おカネの切れ目が恋のはじまり

脚本：大島里美（2020年・TBS系TVドラマオリジナル作品）

清貧女子・九鬼玲子（松岡茉優）と浪費男子・猿渡慶太（三浦春馬）のラブコメ。
“金は天下の回りもの”と言うけれど、おカネの使い方は人それぞれ。
玲子は、中学生の頃のある出来事がきっかけで今のような金銭感覚が身についた。
傷心の時、父が買ってくれた“おもちゃ”に心を癒され、今はそのおもちゃメーカーの経理部で勤務している。
慶太は、そのおもちゃメーカーの御曹司で跡取り息子。しかし、母に甘やかされて育ったせいか、その金銭感覚は“崩壊”、いや、最初から無いに等しいかも知れない。
父は、息子にお金の使い方を学ばせようと営業部から経理部へ異動させると共に、慶太のカードを無効にし、マンションを売り払って、慶太を経済的窮地に追い込むのだったが・・・
毎回、視聴者もおカネの勉強が出来る「ミニ知識」や玲子が15年間も片思いしている早乙女健（三浦翔平）の投資セミナーシーンがある。
そして、ドケチ節約男子・板垣純（北村匠海）が絡んで、人生の悲喜こもごもが展開される。
玲子が、自分の心が落ち着くものに囲まれて、その一つ一つに感謝と愛情を持って接している姿が清々しい。そして、満足げに「良き」と呟く。
玲子が気になるのは「ほころび」
「ほころび」を見つけると、彼女はどうしても繕わずにはいられない。
そんな玲子にも「ほころび」があることに慶太は気づき、ドラマが一気に動いて行く。
甘え上手で憎めない慶太は、自由奔放に皆の周りで笑顔をばら撒いている。
しかし、雷の夜、ゴロゴロピッカーン！と思わず玲子にキスをしてしまった慶太は、翌早朝にふらりと家を出て行ったまま会社を無断欠席。行方不明。。。。。。。。。
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あの三浦春馬くんのとびきりの笑顔が懐かしい。
お蔵入りも囁かれたが、本来全8話のシナリオを書き直し、全4話で放送された。
最終話となった第4話で慶太の存在を確認できるのは、玲子に対する思いに気付いた慶太が、布団の中で眠れぬ朝を迎えたシーンだった。
最終話のラスト、玄関の戸が静かに開き、慶太が帰って来たようにも思える。
淋しいけれど、この余韻で終わらせる配慮は「良き」…

雲ひとつない青空
まぶしい太陽の光
透き通るような海
心地良い新緑の風
高原の澄んだ空気
三浦春馬スマイル

これ全部が同格です。
爽やかさという点で同格です。

彼を襲った悲劇
その悲劇を知った日本中の悲しみ
その喪失感で
しばらく観れなかったドラマ
観てみると
とても面白い作品になっていました。
春馬君は相変わらず
まぶしいばかりの笑顔で
これ以上ないほど爽やかに
存在していました。
ストーリーもとても楽しく
願わくば
当初の予定である全８話構成のものを
堪能したかったと思います。
どんなに願っても
それは叶いませんが
そう思ってしまいます。
観てると現実と虚構の境界線がなくなり
春馬君はちゃんと存在しています。
それが最終話でしばらく登場しないときに
はたと現実に引き戻され
この上ない喪失感に襲われました。
そうか
そういうことだよね、と
彼のファンでもない
気になった作品だけを観るぐらいのボクが
そうなのだから
ファンの方々の気持ちはいかばかりでしょう
あの笑顔はもうないんですね
更新されないんですね
その損失が
とても大きいことと
その喪失に
全く現実感がないことを
改めて感じる今日この頃です。

松岡さん演じる主人公
すばらしい女性でした。
ヒロインでした。
そばにいたくなるステキ女子です。
ショートが似合うのに
なんでロングなんだろ？って思ってたら
なるほど
かなり古典となったその設定を使いたかったからなのですね。