銀河鉄道の父 / 役所広司
銀河鉄道の父
/成島出
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全体の平均評価点: (5点満点)
(4)
解説・ストーリー
直木賞を受賞した門井慶喜の同名小説を「八日目の蝉」「いのちの停車場」の成島出監督が映画化した感動ドラマ。一途で破天荒な宮沢賢治に振り回されながらも、その才能を信じ、無名だった賢治を支え続けた家族の愛と絆の物語を賢治の父親の視点から描き出していく。主演は「孤狼の血」「すばらしき世界」の役所広司、共演に菅田将暉、森七菜、豊田裕大、坂井真紀、田中泯。岩手県で質屋を営む裕福な宮沢政次郎の長男として生まれた賢治だったが、家業を継ぐことを拒み、農業や人造宝石に夢中になり、ついには宗教に身を捧げるといって家を出てしまう。そんな中、一番の理解者だった妹のトシが結核に倒れると、彼女を励まそうと物語を描き続け、病床の妹に読み聞かせる賢治だったが…。
直木賞を受賞した門井慶喜の同名小説を「八日目の蝉」「いのちの停車場」の成島出監督が映画化した感動ドラマ。一途で破天荒な宮沢賢治に振り回されながらも、その才能を信じ、無名だった賢治を支え続けた家族の愛と絆の物語を賢治の父親の視点から描き出していく。主演は「孤狼の血」「すばらしき世界」の役所広司、共演に菅田将暉、森七菜、豊田裕大、坂井真紀、田中泯。岩手県で質屋を営む裕福な宮沢政次郎の長男として生まれた賢治だったが、家業を継ぐことを拒み、農業や人造宝石に夢中になり、ついには宗教に身を捧げるといって家を出てしまう。そんな中、一番の理解者だった妹のトシが結核に倒れると、彼女を励まそうと物語を描き続け、病床の妹に読み聞かせる賢治だったが…。
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「銀河鉄道の父」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
直木賞を受賞した門井慶喜の同名小説を「八日目の蝉」「いのちの停車場」の成島出監督が映画化した感動ドラマ。一途で破天荒な宮沢賢治に振り回されながらも、その才能を信じ、無名だった賢治を支え続けた家族の愛と絆の物語を賢治の父親の視点から描き出していく。主演は「孤狼の血」「すばらしき世界」の役所広司、共演に菅田将暉、森七菜、豊田裕大、坂井真紀、田中泯。岩手県で質屋を営む裕福な宮沢政次郎の長男として生まれた賢治だったが、家業を継ぐことを拒み、農業や人造宝石に夢中になり、ついには宗教に身を捧げるといって家を出てしまう。そんな中、一番の理解者だった妹のトシが結核に倒れると、彼女を励まそうと物語を描き続け、病床の妹に読み聞かせる賢治だったが…。
「銀河鉄道の父」 の作品情報
「銀河鉄道の父」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
銀河鉄道の父の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
128分 |
日(バリアフリー) |
日:ドルビーTrueHD5.1ch、日(バリアフリー音声ガイド):ドルビーTrueHDステレオ |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
HPBRR2387 |
2023年11月08日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
324枚
|
167人
|
185人
|
日:ドルビーTrueHD5.1ch、日(バリアフリー音声ガイド):ドルビーTrueHDステレオ
銀河鉄道の父の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
128分 |
日(バリアフリー) |
日:ドルビーTrueHD5.1ch、日(バリアフリー音声ガイド):ドルビーTrueHDステレオ |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
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HPBRR2387 |
2023年11月08日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
324枚
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167人
|
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日:ドルビーTrueHD5.1ch、日(バリアフリー音声ガイド):ドルビーTrueHDステレオ
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ユーザーレビュー:4件
自らがいちばんの読み手であり、理解者であろうとする父
(2023年製作・日本)成島出監督。直木賞を受賞した門井慶喜の同名小説を映画化。
宮沢賢治の父・政次郎を主人公に据えて、父の視点から賢治、妹のトシ、母イチなどとの家族愛を描いたドラマである。
明治29年(1896年)その日、政次郎(役所広司)は京都停車場からふるさと岩手の花巻を目指した。
『オトコノコウマレタ』の電報を受け、心は(跡継ぎが生まれた!)と逸っていた。
宮沢家はただの家ではない。古着屋と質屋を営み、地元でも有数の商家だった。
政次郎はお寺に寄付もし、地元の軍医、弁護士などを集めて東京から知識人を招いて勉強会をしていた。
言わば進歩的な人間だった。男の子は「賢治」と名付けられた。
7歳の時、賢治は赤痢にかかった。政次郎は妻のイチを差し置いて、自分が病院に付きそうと言いだした。
イチが「世間体が悪いじゃ」というのも構わず、「オレの大事な跡取り、他人にまかせとけね」と医者の止めるのも聞かず、
ベッドに陣取り看病した。こんにゃくを温めてお腹にはり、回りから迷惑がられながら子守唄を歌った。
一途な親だった。
だが、長じて賢治(菅田将暉)は質屋という職業を嫌うようになる。
村においては裕福で良いものを着たりしているのだが、村人がこそこそ悪口を言ってるのを耳にしたのだ。
また、父がいくら「銀行で相手にされない困ってる人を助けているのだ」と説明しても、
賢治は「弱い者いじめ」としか受け取れなかった。
(これは文章でサラッと書いたが、相当な矛盾ではないだろうか。
賢治は他人から、ない金を搾り取って自分らが生活でき育てられたと思っている。
実際は古着は京都から仕入れて市場で卸したりして儲けを出していたのだが。
借りる時は沢山借り、返済する時は少しでも少なく返済したい村人の、逆恨みみたいなのはあっただろう。)
自分が嫌っているものに自分が育てられたという感覚は、やがては自己否定につながるのではないだろうか。
(のちの賢治文学の奥深い哀しみの一端になったかもしれないと感じた)
おまけに賢治には父親に対するコンプレックスがあった。
いやいや質屋をやってみても、父のようにうまく対応できない。世間並みの人付き合いも出来ない。
人造宝石を作って儲けようと計画しても「誰が資金を出すのだ」と切り捨てられる。
いつか父親のようになりたいと、憧れのような気持ちがありながら、とても遠いのだ。
日蓮宗に入れあげて家の宗教である浄土真宗を批判する。あげくに信仰のために家を出て東京に行ってしまうのだ。
賢治の悩み苦しみは深いものでも、よそ目にはとんでもない放蕩息子に映る。
政次郎はしかし、時には対立しながらも、彼を見放さずにいるのである。
妹のトシ(森七菜)との関係は美しいものがあった。
トシが結核にかかった時、トシを喜ばせようと、物語を書くようになり、それをトシの前で読んでやる。家族も献身的にトシを看病する。
だが、当時結核は不治の病であった。トシはなくなり、賢治はまた悩み落ち込むが、
それを乗り越えて、あるいは糧として作家となり、自費出版で本を出す。
評価は高かったもののまったく売れない。そんな賢治を政次郎は励まし、一生懸命に応援する。しかし、今度は賢治が結核にかかってしまう。
昭和8年(1933年)まだ37歳だった。
映画のラストは思ったより時間をかけてるような気がしたが、美しい星空に銀河鉄道が走り、
ゆっくりと絵本を閉じるような静かさがあった。
本作で、父に深く愛されながら期待に応えられず、賢治も苦しんだ事、宗教の件ではついに和解出来なかった事、
しかし父はそのすべてを許したこと、など知らなかった事がいっぱいあった。役所広司も菅田将暉も好演したと思う。
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賢治は 父に褒めてもらいたかった
監督:成島出(2023年・日本・128分)
原作:門井慶喜『銀河鉄道の父』第158回直木三十五賞受賞
この映画を観た後、Wikipediaを調べたりして、私は宮沢賢治のことを何も知らなかったことが分った。
第一に驚いたのは、賢治が貧しい農民の出ではなくて、裕福な家庭の長男だったこと。第二は、「あめゆじゅとてちてけんじゃ」の妹トシは、幼い女の子だと思っていたら享年は24歳だったこと。第三は人工宝石を作って大儲けしようと考えるなど(しかも資金は親頼みで)、地に足がついていない人だったこと。第四は日蓮宗に傾倒して、奇異とも見える行動をしたこと。
賢治という人が、こんなにも突拍子のない人物だったとは。
本作は、賢治の父・政次郎のことを描いている。家業は先代から受け継いだ「質・古着商」だった。堅実・質素を旨とする家風ながらも、政次郎は近畿地方や四国まで仕入れに行くという積極的な経営も行っていたようで、本作の冒頭も政次郎が出張中に賢治が生まれたという設定だった。
政次郎を演じたのが役所広司だった為か、温厚で愛情深い人という印象だった。賢治との接し方は、(私には)時に溺愛とも感じられた。賢治が幼い頃に赤痢に罹った時、妻のイチを差し置いて入院中の賢治に自らが付き添い、自身も罹患してしまった。イチの母親としての思いは理解出来ないものなのだろうかと、私は反発を覚えたりした。
このイチは(劇中では)目立たなかったけれど、賢治のことを冷静に見つめていて、政次郎に「賢治はあなたに認めてもらいたいんじゃないでしょうか」と言っていた。この母としてのイチの言葉が的を射ていたのだと私が思ったのは、賢治臨終のシーンだった。
賢治の枕元で「アメニモマケズ」を政次郎が暗誦し、賢治を褒めたシーンだったかと思うが、賢治が目を薄く開けて「俺もとうとう お父さんに褒められたもな」と嬉しそうにしたのだった。
それを聞いて政次郎は、おまえが幼い頃からずっと褒めて来たじゃないか…と賢治に語り掛ける。賢治が運動会の駆けっこで一等賞をとった時も、あの時もこの時も…いつもお前を褒めて来たぞ…と。この辺では私も涙でグチャグチャになっていて、おまけに観てから一週間以上も経過していて、今は詳細は忘れてしまったけれど。
それで、私はこの賢治の「褒められたい」という思いがずっと頭の片隅にあって、賢治の心境について考えてみた。
賢治の創るオハナシを一番楽しみにしていたのは、妹のトシだったようにも思うけれど、そのトシがどんなに賢治の作品を褒めたとしても、やはり政次郎から掛けられる言葉とは全く意味が違うのだろう。
親は自分の子供の成長を見守りつつ、笑った、立った、歩いた、喋った…と、その時どきで「スゴイ、すごい」「上手」「可愛い」と幾度となく褒めたり励ましたりするものだ。けれど、賢治が望んだのは、(私が思うに)親としての愛情も手伝って褒められることよりも、一対一の個人として褒められること― 言葉を換えて言えば、「認められる」ことではなかっただろうか。
「おまえはすごいな」という簡単な言葉でもよいから、心底「誇り」に思って貰えたなら本望だというような、そんな気持ちだろうか。(ま、私は凡人なので賢治のような天才の思いを代弁できる訳もなく…)
親ばか子ばかの窮極を見せられた気がして、私が持っていたイメージを壊されてしまった気がしたのも事実。でも他人様に迷惑かけたわけでもなく、お金があってのことだから、宮沢家の人々がそれでよいなら、私など何も言うことはありませぬ。今はそういう気持ち。宮沢賢治の作品は変わらず好きです。
********** **********
【キャスト紹介】
宮沢政次郎(まさじろう)・・・役所広司
宮沢イチ・・・坂井真紀
宮沢賢治・・・菅田将暉
宮沢トシ・・・森七菜
宮沢清六・・・豊田裕大
宮沢喜助(政次郎の父)・・・田中泯
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ビバ!役所広司!
役所広司主演「銀河鉄道の父」を見ました。共演菅田将暉、田中泯、森七菜、坂井真紀、豊田裕大などなどです。
今はとても有名な宮沢賢治。彼は三七歳で亡くなりましたが、生前は無名だったんですね。
その彼の父親、宮沢政次郎。彼に焦点を当てた話です。
政次郎は父の代から裕福な質屋を継いでおり、長男の賢治は何かと理由をつけて家を継ぐのを拒む。
彼は学校卒業後、人造ダイヤや宗教家と、何かと道を探るが、ある日、妹が結核にかかり。。
いや〜宮沢賢治の若い頃って、こんなに人生を迷走してたのね。。
最初は、つい、宮沢賢治の話だと思ってみてしまって、ちょっとストーリーに入り込むのに時間がかかったかな。
父親の葛藤、というか、一家の話で、政次郎はほんとに家族を大事にしていました。
賢治が我が道を決めかねているときに、体当たりでぶつかっていったり、でも、賢治の望むようにさせてたんですね。
やっぱり役所広司はすごい。涙腺崩壊。
菅田将暉くんもやつれて、よかったです。
彼の,読経のシーンは鬼気迫るところがあります。
彼は人生に迷っていたんですね。
政次郎の父も威厳たっぷりだったのですが、晩年は認知症になってしまうのですが、妹のトシが、「きれいに死ね」というんですね。
いつの時代にも思うことですね。。
ロケ地が岩村城のある恵那市です。一度だけ行ったことあります。明智鉄道にわざわざ乗りました。
息子が電車大好きだったんで、旦那に車を先の停車駅に乗ってってもらって、息子と娘を連れて乗りました。
雰囲気のある街並みも映画で映されていました。
役所広司が引っ張った感じの映画です。
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コメディ風かと思ったら
投稿日:2023/11/15
レビュアー:だいこん
宣伝がコメディ風だったから、プッと笑えるところがあるのかと思ってたらぜんぜん違い、シリアスなドラマでした。
どこまでもやさしい宮沢賢治の父を主点に描かれたお話でした。
今は簡単に治ると思われている結核。昔は労咳とも呼ばれ、死病と恐れられてました。
志半ばで結核に倒れた賢治。もっと生きていられたらもっともっと作品を残せたろうに…と惜しまれる死でした。
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ユーザーレビュー
自らがいちばんの読み手であり、理解者であろうとする父
投稿日
2023/11/11
レビュアー
くまげらの森
(2023年製作・日本)成島出監督。直木賞を受賞した門井慶喜の同名小説を映画化。
宮沢賢治の父・政次郎を主人公に据えて、父の視点から賢治、妹のトシ、母イチなどとの家族愛を描いたドラマである。
明治29年(1896年)その日、政次郎(役所広司)は京都停車場からふるさと岩手の花巻を目指した。
『オトコノコウマレタ』の電報を受け、心は(跡継ぎが生まれた!)と逸っていた。
宮沢家はただの家ではない。古着屋と質屋を営み、地元でも有数の商家だった。
政次郎はお寺に寄付もし、地元の軍医、弁護士などを集めて東京から知識人を招いて勉強会をしていた。
言わば進歩的な人間だった。男の子は「賢治」と名付けられた。
7歳の時、賢治は赤痢にかかった。政次郎は妻のイチを差し置いて、自分が病院に付きそうと言いだした。
イチが「世間体が悪いじゃ」というのも構わず、「オレの大事な跡取り、他人にまかせとけね」と医者の止めるのも聞かず、
ベッドに陣取り看病した。こんにゃくを温めてお腹にはり、回りから迷惑がられながら子守唄を歌った。
一途な親だった。
だが、長じて賢治(菅田将暉)は質屋という職業を嫌うようになる。
村においては裕福で良いものを着たりしているのだが、村人がこそこそ悪口を言ってるのを耳にしたのだ。
また、父がいくら「銀行で相手にされない困ってる人を助けているのだ」と説明しても、
賢治は「弱い者いじめ」としか受け取れなかった。
(これは文章でサラッと書いたが、相当な矛盾ではないだろうか。
賢治は他人から、ない金を搾り取って自分らが生活でき育てられたと思っている。
実際は古着は京都から仕入れて市場で卸したりして儲けを出していたのだが。
借りる時は沢山借り、返済する時は少しでも少なく返済したい村人の、逆恨みみたいなのはあっただろう。)
自分が嫌っているものに自分が育てられたという感覚は、やがては自己否定につながるのではないだろうか。
(のちの賢治文学の奥深い哀しみの一端になったかもしれないと感じた)
おまけに賢治には父親に対するコンプレックスがあった。
いやいや質屋をやってみても、父のようにうまく対応できない。世間並みの人付き合いも出来ない。
人造宝石を作って儲けようと計画しても「誰が資金を出すのだ」と切り捨てられる。
いつか父親のようになりたいと、憧れのような気持ちがありながら、とても遠いのだ。
日蓮宗に入れあげて家の宗教である浄土真宗を批判する。あげくに信仰のために家を出て東京に行ってしまうのだ。
賢治の悩み苦しみは深いものでも、よそ目にはとんでもない放蕩息子に映る。
政次郎はしかし、時には対立しながらも、彼を見放さずにいるのである。
妹のトシ(森七菜)との関係は美しいものがあった。
トシが結核にかかった時、トシを喜ばせようと、物語を書くようになり、それをトシの前で読んでやる。家族も献身的にトシを看病する。
だが、当時結核は不治の病であった。トシはなくなり、賢治はまた悩み落ち込むが、
それを乗り越えて、あるいは糧として作家となり、自費出版で本を出す。
評価は高かったもののまったく売れない。そんな賢治を政次郎は励まし、一生懸命に応援する。しかし、今度は賢治が結核にかかってしまう。
昭和8年(1933年)まだ37歳だった。
映画のラストは思ったより時間をかけてるような気がしたが、美しい星空に銀河鉄道が走り、
ゆっくりと絵本を閉じるような静かさがあった。
本作で、父に深く愛されながら期待に応えられず、賢治も苦しんだ事、宗教の件ではついに和解出来なかった事、
しかし父はそのすべてを許したこと、など知らなかった事がいっぱいあった。役所広司も菅田将暉も好演したと思う。
賢治は 父に褒めてもらいたかった
投稿日
2023/11/29
レビュアー
kazupon
監督:成島出(2023年・日本・128分)
原作:門井慶喜『銀河鉄道の父』第158回直木三十五賞受賞
この映画を観た後、Wikipediaを調べたりして、私は宮沢賢治のことを何も知らなかったことが分った。
第一に驚いたのは、賢治が貧しい農民の出ではなくて、裕福な家庭の長男だったこと。第二は、「あめゆじゅとてちてけんじゃ」の妹トシは、幼い女の子だと思っていたら享年は24歳だったこと。第三は人工宝石を作って大儲けしようと考えるなど(しかも資金は親頼みで)、地に足がついていない人だったこと。第四は日蓮宗に傾倒して、奇異とも見える行動をしたこと。
賢治という人が、こんなにも突拍子のない人物だったとは。
本作は、賢治の父・政次郎のことを描いている。家業は先代から受け継いだ「質・古着商」だった。堅実・質素を旨とする家風ながらも、政次郎は近畿地方や四国まで仕入れに行くという積極的な経営も行っていたようで、本作の冒頭も政次郎が出張中に賢治が生まれたという設定だった。
政次郎を演じたのが役所広司だった為か、温厚で愛情深い人という印象だった。賢治との接し方は、(私には)時に溺愛とも感じられた。賢治が幼い頃に赤痢に罹った時、妻のイチを差し置いて入院中の賢治に自らが付き添い、自身も罹患してしまった。イチの母親としての思いは理解出来ないものなのだろうかと、私は反発を覚えたりした。
このイチは(劇中では)目立たなかったけれど、賢治のことを冷静に見つめていて、政次郎に「賢治はあなたに認めてもらいたいんじゃないでしょうか」と言っていた。この母としてのイチの言葉が的を射ていたのだと私が思ったのは、賢治臨終のシーンだった。
賢治の枕元で「アメニモマケズ」を政次郎が暗誦し、賢治を褒めたシーンだったかと思うが、賢治が目を薄く開けて「俺もとうとう お父さんに褒められたもな」と嬉しそうにしたのだった。
それを聞いて政次郎は、おまえが幼い頃からずっと褒めて来たじゃないか…と賢治に語り掛ける。賢治が運動会の駆けっこで一等賞をとった時も、あの時もこの時も…いつもお前を褒めて来たぞ…と。この辺では私も涙でグチャグチャになっていて、おまけに観てから一週間以上も経過していて、今は詳細は忘れてしまったけれど。
それで、私はこの賢治の「褒められたい」という思いがずっと頭の片隅にあって、賢治の心境について考えてみた。
賢治の創るオハナシを一番楽しみにしていたのは、妹のトシだったようにも思うけれど、そのトシがどんなに賢治の作品を褒めたとしても、やはり政次郎から掛けられる言葉とは全く意味が違うのだろう。
親は自分の子供の成長を見守りつつ、笑った、立った、歩いた、喋った…と、その時どきで「スゴイ、すごい」「上手」「可愛い」と幾度となく褒めたり励ましたりするものだ。けれど、賢治が望んだのは、(私が思うに)親としての愛情も手伝って褒められることよりも、一対一の個人として褒められること― 言葉を換えて言えば、「認められる」ことではなかっただろうか。
「おまえはすごいな」という簡単な言葉でもよいから、心底「誇り」に思って貰えたなら本望だというような、そんな気持ちだろうか。(ま、私は凡人なので賢治のような天才の思いを代弁できる訳もなく…)
親ばか子ばかの窮極を見せられた気がして、私が持っていたイメージを壊されてしまった気がしたのも事実。でも他人様に迷惑かけたわけでもなく、お金があってのことだから、宮沢家の人々がそれでよいなら、私など何も言うことはありませぬ。今はそういう気持ち。宮沢賢治の作品は変わらず好きです。
********** **********
【キャスト紹介】
宮沢政次郎(まさじろう)・・・役所広司
宮沢イチ・・・坂井真紀
宮沢賢治・・・菅田将暉
宮沢トシ・・・森七菜
宮沢清六・・・豊田裕大
宮沢喜助(政次郎の父)・・・田中泯
ビバ!役所広司!
投稿日
2023/10/04
レビュアー
じゃじゃまる
役所広司主演「銀河鉄道の父」を見ました。共演菅田将暉、田中泯、森七菜、坂井真紀、豊田裕大などなどです。
今はとても有名な宮沢賢治。彼は三七歳で亡くなりましたが、生前は無名だったんですね。
その彼の父親、宮沢政次郎。彼に焦点を当てた話です。
政次郎は父の代から裕福な質屋を継いでおり、長男の賢治は何かと理由をつけて家を継ぐのを拒む。
彼は学校卒業後、人造ダイヤや宗教家と、何かと道を探るが、ある日、妹が結核にかかり。。
いや〜宮沢賢治の若い頃って、こんなに人生を迷走してたのね。。
最初は、つい、宮沢賢治の話だと思ってみてしまって、ちょっとストーリーに入り込むのに時間がかかったかな。
父親の葛藤、というか、一家の話で、政次郎はほんとに家族を大事にしていました。
賢治が我が道を決めかねているときに、体当たりでぶつかっていったり、でも、賢治の望むようにさせてたんですね。
やっぱり役所広司はすごい。涙腺崩壊。
菅田将暉くんもやつれて、よかったです。
彼の,読経のシーンは鬼気迫るところがあります。
彼は人生に迷っていたんですね。
政次郎の父も威厳たっぷりだったのですが、晩年は認知症になってしまうのですが、妹のトシが、「きれいに死ね」というんですね。
いつの時代にも思うことですね。。
ロケ地が岩村城のある恵那市です。一度だけ行ったことあります。明智鉄道にわざわざ乗りました。
息子が電車大好きだったんで、旦那に車を先の停車駅に乗ってってもらって、息子と娘を連れて乗りました。
雰囲気のある街並みも映画で映されていました。
役所広司が引っ張った感じの映画です。
コメディ風かと思ったら
投稿日
2023/11/15
レビュアー
だいこん
宣伝がコメディ風だったから、プッと笑えるところがあるのかと思ってたらぜんぜん違い、シリアスなドラマでした。
どこまでもやさしい宮沢賢治の父を主点に描かれたお話でした。
今は簡単に治ると思われている結核。昔は労咳とも呼ばれ、死病と恐れられてました。
志半ばで結核に倒れた賢治。もっと生きていられたらもっともっと作品を残せたろうに…と惜しまれる死でした。
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銀河鉄道の父