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ファーザー

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ファーザー / アンソニー・ホプキンス

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「ファーザー」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

名優アンソニー・ホプキンスが認知症に苦しむ年老いた父親を演じアカデミー賞主演男優賞に輝いた感動のヒューマン・ドラマ。同賞では脚色賞と合わせ2冠に輝いた。認知症が進行していく父親と、その介護で疲弊していく娘の姿を、認知症の側の視点から描く画期的な表現スタイルで綴っていく。娘役は「女王陛下のお気に入り」のオリヴィア・コールマン。監督は本作の基になった舞台を手掛け、これが映画監督デビューとなるフロリアン・ゼレール。ロンドンで一人暮らしをしている81歳のアンソニー。ある日、介護人とトラブルを起こし、娘のアンが駆けつける。アンソニーには認知症の傾向が見え始め、それは日に日に悪化しているようだった。そんな中、アンから新しい恋人とパリで暮らすと告げられショックを受けるアンソニーだったが…。 JAN:4547286009922

「ファーザー」 の作品情報

作品情報

製作年: 2020年
原題: THE FATHER

「ファーザー」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

関連作品

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トリスタンとイゾルデ あの日に誓う物語

ドールハウス シーズン2

諜報員ブルント 第4の男

レジェンド・オブ・フォール

ユーザーレビュー:10件

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1〜 5件 / 全10件

認知症患者に見える心象風景を映像化

投稿日:2021/09/01 レビュアー:アーモンド

2020年(イギリス/フランス)監督:フロリアン・ゼレール
恐ろしい映画でした。
認知症の父親役のアンソニー・ホプキンスが実に名演でした。
2度目のアカデミー賞主演男優賞受賞も納得です。
56年に渡る役者人生の集大成に相応しい演技でした。
同作品は同時にアカデミー賞の脚本賞も受賞。

非常に観客(わたし)を惑わせる映画でした。
娘(アン)の視点と、
父親(アンソニー)の視点の両方で描かれる。
そしてアンソニーは認知症がかなり進んでいます。
そこに脚本も映像も意地悪い。
娘のアンがある時は別人だったり、
アンの元夫なのか現夫なのか?居間にいる男。
この男は現実の人物なのかも不明です。
「お前(アンソニー)にはイライラする。俺たちの邪魔をいつまでするつもりか?」
と、面の向かって聞いてくる。
長生きは身勝手で我が儘・・・とまで言う。
私はちょっと考えたのですが、このポールと名乗る見知らぬ男は、アンの分身で、もしかして、アンの本音を話すのが彼なのではないのでしょうか?
アンの姿は、優しく父親思いで献身的な娘そのものです。
しかしそんな優しい娘が、60歳過ぎて出会った男の住むパリへ移り住んだりするものだろうか?仕事も捨てて・・・。
あるシーンでは、精神科医にはハッキリとパリ行きを否定しています。

本当にこんがらがります。
新しい介護人のローラは、若く美しく妹娘のルーシーに似ていて、
嬉しくなったアンソニーはタップダンスを披露したりする。
しかし翌日現れたローラは中年の女の人でした。

全てはアンソニーの妄想で、顔の識別も出来なくなっている・・・
見知らぬ男が居間にいる・・・アンの顔も忘れる・・・
と、認知症の症状と思って観ることも出来ます。
認知症患者の見ている心象風景は、これほど歪んでいるのですよ!!・・・と。

娘のアン役は「女王陛下のお気に入り」でアカデミー賞主演女優賞を受賞したオリビア・コールマン。
善意の娘を演じて、「本音はそれだけではないだろう!」
と、ツッコミを入れたくなる好演でした。
監督は2012年にこの映画の元となる戯曲を書いたフロリアン・ゼレールで、
今回戯曲を自ら監督しました。

ミステリー映画やサスペンスのように謎がいっぱいで、疑心暗鬼になってしまいます。
騙し絵のようなシーンがいっぱい
アンソニーのフラット(家)から私(アン)のフラットに越して来たのよ、
ここは私(アン)の家・・・と言うのに、
アンソニーが慣れた手順で紅茶を入れるキッチンは、
キッチンの壁はベージュ模様のタイルだ。
(アンの家はブルーの壁紙。)
アンソニーの壁に飾られてるルーシーの絵は、アンが自宅だと言う居間にも
飾られていた。
騙してるのは誰?
記憶が薄れてるアンソニーを良いことに嘘を付いてるの?
映像は騙し絵のように仕組まれている。
アンソニーが窓から見下ろす景色にもフェイクが隠されているのだ。

年老いると自分の目に見えるものを疑わなくてはならないのか?
アンソニーは常に、自分の判断に懐疑的です。
自分で何も出来なくなる。決定権がなくなる。保護者の指示のままに行動するしかなくなる。
ここに相手への信頼が失われたら・・・と思うと本当に恐ろしい。
そこに付け込まれて、ロフト(住居)も財産も失い、
何より時間、自由、尊厳さえ失う。
死んだら何ひとつ持って行けないのだから当然なのだけれど、
生きてる間に奪われて行くのを見るのは辛い。

老いの現実を突きつける衝撃作でした。

このレビューは気に入りましたか? 9人の会員が気に入ったと投稿しています

観ているものは疑似認知症体験をすることになる

投稿日:2021/10/20 レビュアー:飛べない魔女

とても複雑な構成です。
何が本当で、何が偽物なのか、どれが現実で、どれが妄想なのか
こんがらがっていきます。
それはまるで自分が認知症に陥ったようにさえ感じさせます。
認知症になると、こんな風に観たり、聞いたり、感じたりするのだということを
疑似体験できる作品とも言えるのではないでしょうか

誰もがなる可能性のある認知症。
なってしまった当人に罪はなく
さりとて介護する人は振り回されてクタクタになります。
娘のアンが決断した選択は間違いではありません。
子供だからといって、とことん面倒みることは出来ませんから。

アカデミー主演男優賞に輝いたアンソニー・ホプキンスの真に迫った演技は
もしや本物では?と思わせる程の名演技。
特にラストの究極のシーンには胸が詰まる思いになりました。
『枝から葉が落ちていくような感じ。。』そうアンソニーは言います。
『何が何だか判らないんだ、自分が誰かもわからない。。。』
人間としての尊厳が失われる認知症の
恐ろしさと悲しさをまじまじと感じさせる作品でした。

このレビューは気に入りましたか? 6人の会員が気に入ったと投稿しています

「鍵」が見つからないパズル

投稿日:2021/10/10 レビュアー:ちゅく

「ファーザー」(2020、英国/フランス、カラー、97分)。
監督・原作・脚本はフローリアン・ゼレール(1979年パリ生)。彼は小説家・劇作家であり、本作は自作戯曲「Le Père(父)」をクリストファー・ハンプトンを共同で脚本化し、映画化したものである。二人は第93回アカデミー賞の脚色賞を受けた。主演のアンソニー・ホプキンス(1937生)は、「羊たちの沈黙」(1991)に続いて二度目の主演男優賞を受けた。彼を想定して監督は原作を書いていたのだろう。

ロンドンで一人暮らしを送る81歳の「アンソニー」(ホプキンス)。娘の「アン」(オリヴィア・コールマン)は父に徐々に認知症のきざしが出てきたので、ヘルパーを付けたが、「アンソニー」は「被害妄想」を「装い」、追い出してしまっていた。自分には「アン」のほかに「ルーシー」という娘がいたはずだが、家のどこにもいない──そう思って「アン」に尋ねるが、なぜか彼女は口ごもってしまう。その直後、「アン」は父に、新しい恋人とパリで暮らすことにしたと告げた。また別の日、「ポール」と名乗る知らない男(マーク・ゲイティス)が訪問し、「自分は『アン』と結婚して10年以上になり、ここは自分と『アン』の家だ」と告げる。しかし、あとで出てくる「ポール」はルーファス・シーウェルが演じている。「アン」を演じる女優もオリヴィア・ウィリアムズに変化したりする。どれが本物なのか。「アンソニー」の症状は急速に悪化していく。記憶が失われ、やがて自分の現在状況すら分からなくなっていく。新しく来たヘルパー「ローラ」(イモージェン・プーツ)を気に入り、「ルーシーに似ている」と言ったあと、急に憎しみの言葉を口にする。「アン」は父を必死で介護しようとするが、逆につらく当たられて、彼女自身も病になりそうになっていく。
以上の物語の簡単な・なぞりも、どこまでが、真に起きたことか「アンソニー」の妄想か、その区別があいまいになっています。原作戯曲を読んでいないが、舞台の場合、セリフによる細かい表現で妄想を組み立てていくのだろう。映画は「何でも有り」の表現手段だから、現実・非現実の区分がより曖昧にできる。そこに観客は惑わされるのだが、監督は正にそこを狙っているのかもしれない。実は、老人は意外と冷静で、自分のフラット(家)を奪おうとする周囲のたくらみを認知症を装いながら見破ろうとしているのかもしれないと思ったりもする。「ルーシー」が鍵か?

現実が分解してジグソーパズルのようになっています。組み立てては壊れていく。
私の年代になると他人事ではなく、徐々に始まっていると思います。
突然、正常に戻ることもあるそうです。一瞬、周囲がそこを捉えないと、また元に戻ってしまう、と。

音楽の趣味のいい映画でもあります。ルドヴィコ・エイナウディのオリジナル・ピアノ曲「冷たい風」が基調になっていますが、挿入されるクラシック音楽の選択が素晴らしい。これは「アンソニー」が聴いている曲ですが、パーセル「アーサー王」、ベッリーニ「ノルマ」、ビゼー「真珠採り」のアリアがとても効いています。音楽を聴いているときだけは、正常でいられたら……。

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娯楽性はほとんどなし ネタバレ

投稿日:2021/11/09 レビュアー:勇光

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出だしのところは少し面白い。
「おまえはだれだ?」
と訊ねると、
「わたしは娘のアンよ」
と、50がらみのオバサンが言う。だが、そのオバサンがドアから出て行って戻ってくると別人になっている。で、その別人も「わたしが娘のアンよ」と言う。
なるほど、認知症ってのはこういうことかと思う。
そこそこ興味を引っぱりながら記憶が混濁している状態というのを説明してくれる。
が、だんだん退屈になり、観てるのが苦痛になった。
一生懸命な娘の気持ちはたぶん本物なのだろうけれども、種々の妄想や記憶違いが入り混じり、アンソニー自身も、その様子を観ている側も、なにがなんだかわからなくなる。
が、大筋のところはわかる。
最初は自分のフラット(分譲マンションみたいなもの)に住んでいて、その段階では確固たる自信がある。たが、娘に引き取られて娘のフラットに住み、自分の記憶が定かでないことがわかってくる。で、最後は施設にはいって自分自身を完全に見失う。

自分はこんなになる前に死にたいなと思った。
それだけの映画。

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こんがらがる展開、でも素晴らしい

投稿日:2021/10/09 レビュアー:たかちゃん

アカデミーを受賞したに値する最高傑作。でも観客はこんがらがる。でもジーと観てストーリーを追いたくなる。観る人それぞれの人生に重ね合わせていく。

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1〜 5件 / 全10件

ファーザー

ユーザーレビュー

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認知症患者に見える心象風景を映像化

投稿日

2021/09/01

レビュアー

アーモンド

2020年(イギリス/フランス)監督:フロリアン・ゼレール
恐ろしい映画でした。
認知症の父親役のアンソニー・ホプキンスが実に名演でした。
2度目のアカデミー賞主演男優賞受賞も納得です。
56年に渡る役者人生の集大成に相応しい演技でした。
同作品は同時にアカデミー賞の脚本賞も受賞。

非常に観客(わたし)を惑わせる映画でした。
娘(アン)の視点と、
父親(アンソニー)の視点の両方で描かれる。
そしてアンソニーは認知症がかなり進んでいます。
そこに脚本も映像も意地悪い。
娘のアンがある時は別人だったり、
アンの元夫なのか現夫なのか?居間にいる男。
この男は現実の人物なのかも不明です。
「お前(アンソニー)にはイライラする。俺たちの邪魔をいつまでするつもりか?」
と、面の向かって聞いてくる。
長生きは身勝手で我が儘・・・とまで言う。
私はちょっと考えたのですが、このポールと名乗る見知らぬ男は、アンの分身で、もしかして、アンの本音を話すのが彼なのではないのでしょうか?
アンの姿は、優しく父親思いで献身的な娘そのものです。
しかしそんな優しい娘が、60歳過ぎて出会った男の住むパリへ移り住んだりするものだろうか?仕事も捨てて・・・。
あるシーンでは、精神科医にはハッキリとパリ行きを否定しています。

本当にこんがらがります。
新しい介護人のローラは、若く美しく妹娘のルーシーに似ていて、
嬉しくなったアンソニーはタップダンスを披露したりする。
しかし翌日現れたローラは中年の女の人でした。

全てはアンソニーの妄想で、顔の識別も出来なくなっている・・・
見知らぬ男が居間にいる・・・アンの顔も忘れる・・・
と、認知症の症状と思って観ることも出来ます。
認知症患者の見ている心象風景は、これほど歪んでいるのですよ!!・・・と。

娘のアン役は「女王陛下のお気に入り」でアカデミー賞主演女優賞を受賞したオリビア・コールマン。
善意の娘を演じて、「本音はそれだけではないだろう!」
と、ツッコミを入れたくなる好演でした。
監督は2012年にこの映画の元となる戯曲を書いたフロリアン・ゼレールで、
今回戯曲を自ら監督しました。

ミステリー映画やサスペンスのように謎がいっぱいで、疑心暗鬼になってしまいます。
騙し絵のようなシーンがいっぱい
アンソニーのフラット(家)から私(アン)のフラットに越して来たのよ、
ここは私(アン)の家・・・と言うのに、
アンソニーが慣れた手順で紅茶を入れるキッチンは、
キッチンの壁はベージュ模様のタイルだ。
(アンの家はブルーの壁紙。)
アンソニーの壁に飾られてるルーシーの絵は、アンが自宅だと言う居間にも
飾られていた。
騙してるのは誰?
記憶が薄れてるアンソニーを良いことに嘘を付いてるの?
映像は騙し絵のように仕組まれている。
アンソニーが窓から見下ろす景色にもフェイクが隠されているのだ。

年老いると自分の目に見えるものを疑わなくてはならないのか?
アンソニーは常に、自分の判断に懐疑的です。
自分で何も出来なくなる。決定権がなくなる。保護者の指示のままに行動するしかなくなる。
ここに相手への信頼が失われたら・・・と思うと本当に恐ろしい。
そこに付け込まれて、ロフト(住居)も財産も失い、
何より時間、自由、尊厳さえ失う。
死んだら何ひとつ持って行けないのだから当然なのだけれど、
生きてる間に奪われて行くのを見るのは辛い。

老いの現実を突きつける衝撃作でした。

観ているものは疑似認知症体験をすることになる

投稿日

2021/10/20

レビュアー

飛べない魔女

とても複雑な構成です。
何が本当で、何が偽物なのか、どれが現実で、どれが妄想なのか
こんがらがっていきます。
それはまるで自分が認知症に陥ったようにさえ感じさせます。
認知症になると、こんな風に観たり、聞いたり、感じたりするのだということを
疑似体験できる作品とも言えるのではないでしょうか

誰もがなる可能性のある認知症。
なってしまった当人に罪はなく
さりとて介護する人は振り回されてクタクタになります。
娘のアンが決断した選択は間違いではありません。
子供だからといって、とことん面倒みることは出来ませんから。

アカデミー主演男優賞に輝いたアンソニー・ホプキンスの真に迫った演技は
もしや本物では?と思わせる程の名演技。
特にラストの究極のシーンには胸が詰まる思いになりました。
『枝から葉が落ちていくような感じ。。』そうアンソニーは言います。
『何が何だか判らないんだ、自分が誰かもわからない。。。』
人間としての尊厳が失われる認知症の
恐ろしさと悲しさをまじまじと感じさせる作品でした。

「鍵」が見つからないパズル

投稿日

2021/10/10

レビュアー

ちゅく

「ファーザー」(2020、英国/フランス、カラー、97分)。
監督・原作・脚本はフローリアン・ゼレール(1979年パリ生)。彼は小説家・劇作家であり、本作は自作戯曲「Le Père(父)」をクリストファー・ハンプトンを共同で脚本化し、映画化したものである。二人は第93回アカデミー賞の脚色賞を受けた。主演のアンソニー・ホプキンス(1937生)は、「羊たちの沈黙」(1991)に続いて二度目の主演男優賞を受けた。彼を想定して監督は原作を書いていたのだろう。

ロンドンで一人暮らしを送る81歳の「アンソニー」(ホプキンス)。娘の「アン」(オリヴィア・コールマン)は父に徐々に認知症のきざしが出てきたので、ヘルパーを付けたが、「アンソニー」は「被害妄想」を「装い」、追い出してしまっていた。自分には「アン」のほかに「ルーシー」という娘がいたはずだが、家のどこにもいない──そう思って「アン」に尋ねるが、なぜか彼女は口ごもってしまう。その直後、「アン」は父に、新しい恋人とパリで暮らすことにしたと告げた。また別の日、「ポール」と名乗る知らない男(マーク・ゲイティス)が訪問し、「自分は『アン』と結婚して10年以上になり、ここは自分と『アン』の家だ」と告げる。しかし、あとで出てくる「ポール」はルーファス・シーウェルが演じている。「アン」を演じる女優もオリヴィア・ウィリアムズに変化したりする。どれが本物なのか。「アンソニー」の症状は急速に悪化していく。記憶が失われ、やがて自分の現在状況すら分からなくなっていく。新しく来たヘルパー「ローラ」(イモージェン・プーツ)を気に入り、「ルーシーに似ている」と言ったあと、急に憎しみの言葉を口にする。「アン」は父を必死で介護しようとするが、逆につらく当たられて、彼女自身も病になりそうになっていく。
以上の物語の簡単な・なぞりも、どこまでが、真に起きたことか「アンソニー」の妄想か、その区別があいまいになっています。原作戯曲を読んでいないが、舞台の場合、セリフによる細かい表現で妄想を組み立てていくのだろう。映画は「何でも有り」の表現手段だから、現実・非現実の区分がより曖昧にできる。そこに観客は惑わされるのだが、監督は正にそこを狙っているのかもしれない。実は、老人は意外と冷静で、自分のフラット(家)を奪おうとする周囲のたくらみを認知症を装いながら見破ろうとしているのかもしれないと思ったりもする。「ルーシー」が鍵か?

現実が分解してジグソーパズルのようになっています。組み立てては壊れていく。
私の年代になると他人事ではなく、徐々に始まっていると思います。
突然、正常に戻ることもあるそうです。一瞬、周囲がそこを捉えないと、また元に戻ってしまう、と。

音楽の趣味のいい映画でもあります。ルドヴィコ・エイナウディのオリジナル・ピアノ曲「冷たい風」が基調になっていますが、挿入されるクラシック音楽の選択が素晴らしい。これは「アンソニー」が聴いている曲ですが、パーセル「アーサー王」、ベッリーニ「ノルマ」、ビゼー「真珠採り」のアリアがとても効いています。音楽を聴いているときだけは、正常でいられたら……。

娯楽性はほとんどなし

投稿日

2021/11/09

レビュアー

勇光

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出だしのところは少し面白い。
「おまえはだれだ?」
と訊ねると、
「わたしは娘のアンよ」
と、50がらみのオバサンが言う。だが、そのオバサンがドアから出て行って戻ってくると別人になっている。で、その別人も「わたしが娘のアンよ」と言う。
なるほど、認知症ってのはこういうことかと思う。
そこそこ興味を引っぱりながら記憶が混濁している状態というのを説明してくれる。
が、だんだん退屈になり、観てるのが苦痛になった。
一生懸命な娘の気持ちはたぶん本物なのだろうけれども、種々の妄想や記憶違いが入り混じり、アンソニー自身も、その様子を観ている側も、なにがなんだかわからなくなる。
が、大筋のところはわかる。
最初は自分のフラット(分譲マンションみたいなもの)に住んでいて、その段階では確固たる自信がある。たが、娘に引き取られて娘のフラットに住み、自分の記憶が定かでないことがわかってくる。で、最後は施設にはいって自分自身を完全に見失う。

自分はこんなになる前に死にたいなと思った。
それだけの映画。

こんがらがる展開、でも素晴らしい

投稿日

2021/10/09

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たかちゃん

アカデミーを受賞したに値する最高傑作。でも観客はこんがらがる。でもジーと観てストーリーを追いたくなる。観る人それぞれの人生に重ね合わせていく。

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