フィッシャーマンズ・ソング　コーンウォールから愛をこめて

イギリス南西部コーンウォール地方の小さな港町、ポート・アイザック。
1995年に現役漁師が中心となって結成した舟歌バンド「フィッシャーマンズ・フレンズ」彼らを発掘した敏腕マネージャー、ダニーによる、嘘のような本当のサクセスストーリーを元にしたヒューマンドラマです。

青い空と海が広がるコーンウォール。
ロンドンから遊びに出かけたミュージックマネジメント会社のチャラ男たちが、たまたま耳にした漁師の舟歌を冗談の材料にして、「契約してこい」とお調子者の部下をけしかける。まぁ、この段階では誰もデビューするなんて思わないさな。
ところが、上司に騙されて契約にまでこぎつけたダニーは
「これぞ歌の原点だ。忘れていた俺たちにない魂の歌だ」
と、本気で売れると突っ走る。

漁師さんたちだって、本業の漁、災難救助隊として何かあれば出動、パヴで仲間と大騒ぎ
と結構忙しいのだ。
しかし彼らの野太い声が織りなすハーモニー（赤ちゃんの時から知り合いだとか）
生活に密着した笑える歌詞（寝坊してどうしたって？♪）
そりゃロンドンにはないべ。
現役漁師がワークブーツで歌う最年長ボーイズバンドが、契約金100万ポンドでメジャーデビュー！
1stアルバム「Port Isaac's Fisherman's Friends」が全英チャートでトップ10入りを
果たしたという、そこに至るまでの紆余曲折を描いたドラマ。
閉鎖的な田舎町にありがちな、よそ者はずしやガンコ一徹ジジイが苦味を追加。
（言いにくいのだが、高齢ジイサンたちのボーイズバンドだから、若干メンバーに交代が
あったのだろうな。）ちょっと地味な絵面だけど、中身はエネルギッシュな物語でした。

　イングランド南部の風光明媚なコーンウォール地方の小さな漁村、ポートアイザックを舞台に、伝統を守って海に生きる男たちの矜持と質実な暮らし、パブに集い協力し合う地元の人々の温かくも固い絆が、フィッシャーマンズ・フレンズの力強い歌声を伴奏にして、爽やかに描かれている。

　主人公は、フィッシャーマンズ・フレンズのメンバーたちと言うより、何百年も歌い継がれてきた彼らの魂の労働歌に心底魅了されてしまう、音楽プロデューサーのダニー。結婚を控えた友人の独身旅行に、仲間４人でロンドンからポートアイザックを訪れるのだが、お気楽な彼らは、早々に海で遭難し、本業の傍ら救命活動も行っている漁師たちに救助される始末。ダニーが漁師たちの歌に興味を示すと、仕事上の上司であるトロイは、彼らと折衝して契約せよと、ダニーひとりを村に置き去りにして、他のふたりとこっそり帰ってしまう。

　最悪なのは、しかもそれが悪ふざけによる全くの冗談だったことだ。そうとは知らないダニーは、途方に暮れながらも、よそ者を信用せず一筋縄ではいかない頑固な漁師たちと必死に交渉して、何とか契約にこぎつける。ところがトロイに成果を報告すると、冗談だったのにと笑われてしまう。無責任にも思わず村から逃げ出そうとするダニーだったが、彼らの歌はやはり人々の心に響く本物の歌だと確信するようになった彼は、自分の力で彼らをメジャーデビューさせようと決意する。

　ダニーの悪戦苦闘ぶりとフィッシャーマンズ・フレンズが何とかデビューにこぎつけるまでの紆余曲折が、シングルマザーとの微笑ましい恋や、地元民の大切な場所であるパブの経営難の問題等を絡ませて、ユーモアを交えながら描かれる。過酷な海の仕事のなかで協同し団結して歌い継がれてきた歌の力は、ダニーの生き方や価値観にも影響を与えていく。

　命を賭して海に出る漁師たちは誇り高く、内も外もとても格好いい。サングラスをかけ黒のジャケットを着て、皆でロンドンを闊歩する姿は最高！　海や風を感じさせる彼らの歌は、軽妙ながらズシンと心に響きます。

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お気に入りのレビュアーさんのご紹介で観ることにしました。
厳しい海で生きる純朴な漁師さんたちの、昔から連綿と唄い継がれてきた唄が心地良い作品でした。
ご紹介ありがとうございました。

都会のチョイ悪おやじたちの悪ふざけから始まった漁師さんたちのデビューでしたが、漁師さんたちとの交流や唄を通じて理解を深めたプロデューサーが応援をするようになります。

頑固でヘソの曲がった漁師さんたちのマイペースに振り回されるプロデューサー。
この辺りでクスリとでも笑えると作品がもっと盛り上がって良かったと思います。

全体を通して上手くまとまっていたと思いますが、パンチ欠ける作品でした。
私的にはプロデューサーの恋愛で尺を取るよりも、漁師さんたちが頑張って上り詰めていくストーリーの方がもっと良かったと思います。

デビュー成功後の最年長メンバーの眠るような死は厳かなものがありました。

通常は仕事をしながら観ていますが、本作は、無理でした。
惜しいけど、良い作品でした。

なかなか良かったです！
なんて美しいハーモニーなのでしょうか。
その見てくれとは大違いの美しさです。
最初はからかわれてスカウトしろと言われた音楽マネージャーのダニー。
漁師さんたちの素朴な人柄と漁師としての誇り、そして何よりその歌声に
本当に魅せられてしまった彼は、上司の罵倒にも耳を傾けず
“フィッシャーマンズ・フレンズ”と命名し
音楽業界に売り込みを掛けるのでした。

イギリスのコーンウォール地方の港町ポート・アイザックがとても美しい場所で
ダニーが帰りたくなくなるのも頷けます。
そこに住む人々はよそ者（エメットというらしい）を嫌うのですが
ダニーの真摯なオファーに漁師さんたちも次第に心を開いていき
ダニーを信頼し、自分たちのデビューへの運命を彼に託します。
その過程が楽しかったです。
帰りたくない理由にはもう一つあって、宿泊している宿のオーナーである
シングルマザーのオーウェンに惹かれてしまうからでもあるのです。

事実を基にしています。
日焼けした逞しい漁師さんたちが
何故かとても愛らしかったです(笑)

イギリスに実在する漁師バンドの実話
イギリス南西部コーンウォール地方にある美しい港町が舞台

港町に旅行で訪れた音楽業界の男は、漁師たちのバンド「フィッシャーマンズ・フレンズ」のライブを偶然見かけて、契約をしてデビューを目指す

爽やかな感動サクセス物語