旅

「旅（「The Journey」」（1959、米国、カラー、125分）。アナトール・リトヴァク監督。
デボラ・カー、ユル・ブリンナー、アヌーク・エーメ、ジェイソン・ロバーズの共演。
「復刻シネマライブラリー」さんの多くの快挙のなかの１作。
冷戦下1956年、「ハンガリー動乱」（1956年10月23日〜11月10日）が起こり、ソ連がブダの国際空港に侵出。米国人「アシュモア」(デボラ)、「フレミング」（ジェイソン）は〈夫婦〉と名乗って、機関銃と検問をくぐり、ウィーンへ行くバスに乗る。この乗り合いバスの車内の場面は面白い。多民族の集合。オーストリア国境に待機するソ連側の国境警備隊の「スーロフ少佐」（ブリンナー）は国境通過を許さず、全員のパスポートを没収した。……。
ここから、デボラ・カーとユル・ブリンナーの駆け引きのある劇になります。二人の恋愛を秘めた闘いが、この映画の主題です。
「深慮ともに」自分が憎まれ殺されても、最終的な大義があると静かに確信、他己に徹する複雑な役はブリンナーでしかできないでしょう。７年後の「男と女」（1966）の「女」を演じたアヌーク・エーメが出て、「エヴァ」という役を演じて美しいですが、まだティーンエイジャーで俳優として熟してはいません。
やはり、本作では、デボラ・カーとユル・ブリンナーの大人の駆け引きが魅力なのです。
こういう関係は、滅多にあることではないでしょう。大人の「旅」です。
「追想」もまた見なければ、と思います。

これまた MGMの旧譜アルヒーフコレクションの一本 酷い画質w

昔の映画ファンだと その名前を口にすると 何処か遠い目となる
ってのは 僕だけだろうかとか思ったりするアナトールリトヴァーグ
響きがいいんだよね うたかたの戀とか追想なんてタイトルもね

お話は ハンガリー動乱真只中を脱出せんとするアメリカ人パッセン
ジャーの苦難 冒頭の飛行場から 流石なしっかりしたルックで
こりゃスピルバーグ「ターミナル」を期待するも そこを直ぐ追い出
されて バスでウィーンへと旅立つも そこも端折られて しょぼい
村の旅籠が舞台なので 会話劇にしかなりません そこに颯爽とユル
ブリンナーが登場

天下のグレースケリーが 新人でデヴュー作の何とジェーソンロバー
ズが パルチザン兼婚約者で絡み えっとなりますわ その彼も重症の
怪我で活躍ゼロの役立たず ブリンナーはグレースに一目惚れ てな
話なのですが 全然面白くならず 無理筋のカサブランカの出来損
ない なのですわ 残念でした