空白の画像・ジャケット写真

空白 / 古田新太

全体の平均評価点:(5点満点)

20

全体の平均評価点:

予告編を検索

DVD

準新作

ジャンル :

「空白」 の解説・あらすじ・ストーリー

DVD

準新作

解説・ストーリー

「ヒメアノ〜ル」「愛しのアイリーン」の吉田恵輔監督が古田新太を主演に迎えて贈る衝撃のヒューマン・サスペンス。交通事故で娘を失った父親が、事故の原因となったスーパーの店長を追い詰めるべく、マスコミやSNSを巻き込み激しい憎悪をエスカレートさせていく暴走の顛末を力強い筆致で描き出す。共演は松坂桃李、田畑智子、寺島しのぶ。ある日、スーパーで中学生の花音が店長の青柳に万引きを見咎められ、逃げて車道に飛び出した末、凄惨な事故に巻き込まれて命を落としてしまう。シングルファーザーの添田充は、変わり果てた娘を前に泣き崩れる。日頃、娘の気持ちなど気にもかけてこなかった添田は、せめて彼女の濡れ衣を晴らそうと、青柳を激しく責め立て始めるのだったが…。 JAN:9999207495596

「空白」 の作品情報

作品情報

製作年:

2021年

製作国:

日本

「空白」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

キャスト・スタッフ

関連作品

関連作品

阿修羅少女〜BLOOD−C 異聞〜

サイドカーに犬

イケ麺新そば屋探偵〜いいんだぜ!〜

ラストプレゼント 娘と生きる最後の夏

ユーザーレビュー:20件

入力内容に誤りがあります。

内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。

  • 入力内容に誤りがあります。

この作品に関するあなたの感想や意見を書いてみませんか?

1〜 5件 / 全20件

娘を失った父、怒りの行方

投稿日:2021/12/23 レビュアー:くまげらの森

圧倒的な威圧感の古田新太の演技で一気に観ました。
万引のかどでスーパーから逃げ出す花音(伊東蒼)、走って追う店長の青柳(松坂桃李)、
道路を横切った花音は車に撥ねられ、飛んだ体が対向車線に落下、直進してきた
大型トラックにまともに引きずられた・・・!

男手一つで花音を育てていた添田(古田新太)は、娘の万引の無実を証明しようと、
「誰かに命令された」からと、いじめを疑って学校に怒鳴り込み、
また、「そこまでする必要があったか」と青柳を激しく責め立てる。
2人の確執はマスコミのネタになり、青柳も添田もそれぞれ非難にさらされる……。

ことなかれ主事に徹する学校の巧妙な対応も見苦しいが、スーパーの店員(寺島しのぶ)の
正義感の押し売り、「偽善者」と呼ばれてまでいるのも実にうっとうしい。
そんな中で、(事故の発端ではあるが当事者じゃないのに)『すみませんでした!』とひたすら
謝る青柳が潔いのかと言えば、それも微妙で彼は、スーパーの経営にも没頭しているように見えず、
その辺の得体の無さをセリフが少ないながら、松坂はうまく演技している。
(万引シーンをはっきり見せない手法も相まって、添田のやり場のない怒りが浮き上がる)

誰にでも起こり得る出来事だ。
まして、添田は漁業に忙しく亡くなる前日も花音の話を聞いてやれなかった後悔がある。
一人、花音の部屋に入って懐かしむ添田は「ある物」を発見する。
(この後の対応がクズだ・・。人の正義感などゴミみたいなもんだと思わされる)
この後、飛び出した花音を撥ねてしまった運転者の若い女性のお母さん(片岡礼子)の
言葉が、添田の心を溶かしたと思う。りっぱだった。

添田を中心に色々な人が登場して、気持ちの整理がつきにくい作品ではあるが、
『生命』というものを重厚に扱っている見ごたえのある作品だった。
(2021年製作/監督・吉田恵輔)

このレビューは気に入りましたか? 10人の会員が気に入ったと投稿しています

涙腺崩壊。

投稿日:2022/01/09 レビュアー:

新年早々、涙腺崩壊。

最初10分はゆるーく始まる。
そこから、
え?!
うそやろ。
呆然としていると、もうそこからはジェットコースターの遠心力かのごとく、
ごおおおおっと猛スピードで走り、ぐるんぐるんされる。

悲惨で、イライラさせられ、なんでやねん・・と悲しくて、やり切れなくなる。
目が離せないのだけど、始終しんどくて胃が痛い。

誰が悪いの?
なんでそうなっちゃうかな。

わたしだって、どの立場にもなり得る。
今日このあと、明日、わたしに降りかかってくる現実かもしれない。
どう受け止め、どう行動し、どう気持ちを持っていったらいいのだろう。

観ながら、ずーっとずーっと考え続ける。

俳優陣が完璧。
へたくそがいない。

古田新太と藤原季節は漁師にしか見えない。
学校の先生もあんな感じ。
松坂桃李は、あのかっこいい溢れ出して止まらないオーラ全く消して、
ほんとに田舎のスーパーのやる気ない、性格もダメダメな店長だ。

寺島しのぶの恩着せがましい中年独身女も、ほんっとイライラするし、
ボランティア仲間(なんやねん、それ)もいそうだし、イライラする。

片岡礼子の娘役の人も、これドキュメンタリーか?ってくらいな冒頭のシーン。

感情があまりにあちこちに揺さぶられて、色んな種類の感情が渋滞して、
ほんとに見ていてくたびれるけれど、ゴール前、どんどんどんどん拾っていってくれる。

なんやねんっ、もう。

この監督、すごいな、って吉田恵輔、知らんがな。
しかも脚本も書いてるって。
すごいな。

あほみたいな脚本ばっかりの日本で、残念すぎるやろって嘆いていたけど、
いた、ここに。
ちゃんと脚本かけて、ちゃんと撮れる監督。
これで日本は安泰だ。

本当にいい映画。

もう、色々役者もエピソードもすごいんだけど、これを成立させるというか、
ちゃんとおもしになって着地させることができたのは、
花音役の伊藤蒼の存在感だ。

なんなんだろう。
青くて、風みたいにふわっと飛んで、忘れられない目。

彼女の存在感の重さが、あっちへこっちへ観客を乱暴に振り回すストーリーを、
ぽんとひとつにおさめてくれる。

あー、いい映画。

このレビューは気に入りましたか? 7人の会員が気に入ったと投稿しています

悪いのは誰なのか? ネタバレ

投稿日:2022/01/21 レビュアー:飛べない魔女

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

悪いのは誰なのか?
万引きをした少女なのか?
万引きをした少女を追いかけたスーパーの店長なのか?
突然飛び出してきて少女を車にぶつけてしまった女性なのか?
倒れている少女に気づいたもののブレーキを踏んだが間に合わず
引いてしまったトラックの運転手なのか?
いや、いや、そもそも、この父親が一番悪いだろ!って
見ていてずっと思っていた。
誰に対しても粗野で高圧的な態度の父親。
母親はとうに離婚して、父親と二人暮らしの花音の話に
耳を傾けようともせず、威圧的な態度で接する父親には
優しさの欠片すらも見つけることが出来ない。
万引きをしたことは当然悪いことだけど
高圧的な父親への反撥がそうさせたのだろう。
もっと娘のことを大事に思ってくれたなら。。
もっと娘の話を聞こうしてくれていたのなら。。

娘の死をきっかけに目覚めた父性愛を爆発させる添田。
この物語は着地点を見つけることが出来るのか?
最後まで引き込まれた。
でも、そこら中がトゲだらけで
見ていて苦しくなる内容だった。
事態を煽るマスコミの在り方にも苦痛を感じた。

誰もが当事者になり得る話。
些細なことが引き金となって
関わった人たちの人生が真っ白で空っぽになっていく。
とにかく俳優陣の演技がヤバい!!
みんなリアルでうますぎる!

イルカの雲を娘の絵にみつけた添田が号泣するラストには
感情が揺さぶられた。
空っぽの心に一筋の光を見出せた店長と添田のラストには
ほんの少しだけ心の中にあった鉛のような重みが
軽くなったような気がした。

このレビューは気に入りましたか? 5人の会員が気に入ったと投稿しています

古田新太の名演 松坂桃李の好演 「三匹のイルカ」

投稿日:2022/01/19 レビュアー:ちゅく

ずっしり腹に応える映画でした。
「空白」(2021、2021『空白』製作委員会/スターサンズ/KADOKAWA、カラー、107分)。
監督・脚本は吉田恵輔(1975生)。
漁師「添田充」(古田新太)はもともと粗暴な男。妻と別れて一人娘と二人暮らしだった。ある日、その中学生の娘「花音」(伊東蒼)は、スーパーでマニキュアを「万引きしかけた」と疑われ、逃げた車道で軽自動車にはねられ、対向車線から来たダンプカーに轢かれて死んだ。娘の潔白を信じる「充」は、スーパーの店長「青柳」(松坂桃李)の責任を執拗に追及し、さらに怒りは、中学校の担任「今井若菜」(趣里)と管理職者、元妻「翔子」(田畑智子)へ向かっていく。次第にモンスターと化した「充」はスーパーでわざと「万引き未遂」をして、その様子をTV局が放送して無責任に煽る。店員は辞めていく。追い詰められた「青柳」はスーパーを廃業することに決め、最後まで支援してくれたベテランのパート従業員「草加部麻子」(寺島しのぶ)の危惧をよそに自殺未遂を図った。同じ頃、軽自動車を運転していた女性が自殺した。その葬儀で女性の母(片岡礼子)から謝罪され、「充」の怒りにブレーキが掛かる。娘の遺品を整理しているうちに、彼は意外な発見を繰り返すのだった。
「空白」というのは娘を失った父の心の喪失感だが、怒りにまかせて行動する過程で、生きていたときの娘のことを何も知らなかったのではないか──という親子関係の「空白」にも気づくという展開がよく練られています。何より、「暴走」したままでなく、制動、緩和、発見、悔恨という流れで、後半のドラマが仕立てられているのが良いと思います。前半の怒りと「暴走」が激しく執拗だっただけに、彼の「後悔」も深くなります。7年ぶりの劇場映画主演という古田新太は、「劇団☆新感線」の舞台で鍛えられた「役者」としての凄味を遺憾なく発揮しています。松坂桃李も好演で、最後に「青柳」への微かな光明が投げかけられるのが正当と思います。

このレビューは気に入りましたか? 5人の会員が気に入ったと投稿しています

どんなに悔いても、花音は還って来ない!!

投稿日:2021/12/23 レビュアー:アーモンド

万引きを疑った店長・青柳(松坂桃李)が、花音(伊藤蒼)を深追いしたことを、悔いて、モンスター化した父親・充(古田新太)に、土下座して、
「すみません、すみません、ごめんなさい」とか細い声で謝罪するシーンが、
ジャケット写真になっています。
人間は間違いを犯す存在です。
その言葉、その行動で、人を傷つけずには生きていけない動物です。

交通事故死の原因となったマニュキアの万引き。
疑われた中学生の花音。
シングルファーザーの充に育てられて、本当に幸せな子供だっただろうか?
母親(田畑智子)は再婚して妊娠中です。
母から折角買ってもらったスマホは充に窓から捨てられて、壊れてしまった。
怒鳴り声の大きい父親に身をすくめ声を挙げられない弱い存在。

青柳を糾弾する父親・充の怒りは花音を喪失した悲しみに打ちひしがれたあまりに、
暴走して行きます。
気の荒い蒲郡の漁師である充。
腕利きの漁師だが、組織の人間関係に揉まれることなく中年過ぎになり、
一匹狼でしかも、お山の大将・・・そんな幼児性が散見します。

マスコミも怒鳴りつけ、インタビューアーをぶっ飛ばし、
押しかけた中学校では、「イジメはなかったか?」と、校長に詰め寄ります。
校長の事なかれ主義的無責任にも呆れますが、モンスター化した充は、本当に怖い!!
青柳が何度も土下座する気持ちも分かります。

この映画は、世間を、青柳を責め立てているうちに、実は父親・充が、
自分が花音にとって本当にいい父親だったか?を見つめ直す映画でした。
「愛してるつもりだった」
「目の中に入れても痛くないほど可愛かった」
花音に伝わっていたでしょうか?
花音は愛されてる実感があったでしょうか?

吉田恵輔監督のオリジナル脚本。
製作・配給は「新聞記者」「MOTHER マザー」「あゝ荒野」などの問題作を次々と手がける
スターサンズ。
古田新太の破壊力もド迫力でした(監督がソン・ガンホをモデルにしたとか!)
ソン・ガンホに引けを取らない存在感です。
対して受ける助演の松坂桃李。
こんなにスターオーラの消せる若手実力派はいるでしょうか?
・・・撮影現場は、ただただ苦しかった・・・青柳に成り切っていたのですね。
そして笑えるシーンをたくさん提供してくれたスーパーの変なオバサン店員の寺島しのぶ。
悲しい映画なのに思わずクスクス笑うシーンが後半にはあるのです。

どんな苦しみも『乗り越えていくしかない』
…………生きて行くしかない!
そんなメッセージが込められています。
そして、そして、なんとも言えない感動のフィナーレが待っています。

このレビューは気に入りましたか? 5人の会員が気に入ったと投稿しています

1〜 5件 / 全20件

空白

ユーザーレビュー

入力内容に誤りがあります。

内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。

  • 入力内容に誤りがあります。

ユーザーレビュー:20件

娘を失った父、怒りの行方

投稿日

2021/12/23

レビュアー

くまげらの森

圧倒的な威圧感の古田新太の演技で一気に観ました。
万引のかどでスーパーから逃げ出す花音(伊東蒼)、走って追う店長の青柳(松坂桃李)、
道路を横切った花音は車に撥ねられ、飛んだ体が対向車線に落下、直進してきた
大型トラックにまともに引きずられた・・・!

男手一つで花音を育てていた添田(古田新太)は、娘の万引の無実を証明しようと、
「誰かに命令された」からと、いじめを疑って学校に怒鳴り込み、
また、「そこまでする必要があったか」と青柳を激しく責め立てる。
2人の確執はマスコミのネタになり、青柳も添田もそれぞれ非難にさらされる……。

ことなかれ主事に徹する学校の巧妙な対応も見苦しいが、スーパーの店員(寺島しのぶ)の
正義感の押し売り、「偽善者」と呼ばれてまでいるのも実にうっとうしい。
そんな中で、(事故の発端ではあるが当事者じゃないのに)『すみませんでした!』とひたすら
謝る青柳が潔いのかと言えば、それも微妙で彼は、スーパーの経営にも没頭しているように見えず、
その辺の得体の無さをセリフが少ないながら、松坂はうまく演技している。
(万引シーンをはっきり見せない手法も相まって、添田のやり場のない怒りが浮き上がる)

誰にでも起こり得る出来事だ。
まして、添田は漁業に忙しく亡くなる前日も花音の話を聞いてやれなかった後悔がある。
一人、花音の部屋に入って懐かしむ添田は「ある物」を発見する。
(この後の対応がクズだ・・。人の正義感などゴミみたいなもんだと思わされる)
この後、飛び出した花音を撥ねてしまった運転者の若い女性のお母さん(片岡礼子)の
言葉が、添田の心を溶かしたと思う。りっぱだった。

添田を中心に色々な人が登場して、気持ちの整理がつきにくい作品ではあるが、
『生命』というものを重厚に扱っている見ごたえのある作品だった。
(2021年製作/監督・吉田恵輔)

涙腺崩壊。

投稿日

2022/01/09

レビュアー

新年早々、涙腺崩壊。

最初10分はゆるーく始まる。
そこから、
え?!
うそやろ。
呆然としていると、もうそこからはジェットコースターの遠心力かのごとく、
ごおおおおっと猛スピードで走り、ぐるんぐるんされる。

悲惨で、イライラさせられ、なんでやねん・・と悲しくて、やり切れなくなる。
目が離せないのだけど、始終しんどくて胃が痛い。

誰が悪いの?
なんでそうなっちゃうかな。

わたしだって、どの立場にもなり得る。
今日このあと、明日、わたしに降りかかってくる現実かもしれない。
どう受け止め、どう行動し、どう気持ちを持っていったらいいのだろう。

観ながら、ずーっとずーっと考え続ける。

俳優陣が完璧。
へたくそがいない。

古田新太と藤原季節は漁師にしか見えない。
学校の先生もあんな感じ。
松坂桃李は、あのかっこいい溢れ出して止まらないオーラ全く消して、
ほんとに田舎のスーパーのやる気ない、性格もダメダメな店長だ。

寺島しのぶの恩着せがましい中年独身女も、ほんっとイライラするし、
ボランティア仲間(なんやねん、それ)もいそうだし、イライラする。

片岡礼子の娘役の人も、これドキュメンタリーか?ってくらいな冒頭のシーン。

感情があまりにあちこちに揺さぶられて、色んな種類の感情が渋滞して、
ほんとに見ていてくたびれるけれど、ゴール前、どんどんどんどん拾っていってくれる。

なんやねんっ、もう。

この監督、すごいな、って吉田恵輔、知らんがな。
しかも脚本も書いてるって。
すごいな。

あほみたいな脚本ばっかりの日本で、残念すぎるやろって嘆いていたけど、
いた、ここに。
ちゃんと脚本かけて、ちゃんと撮れる監督。
これで日本は安泰だ。

本当にいい映画。

もう、色々役者もエピソードもすごいんだけど、これを成立させるというか、
ちゃんとおもしになって着地させることができたのは、
花音役の伊藤蒼の存在感だ。

なんなんだろう。
青くて、風みたいにふわっと飛んで、忘れられない目。

彼女の存在感の重さが、あっちへこっちへ観客を乱暴に振り回すストーリーを、
ぽんとひとつにおさめてくれる。

あー、いい映画。

悪いのは誰なのか?

投稿日

2022/01/21

レビュアー

飛べない魔女

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

悪いのは誰なのか?
万引きをした少女なのか?
万引きをした少女を追いかけたスーパーの店長なのか?
突然飛び出してきて少女を車にぶつけてしまった女性なのか?
倒れている少女に気づいたもののブレーキを踏んだが間に合わず
引いてしまったトラックの運転手なのか?
いや、いや、そもそも、この父親が一番悪いだろ!って
見ていてずっと思っていた。
誰に対しても粗野で高圧的な態度の父親。
母親はとうに離婚して、父親と二人暮らしの花音の話に
耳を傾けようともせず、威圧的な態度で接する父親には
優しさの欠片すらも見つけることが出来ない。
万引きをしたことは当然悪いことだけど
高圧的な父親への反撥がそうさせたのだろう。
もっと娘のことを大事に思ってくれたなら。。
もっと娘の話を聞こうしてくれていたのなら。。

娘の死をきっかけに目覚めた父性愛を爆発させる添田。
この物語は着地点を見つけることが出来るのか?
最後まで引き込まれた。
でも、そこら中がトゲだらけで
見ていて苦しくなる内容だった。
事態を煽るマスコミの在り方にも苦痛を感じた。

誰もが当事者になり得る話。
些細なことが引き金となって
関わった人たちの人生が真っ白で空っぽになっていく。
とにかく俳優陣の演技がヤバい!!
みんなリアルでうますぎる!

イルカの雲を娘の絵にみつけた添田が号泣するラストには
感情が揺さぶられた。
空っぽの心に一筋の光を見出せた店長と添田のラストには
ほんの少しだけ心の中にあった鉛のような重みが
軽くなったような気がした。

古田新太の名演 松坂桃李の好演 「三匹のイルカ」

投稿日

2022/01/19

レビュアー

ちゅく

ずっしり腹に応える映画でした。
「空白」(2021、2021『空白』製作委員会/スターサンズ/KADOKAWA、カラー、107分)。
監督・脚本は吉田恵輔(1975生)。
漁師「添田充」(古田新太)はもともと粗暴な男。妻と別れて一人娘と二人暮らしだった。ある日、その中学生の娘「花音」(伊東蒼)は、スーパーでマニキュアを「万引きしかけた」と疑われ、逃げた車道で軽自動車にはねられ、対向車線から来たダンプカーに轢かれて死んだ。娘の潔白を信じる「充」は、スーパーの店長「青柳」(松坂桃李)の責任を執拗に追及し、さらに怒りは、中学校の担任「今井若菜」(趣里)と管理職者、元妻「翔子」(田畑智子)へ向かっていく。次第にモンスターと化した「充」はスーパーでわざと「万引き未遂」をして、その様子をTV局が放送して無責任に煽る。店員は辞めていく。追い詰められた「青柳」はスーパーを廃業することに決め、最後まで支援してくれたベテランのパート従業員「草加部麻子」(寺島しのぶ)の危惧をよそに自殺未遂を図った。同じ頃、軽自動車を運転していた女性が自殺した。その葬儀で女性の母(片岡礼子)から謝罪され、「充」の怒りにブレーキが掛かる。娘の遺品を整理しているうちに、彼は意外な発見を繰り返すのだった。
「空白」というのは娘を失った父の心の喪失感だが、怒りにまかせて行動する過程で、生きていたときの娘のことを何も知らなかったのではないか──という親子関係の「空白」にも気づくという展開がよく練られています。何より、「暴走」したままでなく、制動、緩和、発見、悔恨という流れで、後半のドラマが仕立てられているのが良いと思います。前半の怒りと「暴走」が激しく執拗だっただけに、彼の「後悔」も深くなります。7年ぶりの劇場映画主演という古田新太は、「劇団☆新感線」の舞台で鍛えられた「役者」としての凄味を遺憾なく発揮しています。松坂桃李も好演で、最後に「青柳」への微かな光明が投げかけられるのが正当と思います。

どんなに悔いても、花音は還って来ない!!

投稿日

2021/12/23

レビュアー

アーモンド

万引きを疑った店長・青柳(松坂桃李)が、花音(伊藤蒼)を深追いしたことを、悔いて、モンスター化した父親・充(古田新太)に、土下座して、
「すみません、すみません、ごめんなさい」とか細い声で謝罪するシーンが、
ジャケット写真になっています。
人間は間違いを犯す存在です。
その言葉、その行動で、人を傷つけずには生きていけない動物です。

交通事故死の原因となったマニュキアの万引き。
疑われた中学生の花音。
シングルファーザーの充に育てられて、本当に幸せな子供だっただろうか?
母親(田畑智子)は再婚して妊娠中です。
母から折角買ってもらったスマホは充に窓から捨てられて、壊れてしまった。
怒鳴り声の大きい父親に身をすくめ声を挙げられない弱い存在。

青柳を糾弾する父親・充の怒りは花音を喪失した悲しみに打ちひしがれたあまりに、
暴走して行きます。
気の荒い蒲郡の漁師である充。
腕利きの漁師だが、組織の人間関係に揉まれることなく中年過ぎになり、
一匹狼でしかも、お山の大将・・・そんな幼児性が散見します。

マスコミも怒鳴りつけ、インタビューアーをぶっ飛ばし、
押しかけた中学校では、「イジメはなかったか?」と、校長に詰め寄ります。
校長の事なかれ主義的無責任にも呆れますが、モンスター化した充は、本当に怖い!!
青柳が何度も土下座する気持ちも分かります。

この映画は、世間を、青柳を責め立てているうちに、実は父親・充が、
自分が花音にとって本当にいい父親だったか?を見つめ直す映画でした。
「愛してるつもりだった」
「目の中に入れても痛くないほど可愛かった」
花音に伝わっていたでしょうか?
花音は愛されてる実感があったでしょうか?

吉田恵輔監督のオリジナル脚本。
製作・配給は「新聞記者」「MOTHER マザー」「あゝ荒野」などの問題作を次々と手がける
スターサンズ。
古田新太の破壊力もド迫力でした(監督がソン・ガンホをモデルにしたとか!)
ソン・ガンホに引けを取らない存在感です。
対して受ける助演の松坂桃李。
こんなにスターオーラの消せる若手実力派はいるでしょうか?
・・・撮影現場は、ただただ苦しかった・・・青柳に成り切っていたのですね。
そして笑えるシーンをたくさん提供してくれたスーパーの変なオバサン店員の寺島しのぶ。
悲しい映画なのに思わずクスクス笑うシーンが後半にはあるのです。

どんな苦しみも『乗り越えていくしかない』
…………生きて行くしかない!
そんなメッセージが込められています。
そして、そして、なんとも言えない感動のフィナーレが待っています。

1〜 5件 / 全20件