モーリタニアン 黒塗りの記録 / ジョディ・フォスター
モーリタニアン 黒塗りの記録
/ケヴィン・マクドナルド
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(14)
解説・ストーリー
2001年の9.11米国同時多発テロの後、首謀者の一人と疑われ、米国の法の支配が及ばないキューバのグアンタナモ米軍基地に収容され、正当な司法手続きのないままに長期間にわたって拘禁され続けたモーリタニア人、モハメドゥ・ウルド・スラヒの衝撃の手記を映画化した社会派サスペンス・ドラマ。国中が深い悲しみと憎悪で感情的になる中、無実を訴えるスラヒを救い出すために奔走する人権派弁護士と、スラヒは死刑にしなければならないと信じる米軍の弁護士が、それぞれに法律家としての信念を貫き、次第にアメリカの深い闇に迫っていくさまを描く。出演はジョディ・フォスター、タハール・ラヒム、シェイリーン・ウッドリー、ベネディクト・カンバーバッチ。監督は「ラストキング・オブ・スコットランド」のケヴィン・マクドナルド。 JAN:4988111856579
2001年の9.11米国同時多発テロの後、首謀者の一人と疑われ、米国の法の支配が及ばないキューバのグアンタナモ米軍基地に収容され、正当な司法手続きのないままに長期間にわたって拘禁され続けたモーリタニア人、モハメドゥ・ウルド・スラヒの衝撃の手記を映画化した社会派サスペンス・ドラマ。国中が深い悲しみと憎悪で感情的になる中、無実を訴えるスラヒを救い出すために奔走する人権派弁護士と、スラヒは死刑にしなければならないと信じる米軍の弁護士が、それぞれに法律家としての信念を貫き、次第にアメリカの深い闇に迫っていくさまを描く。出演はジョディ・フォスター、タハール・ラヒム、シェイリーン・ウッドリー、ベネディクト・カンバーバッチ。監督は「ラストキング・オブ・スコットランド」のケヴィン・マクドナルド。 JAN:4988111856579
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「モーリタニアン 黒塗りの記録」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
2001年の9.11米国同時多発テロの後、首謀者の一人と疑われ、米国の法の支配が及ばないキューバのグアンタナモ米軍基地に収容され、正当な司法手続きのないままに長期間にわたって拘禁され続けたモーリタニア人、モハメドゥ・ウルド・スラヒの衝撃の手記を映画化した社会派サスペンス・ドラマ。国中が深い悲しみと憎悪で感情的になる中、無実を訴えるスラヒを救い出すために奔走する人権派弁護士と、スラヒは死刑にしなければならないと信じる米軍の弁護士が、それぞれに法律家としての信念を貫き、次第にアメリカの深い闇に迫っていくさまを描く。出演はジョディ・フォスター、タハール・ラヒム、シェイリーン・ウッドリー、ベネディクト・カンバーバッチ。監督は「ラストキング・オブ・スコットランド」のケヴィン・マクドナルド。 JAN:4988111856579
「モーリタニアン 黒塗りの記録」 の作品情報
「モーリタニアン 黒塗りの記録」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
モーリタニアン 黒塗りの記録の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
129分 |
日 |
英・アラビア・仏:ドルビーデジタル5.1ch |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DABR5827 |
2022年03月16日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
11枚
|
0人
|
0人
|
モーリタニアン 黒塗りの記録の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
129分 |
日 |
英・アラビア・仏:ドルビーデジタル5.1ch |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DABR5827 |
2022年03月16日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
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ユーザーレビュー:14件
グァンタナモ収容所の人権侵害の事実を告発した映画。
投稿日:2022/03/17
レビュアー:アーモンド
2021年(イギリス)監督:ケビン・マクドナルド。
2015年。一冊の本が出版されました。
「グァンタナモ収容所 地獄からの手記」
著者は9・11の協力者を疑われたモーリタニア人のモハメドゥ・ウルド・スラヒ。
黒塗りだらけなのは、彼を救うために奔走した弁護士ナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)が
請求したモハメドゥの調書が、黒く消されてほぼ読めなかった事を、皮肉ったのです。
9・11以後、キューバのアメリカ軍基地に併設されたグァンタナモ収容所。
人間の尊厳を否定する拷問が行われたことで有名ですが、幾ら政治犯でもテロ予備軍でも、
人間としての最低限の人権は守られるべきなのでは?
ましてモハメドゥは無実の可能性がとても高かったのです。
不屈の弁護士ナンシーの心血を注いだ努力。
起訴する側のスチュアート中尉(ベネディクト・カンバーバッチ)ですら、
黒塗りの調書にアメリカ政府の違法性を感じるのでした。
まあ本当に想像を絶する長さの拘束・拘禁。
水責め、3日間も寝せない、同じ無理な姿勢を6時間も続けさせる、酷い拷問でした。
その拷問を積極的に認めたラムズフェルド。
そして正義の人のような顔をしたオバマ前大統領も、同じ穴のムジナ。
この告発の映画はBBC制作のイギリス映画なのも皮肉ですね。
原作に惚れ込んだベネディクト・カンバーバッチが一番に映画化を望みました。
ただし、収容されていてその後に自由の身となった収監者の13%が、
テロ活動に戻ると言った、ショッキングなデータがあるのも事実です。
このレビューは気に入りましたか?
9人の会員が気に入ったと投稿しています
悪名高いグエンタナモ基地収容所で壮絶に闘い抜いた人
ジョディ・フォスター演じる(さすがの名演)敏腕弁護士ナンシー・ホランダーが一見主役のように見えるが、ストーリーの進行につれて、原題が示すように主役は、グエンタナモに不当に拘禁されたひとりのモーリタニア人モハメドゥ・ウルド・スラヒなのだと分かってくる。当作品は彼による手記の映画化であり、実話に基づくとかではなく、はっきりと本当の話(true story)だと明記されている。
映画は、スラヒ自身と、彼の救出に奔走する弁護士ナンシーと、彼を起訴しようとする検察側の誠実で良心的なスチュアート・カウチ中佐の3人を、並行して等分に描いているので、国家権力の横暴や不当性を告発するという主題がかなり曖昧になっているのが、とても残念だ。被害者側だけではなく、ナンシーやスチュアートの公正を貫こうとする行動にかなりの時間が割かれているのは、正義に殉ずるこういう善意の人もいるのだと、民主国家にあるまじき残虐な不当行為に対する一種の暗黙の免罪符のようになっているのではないかとすら思えてしまう。最後に幸せそうなスラヒ氏本人の映像が流れるが、これもまた免罪符になりかねない。2001年に本国で不当逮捕されてから2016年に解放されるまで、彼は二度と母親との再会さえも果たせなかったというのに。
9・11という未曾有のテロが起こり、面目を失ったアメリカ政府にとっては、悲嘆する国民にはっきりと目に見える形で、その首謀者や関係者を特定し処罰することが急務だった。あれだけ正義や公正を標榜している国家が、そのためには手段を選ばず、人権無視さえも厭わなかった。とにかく誰かをテロの罪状で死刑にしたい、この映画によればその最初のターゲットにされたのがスラヒだった。起訴し死刑にするには証拠が稀薄であったにもかかわらず、だからこそどんな手段を講じてでも彼の自白が必要不可欠だったのだ。
ナンシーが収容所のあるグエンタナモ基地を初めて訪れた時、係官はここは米国司法の管轄外だと注意を促す。つまり、ここでは軍法以外、アメリカの法は適用されないし、法によって守られることもないということだ。一種の治外法権であり、軍はここで何をしてもアメリカの司法では罰せられない。その気になれば何の処罰を受ける惧れもなく、理由の如何を問わず、収容されている人々を虐待し放題という意味でもある。また、たとえ裁判で無罪になったとしても、恣意的にいくらでも拘禁を続けることさえできる。
この映画は、このような身の毛もよだつ恐ろしい場所で、信仰を唯一の支えに、一縷の希望を持って、想像を絶する理不尽で残虐な精神的肉体的拷問に耐え、生き抜いたひとりのモーリタニア人の物語なのだ。法の公正という信念のもと、彼を救出しようと奔走するナンシーの必死の努力がなければ、彼は助からなかったかもしれない。また、テロで親友を喪い、検察側であるにもかかわらず、調査の結果、起訴は不当だと軍の命令に逆らって任を辞したスチュワートの良心は、この悲惨な物語の微かな救いになっているのかもしれない。けれど、だからといって、グエンタナモで行われたことが謝罪も反省もなく見過ごされていいはずはない。書類や手記の黒塗りの多さが示しているように、恥を知れと言いたくなる法治国家の不都合な真実の一端を、映像によって明らかにしただけでも、この映画の価値は大きいと思える。
このレビューは気に入りましたか?
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9.11テロの「白」を「黒」にしようとするアメリカの闇
(2021年制作・イギリス・アメリカ)ケヴィン・マクドナルド監督。
キューバのグアンタナモ収容所で実際に起きた出来事をベースにした映画。
アフリカのモーリタニア出身のモハメドゥ・スラヒ(タハール・ラヒム)は、
アメリカ同時多発テロ事件9.11テロに関わった重要なリクルーターとして逮捕され
裁判なしにグアンタナモ収容所に8年間も閉じ込められていた。
人権派弁護士のナンシー(ジョディ・フォスター)はアシスタントのテリーを連れて
モハメドゥに会いに行き、裁判なしに長期間、人を収容所に閉じ込めるのは違法であるとして訴えを起こす。
モハメドゥは90年代にアフガニスタンに渡り、アルカイダで訓練を受けて戦ったことがあるが、以降はアルカイダにかかわっておらず、9.11テロに関係したという証拠は出てきていなかった。
一方、アメリカ政府はモハメドゥを死刑にすべく、優秀な弁護士で軍人でもあるスチュアート(ベネディクト・カンバーバッチ)を検察側の担当にするが、調査をすすめてもあまりきちんとしたモハメドゥの罪状の裏付けが出てこず、スチュアートは困惑してしまう。
弁護士のナンシーはモハメドゥを助けるために、真実を解明しようとする。
スチュアート中佐はモハメドゥを死刑にするために、調査を開始する。
両者はまったく正反対の目的で調査を開始する。ところが、その行き着き先は同じ一つの真実だった。
モハメドゥに関する調書は、ほとんどがベッタリと黒塗りで、全然中身がわからない状態。それでも、ナンシーとスチュアートはそれぞれ別の立場から調査を進め、やっとのことで、MFR(=Memorandum For Record、収容所での尋問の記録用覚書)にたどり着く。
そして驚愕の真相、恐ろしい「拷問」による自白の強要。暴力は序の口で、
(苦痛を伴う姿勢での静止20時間、水責め、、睡眠妨害、家族を襲うと脅迫するなど、
「人を中から壊す」行為。)── 彼は、ついにやってもいないことを自白したのだった。
信心深くて真面目で神と法に忠実であろうとするスチュアートが、違法な拷問に怒って仕事を降りてしまうというのは意外な展開ではあるが、事実だそうだ。
「アメリカの良心」。それを描く映画は沢山ある。また、司法やジャーナリズムの誇りを感じさせるものもたくさんある。、政治や戦争の不正を告発し、それがどんなに酷いものであるかを描きながらも、一方では、それらを自ら糾し、跳ね返していく力が、メディアにも、政治家にもあるのだという描き方がされて希望を見せる。
闇と同時に光を描くのが、アメリカの民主主義への自負なのかもしれない。
しかしながら、 グアンタナモ収容所の問題は、モハメドゥのように裁判が出来て勝利を得たのは、ほんの一部のはず、(それでも15年も収監された)
その陰には、拷問による虚偽の自白によって、身に覚えのなく逮捕された人間、その中で苦しんで自殺した人間、あるいは精神を壊された人間がどれだけいるのか・・・。
黒く塗りつぶさなければならない報告書とは、どんな意味があるのだろうか。
このレビューは気に入りましたか?
5人の会員が気に入ったと投稿しています
今だからこそ見て欲しい映画。
非常にショックな内容の映画だった。
でも、多くの人に見て欲しい。
イギリスBBCの製作。
アメリカの内部の醜い部分を、ラムズフェルド元長官、オバマ元大統領という
実名を交えて描いている。
広島で、平和を訴える姿の裏で、このような非人道的な蛮行をさせていたなんて。
言葉を失う。
9月11日の同時多発テロは本当に衝撃的な出来事だった。
自分たちの主張をアナウンスするために誰かの命を奪うなんて絶対許してはいけない。
現に今進行中の、プーチン大統領の妄想的思い込みから他国を侵略し、殺戮を行うことも
許してはいけない。
自国民が悲しみに打ちひしがれ、憎しみを抱いていても、
テロ実行者の特定にグレーな人物を片っぱしから拘禁し、目を覆うようなやり方で
自分たちのストーリーに乗っけようとねじ込むことは、なんの解決にもならない。
同じ穴のむじな、テロリストとやってることが同じになってしまう。
拘禁されたスラヒ、スラヒの弁護人、米軍側から起訴を担当させられた中尉。
この3人が外部の圧力やヒステリーに屈せず、丁寧に事実を追い、信念を曲げなかったことで
正しい道が開かれた。
これは分岐点で、そこから更に困難が続いたことが紹介される。
3人の人柄がほんとに魅力的で、崩れ落ちてしまわないかドキドキハラハラする。
演じたタハール・ラヒム、ジョディ・フォスター、ベネディクト・カンバーバッチが素晴らしい。
「HOME LAND」も本作、「モーリタニアン黒塗りの記録」と同様911から派生した
問題を追い、アメリカの不都合な見せたくない部分を克明に描いている。
本作はイギリス発信だが、「HOME LAND」はアメリカ自身がアメリカを告発している。
いずれにせよ、国家の見せたくない部分を表現しても公開し、逮捕されない国である
ことが肝心なところだと思う。
未だに国家にとって不都合な映画、本は検閲にかかり上映できない、報道もできない、
発言すれば逮捕・監禁されることが日常の国が存在する。
日本でものり弁と揶揄される黒塗りの記録はよく目にする。
けど、それに対して批判できる国、という点でありがたい。
このレビューは気に入りましたか?
3人の会員が気に入ったと投稿しています
海苔弁資料
投稿日:2023/06/06
レビュアー:こうさま
9/11アメリカで起こった史上最悪の同時多発テロの首謀者の一人として拘束された
モーリタニア人モハメドゥ・スラヒの手記を基に制作された作品で名優ジョディー・フォスターの演技が光る。
テロ事件から数ケ月後、拘束されたスラヒ、その容疑はテロ事件実行犯(航空機乗っ取り犯)を勧誘した、いわゆるリクルーターとしての容疑で、本人は否定するが、CIAの調査では彼がテロの首謀者ビン・ラーディンの衛生電話を使って従兄弟と通話した記録、アルカイダの訓練を体験していること、そして実行犯の一人を宿泊させたことなどが挙げられている。
3000人もの罪のない人の命を奪ったテロ事件に世界は震撼し、アメリカは怒りに震えた。
軍の上層部から「正義の鉄槌」を下すためにスラヒを死刑第一号にするため、起訴に必要な手続きを命じられたスチュワート中佐、そしてスラヒの容疑云々ではなく、起訴も裁判もされずに拘束されている不当性を訴える人権派弁護士ナンシー・ホランダー、二人はその立場は違えども逆風の中徹底的な解明に乗り出す。
このテロ事件の容疑者は処罰さけなければならないが「それは誰でもよいという訳ではない」スチュワート中佐の言葉はなかなか印象的。
軍による調査資料の強制開示を求めるナンシー、でも届いた記録はほとんど黒塗りされた資料ばかり、日本でもお馴染みの「海苔弁」資料というやつだ。
スチュワートもスラヒの自白調書の過程を記した極秘扱いになっている取り調べメモを閲覧、いったいアメリカ政府はなにを隠そうとしていたのか。
そしてスラヒが取り調べを受けていたキューバ、グアンタナモ収容所での恐るべき真実が明らかにされて行く。
確かこの収容所のニュースは国際社会でも問題になり、その後オバマ政権が閉鎖を命じたと記憶している。
本作の肝は周囲からの批判、非難を浴びながらもその信念を貫いたナンシー、スチュワート中佐が創り上げた「人間の尊厳のドラマ」ということであろう、こうした悲惨な事件が起こると人々は熱くなるのは仕方ないことだろうが、時間が経って冷静に考えてみれば勢いに任せてしたことが間違いだったと気づくことも多々あるはずなのだ。
このレビューは気に入りましたか?
2人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
グァンタナモ収容所の人権侵害の事実を告発した映画。
投稿日
2022/03/17
レビュアー
アーモンド
2021年(イギリス)監督:ケビン・マクドナルド。
2015年。一冊の本が出版されました。
「グァンタナモ収容所 地獄からの手記」
著者は9・11の協力者を疑われたモーリタニア人のモハメドゥ・ウルド・スラヒ。
黒塗りだらけなのは、彼を救うために奔走した弁護士ナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)が
請求したモハメドゥの調書が、黒く消されてほぼ読めなかった事を、皮肉ったのです。
9・11以後、キューバのアメリカ軍基地に併設されたグァンタナモ収容所。
人間の尊厳を否定する拷問が行われたことで有名ですが、幾ら政治犯でもテロ予備軍でも、
人間としての最低限の人権は守られるべきなのでは?
ましてモハメドゥは無実の可能性がとても高かったのです。
不屈の弁護士ナンシーの心血を注いだ努力。
起訴する側のスチュアート中尉(ベネディクト・カンバーバッチ)ですら、
黒塗りの調書にアメリカ政府の違法性を感じるのでした。
まあ本当に想像を絶する長さの拘束・拘禁。
水責め、3日間も寝せない、同じ無理な姿勢を6時間も続けさせる、酷い拷問でした。
その拷問を積極的に認めたラムズフェルド。
そして正義の人のような顔をしたオバマ前大統領も、同じ穴のムジナ。
この告発の映画はBBC制作のイギリス映画なのも皮肉ですね。
原作に惚れ込んだベネディクト・カンバーバッチが一番に映画化を望みました。
ただし、収容されていてその後に自由の身となった収監者の13%が、
テロ活動に戻ると言った、ショッキングなデータがあるのも事実です。
悪名高いグエンタナモ基地収容所で壮絶に闘い抜いた人
投稿日
2022/04/17
レビュアー
hinakksk
ジョディ・フォスター演じる(さすがの名演)敏腕弁護士ナンシー・ホランダーが一見主役のように見えるが、ストーリーの進行につれて、原題が示すように主役は、グエンタナモに不当に拘禁されたひとりのモーリタニア人モハメドゥ・ウルド・スラヒなのだと分かってくる。当作品は彼による手記の映画化であり、実話に基づくとかではなく、はっきりと本当の話(true story)だと明記されている。
映画は、スラヒ自身と、彼の救出に奔走する弁護士ナンシーと、彼を起訴しようとする検察側の誠実で良心的なスチュアート・カウチ中佐の3人を、並行して等分に描いているので、国家権力の横暴や不当性を告発するという主題がかなり曖昧になっているのが、とても残念だ。被害者側だけではなく、ナンシーやスチュアートの公正を貫こうとする行動にかなりの時間が割かれているのは、正義に殉ずるこういう善意の人もいるのだと、民主国家にあるまじき残虐な不当行為に対する一種の暗黙の免罪符のようになっているのではないかとすら思えてしまう。最後に幸せそうなスラヒ氏本人の映像が流れるが、これもまた免罪符になりかねない。2001年に本国で不当逮捕されてから2016年に解放されるまで、彼は二度と母親との再会さえも果たせなかったというのに。
9・11という未曾有のテロが起こり、面目を失ったアメリカ政府にとっては、悲嘆する国民にはっきりと目に見える形で、その首謀者や関係者を特定し処罰することが急務だった。あれだけ正義や公正を標榜している国家が、そのためには手段を選ばず、人権無視さえも厭わなかった。とにかく誰かをテロの罪状で死刑にしたい、この映画によればその最初のターゲットにされたのがスラヒだった。起訴し死刑にするには証拠が稀薄であったにもかかわらず、だからこそどんな手段を講じてでも彼の自白が必要不可欠だったのだ。
ナンシーが収容所のあるグエンタナモ基地を初めて訪れた時、係官はここは米国司法の管轄外だと注意を促す。つまり、ここでは軍法以外、アメリカの法は適用されないし、法によって守られることもないということだ。一種の治外法権であり、軍はここで何をしてもアメリカの司法では罰せられない。その気になれば何の処罰を受ける惧れもなく、理由の如何を問わず、収容されている人々を虐待し放題という意味でもある。また、たとえ裁判で無罪になったとしても、恣意的にいくらでも拘禁を続けることさえできる。
この映画は、このような身の毛もよだつ恐ろしい場所で、信仰を唯一の支えに、一縷の希望を持って、想像を絶する理不尽で残虐な精神的肉体的拷問に耐え、生き抜いたひとりのモーリタニア人の物語なのだ。法の公正という信念のもと、彼を救出しようと奔走するナンシーの必死の努力がなければ、彼は助からなかったかもしれない。また、テロで親友を喪い、検察側であるにもかかわらず、調査の結果、起訴は不当だと軍の命令に逆らって任を辞したスチュワートの良心は、この悲惨な物語の微かな救いになっているのかもしれない。けれど、だからといって、グエンタナモで行われたことが謝罪も反省もなく見過ごされていいはずはない。書類や手記の黒塗りの多さが示しているように、恥を知れと言いたくなる法治国家の不都合な真実の一端を、映像によって明らかにしただけでも、この映画の価値は大きいと思える。
9.11テロの「白」を「黒」にしようとするアメリカの闇
投稿日
2022/03/24
レビュアー
くまげらの森
(2021年制作・イギリス・アメリカ)ケヴィン・マクドナルド監督。
キューバのグアンタナモ収容所で実際に起きた出来事をベースにした映画。
アフリカのモーリタニア出身のモハメドゥ・スラヒ(タハール・ラヒム)は、
アメリカ同時多発テロ事件9.11テロに関わった重要なリクルーターとして逮捕され
裁判なしにグアンタナモ収容所に8年間も閉じ込められていた。
人権派弁護士のナンシー(ジョディ・フォスター)はアシスタントのテリーを連れて
モハメドゥに会いに行き、裁判なしに長期間、人を収容所に閉じ込めるのは違法であるとして訴えを起こす。
モハメドゥは90年代にアフガニスタンに渡り、アルカイダで訓練を受けて戦ったことがあるが、以降はアルカイダにかかわっておらず、9.11テロに関係したという証拠は出てきていなかった。
一方、アメリカ政府はモハメドゥを死刑にすべく、優秀な弁護士で軍人でもあるスチュアート(ベネディクト・カンバーバッチ)を検察側の担当にするが、調査をすすめてもあまりきちんとしたモハメドゥの罪状の裏付けが出てこず、スチュアートは困惑してしまう。
弁護士のナンシーはモハメドゥを助けるために、真実を解明しようとする。
スチュアート中佐はモハメドゥを死刑にするために、調査を開始する。
両者はまったく正反対の目的で調査を開始する。ところが、その行き着き先は同じ一つの真実だった。
モハメドゥに関する調書は、ほとんどがベッタリと黒塗りで、全然中身がわからない状態。それでも、ナンシーとスチュアートはそれぞれ別の立場から調査を進め、やっとのことで、MFR(=Memorandum For Record、収容所での尋問の記録用覚書)にたどり着く。
そして驚愕の真相、恐ろしい「拷問」による自白の強要。暴力は序の口で、
(苦痛を伴う姿勢での静止20時間、水責め、、睡眠妨害、家族を襲うと脅迫するなど、
「人を中から壊す」行為。)── 彼は、ついにやってもいないことを自白したのだった。
信心深くて真面目で神と法に忠実であろうとするスチュアートが、違法な拷問に怒って仕事を降りてしまうというのは意外な展開ではあるが、事実だそうだ。
「アメリカの良心」。それを描く映画は沢山ある。また、司法やジャーナリズムの誇りを感じさせるものもたくさんある。、政治や戦争の不正を告発し、それがどんなに酷いものであるかを描きながらも、一方では、それらを自ら糾し、跳ね返していく力が、メディアにも、政治家にもあるのだという描き方がされて希望を見せる。
闇と同時に光を描くのが、アメリカの民主主義への自負なのかもしれない。
しかしながら、 グアンタナモ収容所の問題は、モハメドゥのように裁判が出来て勝利を得たのは、ほんの一部のはず、(それでも15年も収監された)
その陰には、拷問による虚偽の自白によって、身に覚えのなく逮捕された人間、その中で苦しんで自殺した人間、あるいは精神を壊された人間がどれだけいるのか・・・。
黒く塗りつぶさなければならない報告書とは、どんな意味があるのだろうか。
今だからこそ見て欲しい映画。
投稿日
2022/06/01
レビュアー
真
非常にショックな内容の映画だった。
でも、多くの人に見て欲しい。
イギリスBBCの製作。
アメリカの内部の醜い部分を、ラムズフェルド元長官、オバマ元大統領という
実名を交えて描いている。
広島で、平和を訴える姿の裏で、このような非人道的な蛮行をさせていたなんて。
言葉を失う。
9月11日の同時多発テロは本当に衝撃的な出来事だった。
自分たちの主張をアナウンスするために誰かの命を奪うなんて絶対許してはいけない。
現に今進行中の、プーチン大統領の妄想的思い込みから他国を侵略し、殺戮を行うことも
許してはいけない。
自国民が悲しみに打ちひしがれ、憎しみを抱いていても、
テロ実行者の特定にグレーな人物を片っぱしから拘禁し、目を覆うようなやり方で
自分たちのストーリーに乗っけようとねじ込むことは、なんの解決にもならない。
同じ穴のむじな、テロリストとやってることが同じになってしまう。
拘禁されたスラヒ、スラヒの弁護人、米軍側から起訴を担当させられた中尉。
この3人が外部の圧力やヒステリーに屈せず、丁寧に事実を追い、信念を曲げなかったことで
正しい道が開かれた。
これは分岐点で、そこから更に困難が続いたことが紹介される。
3人の人柄がほんとに魅力的で、崩れ落ちてしまわないかドキドキハラハラする。
演じたタハール・ラヒム、ジョディ・フォスター、ベネディクト・カンバーバッチが素晴らしい。
「HOME LAND」も本作、「モーリタニアン黒塗りの記録」と同様911から派生した
問題を追い、アメリカの不都合な見せたくない部分を克明に描いている。
本作はイギリス発信だが、「HOME LAND」はアメリカ自身がアメリカを告発している。
いずれにせよ、国家の見せたくない部分を表現しても公開し、逮捕されない国である
ことが肝心なところだと思う。
未だに国家にとって不都合な映画、本は検閲にかかり上映できない、報道もできない、
発言すれば逮捕・監禁されることが日常の国が存在する。
日本でものり弁と揶揄される黒塗りの記録はよく目にする。
けど、それに対して批判できる国、という点でありがたい。
海苔弁資料
投稿日
2023/06/06
レビュアー
こうさま
9/11アメリカで起こった史上最悪の同時多発テロの首謀者の一人として拘束された
モーリタニア人モハメドゥ・スラヒの手記を基に制作された作品で名優ジョディー・フォスターの演技が光る。
テロ事件から数ケ月後、拘束されたスラヒ、その容疑はテロ事件実行犯(航空機乗っ取り犯)を勧誘した、いわゆるリクルーターとしての容疑で、本人は否定するが、CIAの調査では彼がテロの首謀者ビン・ラーディンの衛生電話を使って従兄弟と通話した記録、アルカイダの訓練を体験していること、そして実行犯の一人を宿泊させたことなどが挙げられている。
3000人もの罪のない人の命を奪ったテロ事件に世界は震撼し、アメリカは怒りに震えた。
軍の上層部から「正義の鉄槌」を下すためにスラヒを死刑第一号にするため、起訴に必要な手続きを命じられたスチュワート中佐、そしてスラヒの容疑云々ではなく、起訴も裁判もされずに拘束されている不当性を訴える人権派弁護士ナンシー・ホランダー、二人はその立場は違えども逆風の中徹底的な解明に乗り出す。
このテロ事件の容疑者は処罰さけなければならないが「それは誰でもよいという訳ではない」スチュワート中佐の言葉はなかなか印象的。
軍による調査資料の強制開示を求めるナンシー、でも届いた記録はほとんど黒塗りされた資料ばかり、日本でもお馴染みの「海苔弁」資料というやつだ。
スチュワートもスラヒの自白調書の過程を記した極秘扱いになっている取り調べメモを閲覧、いったいアメリカ政府はなにを隠そうとしていたのか。
そしてスラヒが取り調べを受けていたキューバ、グアンタナモ収容所での恐るべき真実が明らかにされて行く。
確かこの収容所のニュースは国際社会でも問題になり、その後オバマ政権が閉鎖を命じたと記憶している。
本作の肝は周囲からの批判、非難を浴びながらもその信念を貫いたナンシー、スチュワート中佐が創り上げた「人間の尊厳のドラマ」ということであろう、こうした悲惨な事件が起こると人々は熱くなるのは仕方ないことだろうが、時間が経って冷静に考えてみれば勢いに任せてしたことが間違いだったと気づくことも多々あるはずなのだ。
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