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渡辺淳一作「失楽園」突然閉職に追いやられ自己の道を見失った中年サラリーマン・久木(役所)と医師の夫と冷え切った関係をもてあます30代後半の女性・凛子(黒木)が出会い、恋に落ち、逢瀬を重ね、やがて逃れることのできない深い関係にはまって行く。その結果二人が選んだ愛の行方は・・・。
今更ながらのレビューです(笑)
映画としては、なかなかのクオリティを持った作品でしょう。公開当時、私は妻以外に彼女がおり(おわ!いいのか?こんな生々しい話)この作品を観る気が起きなかったのです。(当時の彼女が、今のかみさんです)
数年経って、DVDで観ても、物語そのものには感動もせず、冷ややかに観ていた記憶があります。
で、今になってもう一度(愛の流刑地が新作では無くなったので、近いうちに鑑賞する、前説として・・)DVD鑑賞。
やはり、物語としては好きになれません。「純粋な愛」を描こうとしているのかもしれませんが、そこには愛欲があり、それを貫くことによって傷つく人たちがいるのです。まあ、そんなことを言える立場ではありませんが、やはり現実にはいけないことであって、小説の中だけにしてもらいたいもんだと思うのです。(いや、それ以上つっこまないで下さい、お願いだから)
いい年をした男女が愛欲にまみれる姿を見て、多くの人が共感したんでしょうか?私には、そう思えません。年齢を重ねることによって、男女間のつながりは、もっと別の形になっていくと思うのです。プラトニックラブなんてことは言いません(愛の無いセックスはむなしいけど、セックスの無い愛なんて偽善でしかない)が、中年を過ぎて老境にさしかかっても、枯れない男女は、見ていて痛ましいものがあります。
若い頃は、恋人に会うたびにセックスをするでしょう、猿のように。それもつきあいが長くなれば、段々減っていきます。男女のつきあいの中で、セックスというのは、無視はできない重要なファクターであるとは思いますが、つきあいが長くなる、あるいは年をとるごとに、それだけではなくなり、さほど重要なことではなくなっていくのだと思うのです。
そばにいるだけで、あるいはぎゅっと抱きしめるだけで満足できるようになっていくんじゃないでしょうか・・・。
一説によると、死を目前にすると種族保存のための本能が働いて、激しく異性を求めるとも聞きますが、それを見せられてもあんまりねえ・・・。どうも、
「人間、いつか死ぬんだから、好き勝手やった方がいいんだ」
みたいに感じられてしまうのです。
正直言って、この作品も「愛の流刑地」も(まだ観てませんけど)物語というか、プロットとしては認めたくないものです。渡辺淳一は、「無影燈」等、医療現場を題材にした物は良いけれど、最近は官能小説家になってしまっているのですね~。
それは別として、映画作品として観れば、なかなかの出来上がりではないかと思います。森田芳光の作品の中では珍しく(笑)ヒットした作品ですが、映像と音の魅力という面では、かなり効果的にできているなあと思います。滝の音で始まり、滝の音で終わるシークエンスには、どこか叙情的な物を感じましたし(それは作中の篝火能の太鼓の音にも通じます)、止むに止まれぬ心の葛藤も映像が効果的に補完しています。
ただ、この小説を映像化するにあたっては、ガラリーナさんがおっしゃるとおり、いやらしくないと意味がないと思うのですが、そのいやらしさが、黒木瞳では綺麗すぎて、私には不足だと感じてしまったのですね~。もともとがポルノ小説(グルメっぽい要素もあったのですが、映画ではかなりカット)なのだから、ポルノ映画にしてしまえばよかったのにね~・・・。
いい大人の二人が、責任放棄して逃げて二人の世界にひたって自分勝手に死んでっただけにしか思えない。
そんなに好きなら戦えよ!
残された家族のこと考えろよ!
と怒鳴りたくなる。
娘の木村佳乃ちゃんなんてまだ結婚もしていないのに
父親が不倫して心中なんて
トラウマになるだろうし苦労するのは目に見えている。
しかし、今は時代が違うからそう思うんだろうけど
古い日本人の価値観からすると
不倫なんてトンデモナイ!
死んで詫びなさいという感じだったのでしょうか。
アメリカのドラマや映画に見慣れると
不倫・離婚・再婚なんて自然なことなので
失楽園にはかなりの違和感を覚えてしまった。
時代と国柄の違いでしょうけれども
この映画はそうやって見るんじゃなくて
愛の深さや、映像の綺麗さで見るのでしょうね。
過去『不倫は文化』と言い放った素足で革靴履いて一時はトレンディ俳優と言われてた変なヤツがいたが、トンデモナイ話だ。
どんだけ美男・美女だろうが、夫婦仲が悪かろうが『不倫は不倫』
「アンタ達には分からないわよっ!」と言われるかも知れないが分からなくて結構!不倫は不倫以外のナニモノでもありません。
二人の世界に酔いしれて、御本人様達は幸せな事この上ないだろうけど、周りの事や後先の事を考えたら自分勝手としか思えない。
「不倫はこの世で一番の純愛。だって≪好き≫って気持ちだけで一緒にいられるんだもん♪」
「私達は悪い事はしてない。ただお互い好きになった人に相手がいただけ・・・」
とでも思ってるのか?
好きなだけで一緒にいるのは最近の若者カップルでも一緒だ。それは純愛なのか?
悪い事はしてない・・・って思うなら堂々とコソコソ隠れずに付き合え!
自分の選んだ相手や仕事、生活がうまく行かないから逃げてるだけじゃん。
≪許されぬ恋≫なら≪許される恋≫にしろよ。
逃げて、心中して。。。死ぬほうは二人一緒で「この世でダメなら来世で・・・」と陶酔しまくってるから考えも及ばないだろうけど、死んだ後心中の始末をするのは誰?
アカの他人と、お互いの家族や親族だ。
世間体もとっても悪い。
死んだ本人達は関係ないだろうけど≪遺族≫になって残った家族は針のムシロじゃん?
家族以外は親戚だって他人と一緒。口では親切そうな事を言いますが、中味は好奇心と蔑みでいっぱい。
あ~、考えただけでゾッとする。
『東京タワー』の時も思いましたが、こんな話はありえません。
全てを捨てる覚悟があって≪不倫≫に走るなら、全てを捨ててから恋を成就させましょう。
その方が本人たちも確実に幸せだし、周りにも祝福されるし、後腐れもないです。
いい大人なんだから自己チューな考えじゃなく、周囲の迷惑も考えて行動しましょう。
心がとても寒くなる作品。
普段笑顔で話してる友人知人のなかにももしかしたら何食わぬ顔して周囲を騙してる人達がいるのかも。。。と思うと人間不信になりそうです。
見るんじゃなかった。