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私立探偵のトム・ウェルズが、富豪の未亡人に見せられた1本の8mmフィルム。夫の遺品に含まれていたというそのフィルムには、ショッキングな少女の殺害シーンが映っていた。この映像の真偽を確かめて欲しいと依頼されたウェルズは、少女の足跡を追う内に、性のアンダーワールドへと導かれていく。そこで彼が目にしたのは、究極の悦楽に身を投じる人々の、恐るべき欲望が作り出した悪魔のような世界だった・・・。
私立探偵のトム(ニコラス・ケイジ)は、クリスチャン夫人から夫の遺品の中にあった8mmフィルムの調査を依頼される。フィルムには少女が数人の男に惨殺される姿が映っていた。この少女の消息を調べて欲しいと言うものだった。
少女の名前がメアリー・アンであることがわかり、今も娘の帰りを待っている母親に会いに行く。その後、足取りが次第に明るみになって行く。そして、アメリカの恥部でもあると思われるアンダーグラウンドな世界に足を踏み入れる。見るに耐えないショックな映像が息苦しい・・・。
スナッフ(殺人)ビデオ制作組織に乗り込み復讐するトム。最後に追い詰めたマスクの男の私生活をかいま見、意外な人物だったことを知るが・・・。
サスペンスだが、実は人間ドラマがメインになっていて考えさせられる作品でした。
正義感に燃える怖いもの知らずのトムと、ラストシーンで見せた心の動揺を枯れ葉そうじで抑えているトム。そんなニコラスの繊細な演技が素晴らしいと思いました。。。
主人公トムは私立探偵だし、すこしずつ謎に迫っていく描写もあるが、基本的に謎解きサスペンスではないので、そういうものを期待すると裏切られる。それよりは社会派ドラマの性格が強いように思う。
トムはとことん生真面目。生真面目だから行き着くところまで行ってしまう。鑑賞している私でさえ、ふと「家出少女が甘言に乗せられて犠牲になった。気の毒ではあるけど、自業自得の面もあるわけだし、さっさと報告してこの件を終わらせてしまえばいいのに」と思ってしまいそうになる。そこを、トムは愚直ともいえるほどの執念を持って事件にまっすぐに迫っていく。メアリ・アンをだれもがあばずれだの家出娘だのと呼ぶ中、彼だけは名前で呼び、人格を与え、その犠牲を明るみに出そうと奮闘する。
音声解説を聞けば、淡々とした話しぶりながらジョエル・シューマカー監督の怒りが伝わってきて、そういうトム像が出来上がったことがわかる。現実世界で毎年行方不明になるおびただしい人々、スナッフビデオとそれを楽しむ人々の実在、コソボやソマリアなどで窮地にある人々を金と甘言で操ってそうした唾棄すべきビデオに収める者たち――。
後味のいい作品ではないかも知れないが、この題材をきれいな絵空事で終わらせて欲しくはないので個人的にはこれでよかった。リアリティはあるが、かといって現実でもなく、ちゃんと映画作品であり、そこには娯楽もある。
シューマカー監督の音声解説はいつも優れている。キャストやスタッフへの尊敬にあふれ、スナッフビデオという衝撃的な題材を扱ってさえ煽情的な描写やコケオドシは避け、あくまで淡々と生真面目に駒を進めていく。今回はその生真面目さのためか、中盤やや冗漫に感じるところもあった。聞けば、これでも3時間超の作品を編集によって2時間に収めたということだ。
特典は、予告編集、メイキング・ドキュメンタリー、バイオ&フィルモグラフィなど。
「ザ・ロック」というアクション映画でニコラス・ケイジのファンになりました。薄毛だろうが、また離婚しようが彼の人間臭い演技が好きです。この作品でも、ニコラスの魅力を充分堪能できます。やり手の探偵である彼が、富豪の未亡人から受けた依頼を調査し,貪欲に追い、そして行き着いた先にあったのは・・・アメリカ社会の暗部いや、恥部だった。愕然とし、苦悩するニコラス。そして最後に選択する彼の驚愕の行動・・・ミステリー映画なのに、何故か後半からもらい泣き、という珍しい作品なので好き嫌いがあるかもしれませんが、人間ドラマとして見て頂ければと思います。スナッフフィルムをテーマにした作品で「テシス」も見てください。タイプは全く違うけど、比べてみるのも楽しいかもしれません。こちらは、ヨーロピアンサスペンスって感じですかね~。