許された子どもたち

うぬぬ、なんかスゴイの見たなーという尺長めテーマ重ための胃もたれ系。
イジメ殺人の加害児童とその家族の物語です。
詳しくは裸足のラヴァースさんのレビューをお読みください！
私ごときがどーこー言える作品じゃないかなという感じ。感想だけ少し書きます。

被害者も地獄なら加害者も地獄というハナシなんですね。
加害児童の絆星（きら）少年が仲間をイジメている様子や、裁判で不処分となるまでの経緯を見ていると、
これは同情しかねるなーとモヤモヤ度がマックスに。
かと言ってＳＮＳで晒され叩かれ、自宅に落書きされ投石されっていうのはアタオカなリンチでしかなくて、
オエッて感じ。

地元にいられなくなって転校するも、そこでもイジメ問題はあり。子役がみんな上手くて憎っつらしいわー。
クラス内でイジメについての話し合いが持たれるシーンがあって、ここ、面白かったですね。
生徒役の子たちそれぞれが、思うところを自分の言葉で喋っているように見える。
ウィキ見ると、制作段階で子どもたちにディスカッションさせてそれを演出にも取り入れたとあるので、
やっぱり、わりと彼らの生の声なんじゃないかなー。
「イジメられる側に原因がある」論を主張する子が多いなか、それは違う、集団で一人を攻撃するのは
間違ってるってキッパリ言う子がいたのは嬉しかったな。

この映画、どっちが正義でどっちが悪とカッチリ線引きした演出はなくて、どれもこれも人間の弱さや
愚かさや罪深さなのだなと思わせられる。悪の元凶っぽい母親にも他者への気配りや優しさといった
美点を持たせていて、その辺の語り方はフェア。
ま、100%の悪人なんてこの世にいないので、トーゼンなんだけど。
で、主人公を改心へと導く、罪と罰ソーニャのような少女も現れて大団円を迎えるかなーと期待してたら
ラストの展開がぜんっぜん甘くなかった。唖然ボーゼンですよ。
スイーツ好きにこの仕打ちは勘弁してほしいわぁ。

どこにも居場所がないクソみたいなこの世界でも生き抜いてやるゼって感じの、アウトサイダーな母子の姿に、
自分のココロは迷子になりました。あっけらかんと「再生の兆し」について明るく語る少年。
この時の彼の顔つきとか表情が、それまでの若干、演技臭のある訳アリ少年と打って変わって素の感じで、
なんなら魅力的にすら見えて。戸惑いました。巧いね、この子。（全く知らない役者さん）
この状況で希望なんか持てるハズもないし、かと言って突き抜けた絶望を笑っちゃってる、って言うのでもない。
んんー、もしかしたら「無敵の人」に近いモンスター誕生なのか・・・な。

冒頭から上手すぎる 長い映画なので 少年の死までの因果は省略
緩急の軽快なリズム 明らかに画面を優先 一気見の面白過ぎが欠点
の映画になりそうか 八年もの企画を練っていた様で あらゆる部門
で その執念の成果が現れている

珍しい少年裁判の模様 きっちり描写して40分で不処分 許された
子供たち 仲間の内二名は脇にやられ省略 グリム君残る 構成上の
飛躍で退屈させない 当然引っ越しで物語は転調するのだろう
ゲスノートのキラと同じ名前を持つ主人公は柳楽君似なので
真梨子哲也作品も思い浮かぶ そう言えば 彼の家の玄関ガラス戸の
ガチャンな開閉は「悪魔のいけにえ」だろうな その他引用ありだ

ところで許されるとはどうゆう事だろうか (神)と(法)が登場する
主人公はどんどこ変わっていく 一大決心で被害者宅へ謝罪に行く
神はこれで許すだろう しかるに法は形式的には有罪を宣告しなけ
れば一応の解決をみない 法の判定により 世間は納得の地平に至り
無関心となってくれるわけだ そんな解釈など理解不能な主人公は
元の木阿弥 五里霧中となるカノジョも助けにはならない

ここから法問題を終え 新たな地でのイジメの試練の中で主人公の
心は揺れ動く訳だが これを断じて心理劇にしない為 唐突な展開に
見える様になるのだが そこを映画は動性をもって処理する 母子
密着な二人を走らせる ドローンが追う 頭から煙が沸き出るw
刻々と主人公の心的変化は加速して それは母と同期して 夢のお告
げで再生したと主人公はうそぶき 母と息子は共闘のレジスタンス
サバイバルを賭け カオスの世界へピエロとなって突き進むだろう
こうしてジメッとしたイジメの物語は 主人公と共に映画もまた
生成変化してしまうのだ 後半では男の子はまったく別人様な顔を
スクリーンに晒して素晴らしいではないか！

　過去にいじめを受けていた少年が加害者となり殺人を犯してしまう。
　しかし裁判で否認したことから不起訴処分になる。
　だが社会は許すはずもなく誹謗中傷から引っ越しを余儀なくされる。
　名前を変えて生活する新しい場所で正体が発覚し糾弾される。結果的に父親が夜逃げ。母親は必死に守ろうとする。

　加害者視点での奥深い物語。私刑も多く正義感を振りかざす側の気持ち悪さもきっちり描かれる。

　ひたすらに奥深く罪深い。
　加害者側からの苦悩もそうだが、加害少年の悪っぷり。反省のなさ。もどかしさ。

　加害者少年に寄り添う少女が健気というかだからこそ計算高いというか、献身的で可愛いけど闇が深いね。すごく魅力的でした。

　１人だけ更生したようにも思えますが、残り３人のクズっぷりが最後まで見事。クソガキっぷりがいいね。

　とにかく見入ってしまうすごい作品です。

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とんでもないパンチ力の自主制作映画。
ラストは生まれ変わって人生をやり直したい願望の表現なのか。
実際に起きた複数の少年事件をモチーフに、構想8年の歳月をかけた作品。
裁判所シーンや落書きされた家がリアル。