ジョーカー

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ジョーカー / ホアキン・フェニックス

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「ジョーカー」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した衝撃のサスペンス・ドラマ。DCコミックスのスーパーヒーロー、バットマンの宿敵“ジョーカー”に焦点を当て、コメディアンを夢みる心優しい男が、いかにして悪のカリスマへと変貌を遂げていったのか、その哀しくも恐ろしい心の軌跡を重厚な筆致で描き出す。主演は「ザ・マスター」のホアキン・フェニックス。共演にロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ。監督は「ハングオーバー」シリーズのトッド・フィリップス。大都会の片隅で、体の弱い母と2人でつつましく暮らしている心優しいアーサー・フレック。コメディアンとしての成功を夢みながら、ピエロのメイクで大道芸人をして日銭を稼ぐアーサーだったが…。 JAN:4548967436242

「ジョーカー」 の作品情報

作品情報

製作年:

2019年

製作国:

アメリカ

原題:

JOKER

「ジョーカー」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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ユーザーレビュー:64件

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1〜 5件 / 全64件

いろんなジョーカー、しかし比較はされるわな。

投稿日:2019/12/11 レビュアー:カーヴ

劇場鑑賞時のレビュー

これはダークナイトのジョーカーではないのだろう。

抑圧されたもの、不満が充満した社会の中から発生した
多くのジョーカーな中でアーサーが得たジョーカーの形
このジョーカーではバットマンと戦えない

多分、知識、洞察力、胆力に優れ後にバットマンと対峙するジョーカーは
あの多くの群集の中に身を潜めじっと見ているはず

つまりこの映画、ラストもあいまって
差別を受け不幸で理不尽な人間がブチキレるまでを描いた
ありきたりな内容、「ジョーカー」の名前をキャッチに使っただけ

それでも2時間十分魅入れるのはホアキン・フェニックスやロバート・デ・ニーロ
など演技力のたまもの、その点は素晴らしい。

演技力に頼りきって、話が疎かになったのは残念だし
詰めも甘い、あの街はゴッサムでは無くニューヨークやシカゴだ。

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病んだ時代を映す《心優しき悪のカリスマ》

投稿日:2019/12/07 レビュアー:カマンベール

2019年(アメリカ)

アメコミ映画の常識を覆す映画でした。
ホアキンの「ジョーカー」は社会の片隅でひっそりとぼろアパートで老いた母と暮らす五十男。
超能力どころか、金なし、地位なし、力無し・・・精神を病んで抗鬱剤を多量に飲み、
精神カウンセリングを受ける男。
仕事はピエロの扮装をした大道芸人。
笑わせることが仕事なのに“ワーハハハハハハハ”“ワーハハハハハハハ”と、
笑い出したら止まらない持病を患っている。

深夜の地下鉄で笑いの止まらないホアキン・ジョーカーを足蹴にして張り倒した男たち3人を、貰った銃で、撃ち殺したことから、ホアキン・ジョーカーは、悪の道に嵌まり込んで行く。

DCコミックス映画で史上初めてペネチア国際映画祭・金獅子賞受賞という快挙を成し遂げた。
世界的に人々の共感と支持を得たのは、自分達の中には、ホアキンのジョーカーが棲んでいるからだと思います。

金持ちや権力者や美貌を羨み、妬み、
“俺の能力はなぜ評価されないのだ!!”
“なぜいつまで経っても派遣社員のままなのだ”
“嫌な上司は転勤してくれ!!ダメなら病気になってくれ!!それもダメなら、この世から消えてくれ!!”

ジョーカーが怒りを爆発させたその時、共感とカタルシスを感じた筈です。
24キロも減量したホアキン・フェニックスが、急勾配の階段を軽々とステップを踏みながら踊る。
懐かしい60年代のBGMが鳴り、美しくも哀しい感動が湧き上がる。

この映画では、バットマンのブルース・ウェインは7歳位の子供で、
ホアキン・ジョーカーの母親はバットマンの父親のトーマス・ウェインの家政婦だったのです。
だから、ジャック・ニコルソンのジョーカーよりも、ヒース・レジャーのジョーカーよりも
古い話で、ホアキンのジョーカーの出生の秘密と深く絡んでいます。
この映画はアメコミ映画なのにまったくのオリジナルストーリー。
脚本の素晴らしさとホアキン・フェニックスの繊細にして独創的な怪演もあって、
本当に圧倒的で衝撃的な映画でした。
差別や貧困そして虐げられた人々に捧げられていると感じました。

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ジョーカー ネタバレ

投稿日:2019/12/07 レビュアー:片山刑事

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 「タクシードライバー」で「キング・オブ・コメディ」な話。

 スローの映像に音楽の数々、ニューヨークやシカゴ風な風景にホアキン・フェニックスの熱演とアクション大作のイメージが強いアメコミ原作映画とは一味違うアメコミ映画で珍しい気持ちで、1人の青年がひたすら可哀そうでどんどんと追い込められていって、民衆のヒーローになるまで興味深く飽きずに見ることができました。

 ただ、やっていることは「タクシードライバー」や「キング・オブ・コメディ」とほとんど同じでまた「群衆」だったり「時計じかけのオレンジ」だったり「ネットワーク」だったりと過去の名作で見てきた既視感のあるもので新鮮さはなかったです。オマージュというよりまんま「タクシードライバー」や「キング・オブ・コメディ」でクレジットとかしなくていいのだろうか? と心配になりました。

 そしてスピンオフとして後出しの説明にしか見えないところもあり、過去作のジョーカーの不気味さカリスマ性みたいなものは一切なくなり、ジョーカーというキャラクターがどんどんと小さいものに見えてしまいました。主人公が追い込まれていく描写も他の作品とかで見たことあるようなものばかりで、ホアキン・フェニックスの熱演で引っ張られますが、これでジョーカーという男になるんだとちょっと肩透かしな展開が続きました。

 自分の性格がひねくれているせいか「アメコミで史上初のヴェネツィア金獅子賞受賞!」「アカデミー賞最有力!」という情報が入ってきてしまっているせいか、アート映画を狙ってのアート映画に仕上げているかのような空気を感じてしまって冷たい視線になってしまい、前情報なくミニシアターとかでこの作品を見たときに「なんかホアキン・フェニックスの凄い映画見た!」と盛り上がりそうな作品でした。

そして、結果、格差社会がいけないというのが勉強になる映画でした。

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無理に暗いエピソードを詰め込んでる感が…

投稿日:2020/02/11 レビュアー:XPT

暗いエピソードてんこ盛りで、悪が目覚める訳だが、
約2時間という尺に詰め込みすぎてわざとらしさが強い。

アーサーくらいの年齢でこの程度のエピソードは
「誰にでも」とは言わないが、案外多くの人が似たような
経験をしてるんじゃないかと思います。
程度の差こそあれ、「だまされた」「たたかれた」「じゃけんにされた」「無視された」などなど…です。

て、それをきっかけに狂気に取り憑かれるというストーリーは安直な映画のパターンであり、
現実はもっと厳しく、人はそれに耐えて生きていると思います。

もっと練った展開を期待していたので、この作品が
取り立てて賞賛されるほどの映画とはとうてい思えませんでした。

このレビューは気に入りましたか? 9人の会員が気に入ったと投稿しています

哀切と狂気の世界

投稿日:2020/02/02 レビュアー:趣味は洋画

ジョーカー(2019年・アメリカ、カラー、122分)

この映画の入り口は小さくて狭いものでした。
冒頭は、鏡に向かって化粧を施す男の姿...横顔がアップで映し出される。
やがて男は、口の両端に両手の人差し指を入れ、無理やり笑顔をつくろうとする...。
一転して、リズミカルな音楽とともに、画面はゴッサムシティ(ニューヨークへの回帰・ニューヨークの街)に切り替わる。

このありふれた ‘映画の入り’ から、その後に展開されていく「哀切と狂気の世界」を想像することは出来ませんでした。小さな扉を開けたその中には、優しい心を持つ男の変貌をドラスティックに演じたホアキン・フェニックスの壮大な役者魂が存在していました。

ゴッサム・シティは政治の機能が不全状態となり、貧富の差は拡大、困窮した人々の精神も疲弊していた。道化師のアーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)は心優しい男で、母親のペニー(フランシス・コンロイ)と細々と暮らしていた。彼は脳と神経の損傷により、緊張すると笑いの発作に襲われる病気を患っている。母親も心臓と精神を病み、昔に仕えた大富豪トーマス・ウェイン(ブレット・カレン)に救済の手紙を送っていた。アーサーは持病がもとで様々なトラブルに遭い、会社もクビになる。ある日、地下鉄車内でトーマス・ウェインの会社で働くエリート3人に絡まれたアーサーは、笑いの発作が起き、3人から誤解されて袋叩きに遭う。アーサーは衝動的に銃を取り出し、3人を射殺する...。

人のこころの内は分からないものですが、大なり小なり、人間だれしもアーサーの心情が潜んでいるのではないでしょうか。
持病はなくとも、他人の理不尽な行動に反感を抱いたり、俗に云う社会悪の中でストレスが蓄積し、少しずつ自分が追い詰められていく感情。まして信じていた事柄に異変が生じ、信頼していた人に裏切られ、自分の存在を否定されることの悲しさ。
少しは私にも経験があります。だからこそアーサーの心情の幾分かは理解できますし、映画としての素晴らしさに文句のつけようもありません。

作品に対する評価は人それぞれでいいと思いますが、作品そのものを否定するかのような醜い言葉を使っての酷評レビューを目にすると、本当に残念で悲しくなります。
自分の仕事に誇りを持った、多くのスタッフや俳優たちによって完成された映画に対し、そんなことしか書けない人は、心底可哀そうな人だなと思います。

ホアキン・フェニックスの演技は素晴らしいものでした。
急階段を軽やかなステップで踊りながら降りてくるシーンは、最高の見せ場でした。
オリバー・ストーンの傑作、97年「Uターン」に出ていた頃は23歳くらいでしたが、2000年「グラディエーター」でラッセル・クロウに対峙し、一歩も引かぬ演技を見せたのは記憶に新しいところです。実兄リヴァー・フェニックスが早世したことも、ホアキンの役者魂に火を点けたのかもしれません。
2012年「ザ・マスター」をはじめとする他の作品群をみても、彼の役者としての資質は誰しも認めるところでしょう。
国籍は異なりますが、ホアキン・フェニックスには、ダニエル・デイ・ルイスのような俳優になってほしいと思います。

最後に独り言。
ロバート・デ・ニーロには、このオファーは断ってほしかった。(笑)
チャップリンのトーキー映画を観て笑っているアーサー。そのときの笑いは、純粋な笑いのように思えました。

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1〜 5件 / 全64件

ジョーカー

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いろんなジョーカー、しかし比較はされるわな。

投稿日

2019/12/11

レビュアー

カーヴ

劇場鑑賞時のレビュー

これはダークナイトのジョーカーではないのだろう。

抑圧されたもの、不満が充満した社会の中から発生した
多くのジョーカーな中でアーサーが得たジョーカーの形
このジョーカーではバットマンと戦えない

多分、知識、洞察力、胆力に優れ後にバットマンと対峙するジョーカーは
あの多くの群集の中に身を潜めじっと見ているはず

つまりこの映画、ラストもあいまって
差別を受け不幸で理不尽な人間がブチキレるまでを描いた
ありきたりな内容、「ジョーカー」の名前をキャッチに使っただけ

それでも2時間十分魅入れるのはホアキン・フェニックスやロバート・デ・ニーロ
など演技力のたまもの、その点は素晴らしい。

演技力に頼りきって、話が疎かになったのは残念だし
詰めも甘い、あの街はゴッサムでは無くニューヨークやシカゴだ。

病んだ時代を映す《心優しき悪のカリスマ》

投稿日

2019/12/07

レビュアー

カマンベール

2019年(アメリカ)

アメコミ映画の常識を覆す映画でした。
ホアキンの「ジョーカー」は社会の片隅でひっそりとぼろアパートで老いた母と暮らす五十男。
超能力どころか、金なし、地位なし、力無し・・・精神を病んで抗鬱剤を多量に飲み、
精神カウンセリングを受ける男。
仕事はピエロの扮装をした大道芸人。
笑わせることが仕事なのに“ワーハハハハハハハ”“ワーハハハハハハハ”と、
笑い出したら止まらない持病を患っている。

深夜の地下鉄で笑いの止まらないホアキン・ジョーカーを足蹴にして張り倒した男たち3人を、貰った銃で、撃ち殺したことから、ホアキン・ジョーカーは、悪の道に嵌まり込んで行く。

DCコミックス映画で史上初めてペネチア国際映画祭・金獅子賞受賞という快挙を成し遂げた。
世界的に人々の共感と支持を得たのは、自分達の中には、ホアキンのジョーカーが棲んでいるからだと思います。

金持ちや権力者や美貌を羨み、妬み、
“俺の能力はなぜ評価されないのだ!!”
“なぜいつまで経っても派遣社員のままなのだ”
“嫌な上司は転勤してくれ!!ダメなら病気になってくれ!!それもダメなら、この世から消えてくれ!!”

ジョーカーが怒りを爆発させたその時、共感とカタルシスを感じた筈です。
24キロも減量したホアキン・フェニックスが、急勾配の階段を軽々とステップを踏みながら踊る。
懐かしい60年代のBGMが鳴り、美しくも哀しい感動が湧き上がる。

この映画では、バットマンのブルース・ウェインは7歳位の子供で、
ホアキン・ジョーカーの母親はバットマンの父親のトーマス・ウェインの家政婦だったのです。
だから、ジャック・ニコルソンのジョーカーよりも、ヒース・レジャーのジョーカーよりも
古い話で、ホアキンのジョーカーの出生の秘密と深く絡んでいます。
この映画はアメコミ映画なのにまったくのオリジナルストーリー。
脚本の素晴らしさとホアキン・フェニックスの繊細にして独創的な怪演もあって、
本当に圧倒的で衝撃的な映画でした。
差別や貧困そして虐げられた人々に捧げられていると感じました。

ジョーカー

投稿日

2019/12/07

レビュアー

片山刑事

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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 「タクシードライバー」で「キング・オブ・コメディ」な話。

 スローの映像に音楽の数々、ニューヨークやシカゴ風な風景にホアキン・フェニックスの熱演とアクション大作のイメージが強いアメコミ原作映画とは一味違うアメコミ映画で珍しい気持ちで、1人の青年がひたすら可哀そうでどんどんと追い込められていって、民衆のヒーローになるまで興味深く飽きずに見ることができました。

 ただ、やっていることは「タクシードライバー」や「キング・オブ・コメディ」とほとんど同じでまた「群衆」だったり「時計じかけのオレンジ」だったり「ネットワーク」だったりと過去の名作で見てきた既視感のあるもので新鮮さはなかったです。オマージュというよりまんま「タクシードライバー」や「キング・オブ・コメディ」でクレジットとかしなくていいのだろうか? と心配になりました。

 そしてスピンオフとして後出しの説明にしか見えないところもあり、過去作のジョーカーの不気味さカリスマ性みたいなものは一切なくなり、ジョーカーというキャラクターがどんどんと小さいものに見えてしまいました。主人公が追い込まれていく描写も他の作品とかで見たことあるようなものばかりで、ホアキン・フェニックスの熱演で引っ張られますが、これでジョーカーという男になるんだとちょっと肩透かしな展開が続きました。

 自分の性格がひねくれているせいか「アメコミで史上初のヴェネツィア金獅子賞受賞!」「アカデミー賞最有力!」という情報が入ってきてしまっているせいか、アート映画を狙ってのアート映画に仕上げているかのような空気を感じてしまって冷たい視線になってしまい、前情報なくミニシアターとかでこの作品を見たときに「なんかホアキン・フェニックスの凄い映画見た!」と盛り上がりそうな作品でした。

そして、結果、格差社会がいけないというのが勉強になる映画でした。

無理に暗いエピソードを詰め込んでる感が…

投稿日

2020/02/11

レビュアー

XPT

暗いエピソードてんこ盛りで、悪が目覚める訳だが、
約2時間という尺に詰め込みすぎてわざとらしさが強い。

アーサーくらいの年齢でこの程度のエピソードは
「誰にでも」とは言わないが、案外多くの人が似たような
経験をしてるんじゃないかと思います。
程度の差こそあれ、「だまされた」「たたかれた」「じゃけんにされた」「無視された」などなど…です。

て、それをきっかけに狂気に取り憑かれるというストーリーは安直な映画のパターンであり、
現実はもっと厳しく、人はそれに耐えて生きていると思います。

もっと練った展開を期待していたので、この作品が
取り立てて賞賛されるほどの映画とはとうてい思えませんでした。

哀切と狂気の世界

投稿日

2020/02/02

レビュアー

趣味は洋画

ジョーカー(2019年・アメリカ、カラー、122分)

この映画の入り口は小さくて狭いものでした。
冒頭は、鏡に向かって化粧を施す男の姿...横顔がアップで映し出される。
やがて男は、口の両端に両手の人差し指を入れ、無理やり笑顔をつくろうとする...。
一転して、リズミカルな音楽とともに、画面はゴッサムシティ(ニューヨークへの回帰・ニューヨークの街)に切り替わる。

このありふれた ‘映画の入り’ から、その後に展開されていく「哀切と狂気の世界」を想像することは出来ませんでした。小さな扉を開けたその中には、優しい心を持つ男の変貌をドラスティックに演じたホアキン・フェニックスの壮大な役者魂が存在していました。

ゴッサム・シティは政治の機能が不全状態となり、貧富の差は拡大、困窮した人々の精神も疲弊していた。道化師のアーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)は心優しい男で、母親のペニー(フランシス・コンロイ)と細々と暮らしていた。彼は脳と神経の損傷により、緊張すると笑いの発作に襲われる病気を患っている。母親も心臓と精神を病み、昔に仕えた大富豪トーマス・ウェイン(ブレット・カレン)に救済の手紙を送っていた。アーサーは持病がもとで様々なトラブルに遭い、会社もクビになる。ある日、地下鉄車内でトーマス・ウェインの会社で働くエリート3人に絡まれたアーサーは、笑いの発作が起き、3人から誤解されて袋叩きに遭う。アーサーは衝動的に銃を取り出し、3人を射殺する...。

人のこころの内は分からないものですが、大なり小なり、人間だれしもアーサーの心情が潜んでいるのではないでしょうか。
持病はなくとも、他人の理不尽な行動に反感を抱いたり、俗に云う社会悪の中でストレスが蓄積し、少しずつ自分が追い詰められていく感情。まして信じていた事柄に異変が生じ、信頼していた人に裏切られ、自分の存在を否定されることの悲しさ。
少しは私にも経験があります。だからこそアーサーの心情の幾分かは理解できますし、映画としての素晴らしさに文句のつけようもありません。

作品に対する評価は人それぞれでいいと思いますが、作品そのものを否定するかのような醜い言葉を使っての酷評レビューを目にすると、本当に残念で悲しくなります。
自分の仕事に誇りを持った、多くのスタッフや俳優たちによって完成された映画に対し、そんなことしか書けない人は、心底可哀そうな人だなと思います。

ホアキン・フェニックスの演技は素晴らしいものでした。
急階段を軽やかなステップで踊りながら降りてくるシーンは、最高の見せ場でした。
オリバー・ストーンの傑作、97年「Uターン」に出ていた頃は23歳くらいでしたが、2000年「グラディエーター」でラッセル・クロウに対峙し、一歩も引かぬ演技を見せたのは記憶に新しいところです。実兄リヴァー・フェニックスが早世したことも、ホアキンの役者魂に火を点けたのかもしれません。
2012年「ザ・マスター」をはじめとする他の作品群をみても、彼の役者としての資質は誰しも認めるところでしょう。
国籍は異なりますが、ホアキン・フェニックスには、ダニエル・デイ・ルイスのような俳優になってほしいと思います。

最後に独り言。
ロバート・デ・ニーロには、このオファーは断ってほしかった。(笑)
チャップリンのトーキー映画を観て笑っているアーサー。そのときの笑いは、純粋な笑いのように思えました。

1〜 5件 / 全64件