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19世紀ヨーロッパのとある村。結婚を間近に控えた青年ビクター(声:ジョニー・デップ)は、ひょんなことから死者の世界に引きずり込まれる。残された本 当の婚約者ビクトリア(声:エミリー・ワトソン)が帰りを待ちわびる中、ビクターはミステリアスなコープスブライド(死体の花嫁/声:ヘレナ・ボナム=カーター)と結婚するはめに。最初は戸惑うビクターだったが、しつけの厳しい環境で育った彼にとって、型破りな死者の世界は魅力的で次第に惹かれ始める。やがて彼は、この世界で(そして?あっち?の世界でも)一番大切なものは?愛?であることに気付くのだったー。
いいですねえほんとに この映画の素晴らしいところは ホラーではなく昔の怪奇映画(そうです わっしゃホラーではなく怪奇映画が好きなんだから)の退廃的で優美な世界がもどってきてることなんですねえ いつかどこかでホラー映画は鑑賞のポイントが違って来ちゃったんですよね 昔は良かったねえ
侵入テーマで言えば 「チャリチョコ」が現実とファンタジーを厳しく分けていたとすると こちらはティムの本来の嗜好性のまま クライマックスでは生者と死者が交じり合うことになる 色んな制度やら観念幻想で武装してないと 現実界はいつでも死者たちの宴に侵犯されてしまうのです
豪華な役者陣 ダニー・エルフマンの華麗な音楽 職人仕事の精髄と この映画はとても贅沢なんですよ これ以上刺激を求めてはいけませんね そうゆうのは「蝋人形の館」なんかで味わえばいいのよね こちらにあるのはフラジャイル(壊れやすい)なものへの偏愛 たおやかなものの持つ生命感(それはたとえ死者の世界であったとしても)を慈しむ事
ファンタジー ホラーの可能性を微妙な変化を加えながら探求するバートンの映画はいつでも 映画館で必見でしょう
技術的にはもうこれ以上望むべくもないというぐらい素晴らしい。色彩も、地上の世界が薄墨色の暗い色彩なのに死者の世界がカラフルで楽しいという対比もおもしろく、ストップモーションなのにカメラアングルには凝っていて、どうやって撮ったんだろうと首をかしげる場面もしばしば。
ただし、技術的には素晴らしくても、お話の中身がどうもいただけない。小学生の息子が言うには、「うーん、なんか弾けてないなぁ。『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』は100点やけどこっちは60点。音楽がいまいちやし、爆笑できるようなジョークがない」。
そう、今回は、ブラックユーモアのぶっ飛びぶりが影を潜めているのだ。主人公ビクターの生真面目さがどうにも暗い。うっかり手違いで死者と結婚の誓いを交わしてしまったビクターが、とにかく自分は結婚してしまったんだからしょうがないと諦めるあたり、彼はあくまでも結婚という「契約」を履行しようと生真面目に考えるわけだ。この生真面目さを脱構築してくれたらおもしろかったのに。
彼は愛よりも契約を重んじる。しかし、その「契約」にも微妙な心理の動きがある。コープス・ブライドには悲しい過去があって、恋人に裏切られて花嫁になる未練を残したまま死んだのだ。そんな彼女が「プロポーズ」してくれたビクターをたちまちにして愛するようになり、真心を与えようとする。いじらしいではないか。契約履行のためと思っていたビクターの心が揺れる。
おもしろいのは、苦しみ多い地上よりも、たとえ骸骨姿になっても永遠に死なない地下の世界のほうが楽しげだということだ。そして、死者たちが地上に蘇っていくシーンの明るく楽しげなことはどうだ。懐かしい人々と再会し、骸骨と抱き合う生者たち。どんな姿になっても愛する人との再会は心温まる。生者と死者の交歓という民俗的風景は日本のお盆を思い出す。
わたしたちにとって、苦しみ多い地上で生きていくことを選ぶのが「正しい」道なのだ。ラストシーンは、本当に人を愛するとはどういうことかを示す、ややお説教臭い終わりかたなのだが、コープス・ブライドのいじらしい涙にほろりと来る。
ただし、ミュージカルなのに印象に残る歌がないというのはいただけない。美しいピアノ曲以外は音楽がいまいちだったのが悲しい。
こんな短期間に新作でティム・バートンの世界が二度も堪能出来るなんて、なんて幸せなんでしょう。それも、チャリ・チョコに続いてジョニー・デップがティム・バートンと再び組んでくれているなんて!先ずは満足です。
この映画でストップモーション・アニメの技法を深く知りました。パペットを少しずつ動かしてはその都度撮影していくという手法。実に骨の折れる作業ですね。 ティム・バートンがディズニー在籍時に彼自身の少年時代を描いたと言われるお話、「ヴィンセント」。これもストップモーション・アニメだったとか…。これは気になる処です。
さて、内容ですが…。ダークな世界をファンタジック+ユーモアな要素を取り込みながら描いてしまう彼ならではの独創性を極めた世界。彼、お得意の映画です。キャラクターも一歩間違えば、受け入れ難い造形になってしまいますが、そこはティム・バートン、うーん、お見事。彼の作風を壊す事無く、生きたお人形さん(?)を自由自在に扱っています。CGも素敵なのですけれども、こういう拘りの職人芸も映画史に残して欲しいですよね。彼はこの映画をアニメとして誇張することも、もちろん忘れていませんよ。
ストーリーは割りと突飛なオチや捻りのあるラストが好まれる昨今ですけれども、ラストは一つの結論に落ち着いていい意味で単純明快なストレートな物語。それと、ミュージカル仕立てなのも粋な計らいでした。
唸らされたのは、色彩の対比の面白さです。「生きる者の世界」は陰鬱で暗いものと捉え、「死する者の世界」は陽気で明るいものとする、この描き分け。此処から繋がる「生の世界」は青み掛かった白黒に近い暗い色で統一し、「死の世界」はトーンは抑えているものの賑やかで華々しい色使い。そして、劇中で使われる歌の曲調、この雰囲気も「生」は憂鬱、「死」は軽やか。「生の世界」と「死の世界」の対比をより一層際立たせています。この映画を象徴する物の一つですね。
どうやら、ティム・バートンはストップモーション・アニメの技法を使い、芸術に娯楽を加味する数少ないアニメ・クリエーターとも言えそうです。独創的にして、芸術的、そして娯楽的。80分程度の時間でコンパクトな映画を充分堪能出来ました。ワタクシが皆さんにお勧めする映画はマニアックな物が多いと言われていますが、この映画は安心して他の方にオススメ出来そうです。