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大友克洋が原作・総監督をつとめた3本のオムニバス。第1話はシリアスなSF「彼女の想いで」、コメディタッチのパニックストーリーである第2話「最臭兵器」。そして、第3話「大砲の街」は全編がたったワンカットで制作されており、その中世的な世界観は「スチームボーイ」の元になった。大友ファンなら必見の作品だ。
う~ん・・・、3編ともオチらしいオチがないし、ストーリー展開もとくに無い。いや、別に必ずオチがなきゃいけないとか、ストーリーを展開させなきゃいけないって事はないんですが、いかんせん入り込めませんでした。大変な力作だし、イマジネーション豊かな作品群なんですが、個人的感想としてつまらなかった。
それでも一番観れたのは最初の「彼女の想いで」かな。
2番目の「最臭兵器」は、バカバカしく笑わせるタイプの作品だと思うんだけど、クスッとも笑えませんでした。どうせなら、もっと突き抜けて欲しかった。
3番目の「大砲の街」は、カット割りがないなど実験的な映像手法を使ってますが、一番つまらなかった。まるで体制を維持するためだけに戦争をしているかのような愚かな街の状況を描いているんだけど、ただ描いているだけで終わるので、だから何?という感じ。
大友克弘は、映画よりマンガの方がもっと面白い作品が多かった。またマンガを描いて欲しいなあ。
ストーリー 50点/クオリティー 90点/キャラクター 50点/独偏満足度 60点
大友克洋監修による、3篇のオムニバスアニメ。1995年の作品で、これまでイマイチ触手が伸びず観ないままだったんですが、最近どういうわけかかつてのアニメ好きの虫が疼き出して、いろいろ観直したり、未見のものを観たりしていて、本作もその流れで観てみたわけなのですが・・・。
【Episode 1 彼女の想いで】
本編のみ、原作マンガがあります(短編集『彼女の想いで』に収録)。
森本晃司が監督、今敏が設定および脚本を担当。
今敏は『PERFECT BLUE』『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』さらには、もうすぐレンタル解禁の『パプリカ』(早く観たいのよ)と、あえて言うまでもなく作品は押さえておいて損はないアニメ監督。
森本晃司はアニメーター出身。最近(でもないな)では『アニマトリックス』の中で一番面白かった『ビヨンド』が記憶に新しいですが、個人的には『MEMORIES』より以前、OVA『ロボット・カーニバル』の一篇『フランケンの歯車』の印象が強い。
あと、キャラクターデザインに実力派アニメーター井上俊之、音楽に菅野よう子。
という布陣で作られた本作、大友克洋の原作からはかなり脚色されています。ま、当然ですが。とはいえ、原作のちょっとした泥臭さから一転、洗練された印象で3篇の中では一番まとまっていたと思います。
【Episode 2 最臭兵器】
さあどうだ!と言わんばかりのナンセンスなSF作品。
「最臭」という言葉の通り、一人の青年がひょんなことから「最臭」兵器になってしまいます。どんな兵器かというとタイトルから容易に想像つくように、とてつもなく臭いわけですね。あまりの臭さに周囲の人々は漏れなく悶死していきます。しかし主人公の青年は、それが自分が原因であることに全く気付かない。普通気がつくやろ~!と野暮なツッコミは入れても無駄でしょう。さらに世界を滅ぼしかねない最臭兵器殲滅のために、軍隊オールスター出撃・・・一見面白いですが、なんかありきたりです。大友克洋のセンスなら、最臭兵器に対抗するには(今で言うなら)ファブリーズしかないやろ!みたいなノリでもっとバカバカしい展開にしそうに思うんですが、これ、脚本は大友克洋みたいやしなぁ・・・なんだかなあ・・・。
監督の岡村天斎はよく知りません。
【Episode 3 大砲の街】
本編のみ、監督・脚本・キャラデザインすべて大友克洋。
ただ大砲を撃つためだけに存在する街と人々。そんな街と人々の一日をワンカットで描いた一篇。ワンカットといっても、実際かなり強引な繋ぎの場面が2箇所ほどあったように思うので、大友克洋自身、是が非でもワンカットという意識はなかったのかな?逆に中途半端感は残ります。
ストーリーはあって無きが如し。完全に大友克洋が趣味に走った一篇で、丸ペンで書いたような絵のタッチが“マンガの絵が動いている”という感覚を醸し出してはいるけど、個人的にはそれならやっぱりマンガで読みたかったと思ってしまいます。これ、マンガだったら大満足だったかもしれません。
というわけで、全体的には何とも微妙な思いが残る作品でした。
原作・総製作指揮・キャラクター原案・総監督を務めた大友克洋氏の作品です。Episode1~3の3つの短編からなる作品となっておりEpisode1「彼女の想いで」は森本晃司氏がEpisode2「最臭兵器」を岡本天斎氏がEpisode3「大砲の街」を大友克洋氏がそれぞれ担当しています。また、それぞれのEpisodeの制作で「今敏」「川尻善昭」など現在活躍されているアニメーターの方の名前を見る事も出来ます。いずれも大友氏ならではの短編原作をアニメ化したものとなっています。
この作品は1995年公開作品で「AKIRA」から7年経過した後に公開されました。そう昨年公開された「スチームボーイ」の制作に入る直前の作品となります。ここで興味深いのは大友氏自身が監督されたEpisode3「大砲の街」です。この作品の背景美術の薄汚れた金属感や蒸気で動く巨大なメカに目を惹かれるデザインなどはこの作品制作時点で「スチームボーイ」を既に考えていたのではないかと思わず想像させられます。作品的には3つの短編の中で一番時間的に短い作品となっていますが、スチームボーイが公開された後となってはちょっとした見所となると思います。この作品のビデオは何年も前から存在し、何回も見た事があります。「老人Z」もそうですがDVD化するのが遅すぎます(笑)。
「彼女の想いで」はジャンク屋4人組が宇宙で体験する一人のオペラ歌手の摩訶不思議な幸せの思い出を描きます。どことなくホラー、どことなくサスペンス、でもそこにはオペラ歌手の切ない幸せの思い出がありました。この作品の音楽担当は攻殻機動隊S.A.C.でもお馴染みの菅野よう子さんです。バックに流れる「蝶々夫人」が耳に残ります。「最臭兵器」はとても笑えます。個人的には一番好きかも(^^ゞ。一人の風邪を引いたサラリーマンが自分の勤め先で極秘開発されていた薬を風邪薬と間違えて飲んだ事で国を挙げての大騒ぎに発展するという大友節全開の作品となっています。見ているだけで匂ってきそうです(笑)。「大砲の街」は移動砲台都市に大砲を撃つ為だけに生活する住人達を描きます。作風はヨーロッパ風で作品に出てくるスローガンや軍事教練は大戦中の軍国主義を彷彿とさせます。この作品はカット割りのない連続した映像となっています。
かわいい女性キャラがお好みの方は見ない方がいいかも?(笑)。