1,026円(税込)「動画見放題※1」プランを
昭和38年春、西日本最大の広域暴力団明石組とライバル神和会との代理戦争とも言うべき広島戦争は日ごとに激化していった。明石組系の打本組と広能組、神和会系の山守組は対立の様相を呈し、血なまぐさい暴力事件が相次いでいた。抗争は遂に市街戦に及び、一般市民をも巻き込む事態に、警察は暴力団壊滅頂上作戦を展開して…。
初期仁義なき戦いシリーズの第4作目。
前作で蒔かれていた種がいっせいに花開き
激化した抗争が描かれます。
若者達の暴走は上の意向だけでは抑えきれないものとなり、
行く所まで行ってしまった感があります。
本作では警察も物語に絡んできますが、
彼らを応援しようという気が全くしないのが面白い所。
ラストの広能と武田との会話には
哀愁すら感じられ、激しい抗争シーンだけではない
物語の深みを出しています。
若い衆が死に警察と市民が立ち上がったことで幹部連も次々と検挙。結局代理戦争から続く一連の抗争は双方実りがないばかりか、死者20名近く、逮捕者は1500名という悲惨な状況で終息します。
先頭に立って闘っていた広能(菅原文太)と武田(小林旭)は長い懲役を喰らいましたが、処世術に長けた他の組長や幹部連は実刑でも短く、中には執行猶予の付いた者も。
それだけに雪が吹き込む拘置所の廊下で広能と武田が寒さに震えるラストシーンは虚しさが募ります。
そう言えば東京タワーが昭和33年開業、38年は「鉄腕アトム」放映開始、39年は東京オリンピック、この抗争はあの「三丁目の夕日」の時代とたいして変わらないんですね。ヤクザも成長期ということですか…。
あ、37年には武田が美空ひばりさんと結婚してますね(笑
武ちゃん(小林旭)が凄みます。
すると岩井(梅宮辰夫)が『吐いた唾、呑まんとけよ』と返しま
す。
緊張する両陣営。壮絶なコロシアイ!最後に残るのは虚しさと新たな暴力の火種。
全国制覇の野望に燃える巨大企業に立ち向かった地方の零細企業という構図で置き換えてみるとこれはあらゆるニホンの縮図にも重なってきます。
単なる仁侠映画から別の次元へ昇華した作品です。
深作さんのご冥福を祈ります。