ベイビー・ブローカー / ソン・ガンホ
全体の平均評価点: (5点満点)
(14)
ベイビー・ブローカー
/是枝裕和
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「ベイビー・ブローカー」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
是枝裕和監督がソン・ガンホをはじめとする韓国のスタッフ・キャストとタッグを組み撮り上げたロード・ムービー。何らかの理由で親が育てることができない赤ん坊を引き受ける“赤ちゃんポスト”を題材に、赤ん坊の横流しに手を染める男たちが、ひょんなことから我が子を手放した母親と一緒に養父母探しの旅に出るさまを実力派俳優陣の豪華共演で描き出す。共演はカン・ドンウォン、ペ・ドゥナ、イ・ジウン、イ・ジュヨン。古びたクリーニング店を営むサンヒョン。借金に追われる彼は、“赤ちゃんポスト”を運営する施設で働く若い男ドンスと手を組み、赤ん坊をこっそり連れ出しては、新しい親を見つけて謝礼を受け取る違法な商売をしていた。ある時、赤ん坊を連れ出した2人の前に、思い直して戻ってきた若い母親ソヨンが現れるのだったが…。 JAN:4589921415583
「ベイビー・ブローカー」 の作品情報
「ベイビー・ブローカー」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
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ベイビー・ブローカーの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
130分 |
日・日(大字幕) |
韓:ドルビーデジタル5.1ch |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
GADR2558 |
2022年12月02日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
351枚
|
104人
|
139人
|
ベイビー・ブローカーの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
130分 |
日・日(大字幕) |
韓:ドルビーデジタル5.1ch |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
GADR2558 |
2022年12月02日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
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|
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ユーザーレビュー:14件
良くも悪くも是枝映画、悪人「薄め」と「母親への愛着」
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
監督・脚本・編集は是枝裕和監督、キャストはすべて韓国人であり、撮影・音楽なども韓国人スタッフが務める韓国映画。
冒頭は夜の雨の路地裏に女が現れるシーン。いかにも韓国映画らしいルックで幕を開ける。
ソヨン(イ・ジウン)というその女は、教会にある「赤ちゃんポスト(ベイビー・ボックス)」に赤ん坊を預けに来たのだ。
直後、2人の男が赤ん坊を連れだす。サンヒョン(ソン・ガンホ)と、教会で働く若い男ドンス(カン・ドンウォン)。
彼らは赤ん坊をこっそり連れ出しては、新しい親を見つけて謝礼を受け取る裏稼業「ベイビー・ブローカー」をしていた。
(孤児院にゆくより、望まれる養子になった方が良い)という建前こそあろうが、
人のふんどしで相撲を取る、というか資本金ゼロのちゃっかり商売というか、
一回の斡旋で300万円位謝礼を得るというのだからボロい。
日本には赤ちゃんポストは熊本にしかないが韓国には多数あるらしい。養父母の方にも、大っぴらに出来ない事情があり、
いかにも法の網をくぐった韓国らしい犯罪である。
(なのでわざわざ韓国を舞台にしたのだろう)
さて、翌日、思い直して戻ってきたヤンママ、ソヨンが現れる。
ソヨンは自分も同行させろと言い、サンヒョンとドンスは思いがけず赤ん坊の母親と一緒に養父母探しの旅に出るハメになる。
(前半の描写では、ソヨンは母乳の張りもなく、おむつも替えない。態度も悪い、
赤ちゃんをドンスに預けっぱなしで山のようなコスメを広げて化粧してる。しかも、殺人犯なのであった。)
赤ちゃんの顔がイケメンじゃないとか言われて、ムカッとする所は可愛いが。(笑)
この犯罪者集団のロードムービーを、どこまでもふんわりと、優しく描くのが
是枝監督の手法だ。『海街diary』だと思って観れば、なるほどと思ってしまった。
彼らを尾行しているペ・ドウナ刑事は車中でガツガツ食っているだけで、どうなるのと心配になる。
殺人犯を逃したら、違法売買現行犯の手柄どこらじゃないさね。
ペドウナ刑事たちはおとり捜査までして子供を売らせて、現行犯逮捕しようとする。
「売れ、売れ、売っちまえ!」と内心、その瞬間を待ってる刑事。
あんた、どっち側の人なの?(笑)
サンヒョンたちは、高額ならなんでもいいと思ってるわけじゃない事が逆説的に知れる。
悪人なのに、いい人みたいに見えてくる。(ラストの展開も。)尻上がりに面白くなる作品だ。
(でも私はね、クリーニング屋さんなのに、勝手に客の服を使用するシーンがすごくイヤなの。)
結論をいそぐと、『子供を捨てた母親にも止むに止まれぬ事情があった』
『母親はそれを由とはしていない』
だから、子供の方は「捨てられた、いらない存在なんだ」とは決して考えないでくれというメッセージだろう。
実の家族の中にいてさえ子供は「愛されていないんじゃないか」と思う時がある。
家族のつながりは、いくら描いても、描ききれない。
このレビューは気に入りましたか?
8人の会員が気に入ったと投稿しています
存在の肯定
監督・脚本:是枝裕和(2022年・韓国・130分)
原題:BROKER
雨の夜、教会の前に赤ん坊をそっと置いて去っていく若い母親。
その様子を車の中から見張っているのは、警官のスジン(ペ・ドゥナ)と後輩警官のイ(イ・ジュヨン)だった。
このままでは赤ん坊が雨に濡れてしまう。「捨てるなら産むな」とつぶやきながら、赤ん坊をポストの中に入れたのはスジンだった。
赤ちゃんポストは、中に赤ちゃんが入れられるとブザーが鳴って報せるように出来ていて、サンヒョン(ソン・ガンホ)とドンス(カン・ドンウォン)が赤ちゃんを回収。そして、ビデオの記録を消してしまう。彼らは、ポストに預けられた赤ん坊をこっそり連れ出して売る“ベイビーブローカー”だった。
そして、スジンらは、実際に赤ん坊が売られる現場を押さえて現行犯で逮捕しようと張り込んでいたのだった。
韓国映画なのでちょっと身構えて観始めたのだったが、思ったような悲惨なことにはならず、翌日思い直して戻って来た若い母親・ソヨン(イ・ジウン)が、ベイビーブローカーの二人に同行して赤ん坊の新しい親探しをするという、何とも奇妙なロードムービーだった。
最初に面会した夫婦は、ソヨンの赤ちゃんのウソンを見るなり、写真より可愛くないだの眉が薄いだのと難癖を付け、当初の提示額を値切った上に分割にしろと言いだし、ソヨンが怒って商談決裂。(決裂してよかった)
次の養子を望む夫婦に会う前に、一行はドンスが育った児童養護施設に寄ったのだったが、その施設のヘジンという8歳の少年がこっそり彼らのワゴンに忍び込んで付いてきてしまう。
という訳で、中年男一人、若い男女、少年一人、赤ん坊一人という計5人の珍道中になってしまった。このヘジンが機転の利く子で、大人たちは何度ヘジンに助けられ癒されたことだろう。
この後、ソヨンが訳ありのまま出産したこと、実はウソンを犯罪者の子供にしたくなくて捨てたこと、等々語られるのだがここでは割愛する。
是枝監督が本作の準備中に投げ掛けられたという養護施設で育った子供たちの問い。それは「果たして自分は生まれて来てよかったのだろうか」だったという。
これまで数々の作品の中で、父性や母性、家族の形・あり方などを描き続けてきた監督でさえ、明確な回答は出来なかったというが、きっと誰にも答えることのできない問いだと思う。
話はちょっと横道に逸れるが、近年、親からの虐待で子供が命を落とす痛ましい事件が起きている。そんな事件を見聞きするたびに「この子たちは、何のために生まれて来たのだろう。これがこの子たちの一生だなんて」と思うことがある。他の家に生まれていたら、こんな目には合わなかったのに。虐待されて死ぬくらいなら、親から引き離されても施設に入ったり、里子に出された方がましじゃないか。と思うこともしばしばである。
アイデンティティとか自己の存在理由とか色々言われるけれど、本作終盤では、8歳のヘジンが大きな役割を果たしてくれた。ヘジンは、ソヨンに「みんなに生まれて来てくれてありがとうって言ってよ」と促し、ソヨンは一人一人に「ウソン、生まれて来てくれてありがとう」「ヘジン、生まれて来てくれてありがとう」「サンヒョン・・・」「ドンス・・・」と声に出していく。最後にヘジンが「ソヨン。生まれて来てくれてありがとう」と彼女にも言うのだが、多くの子供がこうして、生まれたことに祝福と感謝を持って迎えられた筈なのだ。
存在は肯定され、認められてこそ、人は何とか生きて行く勇気を得られるように思うのだ。
あと味の良い結末となったが、これも「是枝テースト」なのだろうか。綺麗事と言われようが、その綺麗事が現実になるに越したことはないのだもの。
このレビューは気に入りましたか?
5人の会員が気に入ったと投稿しています
血縁だけが家族じゃない
是枝監督の描く家族は、《万引き家族》や《そして父になる》で描いたように
血縁だけで絆が繋がるわけではないということを再認識させられます。
なかなか良かったです。
物語の路線としては《万引家族》に似た話。
特別大きな盛り上がりがあるわけではないですが
『生まれてきてれてありがとう』を
すべての人に向けているのだと思いました。
赤ちゃんポストに子供を捨てた母親が
どうして生んだのか?と問われて
『お腹にいるときに殺すのと、生まれてから捨てるのでは
どちらが罪が重いのか?』
と逆に問います。
その言葉がとても印象的で記憶に残りました。
人の命の重さを問う作品。
何が正解かは無いですが、赤ちゃんを思う皆の気持ちに
温かいものがありました。
あと、カン・ドンウォンが相変わらず素敵でした。
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4人の会員が気に入ったと投稿しています
半地下より好きな作品
投稿日:2022/12/12
レビュアー:たかちゃん
うまく仕上がった作品で好きです。登場人物全てがそれぞれの役割をしっかり演じている。買春から意図しない妊娠、そしてベイビーブローカーと遭遇する出来事でストーリーを展開する。半地下よりも好きです。アカデミー主演男優賞も納得です。
このレビューは気に入りましたか?
1人の会員が気に入ったと投稿しています
母性 そして父性のバラード
( ネタばれあり )
教会の赤ちゃんポストに預けられた赤ん坊を、盗んで闇の養子縁組で稼ごうとする男たち、預けたものの複雑な思いに揺れる産みの母親、犯罪の現場を押さえようとする刑事たち。 その釜山からソウルまでのロード・ムービー。
『 万引き家族 』でカンヌ映画祭パルムドール受賞の是枝裕和監督と、カンヌ映画祭パルムドールとアカデミー作品賞の『 パラサイト 半地下の家族 』の主演ソン・ガンホのコラボで注目されました。 ( 本作の企画は両作品以前の5年前から進行。 )
ソン・ガンホは本作でカンヌ映画祭男優賞を韓国人俳優としては初受賞となる快挙。
映画作家・是枝裕和を語る時「 母とは何か。 」「 母性とは何か。 」は欠かせないテーマ。
特に実母を失くし、『 歩いても歩いても 』以降の、師とも言えるほどの畏敬を持って接した樹木希林とのコラボでその点が顕著ですが、それ以前の『 誰も知らない 』でも子供を置き去りにする母親が出てきます。
『 万引き家族 』『 パラサイト 半地下の家族 』両作品とも、社会から疎外され負を抱えたはみ出し者たちを描きながら、「 家族とは何か 」を真摯に問うていて、本作も共通するものがあります。
ただ先の両作品には感動しながらも、主人公には社会に対する「 ルサンチマンの「うそぶき 」を多少感じましたが、本作の登場人物にはそうした思いを抱きませんでした。
それは韓国映画というと喜怒哀楽いずれも感情の激しさ、時に残酷なまでの過激な表現を予期してしまいますが、この世の悲哀と寂寥感を感じさせながらもなお人のあたたかみを感じさせ、バラードのように静かに情感を語る是枝作品だからでしょうか。
あるいは、赤ん坊と途中から加わる子どもに接するうちに、男たちも含めおのれの中に母性を見る登場人物たち、犯罪という形になってしまうものの「 家族 」を守るf父 」となったハ・サンヒョン( ソン・ガンホ )への共感でしょうか。
『 そして父になる 』同様、これも「 父 」の映画でもある。
テイクごとに違う演技を見せて是枝監督を驚かせ、それぞれをしっかりと覚えていて編集の際つながりを提案したソン・ガンホ。
テレビ、ドキュメンタリー出身で、作家性に閉じないライブ感覚を大切にする( あいかわらず子役の使い方がうまい )是枝裕和。
他のキャストの演技もすばらしかったと思います。
海外からマエストロを指揮者に招いた実力あるオーケストラのように、それぞれの個性をぶつけ合いながらも、柔軟性を失わず、互いの魅力をうまく引き出したコラボレーションではないでしょうか。
このレビューは気に入りましたか?
1人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
良くも悪くも是枝映画、悪人「薄め」と「母親への愛着」
投稿日
2022/12/04
レビュアー
くまげらの森
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
監督・脚本・編集は是枝裕和監督、キャストはすべて韓国人であり、撮影・音楽なども韓国人スタッフが務める韓国映画。
冒頭は夜の雨の路地裏に女が現れるシーン。いかにも韓国映画らしいルックで幕を開ける。
ソヨン(イ・ジウン)というその女は、教会にある「赤ちゃんポスト(ベイビー・ボックス)」に赤ん坊を預けに来たのだ。
直後、2人の男が赤ん坊を連れだす。サンヒョン(ソン・ガンホ)と、教会で働く若い男ドンス(カン・ドンウォン)。
彼らは赤ん坊をこっそり連れ出しては、新しい親を見つけて謝礼を受け取る裏稼業「ベイビー・ブローカー」をしていた。
(孤児院にゆくより、望まれる養子になった方が良い)という建前こそあろうが、
人のふんどしで相撲を取る、というか資本金ゼロのちゃっかり商売というか、
一回の斡旋で300万円位謝礼を得るというのだからボロい。
日本には赤ちゃんポストは熊本にしかないが韓国には多数あるらしい。養父母の方にも、大っぴらに出来ない事情があり、
いかにも法の網をくぐった韓国らしい犯罪である。
(なのでわざわざ韓国を舞台にしたのだろう)
さて、翌日、思い直して戻ってきたヤンママ、ソヨンが現れる。
ソヨンは自分も同行させろと言い、サンヒョンとドンスは思いがけず赤ん坊の母親と一緒に養父母探しの旅に出るハメになる。
(前半の描写では、ソヨンは母乳の張りもなく、おむつも替えない。態度も悪い、
赤ちゃんをドンスに預けっぱなしで山のようなコスメを広げて化粧してる。しかも、殺人犯なのであった。)
赤ちゃんの顔がイケメンじゃないとか言われて、ムカッとする所は可愛いが。(笑)
この犯罪者集団のロードムービーを、どこまでもふんわりと、優しく描くのが
是枝監督の手法だ。『海街diary』だと思って観れば、なるほどと思ってしまった。
彼らを尾行しているペ・ドウナ刑事は車中でガツガツ食っているだけで、どうなるのと心配になる。
殺人犯を逃したら、違法売買現行犯の手柄どこらじゃないさね。
ペドウナ刑事たちはおとり捜査までして子供を売らせて、現行犯逮捕しようとする。
「売れ、売れ、売っちまえ!」と内心、その瞬間を待ってる刑事。
あんた、どっち側の人なの?(笑)
サンヒョンたちは、高額ならなんでもいいと思ってるわけじゃない事が逆説的に知れる。
悪人なのに、いい人みたいに見えてくる。(ラストの展開も。)尻上がりに面白くなる作品だ。
(でも私はね、クリーニング屋さんなのに、勝手に客の服を使用するシーンがすごくイヤなの。)
結論をいそぐと、『子供を捨てた母親にも止むに止まれぬ事情があった』
『母親はそれを由とはしていない』
だから、子供の方は「捨てられた、いらない存在なんだ」とは決して考えないでくれというメッセージだろう。
実の家族の中にいてさえ子供は「愛されていないんじゃないか」と思う時がある。
家族のつながりは、いくら描いても、描ききれない。
存在の肯定
投稿日
2022/12/13
レビュアー
kazupon
監督・脚本:是枝裕和(2022年・韓国・130分)
原題:BROKER
雨の夜、教会の前に赤ん坊をそっと置いて去っていく若い母親。
その様子を車の中から見張っているのは、警官のスジン(ペ・ドゥナ)と後輩警官のイ(イ・ジュヨン)だった。
このままでは赤ん坊が雨に濡れてしまう。「捨てるなら産むな」とつぶやきながら、赤ん坊をポストの中に入れたのはスジンだった。
赤ちゃんポストは、中に赤ちゃんが入れられるとブザーが鳴って報せるように出来ていて、サンヒョン(ソン・ガンホ)とドンス(カン・ドンウォン)が赤ちゃんを回収。そして、ビデオの記録を消してしまう。彼らは、ポストに預けられた赤ん坊をこっそり連れ出して売る“ベイビーブローカー”だった。
そして、スジンらは、実際に赤ん坊が売られる現場を押さえて現行犯で逮捕しようと張り込んでいたのだった。
韓国映画なのでちょっと身構えて観始めたのだったが、思ったような悲惨なことにはならず、翌日思い直して戻って来た若い母親・ソヨン(イ・ジウン)が、ベイビーブローカーの二人に同行して赤ん坊の新しい親探しをするという、何とも奇妙なロードムービーだった。
最初に面会した夫婦は、ソヨンの赤ちゃんのウソンを見るなり、写真より可愛くないだの眉が薄いだのと難癖を付け、当初の提示額を値切った上に分割にしろと言いだし、ソヨンが怒って商談決裂。(決裂してよかった)
次の養子を望む夫婦に会う前に、一行はドンスが育った児童養護施設に寄ったのだったが、その施設のヘジンという8歳の少年がこっそり彼らのワゴンに忍び込んで付いてきてしまう。
という訳で、中年男一人、若い男女、少年一人、赤ん坊一人という計5人の珍道中になってしまった。このヘジンが機転の利く子で、大人たちは何度ヘジンに助けられ癒されたことだろう。
この後、ソヨンが訳ありのまま出産したこと、実はウソンを犯罪者の子供にしたくなくて捨てたこと、等々語られるのだがここでは割愛する。
是枝監督が本作の準備中に投げ掛けられたという養護施設で育った子供たちの問い。それは「果たして自分は生まれて来てよかったのだろうか」だったという。
これまで数々の作品の中で、父性や母性、家族の形・あり方などを描き続けてきた監督でさえ、明確な回答は出来なかったというが、きっと誰にも答えることのできない問いだと思う。
話はちょっと横道に逸れるが、近年、親からの虐待で子供が命を落とす痛ましい事件が起きている。そんな事件を見聞きするたびに「この子たちは、何のために生まれて来たのだろう。これがこの子たちの一生だなんて」と思うことがある。他の家に生まれていたら、こんな目には合わなかったのに。虐待されて死ぬくらいなら、親から引き離されても施設に入ったり、里子に出された方がましじゃないか。と思うこともしばしばである。
アイデンティティとか自己の存在理由とか色々言われるけれど、本作終盤では、8歳のヘジンが大きな役割を果たしてくれた。ヘジンは、ソヨンに「みんなに生まれて来てくれてありがとうって言ってよ」と促し、ソヨンは一人一人に「ウソン、生まれて来てくれてありがとう」「ヘジン、生まれて来てくれてありがとう」「サンヒョン・・・」「ドンス・・・」と声に出していく。最後にヘジンが「ソヨン。生まれて来てくれてありがとう」と彼女にも言うのだが、多くの子供がこうして、生まれたことに祝福と感謝を持って迎えられた筈なのだ。
存在は肯定され、認められてこそ、人は何とか生きて行く勇気を得られるように思うのだ。
あと味の良い結末となったが、これも「是枝テースト」なのだろうか。綺麗事と言われようが、その綺麗事が現実になるに越したことはないのだもの。
血縁だけが家族じゃない
投稿日
2022/11/06
レビュアー
飛べない魔女
是枝監督の描く家族は、《万引き家族》や《そして父になる》で描いたように
血縁だけで絆が繋がるわけではないということを再認識させられます。
なかなか良かったです。
物語の路線としては《万引家族》に似た話。
特別大きな盛り上がりがあるわけではないですが
『生まれてきてれてありがとう』を
すべての人に向けているのだと思いました。
赤ちゃんポストに子供を捨てた母親が
どうして生んだのか?と問われて
『お腹にいるときに殺すのと、生まれてから捨てるのでは
どちらが罪が重いのか?』
と逆に問います。
その言葉がとても印象的で記憶に残りました。
人の命の重さを問う作品。
何が正解かは無いですが、赤ちゃんを思う皆の気持ちに
温かいものがありました。
あと、カン・ドンウォンが相変わらず素敵でした。
半地下より好きな作品
投稿日
2022/12/12
レビュアー
たかちゃん
うまく仕上がった作品で好きです。登場人物全てがそれぞれの役割をしっかり演じている。買春から意図しない妊娠、そしてベイビーブローカーと遭遇する出来事でストーリーを展開する。半地下よりも好きです。アカデミー主演男優賞も納得です。
母性 そして父性のバラード
投稿日
2022/11/07
レビュアー
ロキュータス
( ネタばれあり )
教会の赤ちゃんポストに預けられた赤ん坊を、盗んで闇の養子縁組で稼ごうとする男たち、預けたものの複雑な思いに揺れる産みの母親、犯罪の現場を押さえようとする刑事たち。 その釜山からソウルまでのロード・ムービー。
『 万引き家族 』でカンヌ映画祭パルムドール受賞の是枝裕和監督と、カンヌ映画祭パルムドールとアカデミー作品賞の『 パラサイト 半地下の家族 』の主演ソン・ガンホのコラボで注目されました。 ( 本作の企画は両作品以前の5年前から進行。 )
ソン・ガンホは本作でカンヌ映画祭男優賞を韓国人俳優としては初受賞となる快挙。
映画作家・是枝裕和を語る時「 母とは何か。 」「 母性とは何か。 」は欠かせないテーマ。
特に実母を失くし、『 歩いても歩いても 』以降の、師とも言えるほどの畏敬を持って接した樹木希林とのコラボでその点が顕著ですが、それ以前の『 誰も知らない 』でも子供を置き去りにする母親が出てきます。
『 万引き家族 』『 パラサイト 半地下の家族 』両作品とも、社会から疎外され負を抱えたはみ出し者たちを描きながら、「 家族とは何か 」を真摯に問うていて、本作も共通するものがあります。
ただ先の両作品には感動しながらも、主人公には社会に対する「 ルサンチマンの「うそぶき 」を多少感じましたが、本作の登場人物にはそうした思いを抱きませんでした。
それは韓国映画というと喜怒哀楽いずれも感情の激しさ、時に残酷なまでの過激な表現を予期してしまいますが、この世の悲哀と寂寥感を感じさせながらもなお人のあたたかみを感じさせ、バラードのように静かに情感を語る是枝作品だからでしょうか。
あるいは、赤ん坊と途中から加わる子どもに接するうちに、男たちも含めおのれの中に母性を見る登場人物たち、犯罪という形になってしまうものの「 家族 」を守るf父 」となったハ・サンヒョン( ソン・ガンホ )への共感でしょうか。
『 そして父になる 』同様、これも「 父 」の映画でもある。
テイクごとに違う演技を見せて是枝監督を驚かせ、それぞれをしっかりと覚えていて編集の際つながりを提案したソン・ガンホ。
テレビ、ドキュメンタリー出身で、作家性に閉じないライブ感覚を大切にする( あいかわらず子役の使い方がうまい )是枝裕和。
他のキャストの演技もすばらしかったと思います。
海外からマエストロを指揮者に招いた実力あるオーケストラのように、それぞれの個性をぶつけ合いながらも、柔軟性を失わず、互いの魅力をうまく引き出したコラボレーションではないでしょうか。
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