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ファーストガンダムと同じ宇宙世紀0079年を舞台にした、一年戦争のサイドストーリー。量産型ガンダム部隊「第08MS小隊」の戦いを、小隊長シローとジオン軍のパイロット・アイナの、敵味方を越えた愛情を軸に描く。故・神田武幸監督が手がけた最期の作品
この作品を評する時に、よくガンダム版「ロミオとジュリエット」と言われたりしていますが、まあ確かに相当異色なガンダムシリーズ(全11話)だったかと思います。
物語の舞台は、ファーストガンダムと同時期(1年戦争中)の東南アジア戦線で、そこに地球連邦軍のMS小隊長として着任した主人公シロー・アマダ少尉の行動を中心にストーリーが展開していました。
MSの造形や兵器としてのリアルさは、前作の「0083」に並ぶ出来映えで、それらの兵器群が戦う映像の臨場感は、Gシリーズの中でもトップレベルと言えるもので、これらのリアリティあふれる戦闘シーンの数々を見られただけでも十分に満足だったというファンの方も多いのではないかと思います。
個人的には、主力兵器として活躍するザク2161の勇姿が見られただけで超うれしかったですし、物資補給の不調などから、破損した陸戦型ガンダムの応急修理策として、ジムの頭部を継げ換えたり、敵MSの装甲板を代用するなどの実戦的な描写が随所に見られた点も高評価でした。
ただ、肝心の恋愛テーマの方については、不満の大きい内容でした。
地球連邦軍の士官であるシローと、ジオン公国の名門一族で軍のテストパイロットでもあるアイナが、MS同士の戦闘の中で出会い、そして恋に落ちていくという展開でしたが・・・、この脚本を書かれた方は、現実に恋愛をしたことがないのではないかと疑ってしまうほどに、二人の気持ちの変化や想いなどが全く描かれていなかった点が不満要因でした。
一緒に遭難して、一緒に露天風呂に入って、それで恋人同士になりました・・・という行動面だけしか描かれていないストーリー展開もお粗末過ぎました。
名門サハリン家再興のために、技術将校である兄に献身的に尽くしつつも、負傷したジオン兵たちのために命を張るアイナという女性が、とても魅力的だっただけに、その兄とジオン軍を裏切ってまで、シローとの愛を選んだ理由を、見ている方にも納得できるような形で描いて欲しかったところです。
ラストは、そんな二人が、対峙する両軍の熾烈な戦いを、命を張って停止しようとする物語でしたが、個人的には、この二人の純粋すぎる行動がどうにもウソくさく見えてしまい・・・、逆に、表向き停戦に合意しながらも、裏で相手方を殲滅するチャンスを虎視眈々と狙っている両軍の指揮官たちの方が、より説得力のある生への執念みたいなものを感じてしまいました。
ということで、恋愛物語として見た時には、感情移入のしずらい少し残念な作品という評価でしたが、ジオン独立戦争というものを一戦場における一部隊の視点から見た戦場物語としては、非常に臨場感に溢れたおすすめの一品であったかと思います。
なお、最終巻に収録されている本編のその後を描いた「ラスト・リゾート」については、作画レベルが低調な上に、非常にがっかりするような内容でしたので、見ない方がベターかと思われます。
「震える山(前編)」
ジオンの秘密基地に攻撃を仕掛ける連邦軍。圧倒的物量による攻撃を受け、ジオンはケルゲレンによる脱出準備を進めていた。ジオンの将ノリスはグフカスタムを駆り、脱出経路の確保に全力を尽くす。
「震える山(後編)」
シローはノリスとの激闘を制するが、ノリスの捨て身の攻撃でケルゲレン脱出経路を確保されてしまう。ケルゲレン撃墜に動く連邦を止めるため、アイナは完成したアプサラス2162で出撃し自らの身をさらして休戦を呼びかける。しかし連邦もギニアスもアイナの呼びかけに応えようとはしない。
「ラストリゾート」
アプサラス2162に特攻をかけ、行方不明となったシローとアイナ。
戦争終結後、ミケルとキキは二人の生存を信じて行方を探していた。
ノリスのグフカスタム強い!パイナップル頭は伊達じゃないです。サハリン家、というかアイナに忠誠を近い、命をかけて戦う姿はかっこいいっす。シローとのタイマンは名ゼリフも続出で一番の見所だと思います。ノリスは相手がアイナの想い人だと気づいた瞬間シローを殺さないと決めたんじゃないのかな。マジ渋いよこのパイナップル。
死に直面したシローはアイナと生きるために戦う決意をして迷いを吹っ切ります。さらに軍も抜けることに。シローは軍人としてではなく人間として戦うことを選んだのではないでしょうか。
アイナも傷病兵を乗せたケルゲレンを救うために敵を信頼して休戦を呼びかけるという戦い方を選びます。そして撃ったギニアスの名を呼び捨てにし、時計を捨ててはっきりと決別します。
一年戦争のきっかけを知らないのでジオンと連邦がここまでやるのがなぜかわかりませんでした。でもよっぽどのことがあったんだろうな……。
一人でも命を救おうとしたアイナ、シローが生き残り、あくまで敵を殲滅しようとしたギニアス、連邦本部が全滅したのは皮肉です。現実としてシロー達の理想は甘ちゃんの考えだとしても、戦争がなくなる可能性にはなるんじゃないかな……。そして戦争はどっちが善でどっちが悪かなんて相対的なものに過ぎない。それにこんな壮絶な戦闘でも戦争全体から見ればほんの一部分でしかないことも虚しい。
エピローグのラストリゾートが収録されていたのは本当に良かった。ただ、シローとアイナに一言でも喋って欲しかったです。
08小隊借りて本当良かったです。
連邦軍のシロー少尉は、地球へ向かうシャトルの中で、苦戦する味方のジムを発見する。シローはボールに乗り込んで出撃し、パイロットのサンダース軍曹を救出するが、敵のザクと相打ちとなって宇宙を漂流。ザクの女性パイロット、アイナとシローは協力しながら救助を待ち、2人の間に敵味方を越えた愛情が芽生え始める。
地球へと降りたシローは、量産型ガンダム部隊「第08MS小隊」に隊長として配属される。着任早々第2小隊支援の命令を受けたシローは、仲間の信頼を得るために奮戦するが、慣れない地上での戦いに苦しみ、小隊の仲間とはぐれてしまった。1人ジャングルをさまようシローは、滝でキキという少女に出会う。
第08MS小隊に、ジオンの砲台陣地を攻撃せよとの命令が下る。敵のトーチカを挟撃するため、シローが単身敵の背後に回る作戦を取るが、そこはキキの父バレストが率いるゲリラが支配する地域。シローはゲリラに捕まってしまい、身動きのとれないまま作戦開始時間が刻々と迫る。
「隊を転出したい」と申し出たサンダース軍曹。これまで彼の所属してきた部隊が、死神に魅入られたかのように全滅してきたのを気にしてのことだった。弱気になるサンダースをシローは励ますが、ジオン軍の新型モビルアーマー・アプサラスが第08MS小隊に迫る。シローたちは死神のジンクスを打ち破ることができるのか?
アプサラスの情報収集に追われるシローたちだったが、そんなときエレドアが作った歌がメジャーデビューするとの報せが飛び込む。有頂天のエレドアは、待機命令を破ってミケルと一緒に街へ出かけてしまうが、街はジオン軍によって占拠されていた。2人はジオン軍に捕まってしまい、シローたちが救出に向かう。
第08小隊はキキの案内でジオン軍の射爆場と思われる砂漠地帯へ向かう。いつ現れるともしれない敵を小隊は待ち伏せするが、過酷な砂漠が隊員たちの神経をすり減らし、恋人から別れの手紙を受け取ったミケルはシローに当たり散らす。そして敵を待ち続けること5日、ついにアプサラスが姿を現した!
シローはアプサラスのパイロットがアイナであることに気づき、懸命に呼びかける。アプサラスとシローのガンダムはヒマラヤ連峰の谷底へと不時着し、猛吹雪が吹き荒れる中で互いの愛情を確かめ合う。そんな2人の思いとは裏腹に連邦とジオンの戦いは、さらに激しさを増してゆく。
雪山から生還したシローを待っていたのは、査問会での厳しい尋問だった。アイナと一緒にいたシローに、スパイ容疑がかけられていたのだ。シローは自室での謹慎を言い渡されるが、キキの村にジオンのMSが向かったと聞き、懲罰覚悟で小隊に出動命令を下す。シローは村人たちとジオン兵の衝突を防ぐことが出来るのか!?
第08小隊に敵基地特定のための偵察任務が命じられる。空挺降下の途中、カレンの搭乗するガンダムがガウの攻撃を受けシローが救援に向かうが、撃墜可能だったにもかかわらずシローはあえてガウを逃がしてやる。だが、殺戮を避けたいというシローの願いが仇となり、見逃したガウの艦長が小隊に襲いかかる!
連邦軍はジオン軍の秘密基地に総攻撃を開始する。連邦軍の物量作戦に対し、アイナにとって親代わりであるジオン軍のエースパイロット、ノリスは死を覚悟の奮戦でアイナたちを脱出させようとする。シローはEz-8でノリスのグフに立ち向かうが、ヒートロッドの直撃を受けて絶体絶命の窮地に追い込まれる。
。【第1話 二人だけの戦争】シロー・アマダ少尉が地球へ赴任する直前、宇宙で戦闘に巻き込まれ、アイナと出逢うことになる。
【第2話 密林のガンダム】着任そうそう出撃命令が下りる。シローは部下からの信頼を得る為、気合いが入る。密林の中を行く陸戦用ガンダムRX−79(G)。危なっかしさを見せながらザクを倒していくが、シローは深追いしすぎて舞台からはぐれてしまう。そこで一人の少女と出会う。
【第3話 信頼への限界時間】ジオン軍への奇襲攻撃を計画したシローはそれを実行するものの途中ゲリラに身柄を拘束されてしまう。そのゲリラの中に密林で出逢った少女キキがいた。タイムリミットが迫っている中、シローがゲリラを説得するのだが・・。果たして作戦はうまくいくのだろうか?
1996~1999までに発売されたガンダムOVA。「ポケットの中の戦争」「0083スターダストメモリー」に続く宇宙世紀を舞台にしたOVAシリーズである。この作品が他の作品と違うのはその基本コンセプトだ。「アメリカTV映画COMBAT!のような埃っぽさとロミオとジュリエットのような恋愛ドラマを盛り込む」がそれだ。OVA3部作の中で一番ミリタリー色が強い作品となっているのもその基本コンセプトがあったからこそである。93年から96年にかけてTVシリーズのガンダムは「Vガンダム」を除いて宇宙世紀以外が舞台となっていた為、「もう一度宇宙世紀を!」との声が高まりこの作品の製作となったのである。この作品は11話で構成されているが、劇場版「ミラーズ・リポート」とOVA外伝「ラスト・リゾート」が存在する。「ラスト・リゾート」は最終巻に収録されている。1話~5話と6話~11話までと監督の交代劇があったのでその作風も前半は「兵士の日常」を後半は「ハードな戦場描写」に力点が置かれており、「統一性に欠ける」との批判もあるがミリタリーものとしての評価が非常に高い作品となっている。
物語の舞台は東南アジアの密林ジャングル。その為MSも陸戦用MSが主流だ。ガンダムもジムもザクもしかりである。当時は今までに見たこともないガンダムの世界に嬉しい驚きを感じたものだ。作画レベルも当時のレベルとしては非常に高いものがあり、今見ても古さがあまり感じられない。宇宙よりも泥臭いガンダムを見ることが出来るし、より戦争・ミリタリーを意識することが出来る作品だ。