ビハインド・ユー　−その「何か」は、鏡の中にいる−

オリヴィアとクレア姉妹は、母を亡くした。
両親は離婚しており父とは連絡がつかず、二人は母方の伯母ベスの家に身を寄せた。
ベスは二人を歓迎せず「夜10時以降は、朝まで部屋から出てはいけない」と言い渡す。
この家には、悪霊が潜んでいたのだ…

悪霊は幼いクレアを唆し、鏡が置かれた地下室に誘い出す。
悪霊は鏡を媒介にして現世に出てこようと画策していた。
埃に覆われた鏡面に文字が浮き上がり、クレアはこれを読み上げる。
「鏡よ、鏡…」と…
このあたりまでは、ちょっとクラシカルな雰囲気もあり期待感を持っていたのだが…

悪霊に取り憑かれたクレアが、危険な存在となっていくわけだが、どうも一本調子…
出し惜しみしているのか、悪霊のチラ見せ加減が半端ない。
ベスが頼みとする降霊術の本は、いかにも小道具といった趣で残念だった。
地下室の鍵が入っていた箱は、箱根の寄せ木細工「秘密箱」のようで本物感があったのに…

姉妹の世話を焼くカミラという女性が不憫…
姉妹の母の同僚という薄い関係のカミラだが、姉妹のために尽力する善良な女性。
彼女は取り憑かれたクレアに殺害され、遺体はベスによって遺棄される。
彼女の死を悼む者はなく、その死が発覚するのかもわからぬまま終わる。
殺され要員キャラの定めだろうか。合掌…

わざわざ人間のなかに入り込まなくても悪魔は十分強い。
人間に対してやりたい放題だ。
だから、敢えて人間にとりつく意味なくない？
そんな面倒くさいことしなくても、その強さを行使すればいいんじゃないの？
ということをいつも感じる(;^_^A

最初はいい雰囲気で、おお！こりゃ怖くなる予感が！
と思ったけど、終わってみれば、なにやら全てが中途半端で怖さも今一つ。
死亡フラグたったな、と思う人は案の定死亡。
結局悪魔はクレアの体を使ってなにがしたかったの？
ああ、そうか！
この悪魔はこの屋敷からは人間に乗り移らなければ出れないのか！
外の世界に出たかったのね！？
あんなに強い魔力があるのに、どこにも出れないなんて、理不尽やね〜(笑)
母親を失って傷心状態の美しい姉妹。
特に心の弱い妹のクレアは操りやすいから乗り移ろうとする悪魔だけど
呪文三回で乗り移れるとか、安直な悪魔よね〜。
姿も鏡越しにチラ見せ程度だし、おい、おい、出し惜しみかよ〜と思ってしまった。
展開の捻りはないので、怖さも無かった。
まあ、怖がりの私には、昼間電車の中で観るには
怖さも長さも丁度良かったけどね(笑)

　鏡の中になにかに連れ去られ、そして死んだ妹。

　それから４０年後。
　母親を亡くした姪たちが訪れる。

　すごく恐ろしい雰囲気のおばとその知人。
　不気味な屋敷で過ごす中聞こえる声。

　そして鏡の中からそいつを……。


　なかなか不気味ですがそれほど怖さはありません。

　解決したか……となってからのさらなる展開が怖い。どうしようもなく解決できそうにない。
　だからこそのどうしようもない結末。

　はてさて、警官はなにか知っているのか？　そう思わせる処理。

　結末はどうしようもなく切ない。