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一年戦争(機動戦士ガンダム)とグリプス戦役(機動戦士Zガンダム)の間の空白の7年間を埋めるガンダムOVAシリーズ第2弾。宇宙世紀0083年に発生した新型モビルスーツ強奪事件を、連邦軍のコウ・ウラキと、ジオン軍のエアナベル・ガトーの対決を軸に描いている。後に劇場版「ジオンの残光」も公開されている。
今回改めて見直してみましたが、制作されてから16年が経っているとはとても思えないほどに、やはり完成度の高い素晴らしい作品(全13話)でした。
物語の冒頭、いきなりア・バオア・クーでの激闘が描かれていますが、敗戦濃厚の中で再出撃しようとするガトーと、「ジオン再興のため、一時、私に命を預けよ」と説くデラーズのシーンがとにかくかっこいい。
そして、それに続く戦後世界の地球連邦軍基地内でのパワード・ジムとザク2161による模擬戦闘の映像が、思わず感嘆してしまうほどに迫力とリアリティがあって、一気に物語世界に入り込んでしまうという見事な演出となっていました。
設定としては、ファーストガンダムとZガンダムの間をつなぐエピソードという位置づけですが、一つの物語として完結された構成となっていて、また、ニュータイプが全く登場しない、己の肉体と信念のみで互いにぶつかりあう男たちの姿を全編を通じてじっくりと描いており、本当にズッシリと歯ごたえのある戦記ものになっていました。
物語は、ジオン残党軍デラーズ・フリートに奪われたガンダム試作2号機(戦術核弾頭搭載型)を追う地球連邦軍の一部隊の姿を中心に描かれていきますが、追う者と追われる者、それぞれの想いやその背景に説得力があって、目を離せない緊迫したドラマとなっていました。
また、今となってはワンパターンとも言えますが、ジオン残党軍による核攻撃とコロニー落としの2段作戦「星の屑」も、戦術的によくできた構成となっており、ゾクゾクとしびれるような興奮を味わうことができます。
この作品の主人公は、地球連邦軍のテストパイロット・コウ・ウラキ少尉(士官候補生)と、ジオン残党軍のエースパイロット・アナベル・ガトー少佐(ソロモンの悪夢)の二人で、ガンダム試作機同士による数度の戦闘の中で、ガトーをめざし、ただひたすらに追いつこうと努力するウラキの姿がストレートに描かれていました。
他のガンダムシリーズにおける主要登場人物はほとんど出て来ず(ハマーン・カーンも後ろ姿のみ)、ニュータイプという設定自体を排除したおかげで、情緒不安定な十代の少年キャラみたいな輩も一切登場せず、本当に戦う男たちのみによるハードな大人の物語となっていました。
また、物語の背景についても、1年戦争の勝利によって腐敗していく地球連邦軍やティターンズの台頭、核攻撃により宇宙艦隊の半数と多くの兵士たちを失いながらも「残りの艦艇で十分、これで勝った」とうそぶく艦隊司令、左腕を失い退役しながらももう一度宇宙で輝く自分を夢想する元ジオン・パイロット、両軍の間に立って甘い汁を享受しようと暗躍する月面都市フォン・ブラウンやシーマ艦隊、軍産企業アナハイムなど、戦争による悪意と狂気を冷徹に描写していたように思います。
物語終盤の落下コロニー対ソーラーシステムの攻防や、思わず唖然としてしまうほどにガンダムの定義を超越した試作3号機(デンドロビウム)の登場とか、シーマの裏切り、ウラキ対ガトーの最後の戦いなど、その全てが激烈の一言で、中でも特にガトーの生き様には心が震えるものがありました。
そして、勝者なき終幕。ウラキに対する軍事裁判と、ウラキと一緒に戦ってきたクルーたちがティターンズ指揮下の部隊になっていくという皮肉で冷酷なエンディングが、この救いのない死闘を象徴しているようで、本当に感慨深いものがありました・・・。ということで、たくさんのガンダムシリーズの中にあって、個人的にはいつまでも色あせないおすすめの一作といえます。
あと、今回見直してみて特に感じたことはといえば、シーマって艶のあるイイ女じゃないかーということと(笑)、嫌いだったはずのラストシーンが年を経たせいかとっても心地よく感じたことと、やっぱり何度見ても、アナハイム社の制服を着たニナはかわいいということでしょうか(大笑)。
【第11話 ラビアンローズ】アルビオンはラビアンローズに3号機を受け取る為入港したが、ナカト少佐に邪魔され、ルセットが犠牲になる。3号機を手に入れたアルビオンは一路コロニー落としを阻止すべくデラーズを追跡する。コロニーの進路は地球に変更された!ニナは元カレ、ガトーと今カレ、コウの間で揺れていた。そして3号機が真の姿を現す!
【第12話 強襲、阻止限界点】3号機は圧倒的火力を保持していた。しかし、ガトーもアクシズよりMAノイエ・ジールを手に入れていた。3号機とノイエ・ジールは互角の能力。そして3号機vsノイエ・ジールが始まったが3号機弾薬補給で中断!コウの体力も限界に近づいていた。アルビオン勢の頑張りもむなしく、コロニーは阻止限界点を越えてしまう。その時、デラーズ・フリートは戦闘中止し、シーマはデラーズを裏切る!シーマは連邦提督と密約していたのだ!デラーズはシーマに殺されてしまう。それを見たガトーはコロニー落としを継続する。
【第13話 駆け抜ける嵐】それぞれがそれぞれの思惑で動き始め、戦場は大混乱を喫してしまう。ガトーはコロニー落としを続行し、ニナ、コウはそれを阻止すべく行動し、連邦とシーマはソーラーシステムを使いコロニーを破壊せんとする。そして戦いは終わり、ティターンズが結成されたのだった・・。
前巻9話から盛り上がりを迎えいよいよクライマックスを迎えた今巻は見所満載、全てが見所だ(笑)。ニナ・コウ・ガトーの三角関係とその顛末、シーマの野望、ティターンズ結成までの経緯、3号機とノイエ・ジールの激闘など挙げればきりがない。しかしこのニナという女はどうしても理解出来ない。女って勝手だなと思ってしまう。がこれも男の視点からであり、女の視点から考えるとこのニナの行動はあり得るのかもしれない。でも気に入らねぇ(笑)。ラスト僕がコウならすんなりニナと会えないけどなぁ(笑)。
しかし、本当に良くできたOVAだ。しっかりと1年戦争終結後からグリプス戦争までの空白を見事に埋めてくれた。アクシズの存在とティターンズの誕生、これが大きい。もしまだZガンダムを見ていないのならまずはこの「0083」を見てからにすると良い。すんなりとZガンダムの世界に入り込めるだろう。Zガンダムはガンダムシリーズの中でも完成度が高く人気も高い作品なだけにこの「0083」の存在意義は大きい。
宇宙世紀0083、連邦軍のトリントン基地に2体の新型ガンダムを積んだホワイトベース型の戦艦アルビオンが到着。コウをはじめとする基地のパイロットたちは、誰がテストパイロットになるかで殺気立つ。だが、核ミサイルを搭載した2号機がデラーズ・フリートのガトーにより奪われてしまう。
コウは咄嗟に1号機に乗り込み、ガトーが奪った2号機に立ち向かうが、百戦錬磨のガトーには歯が立たず逃げられてしまう。コウの上官であるバニング大尉の部隊は、2号機を奪還するべく追撃を開始する。
2号機に搭載された核兵器による攻撃を恐れるジャブローは、アルビオンに2号機奪還の命令を下す。パイロット降格を言い渡されたコウは、1号機のパイロットとして送り込まれてきたベテランパイロットのモンシアと、どちらが1号機のパイロットにふさわしいかを巡って対決する。
2号機を追ってアフリカ大陸を進むアルビオンからスパイが脱走。だがそれは、スパイを泳がせて基地の場所を突き止めようとする作戦だった。敵の司令官ビッターは、2号機を乗せたHLVの発射時間を稼ぎ「星の屑作戦」を成功させるため、MS部隊を率いてアルビオンを迎撃する。
アルビオンは2号機とガトーを追って宇宙へと向かう。一方、2号機とガトーを乗せたHLVは暗礁空域内の基地に到着。核兵器を手に入れたデラーズは、連邦の悪意の証拠として全世界に向けて演説し、連邦政府に宣戦を布告。アルビオンはシーマ率いるMS部隊の攻撃を受ける。
1号機をフルバーニアン仕様へと換装するため、アルビオンは月のフォン・ブラウン市に入港する。ガンダムを大破させてしまったことに落ち込むコウは、アルビオンから逃げ出して町をさまよい、元ジオン軍兵士でジャンク屋を営むケリィという男と出会う。
フルバーニアン仕様となったガンダムのテストを、コウは順調にこなす。コウはニナをデートに誘おうとするが話しを切り出すことが出来ず、かえってニナを怒らせてしまう。モビルアーマーを修復したケリィは、戦友ガトーのいるデラーズへの合流を望むが果たせず、コウの1号機に勝負を挑む。
連邦軍のワイアット准将とデラーズのシーマは、秘密裡に接触を図る。それを発見したバニングたちは、ワイアットの艦が襲撃を受けているものと思い、シーマの艦を攻撃。撃沈した敵艦から「星の屑作戦」の全貌を記した計画書を発見する。
連邦の宇宙要塞コンペイトウの前で、大規模な観艦式が行われる。一方、デラーズにはジオン軍の残党が続々と合流。核兵器を搭載したガトーの2号機が連邦艦隊を狙って動き出し、コウはフルバーニアン仕様のガンダムを駆って阻止しようとする。
ガトーが発射した核ミサイルによって、観艦式に参加した連邦艦隊は全滅状態。ようやく2号機に追いついたコウは、ガトーに戦いを挑み、両者は激闘を繰り広げる。一方、シーマ艦隊は移送中のコロニーを奪取してミラーを破壊し、コロニーを月に落とそうとする。
。1年戦争終結3年後、連邦のトリントン基地でコウ・ウラキは模擬訓練を受けていた。その基地にホワイトベース改良型戦艦アルビオンが到着する。そのアルビオンには2機の新型ガンダムが搭載されていた。RX−78GP01(1号機)及びRX−78GP02A(2号機)だ。いずれもプロトタイプだが、2号機は核を搭載出来る設計となっていた。その2号機に核を搭載した直後、ジオン残党デラーズ・フリートのガトーが2号機を奪取する。2号機を奪い返す目的でアルビオンは出港するが宇宙に逃げられてしまう。
今巻は第1話から第4話を収録しており、いきなり1話からガンダム同士の戦いが展開され、嬉しい驚きを覚えた記憶が蘇ってくる。OVA第1弾「ポケット~」にはあまりMSが登場せず人間ドラマに力点を置いて作られていた為、比較的セールスが好調だったが、MSが登場する4話のセールスがずば抜けて良かったという経緯からバンダイが総力で制作した作品がこの「0083」なのだ。だからいきなり1話からガンダムvsガンダムという展開になったのだ。これはとても衝撃的だった。登場するMSはさすがに少ないもののメカニカルデザインはカトキハジメ氏が担当し、彼の特徴あふれるMSデザインになっている。今でもガンダム試作1号機、2号機、3号機、中でも巨大な容姿を見せる3号機のデザインに僕自身、驚愕したという記憶が蘇り、今でもプロトタイプガンダムが好きなファンがたくさんいることだろう。
宇宙世紀を舞台とするファーストガンダムでの1年戦争後からZガンダムでのグリプス戦争までの空白の7年間を埋めるOVAシリーズ第1弾「ポケットの中の戦争」に続く第2弾がこの作品、通称「0083」だ。第3弾に「第08MS小隊」もある。このOVA3部作の中にあって一番ハイクオリティでオリジナリティもあり、全13話という短い作品ながらに展開される人間ドラマは賞賛に値する。アニメ技術がとてもハイレベルになっている現時点で見てもこの作品の作画レベルの高さが嫌という程わかる。この作品が登場してからOVA作品はテレビアニメよりもハイクオリティであるという評判を生むことになった理由がよくわかるはずだ。当時はこのまま劇場で公開しても遜色ない程のクオリティだと称されていたことを思い出す。CG処理は当然ないがそれにも負けないハイクオリティな作画を堪能出来る作品だ。