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大富豪の御曹司オリバーと菓子屋の娘のジェニーは身分の違いを越えて恋におちた。周囲の反対を押しきってふたりは結ばれるが…。
公開時に観た。
まだ愛というものを知らなかった。愛の物語というものがどういうものか知りたくて観に行った。
うーん、それは無理だった。
アリ・マックグローが雪の上でカエル泳ぎするシーンが強烈に残った。
・・・アメリカ人の女って、あんなことするのか・・・と。
あと、愛とは決して後悔しないこと、て、どうしてそういう訳になるのかとても疑問だった。
二人が最後に歩くあの雪のセントラルパークのシーンが綺麗で、いつか行って見たいと思った。
今観たらあのとき分からなかったことが分かるかと思って観ることにした。
いやあ、何もかも分かるね。なぜ二人は惹かれあったのか。アリ・マックグローのどこがいいのか。父親の気持ちと何故息子が反発するのか。生活費を稼ぐのがどんなにしんどい事か。Love means...のセリフの本当の意味。
こんな分かりやすいストーリーなら、今の私なら書けるんじゃないの?ニューヨークにも行ったし。
いや、絶対書けないものがひとつある。それはジェニファーのセリフ。あれは簡単には書けない。
冒頭からジェニファーは脳みそが高速で回転している。
「どうして君は賢いと言えるんだ」
「あなたに誘われてもコーヒーなんか飲まないからよ」
「誘う気なんかないと言ったら?」
「あなたが間抜けな証拠よ」
初対面でこんな誘い方できますか?頭の良さに圧倒される。
全編を通じて、ジェニファーはオリバーより賢い。最期まで賢い。
「今夜は君とレストランに行こう」
「OKバレット、彼女は誰?名前はなに?」
浮気を疑っても自分を失わない。泣いたり叫んだり興奮したりしない。そしてこう言う。
「If you have to take your wife out to dinner in the middle of the week, you must be screwing somebody.」
これは映画史に残る名セリフだと思うね。この女、いいなぁと思う。可愛い!そして間違いなくオレより賢い!
ここでオリバーは「浮気がばれたという方がよっぽどましさ」という表情をします。いい演技です。
オリバーがパリ行きのチケットを買ってきてジェニファーに言う。
「いいことがあるんだ、何だと思う?」
「クビになった?」
ここで泣けないやつは字幕が読めないか英語が分からないかハートが無いかまだ子供だからかしかありません。
ジェニファーはこのときもう自分が長く生きられないことを知っています。
普通なら落ち込んでベッドで寝てます。
病気で死ぬ恋愛物語はたくさんあるけれど、この作品を他のものから際立たせているのはこういうキャラクターの女性を死なせていることにあると思う。逆に言うと、ジェニファーに魅力を感じない人にはただのクサイ映画なのかもしれない。
アリ・マックグロー、いいね。美人じゃないけど綺麗だ。あんなに足が細くて長くてきれいな人だとは知らなかった。海辺で子供たちとゲームしているシーンで足が見える。素足が見えるチャンスはここだけ。
オリバーのファッションは今じゃ古く見えるけど、ジェニファーのファッションは今見ても素敵だね。帽子が可愛い。結婚式の白いミニのスカートが素敵だ。
肌の色は白くない。ブロンドでも無い。それでも綺麗な女優だった。
彼女はまだ生きています。70歳です。ジェニファーを演じてくれて有難う、あなたにしかそれはできませんでした。
ジェニファーが亡くなってから38年たちました。私はジェニファーが生きられなかったその年月を、一日も無駄にすることなく生きてきましたとは決して言えません。今日この映画を観て、明日からの人生を考え直そうと思いました。ジェニファーの冥福を祈ります。
( ネタばれあり )
一世を風靡した、純愛ものの代表的作品。
と、言っても、アメリカ公開が1970年12月、日本公開が1971年3月で50年前。
1977年にテレビ放送の際の吹替が山口百恵、三浦友和だが、山口百恵が引退したのが1980年10月で40年前だから、二世代は知らなくても、むしろ当然。
僕は当時中学二年生で、こういう恋にすなおにあこがれる男子でした。
まあ、その後非モテで恋などとおよそ縁のない残念な人生を過ごしてきましたから、純愛ものの映画は苦手となり、「 愛を叫ぶ私たちが世界の中心 」などと皮肉を言うイヤなオヤジになってしまいました。
ただ僕個人の性格のゆがみは別にしても、少なからず時代の変化で作品の見え方が変わったことを感じてしまう。
ジェニーは「 Goddamn 」と言ったりするので「 女性なのに言葉づかいが悪い」と親の世代からはたしなめられそうですが、この時代以降の世代からすれば等身大の女の子。
アリ・マッグローはクレジット序列トップだし、「Love means never having to say you’re sorry ( 愛とは決して後悔しないこと )というセリフがこの映画のキーフレーズなので、女性映画のように見えます。
ですが、僕は本作の視点は「 Boy meets Girl 」「 Boy lost Girl 」であり、男性目線の恋物語と思います。
出会いの頃のかけひきでジェニーは「 ツンデレ 」だし、誘われるのを待つ女でなく、自分から「 あざとい 」誘い方をしています。
でも関係ができてからは、家を出て苦学する夫に尽くす糟糠の妻となり、健気で従順な妻になりますね。 そのことに迷いがない。
男の僕としてはジェニーのような女は愛おしく思いますが、現代の女性は「 なんか違うでしょ」と違和感を抱くかもしれませんね。
さて、このレビューを書いたのは『 続・ある愛の詩 』のレビューのネタふりでして、
比較のため、30年以上ぶりに本作を観ました。
この映画も↑そのひとつ。
思春期の多感な頃、山口百恵と三浦友和の吹替え版をTVで観たのが最初。
(号泣したと思う)
その時の感動(感受性)を失いたくない映画のため、再び観ることを心のどこかで避けていた映画。
でも、観てみました。
今、観ると確かにシンプル過ぎるくらいシンプル。
ひねりもなにもないベタで典型的な難病恋愛物語。
原題そのまま、どこかで観たことのある、愛の物語。
なんの救いも描かれていない…。
それでも号泣ではありませんが、私、泣けました。
この映画公開後も純愛ブーム、韓流ブーム、そんな時代の流れ中、同類テーマや設定の映画が数多く作られていますね。
実は、この映画を再度観ようと思ったきっかけは『頭の中の消しゴム』を観た後、ラストでチョン・ウソンと同じく一筋の涙がホロっと頬を伝わったから…。
私の中で難病恋愛映画No.1は、この『ある愛の詩』。
自分も人生の経験を積み、映画の観方も変わった。
さらに映画自体のつくりも技術も進歩している。
だから、観終わった後、脚本がどうの、ひねりがない、テーマ安易、現実感乏しい、難病恋愛映画は食傷気味…等々のマイナス感想を簡単に口にしてしまう。
あの頃のように素直に映画を楽しむ気持ちを忘れているのでは?
(そこが怖い…)
映画史上に残るセリフ。
「愛とは決して後悔しないこと」
(観る側の感受性で、意味が異なるセリフ)
自分もこの年齢(どの年齢?)、後悔だらけの「愛」ばかり。
そんな、人生を現実に体験してきた(今も味わっているかも…(笑))けれど、基本的にこの映画に描かれている映像を信じたい気持ちに変わりはない。
そんな自分でいたいとも思う。
だから、若い時にこそ観て欲しい映画です。
(思春期にさしかかった子供に観せても良い)
映画史上に残る名曲とともに、素直に泣いてください。
<ネタバレ>
はじまりのシーン。
屋外スケートリンクの観覧席に座っているオリバー(ライアン・オニール)の語りから。
アイスホッケー、雪の中ではしゃぎまわる2人、父親のコネを拒否し自立、学生結婚、ソファーで寝そべって勉強する2人…。
(多感な時に観た時のアメリカの大学生。新鮮だったシーン。覚えていました)
貧しい中の2人のがんばり、困難を乗り越えてハーバード法科を優秀な成績で卒業、ニューヨークの法律事務所へ勤めはじめ、さぁこれからの2人…
(結末知っているが、2人に感情移入できました)
クリスマスまでもたないベットでの添い寝のシーン。
病室を出た後のジェニーの父との会話。
病院を出た所で、見舞いに来たオリバーの父と再会、その父の言葉をさえぎり、
「亡くなった」(えっ、死んだの?そうだ、こんな唐突だった)
ジェニー(アリ・マッグロー)のセリフをオリバーが父に繰り返す
「愛とは決して後悔しないこと」
(病気でもがき苦しむリアルさも、『セカチュウ』の剃髪もなかった)
ジェニーとの思い出、冒頭のスケートリンクのシーンに戻る。
誰もが聴いたことあるフランシス・レイの切ないスタンダードナンバー。
(タ タタタターン タタタ タタタタ タタタタターン…♪)
オリバーの後ろ姿を映したままカメラが遠くにパン。
唐突な「亡くなった」のセリフで一瞬、観客を突き放しておいてからのはじめのシーンに戻りフランシス・レイの名曲。
悲しみを倍増する演出。
父との和解もなかった。
(父となった私の想像力にゆだねられる)
ハリウッド映画なのに無駄な語りがない。
ハリウッド映画なのに救いがない。
やはり、今、観ても見事だと思う。
低予算のアメリカンニューシネマが台頭し、ハッピーエンドを求めない時代だから…。
そんな時代の背景も意識することなく観ていたあの頃。
大丈夫でした。勇気を持って、クラシック名画を、もう一度観よう。
繰り返します、若い人も観てね!