ＣＵＲＥＤ　キュアード

人を凶暴化させるウイルスが流行しアイルランドは壊滅状態に陥った。
やがて、治療法の確立により、感染者の75％が回復する。
回復者は、他者を殺害した感染中の記憶を失っていなかった。
社会は回復者の監視と管理に加え、治癒しない感染者の安楽死が決定しつつあった。
市井の一青年セナン、弁護士で政治家を目指していたコナーは、
共に回復者だという絆で結ばれていたが…

回復者への差別、人の悪意が描かれるばかりで、ゾンビさんの活躍は少ない。
迫害された者達が蜂起する側面もあるが、コナーのセナンへの嫉妬と執着の物語って感じ。
とにかくコナー（トム・ヴォーン・ローラー）の卑劣っぷりが光る。
だが、そんなものを見せられて楽しいわけがないｗ

感染中に母親を噛み殺したコナーは退院後に父を訪問するが、激しい拒絶に合う。
一方、セナンには、亡き兄の妻アビー（エレン・ペイジ）から手が差し伸べられた。
弁護士の俺様が社会復帰できないのに、セナンは上手くやっている。キィーッ！って
コナーの嫉妬のスイッチが入る。
コナーの負の感情が、沈静化していたアイルランドの感染状況を変える。怖っ！
感染中の記憶に悩まされないコナー。
「ウイルスに身を任せ」暴力衝動に走った瞬間に、人としての心が壊れたのかも…

低予算なのだろう。軍隊、感染者の隔離施設、どれもショボい。
危険な感染者の拘束が、革紐とバンダナの猿轡だけってのには泣けた…
しかし、多めのエキストラ投入により、辛うじて体裁を保っている。
内容同様、寒々しい街や丘、草原の映像が悲しげだった。

タイトルの『CURED』とは、アイルランドで流行したゾンビ化ウイルスに感染後、
開発された治療薬により治癒した人々のことを指すようです。

治癒したので社会復帰を試みるのですが、
また発症するのではないか、彼らが感染していた間にやらかしたことを許せるのか、
様々な差別を受けるようです。

彼らは治癒できているのですが、まだ感染者の25％の人々は
現在の治療薬では効果が無く、収容所で隔離され打つ手なしの状態。
このまま治癒しない人々が溢れかえるとどうなってしまうのか。
一般の人々の平穏な生活に大きな支障が生じてくるのではないか。

パンデミックは差別を助長してしまう。

『スクール・ウォーズ』の滝沢先生が語る
”愛とは、信じ、待ち、許すこと”

愛がいっぱいアイルランドでは、どういった主張となるのか、
ゾンビ化パンデミックという世界観で人としてどうあるべきかを主張する作品として
本作品とほぼ同時にイタリア発の『ラストドア』がありましたが
両作品の主張の差異がそのまま制作当時のお国事情なのかも。

よくあるゾンビ物とは違いこちらはゾンビになって治った方達のお話なのでゾンビが出て来たり戦ったりはほぼ皆無です。
世間の差別に苦しむといった内容でしたがストーリーもパッとせず、終始退屈でした。
オススメはしません。
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