ミナリの画像・ジャケット写真

ミナリ / スティーヴン・ユァン
  • 画質は本編映像とは異なります。

全体の平均評価点:(5点満点)

13

全体の平均評価点:

予告編を観る

DVD

準新作

ジャンル :

「ミナリ」 の解説・あらすじ・ストーリー

DVD

準新作

解説・ストーリー

韓国系の移民二世で、アメリカの田舎町で育ったリー・アイザック・チョン監督が、自らの体験をベースに撮り上げた感動の家族ドラマ。アメリカン・ドリームを信じて韓国からやって来た移民家族を主人公に、そのままならない日々を厳しくも温かなまなざしで丁寧に描き出していく。主演はスティーヴン・ユァン、共演にハン・イェリ、ユン・ヨジョン。1980年代のアメリカ。農業での成功を夢見てアーカンソー州の高原に土地を買い、家族で引っ越してきた韓国系移民のジェイコブ。しかしそこは、誰も手を付けようとしなかった荒れ果てた土地。それでも、しっかり者の長女アンと好奇心旺盛な弟デビッドは、少しずつ新しい生活に馴染んでいく。一方、妻のモニカは不便な生活に苛立ちを募らせ、夢ばかり追うジェイコブとの溝は深まるばかりだったが…。 JAN:4589921413909

「ミナリ」 の作品情報

作品情報

製作年:

2020年

製作国:

アメリカ

原題:

MINARI

「ミナリ」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

関連作品

関連作品

蜜の味 〜テイスト・オブ・マネー〜

ブレックファースト・オブ・チャンピオンズ

恋のドキドキ・シェアハウス〜青春時代〜

イン・ザ・スープ 夢の降る街

ユーザーレビュー:13件

入力内容に誤りがあります。

内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。

  • 入力内容に誤りがあります。

この作品に関するあなたの感想や意見を書いてみませんか?

1〜 5件 / 全13件

韓国人の移民に暖かかったアメリカ人社会

投稿日:2021/09/05 レビュアー:アーモンド

2020年(アメリカ)監督:リー・アイザック・チョン。
良いお話でした。各国の賞を総なめにしました。
題名のミナリは韓国の香味野菜・セリのことです。
セリは2度目の旬が最も美味しいことから、子供世代のために、親世代が懸命に生きる・・・との意味が込められています。

すごく辛い苦労話を聞かされる覚悟で観ましたが、
全然そんな心配は入りませんでした。

1980年代に韓国からの移民者の家族。まだ30代の父親のジェイコブ、母親のモニカ、姉娘のアン、そして弟のデビッドの4人家族。
今のアメリカへの移民の事情は詳しくありませんが、1980年代には移民に優しかってようですね。

大きな農作地を買うだけの融資が受けられて、耕作機械も種も肥料も買えます。
トレーラーハウスとお母さんのモニカは不満ですが、私の目から見ると立派です。
ベッドもひとり1台。部屋数も多い。調理器具も揃っています。洋服だって「着の身着のまま」じゃない。
着替えが豊富。食事にも困らない。
第一にお父さんは農園主で小作ではありません。

畑だって、石ころだらけの土地を騙されたり、しません。
土地はそれなりに肥沃です。作物が日照りや大雨で全滅したりもしません。

これは苦労と言えますかね?
お父さんはとても野心家です。
「韓国野菜の生産で、絶対に成功して金持ちになるんだ!!」
側で見ているお母さんは、悲観的な性格です。
心臓の弱いデビッドを連れて行く病院が、1時間もかかる・・・と、気を揉みます。

パール・バックの『大地』とかスタインベックの『怒りの葡萄』などを思い浮かべていた私は拍子抜けでした。
こんなもの、苦労のうちに入らない・・・って思っちゃいました。

口喧嘩ばかりのお父さんとお母さんは、打開策として韓国からスンジャおばあちゃんを呼び寄せます。
まぁまぁ、このスンジヤおばあちゃんの「ぶっ飛んでること!!」
スンジャおばあちゃんの登場で、映画は劇的に面白くなります。
花札が趣味で、孫のデビッドへのお土産は花札です。
そしてテレビでプロレスを観るのが大好き。
真面目でも模範的でも無い年寄りです。
はじめデビッドはおばあちゃんを嫌います。
またこのデビッドも笑わしてくれます。
小太りでチビで、デビッドってミドルネームなのかな?
(ジェイコブもモニカもアンもデビッドも、韓国人の平べったい顔には不似合いです、正直言って!!)
デビッドは、おねしょなど、エピソードに欠きません。

この映画を観ていると、韓国人を迎えるアメリカ人も、同輩の韓国人も、子供たちの学校友達も父兄も、悪い人は一人も出て来ません。
と言っても、ラストには衝撃的な展開がありますが・・・。

お終い行くにつれて盛り上がる映画で、スンジャおばあちゃんの役割が、
この映画を劇的なストーリーへ導きます。

こんなにアメリカ人が良い人ばかりで、間違い無いのかしら?
昔はアメリカは移民を優しく受け入れていたの?
原作者のノスタルジーなのかしら?

今のアメリカの実像も見てみたいと、思いました。

このレビューは気に入りましたか? 18人の会員が気に入ったと投稿しています

生きてゆく、困難の種は尽きまじ

投稿日:2021/09/03 レビュアー:くまげらの森

(2020年製作・アメリカ)監督・脚本リー・アイザック・チョン
気鋭のスタジオ「A24」とブラッド・ピットの製作会社「PLAN B」が製作した。

1980年代のアメリカ。農業での成功を夢見てアーカンソー州の高原に土地を買い、
家族で引っ越してきた韓国系移民一家の物語だ。
韓国の野菜を作りたいという強いこだわりを持つ父、ジェイコブ。
ボロボロのトレーラーハウスを見て不安が募る母、モニカ。
(生粋の韓国人だけどこの名前は通称という事か?)
平べったい顔したその辺にいる7歳坊主がデヴィットとか呼ばれるのは・・すこぶる変かも。

そのデヴィットは心臓が悪く、面倒を見てもらうため、韓国からモニカの母スンジャ(ユン・ヨジョン)を呼び寄せる。

スンジャは森の奥の川べりにミナリの種を撒いた。
『ミナリ』というのは食材『セリ』の事で、水のきれいな所に根を生やし育つ。
(あの「キリタンポ」に入れるセリですね)

破天荒で明るいスンジャの登場で、物語はやっとユーモラスなシーンが生まれる。
しかし、農園では次々に問題が起きる。特に水不足に関わる一件が家族を苦しめる。
せっかく掘り当てた地下水が早くも枯渇し、後半では病気になったスンジャが、ある事件を引き起こす。
夫婦は時に争いながら、気持ちが行き違いながらも、乗り越えるべく
懸命に生きてゆく。アーカンソーの美しい大自然をバックに淡々と描かれる日常。
韓国と違って、頑張れば成功できる国なんだと思ってアメリカに渡ってきたら、
実は大して合理的でもなかったし、アメリカン・ドリームなんか影も形もなかった。
それを様々な苦しみを通して経験した時に、この家族は本当の意味でアメリカという国に生きることができるようになったのかもしれない。

このレビューは気に入りましたか? 6人の会員が気に入ったと投稿しています

ここに希望はあるのか?

投稿日:2021/09/05 レビュアー:飛べない魔女

ミナリとは韓国語でセリのこと。
『たくましく地に根を張り、2度目の旬が最もおいしいことから、
子供世代の幸せのために、親の世代が懸命に生きるという意味が込められている』(ウィキより)のだそうです。

1980年代、韓国から移住してきたジェイコブとモニカ。
カリフォルニアでヒヨコの選別作業をしていた夫婦は
娘のアンと病弱な息子のデイビッドを連れて
夫の希望であるアーカンソー州の田舎に移り住む。
ジェイコブはかつてからの夢である農業を始めるが、
乾燥したこの土地で、作物を育てるの簡単な事ではなさそうだ。
一攫千金を狙って、必死に働くも、その暮らしは一向に楽にならず
次から次へと難問が一家に降りかかります。
(とはいえ、人種差別的要素はほとんど描かれてはいません)

これでもかこれでもかと一家に辛い事が起こり
見ていて気持ちがとても苦しくなりました。
ここに希望はあるのか?
妻のモニカは自問自答し悩むのは、母として妻として当然だと思いました。
韓国からアメリカに呼び寄せたモニカの母が
近くの川辺に植えたミナリ。
これがやがて一家を救うことになるのでしょうか?

ミナリ、ミナリ、ワンダフル

最初はハルモニ(おばあちゃん)に馴染まなかったデイビッドが凄くかわいい!
ある意味、本作の主役は息子ちゃんなのではないでしょうか?
主演は『ウォーキングデッド』の主要キャスト・グレン役のスティーブ・ユァン。
本作では制作側にも名を連ねています。
アカデミー賞主演男優賞にもアジア系俳優として初めてノミネートされました。
そしてハルモニ役のユン・ヨジョンは助演女優賞を受賞しました。

このレビューは気に入りましたか? 5人の会員が気に入ったと投稿しています

 レビューその2  「 よくある韓国人のイメージ 」を避けて ネタバレ

投稿日:2022/02/13 レビュアー:ロキュータス

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

( ネタばれあり )

韓国からアメリカへの移民は朝鮮戦争中の1952年から1965年までは移民国籍法で規制されて年間100名まで、それ以外に養子で総数5000名、配偶者として6000名が渡ったと推定されるらしい。
 1965年の移民国籍法で差別が撤廃され国別の枠がなくなった。
だから韓国系だけが優遇されるようになったわけではないですが、時期を考えると、韓国の東京オリンピック参加、日韓基本条約で国交回復、ベトナム戦争参戦などに対するアメリカ側の見返りをやはり感じます。

 1970年代以降急増し、本作のセリフの中に毎年3万人とあり。最近の国勢調査では約170万人、日系を抜いて、アジア系アメリカ人では5位の人口だそうです。

 さて、この一家はどうしてアメリカへ来たのか。
今や個人あたりGDPで日本を抜いた韓国ですが、本作が描く1980年代、韓国はまだ発展途上で、まず豊かな生活を求めてでしょう。
また軍事政権で、言論の自由は押さえつけられていましたし、今もある問題ですが、父親のジェイコブはおそらく徴兵されたでしょうから、息子にはさせたくなかったのかもしれません。

売り物にならないオスを早いうちに処分するための「 ひよこのオスメス鑑定法 」。
日本が確立した技術で、技術と根気がいるので日本人が重宝されていました。
その後、おそらくより安く雇えるアジア人が増えていく中に韓国系もいたのでしょう。
本作で経営側が「今日から新しい仲間」だと拍手を促しても、みんなそっけなく黙々と作業を続けます。

また、韓国系アメリカ人はアメリカに韓国系の教会を建て、それを中心とした結びつきが強いというのがイメージですが、ひよこ鑑定所の同僚の女性は、しがらみをつくるのがいやだからと韓国系の信者同士で集まるのを断ります。
この一家がアメリカの、そしてアーカンソーの田舎に来たのも、韓国的なしがらみを嫌ってのものだというのがわかります。 本作、在米とも韓国人社会への視線がけっこうシビアですね。

さほど観ていない者からの偏見から言うと、韓国映画と言うと、僕は鬱屈した感情を吐き出す情念のドラマ、過激な展開に感情過多の登場人物をまず思ってしまいます。
しかし本作ではスクエアな夫婦が感情的な危機を迎えた時、呼ばれてやってきた妻モニカの母スンジャ(ユン・ヨジュン)の登場で、緊張は緩和される。
彼女のキャラクターが表すのは、韓国人の性格の別の一面「 ケンチャナヨ 」ですね。

「 オモニ 」というイメージから期待されるような、いわゆる「女子力」が、料理だけでなく家事全般が苦手な彼女。
花札とプロレスが好きで、最初孫のデヴィッドからも、「らしくない」と言われてしまう。
 韓国人の映画で日本発祥の遊びが出てくるので、何か政治的メッセージがあるのかと緊張しましたが、まったくの取越し苦労で、日本人にとってのマージャンと同じくナショナリズムとは無関係。
 実際、韓国人にとって花札はとても人気のある遊びらしい。
 教えられたデヴィッドは、花札で白人の友達と遊びます。

( つづく )

このレビューは気に入りましたか? 4人の会員が気に入ったと投稿しています

レビューその1  「 よくあるアメリカ南部のイメージ 」を避けて

投稿日:2022/02/13 レビュアー:ロキュータス

韓国系アメリカ人の監督、キャストにより、台詞の大部分が韓国語のハリウッド映画。

 「 これはどこの国の映画? 韓国映画 ? アメリカ映画 ? 」
こういう質問をしてみると、逆にこの映画が、典型、類型、ステレオタイプといった「型」にはまった観方から意図的にはずした、「 らしくない 」作品なのがよくわかります。
 その「ずれ」「はずし」は緊張と緩和となり、移民家族のシリアスな葛藤をやわらげて、あたたかな味わいを醸し出しています。

本作を観たあと、そうしたいろいろな「はずし」に思いが行って、このあとの「 つづき 」にまたまた、まるで解説のようなことを長々と書いてしまいました。
ですので完全ネタばれです。
先に作品をごらんになってから、あくまで「 そういう解釈もあるんだな 」と、一つの個人的観方として参考程度に流してお読みください。 
 
( つづく )

このレビューは気に入りましたか? 3人の会員が気に入ったと投稿しています

1〜 5件 / 全13件

ミナリ

ユーザーレビュー

入力内容に誤りがあります。

内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。

  • 入力内容に誤りがあります。

ユーザーレビュー:13件

韓国人の移民に暖かかったアメリカ人社会

投稿日

2021/09/05

レビュアー

アーモンド

2020年(アメリカ)監督:リー・アイザック・チョン。
良いお話でした。各国の賞を総なめにしました。
題名のミナリは韓国の香味野菜・セリのことです。
セリは2度目の旬が最も美味しいことから、子供世代のために、親世代が懸命に生きる・・・との意味が込められています。

すごく辛い苦労話を聞かされる覚悟で観ましたが、
全然そんな心配は入りませんでした。

1980年代に韓国からの移民者の家族。まだ30代の父親のジェイコブ、母親のモニカ、姉娘のアン、そして弟のデビッドの4人家族。
今のアメリカへの移民の事情は詳しくありませんが、1980年代には移民に優しかってようですね。

大きな農作地を買うだけの融資が受けられて、耕作機械も種も肥料も買えます。
トレーラーハウスとお母さんのモニカは不満ですが、私の目から見ると立派です。
ベッドもひとり1台。部屋数も多い。調理器具も揃っています。洋服だって「着の身着のまま」じゃない。
着替えが豊富。食事にも困らない。
第一にお父さんは農園主で小作ではありません。

畑だって、石ころだらけの土地を騙されたり、しません。
土地はそれなりに肥沃です。作物が日照りや大雨で全滅したりもしません。

これは苦労と言えますかね?
お父さんはとても野心家です。
「韓国野菜の生産で、絶対に成功して金持ちになるんだ!!」
側で見ているお母さんは、悲観的な性格です。
心臓の弱いデビッドを連れて行く病院が、1時間もかかる・・・と、気を揉みます。

パール・バックの『大地』とかスタインベックの『怒りの葡萄』などを思い浮かべていた私は拍子抜けでした。
こんなもの、苦労のうちに入らない・・・って思っちゃいました。

口喧嘩ばかりのお父さんとお母さんは、打開策として韓国からスンジャおばあちゃんを呼び寄せます。
まぁまぁ、このスンジヤおばあちゃんの「ぶっ飛んでること!!」
スンジャおばあちゃんの登場で、映画は劇的に面白くなります。
花札が趣味で、孫のデビッドへのお土産は花札です。
そしてテレビでプロレスを観るのが大好き。
真面目でも模範的でも無い年寄りです。
はじめデビッドはおばあちゃんを嫌います。
またこのデビッドも笑わしてくれます。
小太りでチビで、デビッドってミドルネームなのかな?
(ジェイコブもモニカもアンもデビッドも、韓国人の平べったい顔には不似合いです、正直言って!!)
デビッドは、おねしょなど、エピソードに欠きません。

この映画を観ていると、韓国人を迎えるアメリカ人も、同輩の韓国人も、子供たちの学校友達も父兄も、悪い人は一人も出て来ません。
と言っても、ラストには衝撃的な展開がありますが・・・。

お終い行くにつれて盛り上がる映画で、スンジャおばあちゃんの役割が、
この映画を劇的なストーリーへ導きます。

こんなにアメリカ人が良い人ばかりで、間違い無いのかしら?
昔はアメリカは移民を優しく受け入れていたの?
原作者のノスタルジーなのかしら?

今のアメリカの実像も見てみたいと、思いました。

生きてゆく、困難の種は尽きまじ

投稿日

2021/09/03

レビュアー

くまげらの森

(2020年製作・アメリカ)監督・脚本リー・アイザック・チョン
気鋭のスタジオ「A24」とブラッド・ピットの製作会社「PLAN B」が製作した。

1980年代のアメリカ。農業での成功を夢見てアーカンソー州の高原に土地を買い、
家族で引っ越してきた韓国系移民一家の物語だ。
韓国の野菜を作りたいという強いこだわりを持つ父、ジェイコブ。
ボロボロのトレーラーハウスを見て不安が募る母、モニカ。
(生粋の韓国人だけどこの名前は通称という事か?)
平べったい顔したその辺にいる7歳坊主がデヴィットとか呼ばれるのは・・すこぶる変かも。

そのデヴィットは心臓が悪く、面倒を見てもらうため、韓国からモニカの母スンジャ(ユン・ヨジョン)を呼び寄せる。

スンジャは森の奥の川べりにミナリの種を撒いた。
『ミナリ』というのは食材『セリ』の事で、水のきれいな所に根を生やし育つ。
(あの「キリタンポ」に入れるセリですね)

破天荒で明るいスンジャの登場で、物語はやっとユーモラスなシーンが生まれる。
しかし、農園では次々に問題が起きる。特に水不足に関わる一件が家族を苦しめる。
せっかく掘り当てた地下水が早くも枯渇し、後半では病気になったスンジャが、ある事件を引き起こす。
夫婦は時に争いながら、気持ちが行き違いながらも、乗り越えるべく
懸命に生きてゆく。アーカンソーの美しい大自然をバックに淡々と描かれる日常。
韓国と違って、頑張れば成功できる国なんだと思ってアメリカに渡ってきたら、
実は大して合理的でもなかったし、アメリカン・ドリームなんか影も形もなかった。
それを様々な苦しみを通して経験した時に、この家族は本当の意味でアメリカという国に生きることができるようになったのかもしれない。

ここに希望はあるのか?

投稿日

2021/09/05

レビュアー

飛べない魔女

ミナリとは韓国語でセリのこと。
『たくましく地に根を張り、2度目の旬が最もおいしいことから、
子供世代の幸せのために、親の世代が懸命に生きるという意味が込められている』(ウィキより)のだそうです。

1980年代、韓国から移住してきたジェイコブとモニカ。
カリフォルニアでヒヨコの選別作業をしていた夫婦は
娘のアンと病弱な息子のデイビッドを連れて
夫の希望であるアーカンソー州の田舎に移り住む。
ジェイコブはかつてからの夢である農業を始めるが、
乾燥したこの土地で、作物を育てるの簡単な事ではなさそうだ。
一攫千金を狙って、必死に働くも、その暮らしは一向に楽にならず
次から次へと難問が一家に降りかかります。
(とはいえ、人種差別的要素はほとんど描かれてはいません)

これでもかこれでもかと一家に辛い事が起こり
見ていて気持ちがとても苦しくなりました。
ここに希望はあるのか?
妻のモニカは自問自答し悩むのは、母として妻として当然だと思いました。
韓国からアメリカに呼び寄せたモニカの母が
近くの川辺に植えたミナリ。
これがやがて一家を救うことになるのでしょうか?

ミナリ、ミナリ、ワンダフル

最初はハルモニ(おばあちゃん)に馴染まなかったデイビッドが凄くかわいい!
ある意味、本作の主役は息子ちゃんなのではないでしょうか?
主演は『ウォーキングデッド』の主要キャスト・グレン役のスティーブ・ユァン。
本作では制作側にも名を連ねています。
アカデミー賞主演男優賞にもアジア系俳優として初めてノミネートされました。
そしてハルモニ役のユン・ヨジョンは助演女優賞を受賞しました。

 レビューその2  「 よくある韓国人のイメージ 」を避けて

投稿日

2022/02/13

レビュアー

ロキュータス

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

( ネタばれあり )

韓国からアメリカへの移民は朝鮮戦争中の1952年から1965年までは移民国籍法で規制されて年間100名まで、それ以外に養子で総数5000名、配偶者として6000名が渡ったと推定されるらしい。
 1965年の移民国籍法で差別が撤廃され国別の枠がなくなった。
だから韓国系だけが優遇されるようになったわけではないですが、時期を考えると、韓国の東京オリンピック参加、日韓基本条約で国交回復、ベトナム戦争参戦などに対するアメリカ側の見返りをやはり感じます。

 1970年代以降急増し、本作のセリフの中に毎年3万人とあり。最近の国勢調査では約170万人、日系を抜いて、アジア系アメリカ人では5位の人口だそうです。

 さて、この一家はどうしてアメリカへ来たのか。
今や個人あたりGDPで日本を抜いた韓国ですが、本作が描く1980年代、韓国はまだ発展途上で、まず豊かな生活を求めてでしょう。
また軍事政権で、言論の自由は押さえつけられていましたし、今もある問題ですが、父親のジェイコブはおそらく徴兵されたでしょうから、息子にはさせたくなかったのかもしれません。

売り物にならないオスを早いうちに処分するための「 ひよこのオスメス鑑定法 」。
日本が確立した技術で、技術と根気がいるので日本人が重宝されていました。
その後、おそらくより安く雇えるアジア人が増えていく中に韓国系もいたのでしょう。
本作で経営側が「今日から新しい仲間」だと拍手を促しても、みんなそっけなく黙々と作業を続けます。

また、韓国系アメリカ人はアメリカに韓国系の教会を建て、それを中心とした結びつきが強いというのがイメージですが、ひよこ鑑定所の同僚の女性は、しがらみをつくるのがいやだからと韓国系の信者同士で集まるのを断ります。
この一家がアメリカの、そしてアーカンソーの田舎に来たのも、韓国的なしがらみを嫌ってのものだというのがわかります。 本作、在米とも韓国人社会への視線がけっこうシビアですね。

さほど観ていない者からの偏見から言うと、韓国映画と言うと、僕は鬱屈した感情を吐き出す情念のドラマ、過激な展開に感情過多の登場人物をまず思ってしまいます。
しかし本作ではスクエアな夫婦が感情的な危機を迎えた時、呼ばれてやってきた妻モニカの母スンジャ(ユン・ヨジュン)の登場で、緊張は緩和される。
彼女のキャラクターが表すのは、韓国人の性格の別の一面「 ケンチャナヨ 」ですね。

「 オモニ 」というイメージから期待されるような、いわゆる「女子力」が、料理だけでなく家事全般が苦手な彼女。
花札とプロレスが好きで、最初孫のデヴィッドからも、「らしくない」と言われてしまう。
 韓国人の映画で日本発祥の遊びが出てくるので、何か政治的メッセージがあるのかと緊張しましたが、まったくの取越し苦労で、日本人にとってのマージャンと同じくナショナリズムとは無関係。
 実際、韓国人にとって花札はとても人気のある遊びらしい。
 教えられたデヴィッドは、花札で白人の友達と遊びます。

( つづく )

レビューその1  「 よくあるアメリカ南部のイメージ 」を避けて

投稿日

2022/02/13

レビュアー

ロキュータス

韓国系アメリカ人の監督、キャストにより、台詞の大部分が韓国語のハリウッド映画。

 「 これはどこの国の映画? 韓国映画 ? アメリカ映画 ? 」
こういう質問をしてみると、逆にこの映画が、典型、類型、ステレオタイプといった「型」にはまった観方から意図的にはずした、「 らしくない 」作品なのがよくわかります。
 その「ずれ」「はずし」は緊張と緩和となり、移民家族のシリアスな葛藤をやわらげて、あたたかな味わいを醸し出しています。

本作を観たあと、そうしたいろいろな「はずし」に思いが行って、このあとの「 つづき 」にまたまた、まるで解説のようなことを長々と書いてしまいました。
ですので完全ネタばれです。
先に作品をごらんになってから、あくまで「 そういう解釈もあるんだな 」と、一つの個人的観方として参考程度に流してお読みください。 
 
( つづく )

1〜 5件 / 全13件