったヤン・イクチュン監督作品の『息もできない』をDVDで観ました♪
うわっ!またでた!コレも青春映画の傑作やん!!!青春映画と括るのは多少抵抗がある
けど、この若い情熱に溢れる痛みの映画を、この若い男の心の叫びの映画を・・・
ジャンルで括ることを許されるならやはり"青春映画"やろね・・・傑作青春映画やね。
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先日観た『ダックシーズン』も、アプローチは全く違うけれども青春映画の傑作で「こう
撮るんだ!」という強い意志を感じたけれど、これもまた強い意志を感じるっすね!
かたやコメディ映画で引きの作品、かたや暴力映画で押しの作品なんで、両極にある
正反対の映画ともいえるけど、どうしてもこの2つを並べて言いたいのは、どちらも迷い
が無く真っ直ぐに表現してるっつーことなんすね♪
どちらも拙さやあざとさが目立つ映画やけれども、心からの叫びを"自らの表現"で真っ
直ぐに描くことで、圧倒的な個性(オリジナリティ)を見せてるんすね((φ(・д・。)
怒りを内包する"悲しみ"の青春コメディ映画(ダックシーズン)
悲しみを内包する"怒り"の青春暴力映画(息もできない)
この2つを同列に比べるバカは自分ぐらいでしょうが、どちらも若さ溢れる傑作なので、
ぜひ観てみてください(°∀°)b
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内容については、説明すると面白く無い映画のように感じそうな映画なので、書かない
でおきます。
暴力描写が多い(残酷描写ではない)し、どーしよーもない状況や人間が出てくるので、
決して観やすい映画では無いですが、描いてることは誰でも共感し得る内容ですので、
ぜひ観て感じてください♪
オススメです(°∀°)b
個人的満足度 77点! オススメ度 75点!
韓国からは、時々パワフルな監督が現れますが、まさにこの人、ヤン・イクチュンの力量にはびっくりです。主演、監督、脚本他5役も兼ねたという、低予算のせいもあるのかもしれませんが、長編デビュー作なのに凄い才能です。
ちょっとバイオレンスが凄いのがたまにキズで、疲労感に襲われました。
冒頭からすさまじい殴り合いです。サンフン(ヤン・イクチュン)は女子高生ヨニ(キム・コッヒ)のことも、出会ってすぐに殴り倒してしまいます。容赦ない暴力描写は、キム・キドク監督の「悪い男」を彷彿とさせ、強力な磁力で出会ってしまった男女が運命に翻弄されていく切ない物語に、衝撃です。
やがて不幸の元となる悲劇的な過去が浮かび上がり、物語が進むにつれて、暴力描写は決して得られない家族愛への叫びに思えて来ます。顔の表情のアップが多いので、心の痛みが伝わってきます。
荒れた家庭に育ち、愛に飢え、もがくヤクザと女子高生との孤独と孤独とが触れ合う刹那の純情に監督の汚れなき心根を見たような気がしました。
安直な癒しも与えてくれないのは、暴力の怨恨を風化させないためでしょうか?
サンフンが、自己嫌悪からも、自己憐憫でもなく、孤独にひたむきにそういう生き方はやめようと決意する様が、実直さで映り込んでいるから。正直さと、品性が同居した心洗われる瞬間に参りました。心をわし掴みにされて、痛みにもほぐしにも似た強烈な余韻が続きました。感情が偽りなくぶつけられた物語だからこそ、見る者の心にずしんと響いて来たのかもしれません。