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クリスマス・イブのワシントンD.C.──ダレス空港に非常事態が発生する。麻薬王の釈放を要求し、テロリスト集団が猛吹雪の中、航空管制塔を占拠した。大パニックに陥った空港内に“あの男”がいた!
シリーズ第2弾の今作品の舞台はなんと空港である。前作がビルの中という限られた空間であったが今作はかなり広い空間を使って話が展開されていく。しかも今回のテロリストは空港を乗っ取り将軍を奪取し国外逃亡を図るのが目的でジョンがそれを阻止するために奮闘する。そしてジョンの愛する妻ホリーが燃料切れで墜落する恐れのある旅客機の中にいるという設定である。前作より密室度はなくなったがそれをカバーするだけのアクションは揃っている。
そして相変わらず、バカな脇役も健在である(笑)。今回新しく加わったバカは、空港警備責任者のロレンゾとその弟(笑)、そして前作に引き続き自己中かつ強欲でバカなソーンバーグ記者である。ソーンバーグ記者は今回もバカな事をしてくれる(笑)。前作に出ていたアル・パウエル巡査もちょっと登場している。前作に引き続いてジョン、ホリー、アル、ソーンバーグと同じ役者が演じているので如何にも続編って感じがするのがいい(笑)。
今回もジョンは愛するホリーを助けるため不死身のような活躍を見せる。ただ妻ホリーを空港で待っていただけなのに(笑)。怪しいヤツを見つけたのが運の尽き(笑)。彼はまたしてもクリスマスに事件に巻き込まれてしまうのである。ここら辺はお約束(笑)。今回の敵は前作よりも強い。特殊部隊上がりの元兵士たちだからである。彼らを相手にジョン一人では到底無理だろうと思ったが、空港警備部隊があまりにも情けなく弱いのでジョンは結局一人で戦う羽目になる。前作のリムジンの運転手のように心強い味方が今回も登場する。それは空港内部の配管などの管理人である。空港の裏側でレコードを聴きながら仕事しているのか生活しているのかどっちなのかわからないがとても怪しい人物がそれである(笑)。こんなおっちゃんがいるから話はよりおもしろくなる。
アクションでは別ターミナルでの銃撃戦、敵アジト(教会)での格闘&銃撃戦、旅客機の翼での格闘戦など前作に比べるとアクション性はちょっと落ちるものの、その部分を脚本のおもしろさでカバーしているように私には思えた。ただ、今作は前作と比べジョンの行動範囲がかなり広くなっているので、その辺をスケールの大きさと捉えるか、間延びした感じとして捉えるかは意見の分かれる所であろう。ラストシーンはシリーズ最高の出来だと思う。
前作「1」は狡猾なサスペンスとダイナミズムなアクションの二層構造の脚本が秀逸、大ヒットと同時に名作と言えるレベルにまで作品を押し上げた。
。しかし前作は奇跡とも言える脚本に成功の拠り所が有る訳で、続けて傑作が出来る保証は無い。従って「合衆国最後の日」で有名な、Walter Wager著「ケネディ空港着陸不能」を脚本に担保。
問題なのは「弱い」事が共感を呼んだヒーロー像が新鮮な前作と同じ轍は今回は踏め無い。続いて脚本を描くSteven E. de Souzaも悩んだろう。続編の「無敵のヒーロー」しか描けないジレンマが本作のアキレス腱。
その意味で前作のサスペンス重視の演出をバッサリと諦め、ひたすらアクションで押し捲るRenny Harlin監督の起用が「可」or「否」かで本作の評価は分かれた。
恐らく本作に不満の方は、前作の緻密な脚本に惚れて今回も巧みな演出を期待され裏切られたと思う・・・私もその点では同感だ。しかし考えてみれば本作は「アクション映画」。一遍の娯楽作品としては水準点だと擁護したい。
寧ろ此処まで荒唐無稽なアクションを描ける監督は、そうは居ない(笑)。意外と残酷描写も多いのだが、この辺りはフィンランド出身の監督のカラーが別な意味で出てると思う。この荒削りな演出と前作から引き継ぐ、マクレーンの「人間臭い」キャラがブレンドされ、これはこれで悪くないと思う。
そもそも空中と空港と言う、前作とは趣の異なる二層構造の脚本は良く出来てると思うし、もし「ダイハード」の錦の御旗が無くても、例えば「エアポート'90」とかで(笑)、十分に通用する作品だと珍しく褒めたい。
勿論、あんな事で火が点く訳無いだろう的な(実際の飛行機の燃料は灯油で、一般のモノよりも純度が高く水分の少ないケロシンを使用)、辻褄を気にする方に監督の作品は楽しめない(笑)。しかし広げた大風呂敷を畳める監督が少ない事を考えれば、健闘してると認めても良いのでは?。
本作は馬鹿馬鹿しいとか無茶苦茶とか、そんな娯楽作品本来の目線で見れば十分に面白い。
どうせ「1」と同じものを作れば「似てる」と酷評される。別のモノを作れば「1」が良かったと非難される。どっちに転んでも「2」は損な役回りだ。それならハジけちゃったもん勝ち!と清く演出した監督の手腕こそ評価されて然るべきだと思う。