1,026円(税込)「動画見放題※1」プランを
「機動戦士ガンダム」初のOVA作品。一年戦争末期、サイド6に新型モビルスーツ・NT‐1アレックスが存在することを察知したジオン軍は、サイクロプス隊に機体の奪取か破壊を命じる。新米兵士バーニィは、コロニーで暮らす少年アルやクリスと知り合い心を通わせるが、物語は悲劇的な結末を迎える。
【第4話 河を渡って木立を抜けて】いよいよ作戦の準備が全て整った。作戦決行はクリスマス。しかし当日、アルがクリスに頼んで基地内部を案内してもらう日だった・・。
【第5話 嘘だと言ってよ、バーニィ】ルビコン作戦は大失敗に終わった。生き残りはバーニィだけ。失意のバーニィはサイド6からの脱出をはかるが、バーニィを強いパイロットと信じて疑わないアルはザクを修理して作戦続行を願う。
【最終話 ポケットの中の戦争】ザクを修理するアルとバーニィ。そして作戦決行日、アルは父親に会い、核爆弾を積んだ艦隊が連邦に取り押さえられたことを知り、バーニィに作戦中止を伝えようとする。一方バーニィはザクを操りクリスの操るアレックスと対峙していた・・。
OVAセールスが良かったガンダムが登場する4話・6話が収録されている。所がガンダムが登場してもアクション性は低いと言わざるを得ない。何故ならそういうコンセプトでこの作品は製作されているからだ。極力MSは登場させないことをコンセプトに製作されたのだ。これは今のガンダム戦略と全くの正反対な構想だと言える。この当時、まだOVAというメディアが海のものとも山のものともわからなかった時代に製作されたので「ガンダムを極力登場させない」という今から考えると異質なコンセプトも了承されたのだと考えるべきだろう。今であればバンダイさんが絶対にお許しにならないだろうから(笑)。
キャラクターデザインは美樹本晴彦氏。彼のキャラクターの柔らかさがこの作品の基本路線となっている。作品もヨーロッパ風の落ち着いた感じをコンセプトに挙げ、それを見事に実現している。本当に1年戦争を題材にしているのか?と首をかしげたくもなるが、まるで戦闘行為だけがガンダムではない!と言い切っているかのようなさわやかで残酷な人間ドラマが展開されていく。一人の少年アルが若きジオン兵バーニィと知り合い、彼を通して戦争を見て考えて、彼の死によりアルが成長していく様を見事に描かれている。どちらかといえば女性向きのガンダムとも言えるかもしれない。
しかし、この作品に登場する唯一のガンダムRX−78NT−1通称アレックスがもし本当にアムロに届いていたならどうなっていただろうと想像してしまうのは僕だけだろうか?(笑)。
モビルスーツのケンプファーがカッコイイ! バーニアを機体のあちこちに出していて機動性が高そう。いかにも強襲用MSという感じ。他にも、ズゴックEやハイゴッグのデザインも捨てがたいんですけどね~。いやいや、量産型ガンキャノンとかシビレます。もちろん、ザクFZやガンダムNT−1もカッコイイ。とにかく、この作品に登場するMSデザインは、どれも洗練されていて大好きです。
で、作品内容はというと、モビルスーツは脇役に徹していてメインではないですね。ゲルググイェーガーやリックドム2161なんか、ほんの一瞬しか登場しませんしね。MS好きの私としては、もっとMSの活躍場面を増やして欲しかった所ですが、意外とMSや戦闘シーンが少なくても楽しんで観れました。
それはやはり、人間ドラマとしての戦争の部分がキッチリ描かれていたためだと思います。MSや戦闘がメインになっていないと言うことでは、異色のガンダム作品ですね。でも本来ガンダムは戦争ドラマですから、この作品の方が正道なのかも知れません。
戦争の実感のない中立コロニーに住む子供の目から見たMSや戦争の描き方が面白く、カッコイイとばかりにザクを追いかける無邪気な子供のアルが、敵同士ながらお互いに惹かれ合っていたバーニィとクリスの殺し合いを目の当たりにして、それがどれほど悲しいことなのかを理解していく様が胸に迫ります。
子供ながら戦争の悲惨さを直に体験してしまったアルだけが、終戦となっても何も騒がない中立コロニーの子供達の列の中で、ただ1人泣きじゃくるラストシーンは、おもわずこちらも泣けてしまうほどです。
MSや戦闘を期待してしまうと物足りないかも知れませんが、戦争ドラマとしてはたいへん良質な作品だと思いますね。
1 ~ 7件 / 全7件
宇宙世紀0079年12月、ジオン軍のサイクロプス隊は連邦軍の新型モビルスーツ「N1アレックス」を奪取するため北極基地を襲撃。連邦軍はアレックスをシャトルに乗せて打ち上げ、サイド6に隠す。サイド6で暮らす少年アルは、偶然アレックスが積まれたコンテナをビデオカメラに収める。
アルはコロニーに侵入して撃墜されたザクを発見し、パイロットのバーニィと知り合う。何も知らないアルは、自分が撮影したコンテナのビデオと引き替えにバーニィからジオンの階級章をもらって大喜び。バーニィはグラナダ基地に帰還し、サイクロプス隊に転属となり、再びサイド6へ向かう。
バーニィの姿を発見したアルは、彼を追跡してサイクロプス隊のアジトを突き止めた。サイクロプス隊の隊長シュタイナーは、アルを仲間にするのが安全だと判断し、彼に標章を与える。アルの見張りを命じられたバーニィは、アレックスのテストパイロットのクリスと知り合い、2人は互いの素性を知らぬまま恋心を抱く。
シュタイナーは自分たちがオトリであり、サイド6への核攻撃が迫っていることを知らされる。一方、アルはバーニィに手柄を立ててもらおうとアレックスの隠し場所を突き止め、サイクロプス隊はアレックスの奪取・破壊を目指す「ルビコン作戦」を開始する。
「ルビコン作戦」は失敗に終わり、サイクロプス隊は全滅。ただひとり生き残ったバーニィは、アルにコロニーへの核攻撃が迫っていることを伝えて、コロニーから脱出しようとする。だが、アルやクリスのためにもアレックスを破壊して核攻撃を中止させようと思い直す。
バーニィはアルの助けを借りてザクを修理し、アレックスと戦う準備を進める。作戦当日、サイド6に向かっていたジオンの艦隊が連邦軍に降伏したことを知ったアルは、バーニィに戦う必要が無くなったことを報せようとするが、すでにバーニィは出撃した後だった。
「機動戦士ガンダム」初のOVA作品。一年戦争末期、サイド6に新型モビルスーツ・NT‐1アレックスが存在することを察知したジオン軍は、サイクロプス隊に機体の奪取か破壊を命じる。新米兵士バーニィは、コロニーで暮らす少年アルやクリスと知り合い心を通わせるが、物語は悲劇的な結末を迎える。
【第1話 戦場まで何マイル?】ジオンの特殊部隊サイクロプス隊は連邦が開発したニュータイプ専用MSを奪取する為、連邦の北極基地を襲撃するが逃げられてしまう。その時、サイド6ではアルの目の前でザクとジムの戦闘が繰り広げられていた。
【第2話 茶色の瞳に映るもの】不時着したザクの場所へと急行したアルはそこでバーニィと出逢う。バーニィが帰還直後、サイクロプス隊への配属が決定し、北極基地で逃したMS奪取の為、サイド6へ逆戻りとなりアルと再会してしまう。
【第3話 虹の果てには?】何とかバーニィと再会出来たアルは、サイクロプス隊と関わりを持ってしまう。そしてバーニィと深い関係を築いていくのだった。しかし、サイクロプス隊のルビコン作戦の準備も整いつつあり、MS−18Eケンプファーを組み立てていく。一方、北極基地から運ばれたニュータイプ(アムロ)専用MSであるRX−78NT−1アレックスのテストパイロットはクリスだと判明する。そしてアルとバーニィは基地内部に潜入するのだが・・。
ガンダムシリーズ初のOVA作品。それまでのテレビシリーズガンダムとは違い、登場するMSの数は極端に少ないのがこの作品の特徴だ。これはOVAセールス結果にも現れている。MSが登場し活躍する4話、6話が収録されているビデオのセールスが他のものよりも高いという結果がそれを証明している。セールス自体おおむね好調だったようで、この作品以降、ガンダムOVAシリーズは「0083STARDUST MEMORY」「第08MS小隊」へと続いていく。それ以外にもこの作品の異質な所は少年の目線で戦争を捕らえていることだ。こんなシチュエーションのガンダムはこの作品以外にない。若いジオン兵バーニィとサイド6の住民アルとの心の触れ合い中心に、アルの目線で1年戦争を描いていくというOVAならではのコンセプトの元に制作されている。この当時、OVAという未知なるメディアであったが為に作ることが出来た作品とも言えるかもしれない。何故ならガンダムをはじめとするMSが少ないとバンダイさんが困るから(笑)。今現在放送されている「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」ではガンダムも敵味方に分かれ腐る程登場しそれ以外の機体も多数登場しているが、これは完全にマーチャンダイジングの賜だと言わざるを得ない。その点でもかなり異質な作品だと言える。