魂のゆくえ / イーサン・ホーク
全体の平均評価点: (5点満点)
(13 )
魂のゆくえ
/ポール・シュレイダー
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「魂のゆくえ」 の解説・あらすじ・ストーリー
作品詳細
解説・ストーリー
巨匠ポール・シュレイダー監督が、小さな教会の真面目で熱心な牧師を主人公に、現代社会が抱える様々な問題に直面する中で試されていく信仰の行方をスリリングに描き、アカデミー脚本賞ノミネートをはじめ数々の賞に絡むなど高い評価を受けたヒューマン・ドラマ。主演はイーサン・ホーク。共演にアマンダ・セイフライド。ニューヨーク州北部の小さな教会“ファースト・リフォームド”で牧師を務めるトラー。従軍牧師をしていた彼は、自ら軍に送り出した息子が戦死したことで、深い自責の念を抱えていた。ある日、妊娠中の信徒メアリーから、堕胎を迫る夫マイケルと話してほしいと相談される。深刻な環境破壊に絶望しているマイケルは、悪化する一方の世界に我が子にはいてほしくないと考えていた。そんなマイケルの主張に耳を傾けつつ、真摯に説得を試みるトラーだったが…。 JAN:4988102809676
「魂のゆくえ」 の作品情報
「魂のゆくえ」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
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魂のゆくえの詳細
収録時間:
字幕:
音声:
113分
日・英
英:ドルビーデジタル5.1ch、日:ドルビーデジタル5.1ch
レイティング:
記番:
レンタル開始日:
GNBR4909
2019年10月23日
在庫枚数
1位登録者:
2位登録者:
20枚
0人
0人
英:ドルビーデジタル5.1ch、日:ドルビーデジタル5.1ch
【Blu-ray】魂のゆくえ(ブルーレイ)の詳細
収録時間:
字幕:
音声:
113分
レイティング:
記番:
レンタル開始日:
GNXR1340
2019年10月23日
在庫枚数
1位登録者:
2位登録者:
9枚
0人
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収録時間:
字幕:
音声:
113分
日・英
英:ドルビーデジタル5.1ch、日:ドルビーデジタル5.1ch
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2019年10月23日
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ユーザーレビュー:13件
悩める牧師は、迷える狼だった!!
2018年(アメリカ)ポール・シュレイダー監督・脚本作品。 牧師が主人公なので、暗くて内省的な映画かと思って観はじめました。 予想を裏切る怒涛の展開で、非常に面白かったです。 普通、牧師は人格者で温厚・・とか先入観がありますが、この映画のトラー牧師(イーサン・ホーク)は、実はとんでもない煩悩の持ち主。 悩める子羊ならぬ悩める狼・・・なのです。 はじめは信者の悩みに優しく相談に乗る理想的な聖職者に見えます。 信者のメアリーが夫のことで相談します。 夫は環境問題にのめり込むあまり、妊婦のメアリーの出産に否定的なのです。 (地球の未来に悲観的なあまり、子供を産むべきではない・・) そう言うのです。 そして町の郊外には廃棄された汚染物質が放置されています。 それを放棄している会社から、トラーの教会支部は多額の寄付を受けているのです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ポール・シュレイダー監督が構想を50年温めてきた意欲作です。 シュレイダー監督は「タクシードライバー」や「レイジングブル」など数々の名作の脚本をてがけています。 この映画も「タクシードライバー」の主役トラヴィス(ロバート・デ・ニーロ)を彷彿させる映画で、トラー牧師を演ずるイーサン・ホークがトラー牧師という実は反社会的で暴力的側面を持つ男を実に巧みに演じています。 映像は狭いスクリーン・・標準サイズの画面です。 狭さが教会という組織の抑圧を感じさせますし、ゴスペルのBGMも 雰囲気を盛り立てます。 そして人妻メアリー(アマンダ・セイフライド)との、恋とも言える トラーとの関係。 アマンダ・セイフライドが聖母マリアさまに見えてしまいます。 (アマンダは実生活でも妊娠中で、妊婦を演じました) ラストに向かうに従い予想外の展開が続き、息も付けないのです。 そしてあまりにも衝撃的で宗教的なラスト!! 倫理的には、どうかな?とも思える映画ですが、刺激的で面白かったです。
このレビューは気に入りましたか?
はい
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結局崇高なものは何もない?
背景にほとんど音楽の使われていない、静かで真面目そうな映画。現在社会において、教会の在り方や信仰とは何かを問うている。 2ヵ月後に250周年記念式典を控えている、オランダ人入植者によって1767年に設立されたファースト・リフォームド教会(原題にもなっている)。ダッチコロニアル様式の真っ白で小さな慎ましやかな教会。それとは対照的な、有力な支援者のいる、派手で大きくモダンなアバンダント・ライフ教会。環境保護運動に傾倒する夫を心配して、リフォームド教会のトラー牧師に相談する教区民の若い夫婦の話を軸に、対照的なそのふたつの教会を舞台にした人間模様が淡々と展開される。 信仰に篤く無力感に苛まれ現状に苦悩するトラー牧師だが、250周年記念式典は、オルガンの修理費に至るまで、全額巨大エネルギー企業の出資によるもので、そのオーナーや有力政治家が中心となって執り行われるというように、もはや古くからの伝統ある教会といえども、孤高を保って信仰の純粋さを守り、世俗と無縁であることなど不可能なのだ。さらに自分自身への疑念も加わって、彼の心身を蝕んでいく。 てっきりトラー牧師は破滅的に信念に殉ずるのだと予感していると、とんでもない結末になって唖然とする。唐突に終るので、DVDの不具合なのかと思ったぐらいだ。結局、残るのは暗黒だけで、崇高なものなんて嘘っぱちと言いたいのだろうか。
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はい
5人 の会員が気に入ったと投稿しています
静かだが、張りつめた空気に満ちた作品…
NY州、ファースト・リフォームド教会の牧師・トラー(イーサン・ホーク)のもとに、 若い妊婦・メアリー(アマンダ・サイフリッド)が相談に訪れる。 彼女は、環境保護活動に熱心な夫・マイケルから 「この世界で子どもを産むのは過ちだ」と告げられたのだ。 トラーはマイケルを諭そうと試みるが、彼の考えは揺るがない。 「まるで天使と議論しているようだ」とトラーは感じるのだった。 そんな気持ちも束の間、トラーはマイケルが自死しているのを発見する… 色味を抑えた色調、白く塗られたコロニアル様式の教会外観、 プロテスタントならではの装飾のないすっきりとした教会内部、 どこか宗教画を思わせる静謐な部屋など、映像が清らかで美しい。 血液や薬品の濃い桃色など、鮮やかな色彩が禍々しく映った… 愛国的な家系の出身で従軍牧師の経験を持つトラーは、 息子をイラクに送り出して亡くし、妻に去られた。 彼の体には深刻な病の症状が表れているが、検査や治療に消極的だ。 信徒を導く立場にあるトラーだが、彼は虚無の気配を漂わせている… トラーの教会には、アバンタント・ライフ教会という母体がある。 この教会は、環境破壊を行う企業・バルクから資金提供を受けていた。 トラーは「マイケルの葬儀でバルクを非難した」と上層部から咎められる。 ニール・ヤングのプロテスト・ソングを聖歌隊に歌わせたことが原因だった。 (原曲を敬虔な雰囲気にアレンジした良い魔改造!) 妻子を失い、マイケルを救えず、健康不安を抱え、教会の堕落を目にしたことで、 トラーの信仰や考えは危険なものへと変わっていく。 静かだが張りつめた空気に満ちた作品。 断ち切るようなラストも好き。 愛は人を改心させ救うことが出来ると信じたい…
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はい
3人 の会員が気に入ったと投稿しています
『All You Need Is Love』♪か...
う〜ん、どうなんでしょうねぇ... 環境問題を採り上げてるのは善しとして、作品全体としてもう一つまとまりがないというか、監督の主張がクッキリと浮き出ていない感じですねえ。邦題もしっくりしないし... イーサン・ホークの牧師姿、振る舞いはよいのだけど、話自体になんかリアリティがない。 とくにメアリーとの絡みで、後半の瞑想場面とラストの唐突な抱擁...彼女どうやって入ったの?ドアには鍵がかかっていてジェファーズ牧師は入れなかったのに。その前も、トラー牧師の爆弾ジャケットから有刺鉄線ぐるり巻きとあまりにクレイジーな展開に呆れてしまった。邦題から、もしかして死んだマイケルの魂がトラーに乗り移って...なんて考えも浮かんだのだが、そういった伏線は無く、トラー牧師が心を病んでいたとしても、不自然な話の流れのため惹き込まれることがなかった。 もう一方の主題、教会について。 その体質はもうローマ帝国による公認、国教化へ、そして中世から近代まで続いたキリスト教会の大権力・大権威時代と同じ。 教会も、布教を広げ信徒を増やし拡大していくためにはお金が必要。また、大きくなった組織を維持していくのにもお金が必要と。 ローマ教会は帝国というスポンサーを得て、持ちつ持たれつの関係から巨大な権力機構へと変貌していった。キリスト教国になったからといってローマ帝国が戦争をやめるわけもなく、身分制社会のなかでの弱者に対する抑圧・横暴は続いていたはずだ。しかし教会指導者たちはスポンサー側の立場を守り、不都合な事実には目を瞑ってきた。社会の構造は基本的に昔も今も変わっていないのだ。 もっとも、「愛は律法を凌駕した。律法の目的は愛によって成就した」と、ユダヤ教の不完全さを克服した(とされる)キリスト教の本質に寄って評価するなら、あの結末は「あり」かもね。
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はい
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「アスペクト比1.33」へのリスペクト
「魂のゆくえ」(2017年、米国、カラー、113分)。 ポール・シュレイダー(1946生)と言えば、やはり、「タクシー・ドライバー」(1976)、「レイジング・ブル」(1980)の脚本家なのですが、監督作として見ているのは、少ないです。N・キンスキー主演の「キャット・ピープル」(1982→なぜかノン・クレジットになる)、N・ノルティ主演の「白い刻印」(1997)は素晴らしかったですが、N・ケイジ主演の「救命士」(1999)は眠い映画でした。J・ゴールドブラム主演の「囚われのサーカス」(2008)は未見です。 神父:プロテスタント(新教)、牧師:カトリック(旧教)。 「エルンスト・トラー」(イーサン・ホーク)は牧師で、ニューヨークの小教会に「勤務」している。 彼は自分の信仰を一つの書物にまとめようとしているが、それはなかなかまとまらない。 父の代からの牧師だが、彼の信仰史は現在の大都市の腐敗を知るゆえ、自分の活動と現実のギャップとに挟まらざるを得ない。彼は、日本食レストランで「刺身」を食べて、「なぜ我慢する必要がある」と内省する。 「ささやかなる喜び」を肯定すべきではないかと自問する。「なぜ我慢する」「快楽は本膳だ」。 僕は聖書読書者ではあるが、洗礼を受けていないし、カトリックでもプロテスタントでもないが、知識からだけコメントすると、米国のプロテスタントは、かなりカトリックの影響を受けた統合信仰ではなかろうか、と思っている。この多民族国家にふさわしく、変質、多様化したプロテスタントであろう。もともと、プロテスタントは、そういうものなのだ。アイルランド出身でカトリック教徒で初めて大統領になったJFKは、カトリックの戒律を決して守らなかったが、彼の暗殺の背景に宗教的な対立はあったと思う。彼が大統領になったとき、憎しみは募ったのだ。同族対立は欧州で続いてきて、今は、米国で複雑化している米国の主流は当然ながらプロテスタントであるが、それが奇妙に複雑化しているのだ。 この映画では、9.11.2001の同時テロが背景にあり、「エルンスト・トラー」(ホーク)が奇妙なテロを起こそうとすることも、米国でのキリスト教信仰の現世主義崩壊の核心につながっていると思う。牧師のような専門聖職者ではなく、一般の日曜信者が、「信じていたのに、祈っていたのに、あの二重タワーの人々は救われなかった。落下して死んだ。神はどこにいるのか。」と思った。彼「トラー」は、イスラムに改宗したのではない。「マイケル」という男が重要であるが、彼は環境活動家ではない。「トラー」の背徳もテロもも、実は何でもない。最後のひねりも、序盤からついて行けない僕にとっては、「そうか」という感じでした。 たぶん、自分が求めているものとは、ずれた映画でした。僕の思想過程も迷走していますが、この「監督の思想過程」は迷走している。芸術家や表現者は、数十年もかかって「一作」の仕事を構想したとしても、こんな会話主体の淡明な講釈的な形で発表するべきではない、と思う。10年単位で、決算し、評価を受けることが必要だ。この映画は私小説的だが、継続性がない。これを最後の決算だというなれば、ちよっと待ってください、ポール、もっと書いてくれ、と言いたい。貴方は「ザ・ヤクザ」(1974)の脚本を書き、「Mishima: A Life In Four Chapters」(1985)の監督・脚本家ではないか、と。もっと、生きよ。遺書ではなく。 冒頭の監督の視聴指定「アスペクト比1.33」は、映画の投影画面サイズ、DVDの再現サイズの問題で、ワイドを拒否するということだ。昔のアナログ真空管テレビの左右上下のサイズ、横の短い、普通のサイズで見てください、ということだろう。標準50ミリサイズの人の通常視角を求めている。それは立派だ。 自分を鉄の茨の綱で巻き、血まみれになった神父の胸に、敬意を表する。僕は迷っている。 彼には、「ジョゼフ」という息子をイラクで死なせた悔いがあった。彼の罪であったか?
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はい
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ユーザーレビュー
悩める牧師は、迷える狼だった!!
投稿日
2019/09/28
レビュアー
カマンベール
2018年(アメリカ)ポール・シュレイダー監督・脚本作品。 牧師が主人公なので、暗くて内省的な映画かと思って観はじめました。 予想を裏切る怒涛の展開で、非常に面白かったです。 普通、牧師は人格者で温厚・・とか先入観がありますが、この映画のトラー牧師(イーサン・ホーク)は、実はとんでもない煩悩の持ち主。 悩める子羊ならぬ悩める狼・・・なのです。 はじめは信者の悩みに優しく相談に乗る理想的な聖職者に見えます。 信者のメアリーが夫のことで相談します。 夫は環境問題にのめり込むあまり、妊婦のメアリーの出産に否定的なのです。 (地球の未来に悲観的なあまり、子供を産むべきではない・・) そう言うのです。 そして町の郊外には廃棄された汚染物質が放置されています。 それを放棄している会社から、トラーの教会支部は多額の寄付を受けているのです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ポール・シュレイダー監督が構想を50年温めてきた意欲作です。 シュレイダー監督は「タクシードライバー」や「レイジングブル」など数々の名作の脚本をてがけています。 この映画も「タクシードライバー」の主役トラヴィス(ロバート・デ・ニーロ)を彷彿させる映画で、トラー牧師を演ずるイーサン・ホークがトラー牧師という実は反社会的で暴力的側面を持つ男を実に巧みに演じています。 映像は狭いスクリーン・・標準サイズの画面です。 狭さが教会という組織の抑圧を感じさせますし、ゴスペルのBGMも 雰囲気を盛り立てます。 そして人妻メアリー(アマンダ・セイフライド)との、恋とも言える トラーとの関係。 アマンダ・セイフライドが聖母マリアさまに見えてしまいます。 (アマンダは実生活でも妊娠中で、妊婦を演じました) ラストに向かうに従い予想外の展開が続き、息も付けないのです。 そしてあまりにも衝撃的で宗教的なラスト!! 倫理的には、どうかな?とも思える映画ですが、刺激的で面白かったです。
結局崇高なものは何もない?
投稿日
2019/11/07
レビュアー
hinakksk
背景にほとんど音楽の使われていない、静かで真面目そうな映画。現在社会において、教会の在り方や信仰とは何かを問うている。 2ヵ月後に250周年記念式典を控えている、オランダ人入植者によって1767年に設立されたファースト・リフォームド教会(原題にもなっている)。ダッチコロニアル様式の真っ白で小さな慎ましやかな教会。それとは対照的な、有力な支援者のいる、派手で大きくモダンなアバンダント・ライフ教会。環境保護運動に傾倒する夫を心配して、リフォームド教会のトラー牧師に相談する教区民の若い夫婦の話を軸に、対照的なそのふたつの教会を舞台にした人間模様が淡々と展開される。 信仰に篤く無力感に苛まれ現状に苦悩するトラー牧師だが、250周年記念式典は、オルガンの修理費に至るまで、全額巨大エネルギー企業の出資によるもので、そのオーナーや有力政治家が中心となって執り行われるというように、もはや古くからの伝統ある教会といえども、孤高を保って信仰の純粋さを守り、世俗と無縁であることなど不可能なのだ。さらに自分自身への疑念も加わって、彼の心身を蝕んでいく。 てっきりトラー牧師は破滅的に信念に殉ずるのだと予感していると、とんでもない結末になって唖然とする。唐突に終るので、DVDの不具合なのかと思ったぐらいだ。結局、残るのは暗黒だけで、崇高なものなんて嘘っぱちと言いたいのだろうか。
静かだが、張りつめた空気に満ちた作品…
投稿日
2019/12/04
レビュアー
コタロウ(!)
NY州、ファースト・リフォームド教会の牧師・トラー(イーサン・ホーク)のもとに、 若い妊婦・メアリー(アマンダ・サイフリッド)が相談に訪れる。 彼女は、環境保護活動に熱心な夫・マイケルから 「この世界で子どもを産むのは過ちだ」と告げられたのだ。 トラーはマイケルを諭そうと試みるが、彼の考えは揺るがない。 「まるで天使と議論しているようだ」とトラーは感じるのだった。 そんな気持ちも束の間、トラーはマイケルが自死しているのを発見する… 色味を抑えた色調、白く塗られたコロニアル様式の教会外観、 プロテスタントならではの装飾のないすっきりとした教会内部、 どこか宗教画を思わせる静謐な部屋など、映像が清らかで美しい。 血液や薬品の濃い桃色など、鮮やかな色彩が禍々しく映った… 愛国的な家系の出身で従軍牧師の経験を持つトラーは、 息子をイラクに送り出して亡くし、妻に去られた。 彼の体には深刻な病の症状が表れているが、検査や治療に消極的だ。 信徒を導く立場にあるトラーだが、彼は虚無の気配を漂わせている… トラーの教会には、アバンタント・ライフ教会という母体がある。 この教会は、環境破壊を行う企業・バルクから資金提供を受けていた。 トラーは「マイケルの葬儀でバルクを非難した」と上層部から咎められる。 ニール・ヤングのプロテスト・ソングを聖歌隊に歌わせたことが原因だった。 (原曲を敬虔な雰囲気にアレンジした良い魔改造!) 妻子を失い、マイケルを救えず、健康不安を抱え、教会の堕落を目にしたことで、 トラーの信仰や考えは危険なものへと変わっていく。 静かだが張りつめた空気に満ちた作品。 断ち切るようなラストも好き。 愛は人を改心させ救うことが出来ると信じたい…
『All You Need Is Love』♪か...
投稿日
2019/12/21
レビュアー
哲郎
う〜ん、どうなんでしょうねぇ... 環境問題を採り上げてるのは善しとして、作品全体としてもう一つまとまりがないというか、監督の主張がクッキリと浮き出ていない感じですねえ。邦題もしっくりしないし... イーサン・ホークの牧師姿、振る舞いはよいのだけど、話自体になんかリアリティがない。 とくにメアリーとの絡みで、後半の瞑想場面とラストの唐突な抱擁...彼女どうやって入ったの?ドアには鍵がかかっていてジェファーズ牧師は入れなかったのに。その前も、トラー牧師の爆弾ジャケットから有刺鉄線ぐるり巻きとあまりにクレイジーな展開に呆れてしまった。邦題から、もしかして死んだマイケルの魂がトラーに乗り移って...なんて考えも浮かんだのだが、そういった伏線は無く、トラー牧師が心を病んでいたとしても、不自然な話の流れのため惹き込まれることがなかった。 もう一方の主題、教会について。 その体質はもうローマ帝国による公認、国教化へ、そして中世から近代まで続いたキリスト教会の大権力・大権威時代と同じ。 教会も、布教を広げ信徒を増やし拡大していくためにはお金が必要。また、大きくなった組織を維持していくのにもお金が必要と。 ローマ教会は帝国というスポンサーを得て、持ちつ持たれつの関係から巨大な権力機構へと変貌していった。キリスト教国になったからといってローマ帝国が戦争をやめるわけもなく、身分制社会のなかでの弱者に対する抑圧・横暴は続いていたはずだ。しかし教会指導者たちはスポンサー側の立場を守り、不都合な事実には目を瞑ってきた。社会の構造は基本的に昔も今も変わっていないのだ。 もっとも、「愛は律法を凌駕した。律法の目的は愛によって成就した」と、ユダヤ教の不完全さを克服した(とされる)キリスト教の本質に寄って評価するなら、あの結末は「あり」かもね。
「アスペクト比1.33」へのリスペクト
投稿日
2019/11/14
レビュアー
ちゅく
「魂のゆくえ」(2017年、米国、カラー、113分)。 ポール・シュレイダー(1946生)と言えば、やはり、「タクシー・ドライバー」(1976)、「レイジング・ブル」(1980)の脚本家なのですが、監督作として見ているのは、少ないです。N・キンスキー主演の「キャット・ピープル」(1982→なぜかノン・クレジットになる)、N・ノルティ主演の「白い刻印」(1997)は素晴らしかったですが、N・ケイジ主演の「救命士」(1999)は眠い映画でした。J・ゴールドブラム主演の「囚われのサーカス」(2008)は未見です。 神父:プロテスタント(新教)、牧師:カトリック(旧教)。 「エルンスト・トラー」(イーサン・ホーク)は牧師で、ニューヨークの小教会に「勤務」している。 彼は自分の信仰を一つの書物にまとめようとしているが、それはなかなかまとまらない。 父の代からの牧師だが、彼の信仰史は現在の大都市の腐敗を知るゆえ、自分の活動と現実のギャップとに挟まらざるを得ない。彼は、日本食レストランで「刺身」を食べて、「なぜ我慢する必要がある」と内省する。 「ささやかなる喜び」を肯定すべきではないかと自問する。「なぜ我慢する」「快楽は本膳だ」。 僕は聖書読書者ではあるが、洗礼を受けていないし、カトリックでもプロテスタントでもないが、知識からだけコメントすると、米国のプロテスタントは、かなりカトリックの影響を受けた統合信仰ではなかろうか、と思っている。この多民族国家にふさわしく、変質、多様化したプロテスタントであろう。もともと、プロテスタントは、そういうものなのだ。アイルランド出身でカトリック教徒で初めて大統領になったJFKは、カトリックの戒律を決して守らなかったが、彼の暗殺の背景に宗教的な対立はあったと思う。彼が大統領になったとき、憎しみは募ったのだ。同族対立は欧州で続いてきて、今は、米国で複雑化している米国の主流は当然ながらプロテスタントであるが、それが奇妙に複雑化しているのだ。 この映画では、9.11.2001の同時テロが背景にあり、「エルンスト・トラー」(ホーク)が奇妙なテロを起こそうとすることも、米国でのキリスト教信仰の現世主義崩壊の核心につながっていると思う。牧師のような専門聖職者ではなく、一般の日曜信者が、「信じていたのに、祈っていたのに、あの二重タワーの人々は救われなかった。落下して死んだ。神はどこにいるのか。」と思った。彼「トラー」は、イスラムに改宗したのではない。「マイケル」という男が重要であるが、彼は環境活動家ではない。「トラー」の背徳もテロもも、実は何でもない。最後のひねりも、序盤からついて行けない僕にとっては、「そうか」という感じでした。 たぶん、自分が求めているものとは、ずれた映画でした。僕の思想過程も迷走していますが、この「監督の思想過程」は迷走している。芸術家や表現者は、数十年もかかって「一作」の仕事を構想したとしても、こんな会話主体の淡明な講釈的な形で発表するべきではない、と思う。10年単位で、決算し、評価を受けることが必要だ。この映画は私小説的だが、継続性がない。これを最後の決算だというなれば、ちよっと待ってください、ポール、もっと書いてくれ、と言いたい。貴方は「ザ・ヤクザ」(1974)の脚本を書き、「Mishima: A Life In Four Chapters」(1985)の監督・脚本家ではないか、と。もっと、生きよ。遺書ではなく。 冒頭の監督の視聴指定「アスペクト比1.33」は、映画の投影画面サイズ、DVDの再現サイズの問題で、ワイドを拒否するということだ。昔のアナログ真空管テレビの左右上下のサイズ、横の短い、普通のサイズで見てください、ということだろう。標準50ミリサイズの人の通常視角を求めている。それは立派だ。 自分を鉄の茨の綱で巻き、血まみれになった神父の胸に、敬意を表する。僕は迷っている。 彼には、「ジョゼフ」という息子をイラクで死なせた悔いがあった。彼の罪であったか?
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