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デパートの調理器具売り場で働く、ごく平凡な女性ジョージアは、死の告知を受け悲しみのどん底に突き落とされた。しかし逆に最期の3週間を好きなことをして思いっきり生きてやろうと決意。会社を辞め、銀行から全財産を下ろし夢だったチェコのリゾート地カルロヴィ・ヴァリへと向かうのだった・・・。
何時もの私ならスルーしそうな「コメディ」と言うジャンルは、然りながらハリウッドでは最もお金を稼ぐジャンルだ。入場料金が安い、のも理由の一つだが、チョッとした気分転換に見れる館数の多さも一因で、この辺りは環境の違いと素直に羨ましい。
本作は本国では、話題に成ってヒットもしたが日本では劇場未公開でDVDスルー扱い、と言う悲しい憂き目を見た。
うろ覚えだがJ.B. Priestleyが書いた戯曲(スター・ウォーズのAlec Guinnessが出演)を、ハリウッドがリメイク権を獲得し、随分前からリライトしては頓挫・・・を繰り返した曰く付きの本作。なぜ簡単にリメイク出来なかったか?、それは物語がシンプル故に、主役が魅力的且つ主体性の有る役者で無いと務まらないからだ。
作劇もコメディのど真ん中ストライク・ゾーンで、既に使い古されたストーリーだ。しかし水戸黄門の様に「定番だからこそ」の良さも有る。プロデューサーは、その良さを熟知していたからこそ、粘り強く企画を暖めていたと思う。
鍵と成る主人公は「シカゴ」のQueen Latifah。噂ではラッパー兼女優の彼女が自ら売り込みを掛けたと言われるが、確かに元の主人公は男性で、描く視点もアイロニーな社会派コメディだったので、それを女性に置き換える事で、今風の脚色へとアレンジも出来る。本作は文字通り彼女が作品の「エンジン」と成って、大活躍する。
前半は何時もの驀進する演技を抑制し、作品の全体像を静かに演じる点が秀逸。「自分の余命は3週間」と言う独身女性の悲哀を始めにしっかり見せる事で、後半のクライマックスへ堅実に繋げてる。
香港出身のWayne Wang監督の演出も冴えてる。代表作「メイド・イン・マンハッタン」と同じく、本作もロマンスとコメディのブレンドが絶妙。現代に置き換える事で、ファンタジーなドラマへと転換させた演出は高く評価したい。
監督の作品はハズレも有るが(笑)、本作はヴィジュアルも含めて全体の質感が中々に高く、コメディと言うより人間ドラマとしての風情漂う演出が心地良い。
LL Cool Jは、今回も中々の好演。「ダウト」のレビューで書いた通り、良い役者に成長したと素直に褒めたい。彼と彼女の対比が本作の「鍵」と為るだけに、見事に役柄を果たしてる。
Timothy Hutton、Gerard Depardieu!、Michael Nouriと硬軟取り混ぜた脇役も渋く光る。舞台が東欧のチェコと言う事も有り、異国の雰囲気を捉えたキャスティングも、コメディらしからぬ周到さで本作の良さを存分に引き出してる。
注目は「トゥー・ウィークス・ノーティス」のAlicia Wittか。主人公と同世代の対比として、存在感を上手く発揮してる。
本作はコメディの本線を貫きながら、その質感は一遍の人間ドラマを感じさせる意外と秀逸な作品。私は米国の友人の受け売りを信じ、見ないままUS/DVDを購入したが、それは正解だったと報告したい。
オプティミストで有りつつも、基本がしっかり出来てる作品はジャンルを問わず面白い・・・私ことmasamuneは滅多にコメディのレビューを書かない人なので、お薦めなのは間違いない(笑)。
デパートの調理器具売り場で働く地味で平凡な女性が、ある日余命3週間の宣告を受ける。
悲しみのどん底に陥りながら彼女が取った決断は、今までの自分を捨て現世に思い残すことの無い様、やりたいことを思いっきりやってみること。
会社を辞め全財産を現金化し憧れのヨーロッパのリゾート地へ旅立ち、そこで・・・。
イントロだけ読むと暗いお涙頂戴系のシリアスドラマと思いきや、最高に面白いハートフルコメディーなんです。
コメディーと言ってもアメリカのベタなエログロ系では無く、ラブコメでもありません。
誰と一緒に観ようとも安心して笑えます。
主役がクイーン・ラティファなんですが、綺麗どころの女優さんじゃないですけど、本作の主役は彼女にピッタリ!
余命3週間の悲壮感も感じさせず、ひたすら朗らかに大らかに振る舞う彼女の言動と行動が、周囲を巻き込んで行く様は爆笑でした。
この作品はちょっと落ち込んだ時や、心が渇き気味の時に観るのがベストかも。
心の疲労回復に是非ご覧下さい。
超お勧めです!
まさにこのことわざの例題のようなストーリー。
。まあ、かなり前半からエンディングの察しがつきます。そういった意味では全く期待を裏切らないストーリー。でもこの映画期待を裏切られたら後味悪くてしょうがありません。だからこれで良いんですね。ライトコメディの王道ですが、大げさなコメディ要素はありません。コテコテのコメディが苦手な私には丁度良い塩梅です。コメディアンに頼らないコメディーっていいですよ。
この映画で描かれている自分の運勢をつかむコツに似たエピソードをビジネスの啓蒙書で読んだことがあるような気がします。人生を充実させる生き方のヒントをちりばめたような映画とも言えるかもしれません。
お金は天下の回り物なんです。でも貧乏性の私は3週間後に死ぬと分かっても全財産を散財するなんて出来ないような気が・・・。そもそもそんな財産は無いですが(笑)。
主演のクイーン・ラティファはラッパーながら歌唱力もあり、『CHICAGO』でがゴールデン・グローヴ賞にノミネートされ役者としても活躍。そのマルチタレントぶりは本作でも如何なく発揮されています。作中でその自慢のラップやゴスペルも披露していますし、演技力もたいした物です。
肩肘の張らないカジュアルなドラマ。とても後味もスッキリしています。ちょっと疲れたときにリフレッシュできる映画です。