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ある日、祖父からレイに「スチームボール」が届けられた。スチームボールを持つレイは、そのためにオハラ財団から逃げることになってしまう。そんな中、彼はスチームボールが歴史を塗り変える力を秘めていることとオハラ財団の目的を知る。科学が作りうる未来のため、「スチームボーイ」となったレイは、大空に飛びたつ!
この物語の舞台は19世紀半ばのイギリス。
産業革命の担い手=蒸気機関の活躍が目覚しい中、祖父(ロイド)と父親(エディ)はアメリカの企業に認められ、主人公レイの住むマンチェスターから、研究者として渡米していました。
そして1851年、ロンドンのハイドパークで世界初の万国博覧会が開催されようとしていたときのこと…。
さて、本題。
作品全体は、スピード感もあるし、人と科学の過去と現在、そして未来にまで思いを馳せることが出来て、とても見応えがあると思います。
メカニック大好きなので、ボルトや歯車が出てくるだけで、も~充分嬉しくなっちゃうんですが、なんとまぁ~映像の緻密なこと。すごいわ!その緻密な部分観たさに、普段より画面の明るさを明るめに設定して観ちゃいました。
ストーリーも、“父と息子”物のダブル(じいちゃんとお父さん、お父さんと息子)ですから、どっぷりハマりましたし、声フェチの方も、エディの津嘉山さんとアルフレッドの寺島進さんで、たっぷり頂きました。
そうそう、津嘉山さんといえば、ケビン・コスナー、ロバート・デ・ニーロ、リーアム・ニーソンなど、洋画の吹替えでも活躍している俳優さんですが、先日、尊敬する野沢那智さんが昼間の某トーク番組で、
「吹替えの仕事も最近やりづらくなりました。昔はアドリブなんかも許されたんですけど、今じゃありえないですね。配役を決めるのにも声紋検査から始まって、セリフのトーンや抑揚まで、あちらのプロデューサーが大きく介入してくる。もう、演技もヘッタクレもあったもんじゃありません。こないだなんか津嘉山が、あんまりにも変な抑揚つけさせられて、『やってられるか』って台本叩きつけてました。」
って話してたのを思い出しました。男気!
吹替版聞くのは日本人なのに、妙な話ですよね~。
☆キャスト☆
ジェームス・レイ・スチム…鈴木杏
スカーレット・オハラ・セントジョーンズ…小西真奈美
ジェームス・ロイド・スチム…中村嘉葎雄
ジェームス・エドワード・スチム(エディ)…津嘉山正種(つかやま まさね)
ロバート・スチーブンスン…児玉清
デイビッド…沢村一樹
アーチボルド・サイモン…斉藤暁(さいとう ぎょう)
アルフレッド・スミス…寺島進
ジェイソン…稲田徹(いなだ てつ)
レイの母親…相沢恵子
エマ…小林沙苗
トーマス…日比愛子
産業革命のイギリスの博覧会中にスチーム城が現れて暴れるので、スチームボーイが阻止する話。
みんなが欲しがるスチームボールをいいもんと悪いもんが巡っての産業革命中のイギリスでいろんなレトロな発明が出てきて映像も綺麗で面白くて冒険活劇になりそうですが、見ていて心躍る内容ではないのが残念なアニメーションでした。
発明家の親子三代の問題を軸に科学とは? を描いていますが、全部が全部説明台詞で自分の気持ちや今の状況やこれから何をしようとしているのかを話し始めるので120分が長く感じられました、クライマックスの万国博覧会でのスチーム城の暴走もクライマックスにしては早く始まって、延々と大騒ぎしているので構成的にもおかしく感じてしまいました。
主人公が成長している感も少なくて、たまたま目の前にあったものをつかってスチームボーイに変身している感じで、元からあった才能でなっているだけなので、最初から特殊な才能の持ち主だから危機を突破できたんだという風にしかみえなかったです。
ヒロインも「サイモーン」と言いながら歩き回るだけで状況の深刻さをわかっていない空気の読めないお嬢様という役割ですが、ただ単にイライラさせるだけのキャラクターでした。
大友克洋監督作品と思ってしまうと悲しいアニメーションでした。
「製作期間9年、総製作費24億円、総作画枚数18万枚、世界が待っていた大友克洋最新作!」をうたい文句に公開され、大友ファンの私としても待ちこがれた作品でした。度重なる製作中断、伸びる製作期間、待っているファンとしては期待と不安が入り交じった9年間でした。
想像通りこの作品の背景美術は最高で「イノセンス」を越えているのではないか?と思わせる程の描き込みようがわかる出来映えでした。総作画枚数18万枚というのが何となくわかるような気がします。大友氏らしい細部まで微細に描き込む手法はさすがの一言でもう圧巻としか言いようがありません。この点は全く期待通り、いやそれ以上の出来映えでした。これを見るだけでも価値があるほどです。だからこそ脚本のしょぼさにガッカリしたのです。確かに楽しい作品でしたしワクワクドキドキもしました。
でも何かが足りない、そう僕は感じました。「製作期間9年、総製作費24億円」という言葉から来る期待感がそのまま失望感に繋がったのかもしれません。何かが足りない刺激がないそんな感じなのです。「科学とは一体何の為にあるのか?誰の為にあるのか?」をテーマに祖父、父、息子3代にわたる発明家と彼らを取り巻く金儲け第一の武器商人と似たもの同士のイギリス軍の万国博覧会を舞台にした大騒ぎを描いているのですが、科学の結晶であるスチーム城があんなしょぼい終わり方をするなんて納得出来ないというか期待はずれというか落としどころを間違えたのではないかというか・・全く腑に落ちませんでした。
キャラクターもいい味出していました。主人公レイ(僕は鈴木杏さんはミスキャストだと思う)や祖父ロイド(中村嘉葎雄氏の声は個人的に好き)、父エディ(津嘉山正種氏は相変わらずの渋さの極地)、サイモン(斉藤氏の演技は最高)、スカーレット(小西真奈美さんは予想以上にうまかった!彼女のお陰でこのキャラクターがとても引き立っていた)、スチーブンスン(児玉清氏は下手でした)、ディビット(沢村一樹氏がいい味出していました、さすがです)他にも色々(^^ゞ。スチーム城を見て「ラピュタ」を想像した人が多いと聞きましたが僕は「AKIRA」の「28号(AKIRA)が保管されている球体」を思い出してしまいました。やはり僕のこの失望感は「AKIRA」の存在があるからなのでしょうか?普通の人が見れば楽しめる作品だと思います。